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第三章 ~少年期・後編~

第三十六話 「炎熱」

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 陽が沈み、暗闇が辺りを包むセントリアに、未だ明かりが消えていない場所があった。
 南の街外れだ。まるで関所のように、平原から続くセントリアへの通り道を塞いでいる。

 ――街の領民とゴブリンが協力し、突貫工事で建てた一夜砦。

 そこはいくつもの松明が煌々と燃え盛り、のどかなセントリアには似合わない不夜城と化していた。
 砦の内部や周囲には、警備兵とゴブリン、そして今回限りの志願兵である自警団が襲撃を警戒している。

「こんなに警戒していたら、襲ってこない可能性がありませんか?」

 俺とアイリス、そしてクルーアも砦の前に陣取り南の平原を見つめている。
 視界に映るのは、ただただ黒く染まった空間だけ。

「……わからん。トルージがどれだけドラゴンに執心しているかによるだろう」
「そう、ですよね」

 トルージは叫んでいた。
 ――絶対に私のものにする、と。

 アイリスを諦めるとは、どうしても思えない。

「パパ」
「ん?」

 アイリスは先ほどから首をゆっくりと回しながら、暗闇の世界を注視していた。

 この子は、いったいどんな風に考えているのだろう。
 ドラゴンの瞳に映る景色には、いくつもの種族が争っているこの状況が、いったいどう見えているのだろうか。

「小さくてあかいの……いっぱい、いるの」
「――っ!」

 その言葉を聞いて、俺はアイリスが顔を向けている方角を見る。
 だが俺には、何も見えなかった。相変わらず視界には暗闇が広がっている。

 でも、いるのだ。
 アイリスがいると言うのなら、確実にそれはいる。

 この視界の先に、この街に襲いかかろうとする集団が潜んでいるのだ。

「ユウリ、どうした」
「奴らは、既に近くまで来ているそうです。アイリスが教えてくれました」

 クルーアはゆっくりと、辺りを見渡す。

「……確かか」
「アイリスには、生物が持つ魔力が暗闇の中でも見えているそうなので、俺はもう奴らは目の前に迫っていると思っています」
「わかった」

 クルーアは一度頷いたあと振り返り、砦の内部にまで届く大声を張り上げる。

「――警戒態勢っ!! 奴らはすぐそこまで来ているぞ! 各自迎撃の準備を整えておけ!!」

 その掛け声を聞いて、人間とゴブリンが武器を掲げながら周囲への警戒度を上げた。

 そのとき、だった。
 セントリアを照らす明かりが砦の他にもう一つ、増えたのは。

 明かりは砦から少し距離が離れている。
 南の平原に、最初は赤い魔力光が灯り、そしてだんだんとそれは『炎』へと姿を変えていった。

 徐々に膨らんでいくその炎は、空中に浮かぶ小さな太陽となった。
 平原周辺を明るく照らす炎の固まりは、隕石のように砦に向かって勢いをつけて迫ってくる。

「「う、うわああああああああっ!!」」

 まずい、砦ごと潰される――
 警備兵やゴブリンの叫び声が、辺りに響いた。

「――風よっ、舞い上がれ!!」

 地上から上昇するように突如発生した突風が、敵の攻撃を防いでくれた。
 火球は、砦から逸れて街からも遠く離れた場所へと落ちる。

 それは、クルーア=キルセンが操る風の魔法だった。

「先生っ!!」
「総員! 油断するな、これは始まりに過ぎないぞ!!」

 初撃が防がれたのを確認してか、次は先ほどより小さな火球がいくつも平原から飛んできた。
 威力は低いが速度が高くなったそれは、まるで大砲のようにこちらに迫る。

 先ほどよりも小さいといっても、それはただ比べてという話だ。
 飛んでくる火球が一つでも当たれば、砦は崩壊するだろうと思われた。

「――風塵っ!!」

 その言葉と共にクルーアが発生させたのは、砦を護るように立ち塞がる竜巻だ。
 螺旋を描いて無理やりに周囲の空気を巻き込むその旋風は、火球を取り込んでは次々に弾き飛ばしていく。

