208 / 248
第二部 旅のはじまり~小さな娼婦編~
SS 雷砂、初めてのお酒の巻②
しおりを挟む
雷砂が酒を飲んでいる様だったので、飲みやすい酒を飲ませてやろうと、酒と果実水を混ぜたのを作ってきたら、思いの外ものすごい勢いで飲まれてしまった。
地べたに座ったままふわふわと体を揺らす雷砂を見ながら、まずったかなと思いつつ、
「雷砂~、大丈夫か?」
ミカは少し心配そうに問いかける。
その声に反応した雷砂が、ぽや~とミカを見上げ、それからにこぉっと笑った。
ちょっと緩い、何とも無防備な笑顔で。その余りの可愛さに思わず息を止めたミカに、
「みか、あぐら、かいて」
雷砂からそんな指示が飛ぶ。
なにをするつもりだと、頭の上に疑問符を浮かべたまま、だが素直に指示に従うと、雷砂が四つん這いでミカに這い寄ってきて、おもむろに己の尻をあぐらをかいたミカの足の上へと乗せた。
「~~~~~っっ!!!!」
声にならない悲鳴を上げて硬直するミカの胸に、ぽすんと頭を預けてへへへ~っと雷砂が笑う。
「みか、からだがぐらぐらする。ささえて?」
甘えるようにお願いされて、ミカはおずおずと雷砂の体に腕を回した。
頭がくらくらして頬が熱い。
それは決して酒のせいだけでは無かった。
体を支えてもらいほっとしたのだろう。
雷砂が体重を預けてきたので、ミカは少しだけ腕の力を強める。雷砂が苦しくない程度に、だが雷砂をしっかりと感じ取ることが出来るように。
「ん~、のど、かわいた……」
雷砂がぽつりとつぶやき、じゃあオレがとミカが答えるよりも前に、
「ろう、なにか、のみもの……」
誰もいない空間にそう命じる。するとどこからきたのか、銀色の髪に銀色の狼耳を備えた美少女が、ジョッキになみなみと液体を入れて雷砂のすぐ前に突如として現れた。
少女は忠実な瞳で雷砂を見つめ、うやうやしくジョッキを差し出す。
「マスタ、飲み物」
「ありがと、ろう」
言いながら雷砂は手を伸ばすが、目測が上手く定まらず、ジョッキに手が掛からない。
のどが渇いているのに飲めない。
そんな状況に雷砂はむぅ、と小さく唸り、自分を見守るロウをじっと見つめ、
「のめない。ろう、のませて?」
そんなとんでもないことを言い出した。
だが、ロウは動じない。
即座に頷き、ジョッキの中身をあおると、雷砂の頬にそっと手を添えてその顔を少しだけ上向かせる。
そしておもむろに雷砂の唇に己の唇を押し当てた。
雷砂の喉が、んっくんっくと動き、その動きが止まるのを待ったようにロウの唇が離れる。
雷砂がとろんとした目でロウを見つめ、ロウもほんのり目元を赤くして雷砂を見つめる。
その後ろでは、雷砂を抱えたままのミカがあわあわしていた。
「マスタ、これでいい?」
「ん。もっと」
その求めに応じて、ロウはさっきと同じ行動を繰り返す。
ジョッキ一杯分を飲み干し、流石に満足した雷砂がその行為を止めるまで。
「ありがと、ろう」
満足そうに雷砂が礼を言うと、ロウはもじもじしながら、
「マスタ、ご褒美は?」
そんな主張をしてくる。雷砂はにっこり笑って頷き、
「ごほうび?いいよ。なにがいい?」
そう問えば、
「ちゃんとしたキス。マスタとセイラがいつもしてる」
ロウはきっぱりはっきりそう主張した。
素面の雷砂には中々言えない台詞だ。だが、今ならいける。ロウの野生の勘がそう告げていた。
「いいよ。おいで」
雷砂が答えて腕を広げる。
その腹の辺りにはミカの手が巻き付いていたが、ロウはためらわずに飛び込んだ。
そして、もうガマンの限界だとばかりに唇を押し当てる。
すると、すぐに雷砂の舌が唇をなぞるように動いてきたので、素直に唇を開いて迎え入れた。
自分の胸を雷砂にぎゅーっと押し当てるように抱きついて、ロウは主の与えてくれる口づけにただ陶然として頬を赤くした。
くちゅくちゅと、互いの舌で互いを愛撫しあい、長いようで短い時間があっという間に過ぎていく。
