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第5章 奴隷と死霊術師
第63話 禁止令
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――そう、それはわかり切っていたことだ。
あのカルト騒ぎから、早数日。
私は自らが行ってしまった行いの罪深さをはっきりと、認識させられていた。
そうだ、そもそも聖罰とはそう簡単に行ってはいけない奇跡なのだ。
膨大な魔力を必要とするとはいえ、それだけで天上の存在である神の手を煩わらせることの厳しさを。
奇跡という神が人に魔物に対抗するために与えたものを、人間同士のいざこざで使うことの罪深さを。
さらには、死霊術師という人の道を外れた外道がこの奇跡に頼る事への危うさを。
だからこそ、今自分はこのような罰を受けているのだ。
そう、これが私の聖痕による今回の罪《カルマ》。
我が右腕につけられた【聖痕《スティグマ》】、その呪いにより私は……。
「う、ううわぁあああああんん!」
「い、いや、そんなに泣かなくても……」
「だって、せっかくのせっかくのモフモフタイムがぁああ!!!」
そう!なんと、我が右手に宿った【聖痕】の効能は強力な【浄化】。
そのせいで、ここ最近の日課であったマートへのなでなでモフモフが封印されてしまったのだ!!!
これを悲劇と言わず、なんというのか!!
「い、いや、別に触れただけで即死するわけでもないし、多少触るくらいなら別に構わないが……」
自分の余りのへこみっぷりにマートが助け船を出してくれる。
が残念ながらその行為に甘えるわけにはいかない。
「や、それに関してはマートちゃんは邪神の眷属でもあるでしょ?
それなのに、この右手で触れたら、マートちゃんの皮膚やら毛並みが傷付いちゃうから」
証明とばかりに、彼女から抜け落ちた獣毛を右手で拾い上げると、それがさらさらと崩れ舞い散る。
「折角最近は、その毛並みもよくなったし。
それでマートちゃんを傷つけちゃって嫌われると嫌だからね。
今回は見るだけで我慢しておくさ」
「……ふん」
尻尾をぺしぺしと叩きつけるように動かして、彼女な不満げな様子がよくわかる。
だがまぁ、これはいろいろと仕方がないことではあるのだ。
そもそも、邪獣人自体が教会的にもアウト寄りな生き物であるのには違いない。
さらには、今回の聖罰でもらった聖罰によるペナルティがこのような、邪獣人と接触する際に問題が発生するようなのも、おそらく神様的に、必要以上のマートとの接触に対する警告みたいなものなのだろう。
「それに、マートちゃんも流石に今の私だと聖痕が強すぎるせいで、マートちゃんの信仰する神様からも文句が出ちゃうでしょ?」
「……まぁ、おそらく?
もっとも、情動神様は、本能にさえ従えば、別に相手が善神の信徒でもなんでも気にされない神様ではあるけどな」
マート曰く、彼女が信仰する邪神こと情動神(善神風に言えば、混乱神)はあくまで、全てを情動や本能の肯定という面が強いため、別に人間や善神への敵意が濃い邪神ではなく。
そのため、今まで善神である自分と仲良くするのも、まぁ、よくはないが、一線を弁えれば、セーフだったりしたとのことだ。
「だから、さっさとその呪いの証を取っちまえ。
お前もそれが付いたままだと不便なんだろ?」
「呪いの証とかいうなや。
ただ少し、デフォルトで、右手が浄化の力に溢れすぎて、右手で死霊術使えなかったり、そもそも死霊術や呪術のためのアイテム加工の作成難易度が上がったり。
逆に、右手から神聖ビームを放てるようになっちゃったけど、一応は聖痕なんだ。
呪いとかそう言うのじゃないんだ」
「いや、死霊術師相手にそれを付けるとか。
どう考えても嫌がらせ以外何もんでもないだろ」
ですよね。
どう考えても、今回の聖痕が七大善神の複合聖痕であるうえで、この効果を付けるに、どうやら、善神様的には、自分に死霊術を続けてほしくないようだ。
っく!おのれ七大善神め!ただちょっと、善神のお気に入りの聖獣の魂と体を親子複合ゾンビに改造しただけなのに、こんな罰を与えるなんて……!!