 全ての炎を防いだあと、クルーアは片膝をついて前方を睨む。

 次の攻撃は、飛んでこなかった。

「先生、大丈夫ですか!?」
「……はぁっ、はぁ、問題、ないっ……」

 脂汗を流しながら、クルーアはそれでも表情を崩さず平原へと顔を向ける。
 炎の魔法攻撃が飛んでこないか、警戒しているのだろう。

「敵は、遠距離からの攻撃で攻めきるつもりでしょうか」
「そうなれば……はぁっ、こちらの、負けだ……。魔法戦では、勝ち目が薄い……っ」

 あれだけの大規模魔法を操るのは、やはりとても消耗するものなのか。
 既にクルーアには余裕がなくなっているように見えた。

「アイリス、行くぞっ!」
「あいっ!」

 俺は伏せて待機していたアイリスの背に乗り、口にかませた革ベルトに手をかける。

「先生、後は頼みます! トルージの相手は任せてください!」
「……くそっ、結局……お前に任せてしまうのかっ……」
「絶対に勝ちますから!」
「頼んだぞ……絶対に、死ぬなっ……!」
「はい! アイリス、頼むっ」
「あいー!」

 アイリスはその場で浮かんだあと、平原の方向へ飛行を始める。
 空から地上へ視線を向けると、いくつもの光が砦へ向かって移動していた。

 等間隔に二つずつ並んだ、緑色の光――

 瞳の色だ。
 銀狼族が、セントリアを襲おうとしているのだ。

 クルーアは俺とアイリスの距離が十分に離れたことを確認したあと、また声を張り上げる。

「――弓矢ぁ、放てええぇっ!」
「「おおおおおぉっ!!」」

 人間と魔物の混合兵と、狼に跨った獣人の戦闘が――幕を開けた。

■ ■ ■

「おいおい、なんだぁ? てめぇの方からドラゴンを連れてきてくれるとはなぁ――ガキぃ!」

 セントリアから離れた南の平原に、一人の男が立っていた。
 俺とアイリスは、空を飛びながらその男を見下ろしていた。

 トルージ・リ・ケヴァン。
 サルベスの魔法騎士。ハインツ騎士団第三席、『炎熱』の二つ名を持ち、ドラゴンを支配しようと目論む――セントリアの敵だ。

「パパ、あついのだす?」
「……いや、あんまり出したくない。多分だけど、むしろあいつに利用されると思う……けど、仕方ないよな。上手く空中にいるし、このまま作戦『1』でいこう」
「あい、いちで!」

 アイリスと作戦の確認をして、そのままトルージの周りをぐるぐると飛びまわる。

 作戦『1』とは、時間稼ぎである。
 砦を築き、トルージを引き離せたことでセントリアの戦闘が有利に働くのは間違いない。
 おそらくだが、問題なく勝てるはずだ。

 あとはクルーアがこちらへ駆けつけるまで時間稼ぎができればいい。
 消極的な作戦だが、まずは何よりもセントリアの勝利を優先する。

 もちろん、隙を見つけてこっちからも攻撃を仕掛けるつもりだ。

「ちっ、無視かよ……本当にイラつくよ。てゆーか騎士がいるなんて聞いてないんだけどぉ? 領主不在じゃなかったのかよ。まったく、どうなってんだ、なぁおいっ!!」

 トルージが手に持っているショートロッドをこちらに向け、火球を作り出しては射撃する。

 こちらは上下左右、自由に飛びまわれるので直撃する心配はほとんどないが、それでも何度かはかすってしまい、焦りからか汗が流れる。

「アイリス、炎だっ!」
「あいっ! あかいの、もえろーっ!」

 いつまでも避けるだけでは、勝てない。
 トルージの魔力量は本当に目を見張るものがある。

 何発火球を放っても、消耗している様子がない。

「フハハハッ、いい炎だっ。そらっ、返すぞおっ!!」

 トルージはアイリスが吐き出した炎を受け止め、そのまま威力を殺さずこちらへ放ち返す。

「パパっ、あかいのに、あついのきかないっ!」

 やはり、トルージ相手には炎攻撃自体が通じない。
 むしろそのまま利用され、こちらへの攻撃に変わってしまう。

「アイリス、諦めるな! 何度でも挑戦するぞ!」
「あいーっ!」

 だが、作戦はこのまま継続だ。
 ――これは、勝つためには必要なことだから。

 アイリスとトルージは、空中と地上から互いに炎の応酬を繰り出している。
 街に被害が及ばないよう位置取りを注意しながら、アイリスに炎を吐き出してもらい、返されるそれを避ける。そんなやり取りを何度も、何度も繰り返していた。