気がつけば主の唇は離れていて、ロウは名残惜しそうに唾液に濡れて艶っぽく光る主の唇をうっとりと見つめた。
そんなロウと雷砂の間に、小さな影が割り込んでくる。
白い髪に赤い瞳の人離れした愛らしさを持つ少女は、雷砂の服の袖を摘み、ねだるように雷砂を見上げた。
「雷砂、雷砂。クゥにもして?」
「ん~、くぅにも??そうだなぁ、まぁ、いいか」
一瞬思案したものの、考えるのが面倒になったのだろう。
雷砂はすぐに頷いて、クゥの体を片手でそっと抱き寄せた。
もう片方の腕にロウを抱いたまま。
吸いついてきた小さな唇を吸い返し、さっきと同じように舌を差し入れる。
クゥは驚くことなく受け入れて、それだけでなく積極的に雷砂と舌を絡め合わせてその口づけを楽しんだ。
実践するのは初めてだったが、以前、唯一クゥが捕食した男達の記憶から、そう言った行為の知識に関しても手に入れていたのだ。
雷砂は思った以上に積極的で技巧的なクゥの舌使いに驚きつつも、その心地よい口づけをしばし楽しんだ。
その後は再びロウにねだられてキスをして、更にクゥとも再び。
そんなエンドレスに続くキスの饗宴をただ見ていたミカが、『雷砂、オレにも……』と勇気を出して声を上げようとした時、新たな人物が割って入ってきた。
食べ物を山盛り皿に盛りつけた銀色の髪に蒼い瞳の歌姫、リインである。
彼女は半眼で雷砂を取り巻く現状を眺め、
「この桃色空間、なに?」
とぼそっと呟き、手に持っていた料理を傍らに置いて、ロウとクゥを手早く雷砂から引きはがすと、雷砂の前に陣取った。
ミカのことは、雷砂の座椅子として確保しておく事にしたようだ。ひどい話である。
「雷砂、ご飯、持ってきた。食べて?」
リインはニコッと笑い、雷砂の口元へスプーンを運ぶ。
雷砂は雛鳥の様にそれを口で受け止めて、もぐもぐと口を動かした。
「おいしい?」
「ん。おいし」
うまいかと問えば、雷砂は無邪気な笑みで肯定し、
「はい。りいんも、あーん」
今度は自分の番とばかりにスプーンに料理をすくい上げ、リインの口元へと運んだ。
リインは恥ずかしそうに雷砂を見たが、雷砂が引かないのを察して、おずおずと口を開けるとスプーンを口の中へ迎え入れ、料理を舌先でからめ取った。
それを見た雷砂は、いい子だねというように目を細め、不意にミカの腕による柔らかな拘束から抜け出してリインの胸に飛び込んでいく。
目を見開くリインの顔をいたずらっ子の様にのぞき込み、そのまま彼女の唇を奪い、更にその口の中に残っていた料理を彼女の唾液ごとからめ取って奪いさり、それを咀嚼してゴクリと飲み込む。
雷砂はとろけるように微笑んで、リンゴの様に赤くなったリインの頬をそっと撫でた。
「ん。こっちのほうが、もっとおいしい」
もっとちょうだい?と甘えるようにしなだれかかる雷砂に、リインの頭は半パニック状態だ。
なにしろ、恋人になりたてで、セイラほど桃色展開に慣れていない。
だが、リインは頑張った。
「も、もっと?わ、わかった」
そう答えて、プルプルする手でスプーンを操り、それを自分の口へ。
そしてそのまま、雷砂の唇へ唇を押し当てた。
以前も口移しでアーンをやったことはあるのだが、あの時は必死だったためかあんまり恥ずかしいとかドキドキするような事は無かった。
だが、今は何ともいえずに恥ずかしい。胸も、今にも破裂してしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしている。
くっついたまま、次の行動を起こそうとしないリインの唇の上を雷砂の舌が這い、早くと言うようにリインを促す。
リインは促されるまま唇を開き、雷砂の中へ食べ物を流し込んだ。
雷砂はそれを受け取って美味しそうに飲み込む。
見届けたリインが、再びスプーンを自分の口に運ぼうとするのを、今度は雷砂の手がそっと押しとどめた。
