♀→♂への異世界転生~年上キラーの勝ち組人生、姉様はみんな僕の虜~

高嶺 蒼

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第二部 少年期のはじまり

SS 注文の多い○○……?④

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※2017/11/1 内容を一部変更しました。
 

・カレンの場合


 「えっと、カレンはなにか台本みたいなの、ないの?」


 これで最後だ~、と若干ほっとしつつ、シュリは小首を傾げてカレンを見上げる。
 特に小道具の指示もなく、シナリオも渡されていない。
 セリフを覚える手間がないのはいいのだが、さて、なにをやらされるのだろうか。
 そんなシュリに、カレンはにっこり微笑んで答える。


 「シュリ君はなにも考えずに私に甘えてくれれば、それで。年齢設定は、初めて会った頃のシュリ君でお願いします!」

 「初めて会った頃……って、僕まだ赤ちゃんじゃん!?」

 「はい♪私がお母さんで、シュリ君が私の赤ちゃんですよ~」

 「なるほど……赤ちゃんプレイってやつか……」


 赤ちゃんは大分前に卒業したから、今更あの頃の再現をするのは正直恥ずかしい。
 だが、良い年こいて赤ん坊に生まれ変わり、一からやり直してここまできたのだ。
 もう一度、赤ちゃんのふりをすることくらい、どうってことない……はず。うん、きっと何とかなる。
 そう自分に言い聞かせ、シュリは覚悟を決める。
 ジュディスとシャイナのマニア設定に応えておいて、カレンのマニアな欲求だけはねつけるわけにはいかないのだから、と。


 「わかったよ、カレン!やってみる。で、 まずはなにをしたらいいの?」


 きりっと表情を引き締め、カレンを見上げる。
 そんなシュリを見つめてカレンは嬉しそうに頬を染め、主の小さな手をきゅっと握った。
 そして、物語の舞台へとシュリを誘うようにその手を引く。
 シュリはカレンに手を引かれるまま、彼女が準備したその場所へと向かう。といっても、同じ風呂場の中なのだが。


 「さ、シュリちゃん。ねんねしましょうね~?」


 嬉々とした調子で促され、シュリは足下に用意されていたものに目を落とす。
 カレンの口調が変わった、ということは、もう赤ちゃんプレイは始まっちゃったのか、となんとも言えない表情で寝るように促されたその場所を眺めた。
 それは、シュリにはなじみのあるものだったが、こちらの世界では見たことのないもの。
 どこかで見たことのあるちょっと懐かしい様なアニメのイラストがでかでかと印刷されたビニール素材のそれは、畳一畳分ほどの大きさのお風呂場マットであった。

 おそらくこれも、例のアイテム屋で求めたものなのだろう。
 ってか、そのアイテム屋の人はこんな変なアイテムをどこで入手しているのだろうか。
 もしかしたら、シュリの様に妙なスキルを持ってるのかもしれないなぁ~、と思いつつ、シュリは半ばあきらめ混じりの心境で、マットの上に寝ころんだ。


 「いい子ね~、シュリちゃん。じゃあ、おズボン、脱ぎ脱ぎしましょうか~?」


 いきなり!?と思わないでもないが、抵抗する間もなくぺろりんと脱がされてしまう。
 まあ、今のシュリは赤ちゃんなので、抵抗するのもおかしい話だが。
 むきだしになったシュリの男の子を見たカレンは、一瞬その瞳をとろけさせ、だがすぐにぶんぶんと首を振ると、いそいそと傍らの袋から何かを取り出した。
 何の小道具を使うつもりだろう……と思わず目で追う。
 布でできたそれは、どうやら身につけるモノのようだ。しかも、なんとなく見覚えがある気がする。


 「じゃあ、おむつ、つけましょうね~?」

 (お、おむつぅぅぅ!?)