 そして、ついにトルージの堪忍袋の尾が切れる――

「あああぁっ、うぜええ!! もう飽きたわ、さっさと終わらせるぞオイ!!」

 トルージは頭上に大きな火球を放つ。
 その火球は俺やアイリスが飛んでいる位置より遙かに上の高度で止まり、爆発する。

 細かく分かれた火球が、平原を埋め尽くすように降り注ぐ。
 流星群のように、あるいは小隕石のように、俺とアイリスが飛ぶ先々さえも塞ぐように、それは――

「アイリスっ、地上すれすれに飛べぇっ!!」
「あいいぃっ!」

 少しでも火球からの距離をかせぐように、低空飛行でギリギリに避けていく。
 降り注ぐそれが地上に触れるたびに、地面が振るえ、空気が振動する。

 ちくしょう!
 こんなの、一人の人間が生み出していい魔法じゃないだろっ!!

 だが――

「いらっしゃ~い。待ってたよぉ? 私のドラゴンちゃんっ!!」

「あああぁっ、パパあああぁッ!!」
「うあぁっ!?」

 ――トルージの攻撃は、それで終わりではなかった。

 ショートロッドの先から生み出されたそれは、蛇のようにうねりながらアイリスを捕らえる。
 トルージが作り出した火柱が、暴れるアイリスの身体に巻きつき拘束していく。

 飛行すらも封じられ、俺は地面へと投げ出された。
 低空飛行している状態でなかったら、地面に落ちた衝撃で死んでいたかもしれない。

 だが、それは不幸中の幸いとも言えなかった。

「パパっ、パパああぁっ!? あついっ、いたいよぉっ!!」
「あ、アイリスーっ!!」

 炎の鞭に囚われたアイリスが、徐々に侵食されていく。

「フハハハハハハッ!! ついに捕らえたぞっ、これはもう、私のものだぁっ!!」

 トルージの魔力が、アイリスを支配しようとしているのだ。
 だが、アイリスも必死に抵抗しているようで、すぐには支配が完了しない。

 ――今しか、ない。

「アイリス! 作戦『3』だあっ!!」
「さ、さんっ! でも、でもっ、パパをいたくするなんてできないよぉ!」
「やってくれ! あいつを倒すには、これしかないんだっ!」
「あ、あいいいいっ!!」

 アイリスから生み出された水柱が、俺を攻撃する。

「なんだぁ? なにやって――おいおいおいおいおいっ、なんだぁそりゃあああっ!!」

 俺は水柱に勢いよく吹き飛ばされた。
 ナイフを構え、まるで射出されるように。

 飛ばされた先は、トルージの身体――

「くらえええええっ!!」

 トルージ、お前は知らない。
 お前の前ではアイリスは炎しか吐き出さなかったからな。

 アイリスは、水竜なのだ。
 水を司るドラゴンであり、操れるのは炎だけじゃない。

 水を操る魔法だって、使えるんだ。

 驚いたか、驚いたよな?
 お前はこんなこと、予想すらしてなかったはずだ。
 ドラゴンの攻撃手段は炎しかないと、繰り返される応酬で思い込んでいたはずなのだ。

 ――知らないものには、対処できない。

 だからトルージは、俺の攻撃を防げない。

「てめええええぇっ!?」

 ナイフは、トルージの身体に突き刺さった。
 狙いは正確だった。唯一不安だった飛ばされる方向も上手くいった。

 心臓か、腹部。ナイフが刺さる場所に狙いをつけて突撃した。
 そしてそれは、ちゃんと刺さったのだ。

「まあぁったくよおおっ! やってくれんじゃんか――こんの、ガキがぁっ!!」

 トルージの、左腕に――

「ぐぅっ、が、あぁっ、かはぁっ!?」

 水柱の勢いをそのまま威力へと変換したその攻撃は、失敗に終わった。
 トルージと共に吹き飛んだ俺は、相手を押し倒すような形になりながらも狙い通りぶつかることができたのだ。
 だが、ナイフは咄嗟に動かしたのであろう左腕に深く突き刺さり、力を入れても抜けやしない。

 いま俺は、トルージの右手に首を絞められている。
 ナイフが刺さっているのに、子供一人の命を散らすような余力がまだ、トルージには残っていたのだ。

「いてぇ、いてぇなあぁおい!! なにしてくれてんだよこのくそガキがぁっ! 」
「がっ、はぁっ、く、そっ、てめぇっ!」
「許さねぇよ、もう。てめぇはただ殺すだけじゃ終わらねぇ!! 精神を残したまま、一生奴隷としてこき使ってやる! ドラゴンと一緒に、私の為にその命を散らせぇ!!」
「がああああぁっ!?」