もういいの?と雷砂を見れば、妙に熱のこもった眼差しで見つめられて、十分に赤いと思っていた顔へ更に血が集まっていく。
「こんどは、きす、だけ。ね?」
ふわりと微笑まれ、重なる唇と唇。
ちゅっちゅっ、とついばむような可愛らしいキスの後、深く唇を重ねられる。
あっという間に唇を押し広げられ、気がつけば雷砂の舌を受け入れていた。
酒のせいか、溶けそうな程に熱い雷砂の舌にからめ取られ愛撫され、リインはあまりの気持ちよさに腰砕けになりそうになる。
唇が離れた後も、その余韻でトロンとした目を雷砂に向ければ、
「もっと?」
悪戯っぽく笑う雷砂に問われ、考えるよりも前に首を縦に振っていた。
笑みを深めた雷砂の顔が近づいてくる。
リインはぼんやりとそれを見つめる。唇に、雷砂の唇の優しい感触が触れるのをただ待ちながら。
しかし、世の中、そう思うようには事は進まないものである。
二人の唇が触れる寸前、お互いの吐息すら感じる距離の所で、待ったがかかった。
「なに?この桃色空間は?」
奇しくもそのセリフはさっき双子の妹が発したものと同じ内容。
セイラは呆れたような顔で周囲を見回し、転がっている数え切れない程の空きグラスを見て、何となく状況を悟った様だった。
彼女はふ~っと息をつき、リインと雷砂の余りのいちゃいちゃっぷりにちょっとイラッとして、思わずかっさらうようにして抱き上げた雷砂を抱えたまま、近くにあったイスに腰掛けた。
そして雷砂をいつものように自分の膝に座らせる。もちろん、自分と向かい合わせになるように、だ。
くて~っとした雷砂を自分の体にもたれ掛からせて、
「もう、まったく!雷砂がこんなになるなんて。一体どれだけ飲ませたのよ!?」
「う……ごめん。雷砂がカパカパ飲むから、つい」
体を小さくするミカを、セイラは半眼で睨み、
「楽しいのは分かるけど、一応雷砂の年も考えなさいよね?」
「ごめん……」
しょんぼりするミカを前に、セイラは小さくため息。
それから、仕方ないわねぇとばかりに、ふっと笑い、
「反省してるならもういいわよ。ね、ミカ、とりあえず水を貰ってきてくれる?雷砂に飲ませないと」
ミカに指示を出し、ずり落ちそうになる雷砂を抱えなおした。
その拍子に、ちょっとうとうとしていた雷砂が目を開け、改めてセイラの顔を見上げてへら~っと笑った。
「あれ?せいら??」
「そうよ」
セイラが微笑み、雷砂の体をぎゅっと抱きしめれば、
「へへへ~、せいらだぁ」
雷砂はうれしそうにセイラの頬に頬をすり寄せぎゅーっと抱きついてくる。
セイラは滅多に見ることの出来ない甘々な雷砂がなんとも可愛くて、どうしても顔がゆるんでしまうのを止めることが出来ない。
「せいらぁ」
「なぁに?雷砂」
「おれのこと、すき?」
「もちろん。大好きよ」
「えへへ~。おれも、せいらがすき♪」
雷砂はとろんとろんの笑顔を見せて、それから潤んだまなざしでセイラを見上げる。
「おれ、ちゅーしたい。せいら、ちゅー、して??」
雷砂はそんなおねだりをして、目を閉じた。
そんな可愛すぎるお願いを前に、お断りの言葉を継げられる人間がいるだろうか。
少なくとも、セイラには出来そうに無かった。
一応ちらりと周囲を見回してみれば、リインが物欲しそうに指をくわえてこちらを見ていたが、あえてみないふりをして、雷砂の唇へ自分の唇を重ねる。
激しく舌を絡め合わせ、互いを愛撫しあい、それなりに時間をかけて口づけを交わした後、少々物足りなさも感じつつ離れると、雷砂が幸せそうにきゅうっと瞳を細めた。
その表情が愛しくて、セイラはもう一度触れるだけのキスをする。
それから二人で微笑みあい、おでことおでこをコツンとあわせて瞳を見合わせた。
雷砂の瞳は酒の影響か、まだしっとりと潤んでいて、誘うような眼差しが何とも可愛らしく色っぽい。
だが、どんなに理性を削られようと、ここは野外だし、人目もある。
流石にダメだろうと、セイラは理性を総動員して、我慢する。雷砂のあられもない姿を不特定多数の相手にさらすなど、絶対にダメだ、と。