うん、良くこの程度の罰で済んだな自分。
善神様の慈悲をありがたく受け取っておきます、はい。
「この右手も適当にグローブでもすればある程度周囲への影響は薄められるし。
それに、ベネちゃんの方なら問題なく……いや、うん、なんでもないよ」
それに最近はベネちゃんの方も、ケモミミを触らせてくれるし、彼女の方なら自分の右手で触れても問題なかったりするからね!
もっともそれをベネちゃんの妹であるマートの前でいうのはあまりにも空気が読めていないため、ぐっと口を抑える。
「……」
もっとも、どうやら、直接口に出さなくても自分が不埒な考えをしたことはばれてしまったようで、マートはジト目でこちらを見つめてくる。
「……左手」
「え?」
「だから、左手なら、聖痕がないから、こちらをなでても問題ないんだろ?
ちょうど、耳と尻尾がかゆかったから、毛繕いが必要なんだ。
だから、その……と、特別にお前の左手での、私への奉仕する許可をやろう!」
「つまり、それは利き手でなくてもいいから、撫でてもいいってことで、OK?」
「……ふん!」
かくして、恥ずかし気に顔を背けるも、そっとこちらに頭を下げて近づいてきたマートに、胸のときめきを感じながら、左でのみで存分にクシャらせてもらうのであった。
☆★☆★
「で、本当に大丈夫なのか?」
「ん~、まぁ、体調的には大丈夫だよ。
それにむしろ、今回の聖痕は恩恵も大きいからね、ほら、神聖ビーム」
「うおちゃぁ!」
かくして場所は、シルグレットの酒場。
そこで私はシルグレット及び村長であるルドー相手に、今回の事の経緯と顛末を説明していた。
「つまり、意味不明なカルトがこの村にやってきて、勝手に喧嘩を売って、こちらにクソみたいな迷惑をかけて逃げて行ったと。
……つまり、新しい賞金首候補というわけだな」
「懸賞金は、とりあえず、一人当たり金貨一枚でいいかな」
「流石にそれはやり過ぎでは?」
なお、今回の事の経緯を説明すると、静かながらもシルグレットとルドー、双方はそれなりに激怒しているようで。
なんなら、自分が死者を出さないように頑張ったのにもかかわらず、この二人的には件のカルト集団を容赦なく賞金首に。
更には、殺すことも厭わない考えをお持ちの様だ。
流石に誰も死んでいないのに、それはやり過ぎでは?
「でも普通に考えてみろ、今のお前は、この村で一番の聖職者だ。
つまりは村の顔役の一人で、この村の発展や、周囲の村から信頼が置けているのはお前たちのおかげといってもいい。
……だが、やつらはそんなお前の顔に泥を塗りやがった。
危害や風評被害をばらまき、その上、重い後遺症を残すような事態を引き起こした。
ならもうこれは殺されても文句言えねぇよな?」
「流石にそれは言い過ぎでは……?」
正直大事に思ってもらえるのはうれしいが、そのせいでほかの人が死ぬのはちょっとだけ気が重いのが本音だ、
「でも、甘い対応するのも問題だぞ?