 ――魔力が、無理やり体内を駆け巡っていく。

 トルージの魔力が、俺をも支配しようと侵食しているのだろう。
 全身が熱くなり、だんだんと目の焦点が合わなくなってくる。

「フハハハハハハッ!! てめぇを操れば、労せずドラゴンが手に入る! やはりドラゴンは凄いなぁ? 天才たるこの私の魔力に抵抗できるのだから!! だが、これで私に勝てるものはいなくなった! ドラゴンの力を使って、私はサルベスの頂点に立つ!!」

 ああ――やっぱりドラゴンを支配するのは、トルージでも難しいことだったのだ。

「パパぁっ、パパああぁっ! やだっ、パパぁ、まけちゃダメぇっ!!」

 アイリスは炎の檻に囚われ苦しんでいるが、まだ支配されるには至っていない。
 自身のことよりも、俺の心配ができるほどなのだ。

 ドラゴンは、アイリスは――やはり凄い存在だ。

「て、めぇ」
「あぁ?」
「てめぇ、にはっ……ぜったいまけねぇっ!!」
「なんだぁ、まだ支配されてねぇのかぁっ!? けっこうタフな魔力して――なんだ!?」

 わかっているのか、トルージ。
 俺の手は、まだナイフから離れてないんだぜ。

 ゴブリンから貰った、魔力をよく通す鉱石で作られたナイフから――

「パパあぁっ!! まけないでええええっ!!」

 ――任せろ、アイリス。

 しっかり見てろよ。
 お前のパパが、大逆転勝利するところを――!!

「てめええっ、なんだその化け物みたいな魔力はああああっ!!」

「あああああああああぁ――っ!!!」

 ナイフを持つ手に、精一杯の魔力を込める。
 今まで成功したことが数えるほどしかなかったけれど、命がかかっているからか無事に剣身へと魔力が通じてくれた。

 俺の魔力が、トルージの身体へと流れていく――

「――っ、かはっ、はっ、ふぅ、はあぁー……上手くいった、みたいだな……」

 首を絞めていた右腕から力が抜ける。
 俺はゆっくりと立ち上がり、未だ倒れたままのトルージを見下ろした。

「て、めぇ……どうしてそんな魔力をっ、私を、どうするつもりだ……っ」

 俺はトルージを、魔力によって支配した。
 抵抗がそのまま、反撃へと移り変わったのだ。

 ――魔力の量は、そのまま威力と継続力に繋がる。

「悪いな……俺の魔力は特別製らしい。神様と会話ができるほど、って言ったら信じるか?」
「なにを、わけのわからねえことをっ」

 地球生まれの俺の魔力には、なんと成竜である母ドラゴンですら敵わないくらいらしいからな。
 天才でも、人間であるトルージでは及ばないのだろう。

 魔力量だけは、俺が唯一誇れるものだ。
 辛勝だった。作戦通りになんて、全然いかなかった。

 必死の抵抗が上手くいって、本当によかった――

「パパっ! だいじょぶ!?」
「ああ、大丈夫だ。無茶な作戦させてごめんな、アイリス」
「あ、あいっ!」

 トルージを支配したことで、アイリスを捕らえていた炎柱がなくなったのだろう。
 アイリスは、ぱたぱたと俺の元へ駆け寄り身体を摺り寄せてくる。

 それに応えるようにゆっくりと、水色の鱗を労わるよう撫でていく。

「……さて、トルージ。まずはお前が無理やり支配している銀狼族を解放してもらおうか」
「ちっ、きしょう! 覚えてやがれっ。てめぇは、絶対に許さねぇ!!」

 安いチンピラのような台詞を吐きながらも、トルージは杖先をセントリアの方へ向け、なにか呪文のような言葉を呟いた。

 ショートロッドから、赤い光が発せられる。

「「うおおおおおおおっ!!」」

 それから数分経ち、セントリアの方角から地響きのような大声が聞こえてきた。
 きっと銀狼族との戦闘が終わったことで、勝ち鬨をあげているのだろう。

「ふー……」

 安心感からか、俺は力が抜けたようにその場に腰を下ろす。

 ――これで、全て解決した。

「お疲れ様、アイリス。よく頑張ってくれた。ありがとう、おかげで凄く助かった」
「あいっ、パパも、おつかれさまでしたっ」

 こうして領主不在の際に突如発生した、サルベスと銀狼族との戦争が終わりを告げた。

 セントリアにまた、平和が戻ってきたのだ。
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