だが、酔っぱらい雷砂はそんなことお構いなしに、セイラの理性をガリガリと削ってくる。
「……まっさーじ」
「ん?なに??」
「まっさーじも、して?」
「マッサージ??」
首を傾げたセイラの手を取って、雷砂はぺとりと己の胸の上に乗せてにっこり笑う。
「いつも、せいらがやってくれるやつ!!」
「……えーっと。まさか、ここで?」
元気よく答えた雷砂に、反射的に問い返したものの、習慣というのは本当に恐ろしいもので。
ほんのり育ち始めた雷砂の胸にあてがわれたセイラの手は、無意識の内にその胸をやわやわと揉んでいた。
それに気付いて、いかんいかんと手を止めれば、咎めるように雷砂が上目遣いに可愛らしく睨んでくる。
「やめちゃ、やだよ。もっと」
そんなセリフと共に。ぐらりと理性を大きく揺さぶられながら、
「あの、でもね?雷砂……」
何とか雷砂を説得しようと口を開けば、それを遮るように割り込んでくる影が三つ。
「マスタ、ロウがしてあげる!!」
「クゥだって出来るよ!!」
「私に任せて、雷砂!!」
ロウとクゥとリインが鼻息荒く迫るが、無情にも雷砂は首を振る。
「や!せいらがいい」
そんな情け容赦のない言葉と共に。
三人が揃ってがっくり肩を落とす中、雷砂は目をうるうるさせてセイラを見上げる。
「せいらじゃないと、やだ。……だめ?おれのおっぱいなんて、さわりたくない?」
ダメ、だなんて、言えるわけが無かった。
セイラは雷砂の求めるままに胸のマッサージを再開し、その頬へキスを落とす。
「そんなおねだりされたら、ダメなんて言えるわけないじゃない。悪い子ね、雷砂は」
「んっ、んっ……せ、いらぁ」
「きもちいい?」
「……うん」
「もっと?」
「うん……もっと」
「いい子ね、雷砂。でも、ここじゃあ、ね」
赤くなった雷砂のほっぺたを優しく撫でて、苦笑混じりに周囲を見回す。
この場の桃色な空気に気付いた数人が、ちらちらと様子を伺っているし、間近で食い入るように見つめてくる人物が三人もいて何ともやりづらい。
よいしょっとかけ声をかけて雷砂を抱え上げたセイラは、自分を見上げてくる三人ににっこり笑って声をかける。
「とりあえず、二時間……いえ、三時間たったら天幕に戻ってきてもいいわよ。それまでは遠慮してね?ミカにもそう伝えておいて。あ、水は馬車の外に置いておいて貰えれば良いからって」
そう言い置いて、セイラは上機嫌に自分たちに割り当てられている野営の為の天幕へ向かう。
後ろから恨めしそうに見送ってくる視線の事など気にしない。考えられるのは、今は雷砂の事だけ。
リインとロウとクゥ、三人が羨ましそうにセイラと雷砂を見送る中、二人はひっそりと天幕の向こうへと姿を消した。
それとほぼ同時に、息を切らせたミカが戻ってくる。
「た、ただいま!水が切れてたから、ひとっ走り川へ行って、冷たくて旨い水をくんできたぜ!!」
良い笑顔でそう告げるが、肝心のセイラと雷砂の姿が見えない。
ミカはきょろきょろと二人の姿を探し、
「……って、あれ?セイラと雷砂は???」
首を傾げて残された三人に問いかけた。
三人は顔を見合わせて、揃って何とも言えない顔で力なく笑うのだった。
地べたに座ったままふわふわと体を揺らす雷砂を見ながら、まずったかなと思いつつ、
「雷砂~、大丈夫か?」
ミカは少し心配そうに問いかける。
その声に反応した雷砂が、ぽや~とミカを見上げ、それからにこぉっと笑った。
ちょっと緩い、何とも無防備な笑顔で。その余りの可愛さに思わず息を止めたミカに、
「みか、あぐら、かいて」
雷砂からそんな指示が飛ぶ。
なにをするつもりだと、頭の上に疑問符を浮かべたまま、だが素直に指示に従うと、雷砂が四つん這いでミカに這い寄ってきて、おもむろに己の尻をあぐらをかいたミカの足の上へと乗せた。
「~~~~~っっ!!!!」
