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授かりし者
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赤ん坊は、曇りのない黒い瞳で、自分を抱き上げた男──靂の、黄金の瞳を不思議そうに見つめた。身体はふわふわと柔らかいが、手には思った以上にずっしりと体重がかかる。
三十になるこの歳まで、こんなに小さな赤ん坊に触れたことはない。冷静な眼差しで赤ん坊を見つめながら、靂は内心、どうしたものかと考えていた。
「ひとまず、怪我や病気はないようで、安心ですね。首もちゃんと据わっているし、良好な状態です」
医師が鞄に器具をしまいながら、笑顔で言った。
赤ん坊が、靂の顔に向けて手を伸ばす。落としそうな予感がして、靂は反射的にその身体を抱き寄せた。小さな手が、思いのほか強くしがみついてくる。赤ん坊は片手で、靂の肩にかかる白銀髪の髪を掴んだ。
障子越しに様子を見ていた女たちが、わぁと沸く。
「まあ、本当に可愛らしい」
「あんなにしっかり、靂様にしがみついて」
「靂様も、抱っこがお上手ね」
隣に控えている従者の桂城までもが相好を崩し、微笑ましげに自分を見ている。
四方八方から、今まで向けられたことのない温かな眼差しを感じて、靂は困惑した。すぐにでもこの場を去りたい衝動に駆られたが、髪を掴まれて身動きが取れない。恐る恐る赤ん坊を肩から引き剥がすと、また、黒い瞳と視線がぶつかった。
赤ん坊は、どことなく嬉しそうに「あーあー」と声をあげ、手にしていた靂の髪を、口元へ運ぼうとする。
「待て。それは口にするな」
とっさに自分の髪を解放すると、赤ん坊の指が、次に掴むものを求め──靂の手を握った。
その途端、脳裏によぎったのは、三年前に世を去った許嫁、姫沙夜の姿だった。
眠りにつく最期の時まで自分の手を握っていた、華奢な指先。それ以来、誰も握ったことのない冷えたこの手を、赤ん坊の温かな手が、溶かすように掴んでいる。
「桂城」
靂は、隣の従者に呼びかけた。
「この赤ん坊の身元の手がかりがないか、近隣の情報を探れ。遠い親戚でも何でも良い。見つけ次第、その者に引き渡そう」
────────────
ドラグ・デルタが大噴火をしたのは、ほんの数日前だ。靂が治めるこの羅沙の社はある程度の距離があるので無事だったが、かなりの広範囲に甚大な被害が及び、今も度々の余震と小さな噴火、しばしば空を覆う噴煙で、この先しばらくはその影響が案じられた。
その被害の調査中に、あろうことが、まだほど近くに溶岩流が燻っているような場所で、この赤子が一人、簡素な肌着とボロ布に包まって、鞘ごと地面に突き立った剣の傍で泣いていたのだ。さすがに置いて行ける状況でもなく、剣とともに社へ連れ帰ってみたものの、生後半年ほどの男児であるということ以外は、何も分からなかった。
ひとまず赤ん坊の世話は、社に身を寄せている、もうじき一歳を迎える男児の母で未亡人の、静流が引き受けてくれた。
どうであれ、長く社に置くつもりがない以上、あまり情が移るようなことがあってはならない。靂はあまり赤ん坊に近づかないように意識しつつ、情報が届くのを待った。
ところが、靂の思惑とは裏腹に、噴火が収まりしばらく経っても、赤ん坊の身元が分かるような情報は何も出てこなかった。
「もしかしたら、噴火に巻き込まれた集落の出身なのやも知れませぬな」
歩き始めた我が子と庭に散歩に出た静流の代わりに、赤ん坊の昼寝を見守っていた桂城は、部屋に現れた靂に言った。
「あんな場所に独りで転がって泣いていたことを思うと、不憫と言えばそうですが──こんなにすやすや眠っていて、本人はどこ吹く風ですねえ」
靂も、なんとはなしに赤ん坊の寝顔を覗き込んだ。
桂城の言う通り、赤ん坊は自分の境遇など全く自覚なく、気持ちよさそうな寝息を立てている。
今なら触れても大丈夫な気がして、亡き姫沙夜と同じ黒髪が芝生のようにふわふわと生えている頭に、そっと手を添えてみた。
温かい。
<姫沙夜が生きていたら>