でないと、最悪見逃したアイツらが、正面から勝てないけど殺されはしないと高をくくって、今度は村の女子供を中心に狙う可能性が高くなると言ったら?」
「う~ん、なら、やっぱりコロスしかないかぁ」
「分かってくれたようで何より」
でもまぁ、よく考えたら、あいつら未遂とはいえ村の人に危害を加えようとしていたからな。
自分への被害は別にして、流石に普通の村人が被害にあう可能性が高いと考えれば、賞金首行きも妥当ではあるか。
「安心しろ、一応は懸賞金を安くしておくし、罪状や自首を認める感じにしておくから。
奴ら自ら罪を償うとこちらに頭を下げたら、手配書の取りやめくらいはしてやる」
「まぁ、その辺が落としどころか」
その後今回起こった事件の落とし所について、改めてルドーと話し合い、件のカルト対策を立てた。
まぁ、でも結論としては無理に追跡はしないが、要警戒態勢で、さらには周囲の村々に今回の出来事を流布するという流れに落ち着いた。
「ところで、その右手に付いた聖痕の効果について分かったが……。
ともすれば今回も、何かしらの試練を達成すれば、その聖痕を消すことができるって認識でいいんだよな?」
ルドーがまじまじとこちらの胸元と手元を見つめてくる。
いや、右手の聖痕を見るのはいいけど、そのついでとばかりに胸元を見てくるスケベ視線にはいろんな意味で流石だと言わざる得ない。
「そうですね。
まぁ今回のクエストも聖痕の強さの割にはそこそこ簡単なクエストですので、思ったよりはすぐできそうではありますよ」
「ふむ、よかった。
オッタビアといい、流石に村の顔役の聖職者がいつまでも聖痕付きなのはいろいろと問題があるからな。
それで今回の聖痕は、どんな試練を課せられたのだ?」
ルドーがこちらに投げつけてきたその疑問に、私はきっちりこう答えた。
「大丈夫ですよ。今回も前回と同じクエスト。
すなわち、教会を新しく建築する、それだけのクエストです。
……ただし、今回は七大善神、全員分の教会を建てる必要がありますが」
「oh……」
なお、当然、教会を建てるのに、死霊術師の使い魔は使えないわけで。
ともすれば、それ相応の大工が必要になるわけで。
「……とりあえず、私の方で、知り合いの王都の聖職者に、イイ感じの職人を何人か紹介してもらうことにします」
「……うむ、こちらもできるだけ、大工をかき集めるが、そもそも今は大工はどこも手いっぱいだからな。
あんまり期待するな」
かくして、前回以上にハードな現場になることを覚悟しつつ、神々によって課せられた試練という名の建築依頼に取り掛かることになるのでしたとさ。
あのカルト騒ぎから、早数日。
私は自らが行ってしまった行いの罪深さをはっきりと、認識させられていた。
そうだ、そもそも聖罰とはそう簡単に行ってはいけない奇跡なのだ。
膨大な魔力を必要とするとはいえ、それだけで天上の存在である神の手を煩わらせることの厳しさを。
奇跡という神が人に魔物に対抗するために与えたものを、人間同士のいざこざで使うことの罪深さを。
さらには、死霊術師という人の道を外れた外道がこの奇跡に頼る事への危うさを。
だからこそ、今自分はこのような罰を受けているのだ。
そう、これが私の聖痕による今回の罪《カルマ》。
我が右腕につけられた【聖痕《スティグマ》】、その呪いにより私は……。
「う、ううわぁあああああんん!」
「い、いや、そんなに泣かなくても……」
「だって、せっかくのせっかくのモフモフタイムがぁああ!!!」
そう!なんと、我が右手に宿った【聖痕】の効能は強力な【浄化】。
そのせいで、ここ最近の日課であったマートへのなでなでモフモフが封印されてしまったのだ!!!
これを悲劇と言わず、なんというのか!!
「い、いや、別に触れただけで即死するわけでもないし、多少触るくらいなら別に構わないが……」
自分の余りのへこみっぷりにマートが助け船を出してくれる。
が残念ながらその行為に甘えるわけにはいかない。
「や、それに関してはマートちゃんは邪神の眷属でもあるでしょ?
それなのに、この右手で触れたら、マートちゃんの皮膚やら毛並みが傷付いちゃうから」
証明とばかりに、彼女から抜け落ちた獣毛を右手で拾い上げると、それがさらさらと崩れ舞い散る。
「折角最近は、その毛並みもよくなったし。
それでマートちゃんを傷つけちゃって嫌われると嫌だからね。
今回は見るだけで我慢しておくさ」
「……ふん」
尻尾をぺしぺしと叩きつけるように動かして、彼女な不満げな様子がよくわかる。
だがまぁ、これはいろいろと仕方がないことではあるのだ。
そもそも、邪獣人自体が教会的にもアウト寄りな生き物であるのには違いない。
さらには、今回の聖罰でもらった聖罰によるペナルティがこのような、邪獣人と接触する際に問題が発生するようなのも、おそらく神様的に、必要以上のマートとの接触に対する警告みたいなものなのだろう。
「それに、マートちゃんも流石に今の私だと聖痕が強すぎるせいで、マートちゃんの信仰する神様からも文句が出ちゃうでしょ?」
「……まぁ、おそらく?
もっとも、情動神様は、本能にさえ従えば、別に相手が善神の信徒でもなんでも気にされない神様ではあるけどな」
マート曰く、彼女が信仰する邪神こと情動神(善神風に言えば、混乱神)はあくまで、全てを情動や本能の肯定という面が強いため、別に人間や善神への敵意が濃い邪神ではなく。
そのため、今まで善神である自分と仲良くするのも、まぁ、よくはないが、一線を弁えれば、セーフだったりしたとのことだ。
「だから、さっさとその呪いの証を取っちまえ。
お前もそれが付いたままだと不便なんだろ?」
「呪いの証とかいうなや。
ただ少し、デフォルトで、右手が浄化の力に溢れすぎて、右手で死霊術使えなかったり、そもそも死霊術や呪術のためのアイテム加工の作成難易度が上がったり。
逆に、右手から神聖ビームを放てるようになっちゃったけど、一応は聖痕なんだ。
呪いとかそう言うのじゃないんだ」
「いや、死霊術師相手にそれを付けるとか。
どう考えても嫌がらせ以外何もんでもないだろ」
ですよね。
どう考えても、今回の聖痕が七大善神の複合聖痕であるうえで、この効果を付けるに、どうやら、善神様的には、自分に死霊術を続けてほしくないようだ。
っく!おのれ七大善神め!ただちょっと、善神のお気に入りの聖獣の魂と体を親子複合ゾンビに改造しただけなのに、こんな罰を与えるなんて……!!
うん、良くこの程度の罰で済んだな自分。
善神様の慈悲をありがたく受け取っておきます、はい。
「この右手も適当にグローブでもすればある程度周囲への影響は薄められるし。
それに、ベネちゃんの方なら問題なく……いや、うん、なんでもないよ」
それに最近はベネちゃんの方も、ケモミミを触らせてくれるし、彼女の方なら自分の右手で触れても問題なかったりするからね!
もっともそれをベネちゃんの妹であるマートの前でいうのはあまりにも空気が読めていないため、ぐっと口を抑える。
「……」
もっとも、どうやら、直接口に出さなくても自分が不埒な考えをしたことはばれてしまったようで、マートはジト目でこちらを見つめてくる。
「……左手」
「え?」
「だから、左手なら、聖痕がないから、こちらをなでても問題ないんだろ?
ちょうど、耳と尻尾がかゆかったから、毛繕いが必要なんだ。
だから、その……と、特別にお前の左手での、私への奉仕する許可をやろう!」
「つまり、それは利き手でなくてもいいから、撫でてもいいってことで、OK?」
「……ふん!」
かくして、恥ずかし気に顔を背けるも、そっとこちらに頭を下げて近づいてきたマートに、胸のときめきを感じながら、左でのみで存分にクシャらせてもらうのであった。
☆★☆★
「で、本当に大丈夫なのか?」
「ん~、まぁ、体調的には大丈夫だよ。
それにむしろ、今回の聖痕は恩恵も大きいからね、ほら、神聖ビーム」
「うおちゃぁ!」
かくして場所は、シルグレットの酒場。
そこで私はシルグレット及び村長であるルドー相手に、今回の事の経緯と顛末を説明していた。
「つまり、意味不明なカルトがこの村にやってきて、勝手に喧嘩を売って、こちらにクソみたいな迷惑をかけて逃げて行ったと。
……つまり、新しい賞金首候補というわけだな」
「懸賞金は、とりあえず、一人当たり金貨一枚でいいかな」
「流石にそれはやり過ぎでは?」
なお、今回の事の経緯を説明すると、静かながらもシルグレットとルドー、双方はそれなりに激怒しているようで。
なんなら、自分が死者を出さないように頑張ったのにもかかわらず、この二人的には件のカルト集団を容赦なく賞金首に。
更には、殺すことも厭わない考えをお持ちの様だ。
流石に誰も死んでいないのに、それはやり過ぎでは?
「でも普通に考えてみろ、今のお前は、この村で一番の聖職者だ。
つまりは村の顔役の一人で、この村の発展や、周囲の村から信頼が置けているのはお前たちのおかげといってもいい。
……だが、やつらはそんなお前の顔に泥を塗りやがった。
危害や風評被害をばらまき、その上、重い後遺症を残すような事態を引き起こした。
ならもうこれは殺されても文句言えねぇよな?」
「流石にそれは言い過ぎでは……?」
正直大事に思ってもらえるのはうれしいが、そのせいでほかの人が死ぬのはちょっとだけ気が重いのが本音だ、
「でも、甘い対応するのも問題だぞ?
でないと、最悪見逃したアイツらが、正面から勝てないけど殺されはしないと高をくくって、今度は村の女子供を中心に狙う可能性が高くなると言ったら?」
「う~ん、なら、やっぱりコロスしかないかぁ」
「分かってくれたようで何より」
でもまぁ、よく考えたら、あいつら未遂とはいえ村の人に危害を加えようとしていたからな。
自分への被害は別にして、流石に普通の村人が被害にあう可能性が高いと考えれば、賞金首行きも妥当ではあるか。
「安心しろ、一応は懸賞金を安くしておくし、罪状や自首を認める感じにしておくから。
奴ら自ら罪を償うとこちらに頭を下げたら、手配書の取りやめくらいはしてやる」
「まぁ、その辺が落としどころか」
その後今回起こった事件の落とし所について、改めてルドーと話し合い、件のカルト対策を立てた。
まぁ、でも結論としては無理に追跡はしないが、要警戒態勢で、さらには周囲の村々に今回の出来事を流布するという流れに落ち着いた。
「ところで、その右手に付いた聖痕の効果について分かったが……。
ともすれば今回も、何かしらの試練を達成すれば、その聖痕を消すことができるって認識でいいんだよな?」
ルドーがまじまじとこちらの胸元と手元を見つめてくる。
いや、右手の聖痕を見るのはいいけど、そのついでとばかりに胸元を見てくるスケベ視線にはいろんな意味で流石だと言わざる得ない。
「そうですね。
まぁ今回のクエストも聖痕の強さの割にはそこそこ簡単なクエストですので、思ったよりはすぐできそうではありますよ」
「ふむ、よかった。
オッタビアといい、流石に村の顔役の聖職者がいつまでも聖痕付きなのはいろいろと問題があるからな。
それで今回の聖痕は、どんな試練を課せられたのだ?」
ルドーがこちらに投げつけてきたその疑問に、私はきっちりこう答えた。
「大丈夫ですよ。今回も前回と同じクエスト。
すなわち、教会を新しく建築する、それだけのクエストです。
……ただし、今回は七大善神、全員分の教会を建てる必要がありますが」
「oh……」
なお、当然、教会を建てるのに、死霊術師の使い魔は使えないわけで。
ともすれば、それ相応の大工が必要になるわけで。
「……とりあえず、私の方で、知り合いの王都の聖職者に、イイ感じの職人を何人か紹介してもらうことにします」
「……うむ、こちらもできるだけ、大工をかき集めるが、そもそも今は大工はどこも手いっぱいだからな。
あんまり期待するな」
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