声にならない悲鳴を上げて硬直するミカの胸に、ぽすんと頭を預けてへへへ~っと雷砂が笑う。
「みか、からだがぐらぐらする。ささえて?」
甘えるようにお願いされて、ミカはおずおずと雷砂の体に腕を回した。
頭がくらくらして頬が熱い。
それは決して酒のせいだけでは無かった。
体を支えてもらいほっとしたのだろう。
雷砂が体重を預けてきたので、ミカは少しだけ腕の力を強める。雷砂が苦しくない程度に、だが雷砂をしっかりと感じ取ることが出来るように。
「ん~、のど、かわいた……」
雷砂がぽつりとつぶやき、じゃあオレがとミカが答えるよりも前に、
「ろう、なにか、のみもの……」
誰もいない空間にそう命じる。するとどこからきたのか、銀色の髪に銀色の狼耳を備えた美少女が、ジョッキになみなみと液体を入れて雷砂のすぐ前に突如として現れた。
少女は忠実な瞳で雷砂を見つめ、うやうやしくジョッキを差し出す。
「マスタ、飲み物」
「ありがと、ろう」
言いながら雷砂は手を伸ばすが、目測が上手く定まらず、ジョッキに手が掛からない。
のどが渇いているのに飲めない。
そんな状況に雷砂はむぅ、と小さく唸り、自分を見守るロウをじっと見つめ、
「のめない。ろう、のませて?」
そんなとんでもないことを言い出した。
だが、ロウは動じない。
即座に頷き、ジョッキの中身をあおると、雷砂の頬にそっと手を添えてその顔を少しだけ上向かせる。
そしておもむろに雷砂の唇に己の唇を押し当てた。
雷砂の喉が、んっくんっくと動き、その動きが止まるのを待ったようにロウの唇が離れる。
雷砂がとろんとした目でロウを見つめ、ロウもほんのり目元を赤くして雷砂を見つめる。
その後ろでは、雷砂を抱えたままのミカがあわあわしていた。
「マスタ、これでいい?」
「ん。もっと」
その求めに応じて、ロウはさっきと同じ行動を繰り返す。
ジョッキ一杯分を飲み干し、流石に満足した雷砂がその行為を止めるまで。
「ありがと、ろう」
満足そうに雷砂が礼を言うと、ロウはもじもじしながら、
「マスタ、ご褒美は?」
そんな主張をしてくる。雷砂はにっこり笑って頷き、
「ごほうび?いいよ。なにがいい?」
そう問えば、
「ちゃんとしたキス。マスタとセイラがいつもしてる」
ロウはきっぱりはっきりそう主張した。
素面の雷砂には中々言えない台詞だ。だが、今ならいける。ロウの野生の勘がそう告げていた。
「いいよ。おいで」
雷砂が答えて腕を広げる。
その腹の辺りにはミカの手が巻き付いていたが、ロウはためらわずに飛び込んだ。
そして、もうガマンの限界だとばかりに唇を押し当てる。
すると、すぐに雷砂の舌が唇をなぞるように動いてきたので、素直に唇を開いて迎え入れた。
自分の胸を雷砂にぎゅーっと押し当てるように抱きついて、ロウは主の与えてくれる口づけにただ陶然として頬を赤くした。
くちゅくちゅと、互いの舌で互いを愛撫しあい、長いようで短い時間があっという間に過ぎていく。
気がつけば主の唇は離れていて、ロウは名残惜しそうに唾液に濡れて艶っぽく光る主の唇をうっとりと見つめた。
そんなロウと雷砂の間に、小さな影が割り込んでくる。
白い髪に赤い瞳の人離れした愛らしさを持つ少女は、雷砂の服の袖を摘み、ねだるように雷砂を見上げた。
「雷砂、雷砂。クゥにもして?」
「ん~、くぅにも??そうだなぁ、まぁ、いいか」
一瞬思案したものの、考えるのが面倒になったのだろう。
雷砂はすぐに頷いて、クゥの体を片手でそっと抱き寄せた。
もう片方の腕にロウを抱いたまま。
吸いついてきた小さな唇を吸い返し、さっきと同じように舌を差し入れる。
クゥは驚くことなく受け入れて、それだけでなく積極的に雷砂と舌を絡め合わせてその口づけを楽しんだ。
実践するのは初めてだったが、以前、唯一クゥが捕食した男達の記憶から、そう言った行為の知識に関しても手に入れていたのだ。
雷砂は思った以上に積極的で技巧的なクゥの舌使いに驚きつつも、その心地よい口づけをしばし楽しんだ。