今頃は、彼女との子が、ここにいたかも知れない。
忘れていたはずの感情が湧き上がり、靂は狼狽えた。
赤ん坊は、自分がここにいることに何の疑問も持たず、当たり前のように世話をされて、腹を満たし、気づけば社の人間たちの真ん中にいる。
「どうなさいますか?」
桂城が、問うた。
その優しげな目元に、靂は自分がどんな表情になっていたのか急に気づいて、眉根を引き締める。
「今さら、拾った場所に返しに行くわけにもいくまい」
靂は、また心が緩むのを無意識に恐れて、視線を上げた。
「だが、名も分からぬのは不便だな」
きっとこの赤ん坊にも、名があったに違いない。しかし、それを知る術はなさそうだった。そしておそらく、今の段階で何の手がかりも得られないということは、もうこの先に身元が判明する可能性もほとんどないであろうことは、予測がついた。
「お付けになられたら、いかがでしょう」
靂の中の何かを悟ったように、桂城が提案した。
「私が?」
桂城は、頷く。
「その子は、靂様のことを信頼しておられますよ。靂様がいらっしゃると、安心するんでしょう」
「そんなことが、分かるはずがなかろう」
その時、赤ん坊が急にむずがり始め、不快そうに身体を拗らせた。
「おや、どうしたんでしょう」
桂城がどうするべきかとおろおろしだした前で、靂は思わず、寝ている赤ん坊をそっと両腕で抱え、胡座を組んだ自らの脚の上にそっと乗せた。赤ん坊が、本能的にか、その身を靂に寄せる。まだ不安そうに彷徨わせた紅葉のような小さな手を、掌で包んだ。すると赤ん坊は、また安らかな表情になって、眠りへと戻っていった。
こうして誰かの手を包むのも、姫沙夜を亡くして以来だと、靂は思った。
桂城が温かな眼差しで、「ほら」と靂の腕の中の赤ん坊を見つめる。
「やっぱり、靂様がお好きなんでしょう」
否定する気にもなれず、靂は小さくため息をついた。
────────────
その夜、靂は塔の三階の自室から、久方ぶりにゆっくりと星空を見上げていた。噴火の直後はずっと煙で曇っていたが、ここ数日は、だいぶ薄れてきて、星の輝きが回復しつつある。
欄干に手を掛け、いつか姫沙夜に教えた星座を、口に出さずに目で辿る。
ふと。
眼下の平屋、赤ん坊がいる部屋のあたりから、微かに泣き声が聞こえた。夜泣きという行動があると、静流や女たちが言っていたが、あれがそうなのだろうか。
<見つけた時も、獣のように力強く啼いていたな>
噴火の影響が残る大地で、独り──
<ここで育てるにしても、己の道は、自分で切り開いてもらうしかないが>
自分で、自分なりの正しい道を選び、生き抜くしかないのだ。そう、義の道を。
その字を充て、啼義。
「啼義と、名付けるか」
音を確かめようと、口に出して呟いた時。
──良い名ですね。
ふわりと耳の傍に響いたのは、姫沙夜の声だ。靂は左側を振り返る。
そこに、艶やかな黒髪を結い上げた、愛しき許嫁が立っている。彼女は菫色の瞳で、靂を見上げた。
──大丈夫。靂様ならきっと、立派に育てられます。
そう言って微笑むと、姫沙夜の残像は消えた。
靂はしばらくその場所を見つめていたが、もうそこに気配がないことを確認すると、空へ視線を戻す。瞬く星の中に、姫沙夜は還ったのだろうか。
全く。
<やっと現れたと思ったら、お前までそんなことを──>
「私一人で、か」
靂は独りごちた。
「こういうことは、お前と望んでいたのだがな」
それでも。
赤ん坊──啼義に触れた温かさが、永く凍っていた自身の心の奥を、ほんの少し溶かしたのを、靂は自覚せざるを得なかった。
夜泣きはいつの間にか、聞こえなくなっている。
一切の身寄りからも引き離されて始まった啼義の人生には、どのような道が用意されているのだろう。
今しばらくは何も思わないだろうが、長じてくれば、父も母も分からぬ身で、この羅沙の社にいる意味を、疑問に思う日も来るだろう。
生きていれば必ず報われるなどとは、到底言えないが。
<暗い道でも迷わぬよう、いつか星の読み方を教えてやろう>
啼義に。
伴侶を亡くして三年。子供だけが手元に来るとは。
<可笑しなことだな>
