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第三→四部 旅路、そして新たな生活
第298話 誰にすべきか考えた
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追加の二枠、そこに誰の名前を入れるべきか。
己にしか見えないリストを睨みながら、シュリは真剣に考えていた。
愛の奴隷になってしまったら、シュリの側から離すことは出来ない。
なんと言っても死活問題だ。
そう考えると、普段から身近にいる人物を愛の奴隷とするのが合理的だろう。
そんな風に限定してピックアップすると、リストはだいぶ絞られてきた。
更に絞り込むために、シュリはリストにあがっている名前を見ながら取捨選択を行っていく。
(えっと、まず身内はNGだよね? 愛の奴隷になっちゃったら、性欲の対象が僕だけになるっていうびっくり機能がついてくるし。その時点で、母様とおばー様はバツ、と)
そんな感じで、まずミフィーとヴィオラの名前を外した。
(エミーユおば様は人妻だからもちろんダメだし、姉様達から二人だけ選ぶのも、後でうっかりバレたら面倒くさいことになりそうだし)
頭の中で理由をあげながら、エミーユや従姉妹四人の名前も外しておく。
(ん~、マチルダは今はアズベルグだし、リアもいるし。うん。ないかな)
リアにバレたら、絶対ひどいことになると身震いしつつ、マチルダの名前も排除した。
(あ、それから女神様達ももちろんNGだよね。面倒くさい未来しか見えないし……。精霊の六人も、全員一気にとかじゃないと喧嘩になりそうだからやめておこう。そう言う意味で、イルル達も外しておこうっと)
女神様三人と精霊五人、眷属三人の名前も忘れずに避けておく。
そうして、絶対にNGな人達の名前を外し、改めてリストを見ると当然の事ながら、そこにはルバーノの屋敷で働いている使用人達の名前が残る結果となった。
アズベルグの屋敷の使用人も、王都の屋敷の使用人も、ほぼコンプリートといったレベルで網羅されている事に、ついつい肩が落ちる。
が、悠長に落ち込んでいる場合じゃないと顔を上げ、再びリストを睨みつけた。
数を減らしたとはいえ、リストはまだ長い。
最終的には二人に決めないといけないのだから、もっと絞り込んでいく必要があるだろう。
シュリはリストを眺め、ちょいちょい混じり込んでいる男性の名前をまずは省いた。
それほど多くはないが、たまにいるのだ。
男の子であるシュリにガチで恋愛感情を抱いてしまう男性が。
(まあ、僕はお応えするつもりはないけどさ)
ノット・リアル・BL……である。
続いて既婚者も除いておく。
後は、年が若い子も。
更に、高齢すぎる人の名前も外し、リストはだいぶ短くなった。
そのリストをじっくり眺め、最後にアズベルグに勤務している人も外した。
王都に呼べないわけではないが、そうしないですむならその方がいい、そう判断して。
余分な名前をそぎ落とし、残ったのは片方の手に足りる程度。
(ずいぶん絞れたけど、さて、どうしようか)
残った名前を一人一人じっと見ながら、う~ん、とシュリは考え込む。
その中で、良く知っていると言える人物は二人だけ。
他の人は、多かれ少なかれ毎日顔はあわせているものの、言葉を交わしたことは数えるほどしかない。
そんな人を、いきなり愛の奴隷にしちゃうのはどうなのだろうか?
むぅ、と唇を尖らせ、シュリは知っている二人の名前に視線を滑らせた。
ちなみに、キキの名前は残っていない。
年が若いという時点でリストから外れているし、そもそも発端はキキをいかにシュリのスキルの影響の外におくか、というところから始まっている。
それなのにキキの名前を残したのでは、本末転倒というものだ。
残った名前は、ルビスとアビス。
人と魔人の混血の姉妹で、イルルを神のように崇める炎龍信仰の信者。
二人とも、年期の入った男嫌いで、そのせいもあり最初はシュリとの距離感は程良く離れていたのだが、先日、お風呂の世話をして貰った日から、その関係性は一変した。
神と崇める炎龍……イルルがシュリの眷属であると判明した二人は驚愕し、シュリへの疑念は尊敬を経て崇拝に変わり。
そうなってしまえば、後はあっけなかった。
二人の恋愛度はあっという間に上限を突破し、最近は仕事と称してシュリの周りを無駄にウロウロしている。
今となってはシュリにすっかり惚れきってしまった二人だが、男嫌いの感情は健在のようで、シュリ以外の男性への対応は冷たすぎるほど冷たい。
そんな二人だから、これから先、男性と結婚をするという選択肢はなさそうだ。
思いつく問題点は、魔人の血を引く二人が長命である、という点だが、シュリ自信も長命なエルフとダークエルフを祖父母に持つ身である。
現段階で、己が長命かどうかは分からないが、一般的な人より長生きな可能性は高い。
それにもし、シュリの寿命が二人より早く尽きたとしても、その時は二人が愛の奴隷という隷属状態から解放されるだけの話だろう。
そんなことを諸々よーく考えてシュリは決断した。
新たに迎える愛の奴隷は、ルビスとアビスにしよう、と。