その後は再びロウにねだられてキスをして、更にクゥとも再び。
そんなエンドレスに続くキスの饗宴をただ見ていたミカが、『雷砂、オレにも……』と勇気を出して声を上げようとした時、新たな人物が割って入ってきた。
食べ物を山盛り皿に盛りつけた銀色の髪に蒼い瞳の歌姫、リインである。
彼女は半眼で雷砂を取り巻く現状を眺め、
「この桃色空間、なに?」
とぼそっと呟き、手に持っていた料理を傍らに置いて、ロウとクゥを手早く雷砂から引きはがすと、雷砂の前に陣取った。
ミカのことは、雷砂の座椅子として確保しておく事にしたようだ。ひどい話である。
「雷砂、ご飯、持ってきた。食べて?」
リインはニコッと笑い、雷砂の口元へスプーンを運ぶ。
雷砂は雛鳥の様にそれを口で受け止めて、もぐもぐと口を動かした。
「おいしい?」
「ん。おいし」
うまいかと問えば、雷砂は無邪気な笑みで肯定し、
「はい。りいんも、あーん」
今度は自分の番とばかりにスプーンに料理をすくい上げ、リインの口元へと運んだ。
リインは恥ずかしそうに雷砂を見たが、雷砂が引かないのを察して、おずおずと口を開けるとスプーンを口の中へ迎え入れ、料理を舌先でからめ取った。
それを見た雷砂は、いい子だねというように目を細め、不意にミカの腕による柔らかな拘束から抜け出してリインの胸に飛び込んでいく。
目を見開くリインの顔をいたずらっ子の様にのぞき込み、そのまま彼女の唇を奪い、更にその口の中に残っていた料理を彼女の唾液ごとからめ取って奪いさり、それを咀嚼してゴクリと飲み込む。
雷砂はとろけるように微笑んで、リンゴの様に赤くなったリインの頬をそっと撫でた。
「ん。こっちのほうが、もっとおいしい」
もっとちょうだい?と甘えるようにしなだれかかる雷砂に、リインの頭は半パニック状態だ。
なにしろ、恋人になりたてで、セイラほど桃色展開に慣れていない。
だが、リインは頑張った。
「も、もっと?わ、わかった」
そう答えて、プルプルする手でスプーンを操り、それを自分の口へ。
そしてそのまま、雷砂の唇へ唇を押し当てた。
以前も口移しでアーンをやったことはあるのだが、あの時は必死だったためかあんまり恥ずかしいとかドキドキするような事は無かった。
だが、今は何ともいえずに恥ずかしい。胸も、今にも破裂してしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしている。
くっついたまま、次の行動を起こそうとしないリインの唇の上を雷砂の舌が這い、早くと言うようにリインを促す。
リインは促されるまま唇を開き、雷砂の中へ食べ物を流し込んだ。
雷砂はそれを受け取って美味しそうに飲み込む。
見届けたリインが、再びスプーンを自分の口に運ぼうとするのを、今度は雷砂の手がそっと押しとどめた。
もういいの?と雷砂を見れば、妙に熱のこもった眼差しで見つめられて、十分に赤いと思っていた顔へ更に血が集まっていく。
「こんどは、きす、だけ。ね?」
ふわりと微笑まれ、重なる唇と唇。
ちゅっちゅっ、とついばむような可愛らしいキスの後、深く唇を重ねられる。
あっという間に唇を押し広げられ、気がつけば雷砂の舌を受け入れていた。
酒のせいか、溶けそうな程に熱い雷砂の舌にからめ取られ愛撫され、リインはあまりの気持ちよさに腰砕けになりそうになる。
唇が離れた後も、その余韻でトロンとした目を雷砂に向ければ、
「もっと?」
悪戯っぽく笑う雷砂に問われ、考えるよりも前に首を縦に振っていた。
笑みを深めた雷砂の顔が近づいてくる。
リインはぼんやりとそれを見つめる。唇に、雷砂の唇の優しい感触が触れるのをただ待ちながら。
しかし、世の中、そう思うようには事は進まないものである。
二人の唇が触れる寸前、お互いの吐息すら感じる距離の所で、待ったがかかった。
「なに?この桃色空間は?」