靂は、啼義の小さな手の温もりを思い出し、ほんの一瞬、その口元に優しげな微笑みを浮かべると、颯爽と身を翻し、更けた夜の空に背を向けた。
(了)
三十になるこの歳まで、こんなに小さな赤ん坊に触れたことはない。冷静な眼差しで赤ん坊を見つめながら、靂は内心、どうしたものかと考えていた。
「ひとまず、怪我や病気はないようで、安心ですね。首もちゃんと据わっているし、良好な状態です」
医師が鞄に器具をしまいながら、笑顔で言った。
赤ん坊が、靂の顔に向けて手を伸ばす。落としそうな予感がして、靂は反射的にその身体を抱き寄せた。小さな手が、思いのほか強くしがみついてくる。赤ん坊は片手で、靂の肩にかかる白銀髪の髪を掴んだ。
障子越しに様子を見ていた女たちが、わぁと沸く。
「まあ、本当に可愛らしい」
「あんなにしっかり、靂様にしがみついて」
「靂様も、抱っこがお上手ね」
隣に控えている従者の桂城までもが相好を崩し、微笑ましげに自分を見ている。
四方八方から、今まで向けられたことのない温かな眼差しを感じて、靂は困惑した。すぐにでもこの場を去りたい衝動に駆られたが、髪を掴まれて身動きが取れない。恐る恐る赤ん坊を肩から引き剥がすと、また、黒い瞳と視線がぶつかった。
赤ん坊は、どことなく嬉しそうに「あーあー」と声をあげ、手にしていた靂の髪を、口元へ運ぼうとする。
「待て。それは口にするな」
とっさに自分の髪を解放すると、赤ん坊の指が、次に掴むものを求め──靂の手を握った。
その途端、脳裏によぎったのは、三年前に世を去った許嫁、姫沙夜の姿だった。
眠りにつく最期の時まで自分の手を握っていた、華奢な指先。それ以来、誰も握ったことのない冷えたこの手を、赤ん坊の温かな手が、溶かすように掴んでいる。
「桂城」
靂は、隣の従者に呼びかけた。
「この赤ん坊の身元の手がかりがないか、近隣の情報を探れ。遠い親戚でも何でも良い。見つけ次第、その者に引き渡そう」
────────────
ドラグ・デルタが大噴火をしたのは、ほんの数日前だ。靂が治めるこの羅沙の社はある程度の距離があるので無事だったが、かなりの広範囲に甚大な被害が及び、今も度々の余震と小さな噴火、しばしば空を覆う噴煙で、この先しばらくはその影響が案じられた。
その被害の調査中に、あろうことが、まだほど近くに溶岩流が燻っているような場所で、この赤子が一人、簡素な肌着とボロ布に包まって、鞘ごと地面に突き立った剣の傍で泣いていたのだ。さすがに置いて行ける状況でもなく、剣とともに社へ連れ帰ってみたものの、生後半年ほどの男児であるということ以外は、何も分からなかった。
ひとまず赤ん坊の世話は、社に身を寄せている、もうじき一歳を迎える男児の母で未亡人の、静流が引き受けてくれた。
どうであれ、長く社に置くつもりがない以上、あまり情が移るようなことがあってはならない。靂はあまり赤ん坊に近づかないように意識しつつ、情報が届くのを待った。
ところが、靂の思惑とは裏腹に、噴火が収まりしばらく経っても、赤ん坊の身元が分かるような情報は何も出てこなかった。
「もしかしたら、噴火に巻き込まれた集落の出身なのやも知れませぬな」
歩き始めた我が子と庭に散歩に出た静流の代わりに、赤ん坊の昼寝を見守っていた桂城は、部屋に現れた靂に言った。
「あんな場所に独りで転がって泣いていたことを思うと、不憫と言えばそうですが──こんなにすやすや眠っていて、本人はどこ吹く風ですねえ」
靂も、なんとはなしに赤ん坊の寝顔を覗き込んだ。
桂城の言う通り、赤ん坊は自分の境遇など全く自覚なく、気持ちよさそうな寝息を立てている。
今なら触れても大丈夫な気がして、亡き姫沙夜と同じ黒髪が芝生のようにふわふわと生えている頭に、そっと手を添えてみた。
温かい。
<姫沙夜が生きていたら>
今頃は、彼女との子が、ここにいたかも知れない。
忘れていたはずの感情が湧き上がり、靂は狼狽えた。
赤ん坊は、自分がここにいることに何の疑問も持たず、当たり前のように世話をされて、腹を満たし、気づけば社の人間たちの真ん中にいる。
「どうなさいますか?」
桂城が、問うた。
その優しげな目元に、靂は自分がどんな表情になっていたのか急に気づいて、眉根を引き締める。
「今さら、拾った場所に返しに行くわけにもいくまい」
靂は、また心が緩むのを無意識に恐れて、視線を上げた。
「だが、名も分からぬのは不便だな」
きっとこの赤ん坊にも、名があったに違いない。しかし、それを知る術はなさそうだった。そしておそらく、今の段階で何の手がかりも得られないということは、もうこの先に身元が判明する可能性もほとんどないであろうことは、予測がついた。
「お付けになられたら、いかがでしょう」
靂の中の何かを悟ったように、桂城が提案した。
「私が?」
桂城は、頷く。
「その子は、靂様のことを信頼しておられますよ。靂様がいらっしゃると、安心するんでしょう」
「そんなことが、分かるはずがなかろう」
その時、赤ん坊が急にむずがり始め、不快そうに身体を拗らせた。
「おや、どうしたんでしょう」
桂城がどうするべきかとおろおろしだした前で、靂は思わず、寝ている赤ん坊をそっと両腕で抱え、胡座を組んだ自らの脚の上にそっと乗せた。赤ん坊が、本能的にか、その身を靂に寄せる。まだ不安そうに彷徨わせた紅葉のような小さな手を、掌で包んだ。すると赤ん坊は、また安らかな表情になって、眠りへと戻っていった。
こうして誰かの手を包むのも、姫沙夜を亡くして以来だと、靂は思った。
桂城が温かな眼差しで、「ほら」と靂の腕の中の赤ん坊を見つめる。
「やっぱり、靂様がお好きなんでしょう」
否定する気にもなれず、靂は小さくため息をついた。
────────────
その夜、靂は塔の三階の自室から、久方ぶりにゆっくりと星空を見上げていた。噴火の直後はずっと煙で曇っていたが、ここ数日は、だいぶ薄れてきて、星の輝きが回復しつつある。
欄干に手を掛け、いつか姫沙夜に教えた星座を、口に出さずに目で辿る。
ふと。
眼下の平屋、赤ん坊がいる部屋のあたりから、微かに泣き声が聞こえた。夜泣きという行動があると、静流や女たちが言っていたが、あれがそうなのだろうか。
<見つけた時も、獣のように力強く啼いていたな>
噴火の影響が残る大地で、独り──
<ここで育てるにしても、己の道は、自分で切り開いてもらうしかないが>
自分で、自分なりの正しい道を選び、生き抜くしかないのだ。そう、義の道を。
その字を充て、啼義。
「啼義と、名付けるか」
音を確かめようと、口に出して呟いた時。
──良い名ですね。
ふわりと耳の傍に響いたのは、姫沙夜の声だ。靂は左側を振り返る。
そこに、艶やかな黒髪を結い上げた、愛しき許嫁が立っている。彼女は菫色の瞳で、靂を見上げた。
──大丈夫。靂様ならきっと、立派に育てられます。
そう言って微笑むと、姫沙夜の残像は消えた。
靂はしばらくその場所を見つめていたが、もうそこに気配がないことを確認すると、空へ視線を戻す。瞬く星の中に、姫沙夜は還ったのだろうか。
全く。
<やっと現れたと思ったら、お前までそんなことを──>
「私一人で、か」
靂は独りごちた。
「こういうことは、お前と望んでいたのだがな」
それでも。
赤ん坊──啼義に触れた温かさが、永く凍っていた自身の心の奥を、ほんの少し溶かしたのを、靂は自覚せざるを得なかった。
夜泣きはいつの間にか、聞こえなくなっている。
一切の身寄りからも引き離されて始まった啼義の人生には、どのような道が用意されているのだろう。
今しばらくは何も思わないだろうが、長じてくれば、父も母も分からぬ身で、この羅沙の社にいる意味を、疑問に思う日も来るだろう。
生きていれば必ず報われるなどとは、到底言えないが。
<暗い道でも迷わぬよう、いつか星の読み方を教えてやろう>
啼義に。
伴侶を亡くして三年。子供だけが手元に来るとは。
<可笑しなことだな>
靂は、啼義の小さな手の温もりを思い出し、ほんの一瞬、その口元に優しげな微笑みを浮かべると、颯爽と身を翻し、更けた夜の空に背を向けた。
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