そして早速、二人を迎えるための下準備を進めるため、ジュディスとシャイナとカレンに念話を繋ぐのだった。
己にしか見えないリストを睨みながら、シュリは真剣に考えていた。
愛の奴隷になってしまったら、シュリの側から離すことは出来ない。
なんと言っても死活問題だ。
そう考えると、普段から身近にいる人物を愛の奴隷とするのが合理的だろう。
そんな風に限定してピックアップすると、リストはだいぶ絞られてきた。
更に絞り込むために、シュリはリストにあがっている名前を見ながら取捨選択を行っていく。
(えっと、まず身内はNGだよね? 愛の奴隷になっちゃったら、性欲の対象が僕だけになるっていうびっくり機能がついてくるし。その時点で、母様とおばー様はバツ、と)
そんな感じで、まずミフィーとヴィオラの名前を外した。
(エミーユおば様は人妻だからもちろんダメだし、姉様達から二人だけ選ぶのも、後でうっかりバレたら面倒くさいことになりそうだし)
頭の中で理由をあげながら、エミーユや従姉妹四人の名前も外しておく。
(ん~、マチルダは今はアズベルグだし、リアもいるし。うん。ないかな)
リアにバレたら、絶対ひどいことになると身震いしつつ、マチルダの名前も排除した。
(あ、それから女神様達ももちろんNGだよね。面倒くさい未来しか見えないし……。精霊の六人も、全員一気にとかじゃないと喧嘩になりそうだからやめておこう。そう言う意味で、イルル達も外しておこうっと)
女神様三人と精霊五人、眷属三人の名前も忘れずに避けておく。
そうして、絶対にNGな人達の名前を外し、改めてリストを見ると当然の事ながら、そこにはルバーノの屋敷で働いている使用人達の名前が残る結果となった。
アズベルグの屋敷の使用人も、王都の屋敷の使用人も、ほぼコンプリートといったレベルで網羅されている事に、ついつい肩が落ちる。
が、悠長に落ち込んでいる場合じゃないと顔を上げ、再びリストを睨みつけた。
数を減らしたとはいえ、リストはまだ長い。
最終的には二人に決めないといけないのだから、もっと絞り込んでいく必要があるだろう。
シュリはリストを眺め、ちょいちょい混じり込んでいる男性の名前をまずは省いた。
それほど多くはないが、たまにいるのだ。
男の子であるシュリにガチで恋愛感情を抱いてしまう男性が。
(まあ、僕はお応えするつもりはないけどさ)
ノット・リアル・BL……である。
続いて既婚者も除いておく。
後は、年が若い子も。
更に、高齢すぎる人の名前も外し、リストはだいぶ短くなった。
そのリストをじっくり眺め、最後にアズベルグに勤務している人も外した。
王都に呼べないわけではないが、そうしないですむならその方がいい、そう判断して。
余分な名前をそぎ落とし、残ったのは片方の手に足りる程度。
(ずいぶん絞れたけど、さて、どうしようか)
残った名前を一人一人じっと見ながら、う~ん、とシュリは考え込む。
その中で、良く知っていると言える人物は二人だけ。
他の人は、多かれ少なかれ毎日顔はあわせているものの、言葉を交わしたことは数えるほどしかない。
そんな人を、いきなり愛の奴隷にしちゃうのはどうなのだろうか?
むぅ、と唇を尖らせ、シュリは知っている二人の名前に視線を滑らせた。
ちなみに、キキの名前は残っていない。
年が若いという時点でリストから外れているし、そもそも発端はキキをいかにシュリのスキルの影響の外におくか、というところから始まっている。
それなのにキキの名前を残したのでは、本末転倒というものだ。
残った名前は、ルビスとアビス。
人と魔人の混血の姉妹で、イルルを神のように崇める炎龍信仰の信者。
二人とも、年期の入った男嫌いで、そのせいもあり最初はシュリとの距離感は程良く離れていたのだが、先日、お風呂の世話をして貰った日から、その関係性は一変した。
神と崇める炎龍……イルルがシュリの眷属であると判明した二人は驚愕し、シュリへの疑念は尊敬を経て崇拝に変わり。
そうなってしまえば、後はあっけなかった。
二人の恋愛度はあっという間に上限を突破し、最近は仕事と称してシュリの周りを無駄にウロウロしている。
今となってはシュリにすっかり惚れきってしまった二人だが、男嫌いの感情は健在のようで、シュリ以外の男性への対応は冷たすぎるほど冷たい。
そんな二人だから、これから先、男性と結婚をするという選択肢はなさそうだ。
思いつく問題点は、魔人の血を引く二人が長命である、という点だが、シュリ自信も長命なエルフとダークエルフを祖父母に持つ身である。
現段階で、己が長命かどうかは分からないが、一般的な人より長生きな可能性は高い。
それにもし、シュリの寿命が二人より早く尽きたとしても、その時は二人が愛の奴隷という隷属状態から解放されるだけの話だろう。
そんなことを諸々よーく考えてシュリは決断した。
新たに迎える愛の奴隷は、ルビスとアビスにしよう、と。
そして早速、二人を迎えるための下準備を進めるため、ジュディスとシャイナとカレンに念話を繋ぐのだった。
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