奇しくもそのセリフはさっき双子の妹が発したものと同じ内容。
セイラは呆れたような顔で周囲を見回し、転がっている数え切れない程の空きグラスを見て、何となく状況を悟った様だった。
彼女はふ~っと息をつき、リインと雷砂の余りのいちゃいちゃっぷりにちょっとイラッとして、思わずかっさらうようにして抱き上げた雷砂を抱えたまま、近くにあったイスに腰掛けた。
そして雷砂をいつものように自分の膝に座らせる。もちろん、自分と向かい合わせになるように、だ。
くて~っとした雷砂を自分の体にもたれ掛からせて、
「もう、まったく!雷砂がこんなになるなんて。一体どれだけ飲ませたのよ!?」
「う……ごめん。雷砂がカパカパ飲むから、つい」
体を小さくするミカを、セイラは半眼で睨み、
「楽しいのは分かるけど、一応雷砂の年も考えなさいよね?」
「ごめん……」
しょんぼりするミカを前に、セイラは小さくため息。
それから、仕方ないわねぇとばかりに、ふっと笑い、
「反省してるならもういいわよ。ね、ミカ、とりあえず水を貰ってきてくれる?雷砂に飲ませないと」
ミカに指示を出し、ずり落ちそうになる雷砂を抱えなおした。
その拍子に、ちょっとうとうとしていた雷砂が目を開け、改めてセイラの顔を見上げてへら~っと笑った。
「あれ?せいら??」
「そうよ」
セイラが微笑み、雷砂の体をぎゅっと抱きしめれば、
「へへへ~、せいらだぁ」
雷砂はうれしそうにセイラの頬に頬をすり寄せぎゅーっと抱きついてくる。
セイラは滅多に見ることの出来ない甘々な雷砂がなんとも可愛くて、どうしても顔がゆるんでしまうのを止めることが出来ない。
「せいらぁ」
「なぁに?雷砂」
「おれのこと、すき?」
「もちろん。大好きよ」
「えへへ~。おれも、せいらがすき♪」
雷砂はとろんとろんの笑顔を見せて、それから潤んだまなざしでセイラを見上げる。
「おれ、ちゅーしたい。せいら、ちゅー、して??」
雷砂はそんなおねだりをして、目を閉じた。
そんな可愛すぎるお願いを前に、お断りの言葉を継げられる人間がいるだろうか。
少なくとも、セイラには出来そうに無かった。
一応ちらりと周囲を見回してみれば、リインが物欲しそうに指をくわえてこちらを見ていたが、あえてみないふりをして、雷砂の唇へ自分の唇を重ねる。
激しく舌を絡め合わせ、互いを愛撫しあい、それなりに時間をかけて口づけを交わした後、少々物足りなさも感じつつ離れると、雷砂が幸せそうにきゅうっと瞳を細めた。
その表情が愛しくて、セイラはもう一度触れるだけのキスをする。
それから二人で微笑みあい、おでことおでこをコツンとあわせて瞳を見合わせた。
雷砂の瞳は酒の影響か、まだしっとりと潤んでいて、誘うような眼差しが何とも可愛らしく色っぽい。
だが、どんなに理性を削られようと、ここは野外だし、人目もある。
流石にダメだろうと、セイラは理性を総動員して、我慢する。雷砂のあられもない姿を不特定多数の相手にさらすなど、絶対にダメだ、と。
だが、酔っぱらい雷砂はそんなことお構いなしに、セイラの理性をガリガリと削ってくる。
「……まっさーじ」
「ん?なに??」
「まっさーじも、して?」
「マッサージ??」
首を傾げたセイラの手を取って、雷砂はぺとりと己の胸の上に乗せてにっこり笑う。
「いつも、せいらがやってくれるやつ!!」
「……えーっと。まさか、ここで?」
元気よく答えた雷砂に、反射的に問い返したものの、習慣というのは本当に恐ろしいもので。
ほんのり育ち始めた雷砂の胸にあてがわれたセイラの手は、無意識の内にその胸をやわやわと揉んでいた。
それに気付いて、いかんいかんと手を止めれば、咎めるように雷砂が上目遣いに可愛らしく睨んでくる。
「やめちゃ、やだよ。もっと」
そんなセリフと共に。ぐらりと理性を大きく揺さぶられながら、
「あの、でもね?雷砂……」
何とか雷砂を説得しようと口を開けば、それを遮るように割り込んでくる影が三つ。