 赤ちゃんプレイという時点で予想してしかるべきだったが、正直予想外だった。
 五歳なのにおむつ……どんな羞恥プレイなんだ、とシュリは遠い目をして思う。
 だが、それを言うなら、こっちに転生したばかりの頃の中身はバリバリの29歳女子。
 今はシュリとして前世の自分も今の自分もうまく融合していると思うが、あの頃はまだまだ前世の29歳女子としての意識が強かった。
 そんな状態で、自分より明らかに年下の相手におむつをかえられるというのは、かなりの試練だった。
 そんな試練を乗り越えてきたのだ。これくらいの羞恥プレイがなんだ!!とシュリはかっと目を見開いた。


 「あう~、うあ~」


 色々と吹っ切って意味不明の言葉を発して、赤ん坊を演じる。


 「ふふ。シュリちゃん、ご機嫌ですね~」


 親指をおしゃぶりしながらカレンを見上げれば、カレンは母親らしい慈愛に満ちた表情でシュリを見下ろしつつ、てきぱきとおむつをシュリに装備させていく。
 ちなみに、このおむつにもしっぽの穴は開いていた。
 うっかり忘れそうになるが、シュリは三人からの指示で、猫耳としっぽを律儀に生やしている。
 ここまでほぼ放置されていたので、わざわざ生やす必要無かったんじゃない?と思わないでもないが、おむつや水着にきちんと穴まで開けてたって事は、やっぱり必要なんだろうか。
 そんな疑問に小首を傾げつつ、シュリはカレンの手でおむつを装備させられた。
 守備力はあがったが、精神力は削られた。
 因みにカレンの手でしっぽをおむつの穴に通された瞬間、ちょっと身体がびくっとしてしまったことは、秘密である。
 相変わらず敏感で困るよなぁと思いつつ、おむつの次は何だろうと、シュリは無邪気な赤ん坊を装いながらカレンの顔を見上げた。
 すると、


 「おむつ姿、すごく可愛いですよ~?シュリちゃん」


 うっとりとした顔でシュリを見つめるカレンとばっちり目があった。
 そんなカレンの賛辞に、シュリは複雑な表情を返す。五歳なのにおむつが似合うと誉められるってどうなんだろう、と何とも言えない気持ちのまま。
 だが、そんなシュリの内心を知ることなく、カレンは次の行動を起こした。
 シュリを優しく抱き上げて、


 「は~い、今度はご飯のお時間ですよ~??」


 そう言いながら、水着の肩紐をずらしこぼれ落ちた胸をシュリの目の前に突きつけた。


 「さ、どうぞ?シュリちゃん」


 目の前に、というか口元に触れんばかりの距離にあるふくらみを見つめ、それから上目遣いでカレンの顔を見る。
 期待に満ちた表情がちょっぴり微笑ましい。
 そう言えば、むかし、会ったばっかりのカレンのおっぱい、吸ったなぁ……となんとなく懐かしく思い出しながら、目の前でふるふる震えるおっぱいをそっと、口の中にお迎えした。


 「んっ……」


 押し殺したような甘い声が耳に届いて心の中で思わず苦笑。


 (カレンさん、おかーさんってものは赤ちゃんの授乳で感じたりしないモノなんだよ?……たぶん)


 心の中でこっそりつっこみつつ。
 たぶん、とつくのは、ミフィーも時々気持ちよさそうにしていたし、乳母のマチルダなんていつもすごく気持ちよさそうにしていたなぁという経験があるからだ。
 ただ、マチルダはいつも、リアに吸われてもこんなに気持ちよくならないのに、どうしてシュリ様だけ……と心底不思議そうにしていたが。

 でも、カレンの反応も仕方ないのである。

 昔はともかく、今のシュリはそこに関する不名誉な称号を頂いてしまっている。
 なので、シュリにおっぱいを吸われることは、きっとすごく気持ちいいに違いない。自分では体験できないから、断言はできないが。


 「んっ……シュリちゃん、遠慮、しないで、もっと飲んで、いいんですよ?」


 はあはあしながら、カレンが促してくる。
 いやぁ、そんな息も絶え絶えに促されてもなぁと思いつつも、シュリは素直にカレンの求めに応じてあげた。
 なんといっても、この時間はカレンの為のものなのである。
 他の二人にも全力で応じた以上、カレンにもそうしなければ不公平になる、そんな思いもあって。
 結果、カレンがお母さんの演技も忘れ、ガチで気持ちよさそうに身体を震わせているが気にしない。
 今のシュリはカレンの赤ちゃんなのだ。しかもお腹が空いている。ならどうするのか。そんなの決まってる。思い切りおっぱいを吸うのみである。

 結果どうなったか。
 火を見るまでもなく明らかだが、カレンがおもいっきり腰砕けになった、とだけ言っておこう。
 そんなカレンが復活するまでしばしの時間を置いた後、彼女は気を取り直したように起きあがり恥ずかしそうにちらちらとシュリを見つめた。
 お母さんが息子に注ぐ眼差しではないが、まあ、ミフィーもたまにこんな風にシュリを見る。
 だから、深くは追求せずに、シュリは可愛らしい赤ん坊の演技を続けた。

 シュリとしては、そこで終わりでもなんら問題は無かったのだが、カレンはまだやりたいことがあるみたいである。
 次はどうするの?とシュリはカレンを見上げる。
 カレンは色っぽく上気した頬のまま深呼吸をし、気を取り直したようににっこりと微笑んだ。
 そして、寝ころんだままのシュリのおむつにガッと手をかける。


 「さあ、シュリちゃん。ご飯の後は、おむつを取り替えないとですね」

 「う?あう~??」


 え?おしっこもしてないし、別に替えなくて良いよ、と思わないでもないが、それを訴えたところで無駄であるとシュリは知っていた。
 カレンは、おむつを替えたいのだ。お母さんらしい事をしたいわけである。
 カレンの手が、ちょっとたどたどしくおむつをはずしていく。
 濡れてはいないが、なんとも言えない開放感にシュリはほんのりと頬を緩めた。 


 (あ~、おむつが濡れてた訳でも無いのに、なんかすっきりしたぁ。やっぱりおむつってムレるんだねぇ。さ、カレン、ささっとおむつをつけなおして……ん??)


 気持ちよさそうに目を細めていたシュリは、なんだか不穏な気配を感じてカレンを見上げた。
 新米ママなカレンは、なんだか熱のこもったまなざしで、シュリを見ている。いや、正確にはシュリの股間を、だ。


 「う??うあ~??」

 (ちょ、ちょっと、カレンさん??)


 なんだかイヤな予感をひしひしと感じながら、だが、律儀に赤ちゃんプレイを続けるシュリ。
 カレンは、潤んだ瞳で熱い吐息をもらし、そして、


 「お、お母さんなんだから、シュリちゃんの大事なところを、ちゃんときれいにしてあげないとね??」


 そんなとんでもないことを呟いた。
 カレンが普通にタオルとかで拭いてくれるつもりなら、シュリだって何の文句もないが、彼女の頭の中にある方法は絶対違う。
 なぜ、それがわかるか。それは、シュリが赤ん坊の頃にイヤと言うほど体験した状況と全く同じだったからだ。

 シュリに授乳をすると気持ちよくなるように、シュリのおむつを替えた人はほぼ100%に近い割合で、シュリの分身をキレイにしたがった。タオルで、ではなく、もっと、その、直接的な方法で。
 今のカレンは、そんなときの皆様と、同じ様な顔をしていた。熱に浮かされたような、とろけきった顔を。


 「う!あう!!」

 (カレン、落ち着いて!!正気に戻って!!お母さんはっ、普通のお母さんはそんなことしないからっ……あーーーっっ)


 ついうっかり赤ちゃんになりきっていたシュリは、カレンを制止する事が出来なかった。
 そして思う。
 ああ、昔もあったな、こんな事……と。
 子供らしからぬ、遠い目をしながら。
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