「マスタ、ロウがしてあげる!!」
「クゥだって出来るよ!!」
「私に任せて、雷砂!!」
ロウとクゥとリインが鼻息荒く迫るが、無情にも雷砂は首を振る。
「や!せいらがいい」
そんな情け容赦のない言葉と共に。
三人が揃ってがっくり肩を落とす中、雷砂は目をうるうるさせてセイラを見上げる。
「せいらじゃないと、やだ。……だめ?おれのおっぱいなんて、さわりたくない?」
ダメ、だなんて、言えるわけが無かった。
セイラは雷砂の求めるままに胸のマッサージを再開し、その頬へキスを落とす。
「そんなおねだりされたら、ダメなんて言えるわけないじゃない。悪い子ね、雷砂は」
「んっ、んっ……せ、いらぁ」
「きもちいい?」
「……うん」
「もっと?」
「うん……もっと」
「いい子ね、雷砂。でも、ここじゃあ、ね」
赤くなった雷砂のほっぺたを優しく撫でて、苦笑混じりに周囲を見回す。
この場の桃色な空気に気付いた数人が、ちらちらと様子を伺っているし、間近で食い入るように見つめてくる人物が三人もいて何ともやりづらい。
よいしょっとかけ声をかけて雷砂を抱え上げたセイラは、自分を見上げてくる三人ににっこり笑って声をかける。
「とりあえず、二時間……いえ、三時間たったら天幕に戻ってきてもいいわよ。それまでは遠慮してね?ミカにもそう伝えておいて。あ、水は馬車の外に置いておいて貰えれば良いからって」
そう言い置いて、セイラは上機嫌に自分たちに割り当てられている野営の為の天幕へ向かう。
後ろから恨めしそうに見送ってくる視線の事など気にしない。考えられるのは、今は雷砂の事だけ。
リインとロウとクゥ、三人が羨ましそうにセイラと雷砂を見送る中、二人はひっそりと天幕の向こうへと姿を消した。
それとほぼ同時に、息を切らせたミカが戻ってくる。
「た、ただいま!水が切れてたから、ひとっ走り川へ行って、冷たくて旨い水をくんできたぜ!!」
良い笑顔でそう告げるが、肝心のセイラと雷砂の姿が見えない。
ミカはきょろきょろと二人の姿を探し、
「……って、あれ?セイラと雷砂は???」
首を傾げて残された三人に問いかけた。
三人は顔を見合わせて、揃って何とも言えない顔で力なく笑うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜
シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。
アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。
前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。
一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。
そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。
砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。
彼女の名はミリア・タリム
子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」
542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才
そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。
このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。
他サイトに掲載したものと同じ内容となります。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる