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卒業後
1023 星暦558年 赤の月 3日 棚以外にも使えるよね?(20)
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「うっわぁ~・・・」
試しにということでまずは一般庶民な独身男性が持っているかも知れない色物のシャツを2枚、白(というか生成りなごく薄いベージュ)のシャツと一緒に洗濯用魔具で洗ってみた。
出して干したところ・・・見事に生成りのシャツが変なオレンジっぽい色に染まり、鮮やかな赤っぽかったシャツは変なピンクに、青だったシャツは少し褪せた色になっていた。
青だったシャツ以外は別物にすり替えたと言われても可笑しくないぐらいの変化だ。
「・・・青は落ちにくいのか?」
ちょっと現実逃避気味に尋ねる。
「いや、その青いのは古着で買った奴だから、気を付けて洗ったにしても何度かは洗われてある程度は色が抜けた後だったんだろう。
その赤いのは幾つかのサイズで売っている既製品の新しい奴だから、見事に色が落ちたな」
アレクがため息を吐きながら言った。
「そう言えば、色物ってぬるま湯じゃなくて冷水で洗う方が良いんじゃなかったっけ?
今の時期だったら冷水って言うか普通に井戸水で十分冷たいけど」
シャルロが指摘する。
「・・・汚れが落ちやすいのと同じで、染料もぬるま湯にすると落ちやすいのか?」
まあ、なんでぬるま湯だと冷たい水よりも泥の汚れが落ちやすいのか、俺には分からんが。
現実の事象として汚れが落ちやすいという話は聞いていたので洗濯用魔具もそんな感じにしてみたのだが、色物には駄目だということなんだな。
「取り敢えず、冷水で洗ったらマシなのかを確認して、それでもダメだったら色物は絶対に禁止とした方が良さそうだな」
アレクが言った。
「石鹸の種類を変えるとかはどうなんだ?
お洒落着の方が汚れが少ない可能性が高いんだから、洗浄力が低い代わりに色が落ちにくいのを使ったら良いんじゃないのか?」
デート用の服に泥を付ける馬鹿は少ないだろう。
少なくとも、女性をデートに連れて行くのに泥だらけになるようなところを選ぶような男は直ぐに振られる。
女性の服の方が色物は多いだろうが・・・女性だったら自分で洗いそうな気もするし、一人暮らしをしない可能性が高いし、色物の洗い方の注意点とかもちゃんと分かっているだろう。
多分。
少なくとも、女性の方が注意書きとかをきちんと読む人間が多そうだ。
まあ、女性でも大雑把な人間は居ることは居るけどな。
でも、そう言う大雑把な女性だったら自分が注意書きを読まないせいで服が台無しになっても逆恨みしない気がする。
・・・何でもかんでも人のせいにするタイプは男女問わずにいるけど、そう言う女だったら一人暮らしは多分していないだろう。
女性の一人暮らしなんて、色々と問題点が多いのだ。
普通に住み込みのメイドの仕事だってそれなりにあるし、余程しっかりした人間じゃない限り女性の一人暮らしなんて危険だと周囲の人間がお節介を焼くか・・・どっかの男に騙されて闇娼館に売られている。
「まあ、試してみても良いが・・・現場に置く石鹸を何種類も増やすのは費用が嵩むし、説明を読まない人間だったらどっちの石鹸を使うべきという注意書きだって読まないだろう。
普通の汚れを落とせる石鹸で、色落ちしないのがあるならそれを使うという程度かな」
アレクが応じる。
「考えてみたら、染料って値段と色によって種類は凄く沢山あるし、どのくらい色落ちするかも違うよ?
アレクが買ってきてくれた服が大丈夫だったからって、他の人が買った色物が大丈夫とは限らないんじゃない?」
シャルロが冷静に問題点を指摘した。
「・・・確かに。
安物で色が鮮やかなのはほぼ確実に色落ち対策をしていない、洗うまでだけの服という扱いをすべきと母が言っていたな、そう言えば。
酷い安物だと汗をかいただけで色落ちして下着や肌にまで色がついたり、それがかぶれたりすることもあるから要注意だとも言っていた」
アレクが頷く。
「よし!
色物は諦めよう!!!
そんなもん、全部試すのにどれだけ手間と暇が掛かるか分かったもんじゃない」
しかもいつどっかの誰かが新しいタイプの染料を開発するかも知れないんだ。
最初から諦めた方が良い。
「そうだね~。
絹も一応試してみて、そっちもダメだったらもう洗濯用魔具貸し出し店は諦めた方が良いね。
色物禁止って言うのは露骨に見たら分かるけど、絹は気付かない可能性があるし高いから、駄目だとしたら最初からちゃんと話して説明できるような場所以外で使わせるのは責任問題が面倒になりそう」
シャルロが言った。
絹かぁ。
あまり縁がないからなぁ。
なんかこう、オムツを洗うための洗濯用魔具だったから面倒な条件付けなんて考えてなかったぜ。
取り敢えずアレクが持ってきたテスト用の絹服だけ洗ってみて、駄目だったらスパッと諦めよう。
何か面倒になってきた。
普通の服を洗う様に宿屋や商会に置く分には今のままで良いんだし。
シェイラはどうせあの宿屋に色物や絹の服は持って行ってないだろう。
宿屋用だったら今のままで十分なのだ。
色物や絹には洗濯女を使えば良い。
試しにということでまずは一般庶民な独身男性が持っているかも知れない色物のシャツを2枚、白(というか生成りなごく薄いベージュ)のシャツと一緒に洗濯用魔具で洗ってみた。
出して干したところ・・・見事に生成りのシャツが変なオレンジっぽい色に染まり、鮮やかな赤っぽかったシャツは変なピンクに、青だったシャツは少し褪せた色になっていた。
青だったシャツ以外は別物にすり替えたと言われても可笑しくないぐらいの変化だ。
「・・・青は落ちにくいのか?」
ちょっと現実逃避気味に尋ねる。
「いや、その青いのは古着で買った奴だから、気を付けて洗ったにしても何度かは洗われてある程度は色が抜けた後だったんだろう。
その赤いのは幾つかのサイズで売っている既製品の新しい奴だから、見事に色が落ちたな」
アレクがため息を吐きながら言った。
「そう言えば、色物ってぬるま湯じゃなくて冷水で洗う方が良いんじゃなかったっけ?
今の時期だったら冷水って言うか普通に井戸水で十分冷たいけど」
シャルロが指摘する。
「・・・汚れが落ちやすいのと同じで、染料もぬるま湯にすると落ちやすいのか?」
まあ、なんでぬるま湯だと冷たい水よりも泥の汚れが落ちやすいのか、俺には分からんが。
現実の事象として汚れが落ちやすいという話は聞いていたので洗濯用魔具もそんな感じにしてみたのだが、色物には駄目だということなんだな。
「取り敢えず、冷水で洗ったらマシなのかを確認して、それでもダメだったら色物は絶対に禁止とした方が良さそうだな」
アレクが言った。
「石鹸の種類を変えるとかはどうなんだ?
お洒落着の方が汚れが少ない可能性が高いんだから、洗浄力が低い代わりに色が落ちにくいのを使ったら良いんじゃないのか?」
デート用の服に泥を付ける馬鹿は少ないだろう。
少なくとも、女性をデートに連れて行くのに泥だらけになるようなところを選ぶような男は直ぐに振られる。
女性の服の方が色物は多いだろうが・・・女性だったら自分で洗いそうな気もするし、一人暮らしをしない可能性が高いし、色物の洗い方の注意点とかもちゃんと分かっているだろう。
多分。
少なくとも、女性の方が注意書きとかをきちんと読む人間が多そうだ。
まあ、女性でも大雑把な人間は居ることは居るけどな。
でも、そう言う大雑把な女性だったら自分が注意書きを読まないせいで服が台無しになっても逆恨みしない気がする。
・・・何でもかんでも人のせいにするタイプは男女問わずにいるけど、そう言う女だったら一人暮らしは多分していないだろう。
女性の一人暮らしなんて、色々と問題点が多いのだ。
普通に住み込みのメイドの仕事だってそれなりにあるし、余程しっかりした人間じゃない限り女性の一人暮らしなんて危険だと周囲の人間がお節介を焼くか・・・どっかの男に騙されて闇娼館に売られている。
「まあ、試してみても良いが・・・現場に置く石鹸を何種類も増やすのは費用が嵩むし、説明を読まない人間だったらどっちの石鹸を使うべきという注意書きだって読まないだろう。
普通の汚れを落とせる石鹸で、色落ちしないのがあるならそれを使うという程度かな」
アレクが応じる。
「考えてみたら、染料って値段と色によって種類は凄く沢山あるし、どのくらい色落ちするかも違うよ?
アレクが買ってきてくれた服が大丈夫だったからって、他の人が買った色物が大丈夫とは限らないんじゃない?」
シャルロが冷静に問題点を指摘した。
「・・・確かに。
安物で色が鮮やかなのはほぼ確実に色落ち対策をしていない、洗うまでだけの服という扱いをすべきと母が言っていたな、そう言えば。
酷い安物だと汗をかいただけで色落ちして下着や肌にまで色がついたり、それがかぶれたりすることもあるから要注意だとも言っていた」
アレクが頷く。
「よし!
色物は諦めよう!!!
そんなもん、全部試すのにどれだけ手間と暇が掛かるか分かったもんじゃない」
しかもいつどっかの誰かが新しいタイプの染料を開発するかも知れないんだ。
最初から諦めた方が良い。
「そうだね~。
絹も一応試してみて、そっちもダメだったらもう洗濯用魔具貸し出し店は諦めた方が良いね。
色物禁止って言うのは露骨に見たら分かるけど、絹は気付かない可能性があるし高いから、駄目だとしたら最初からちゃんと話して説明できるような場所以外で使わせるのは責任問題が面倒になりそう」
シャルロが言った。
絹かぁ。
あまり縁がないからなぁ。
なんかこう、オムツを洗うための洗濯用魔具だったから面倒な条件付けなんて考えてなかったぜ。
取り敢えずアレクが持ってきたテスト用の絹服だけ洗ってみて、駄目だったらスパッと諦めよう。
何か面倒になってきた。
普通の服を洗う様に宿屋や商会に置く分には今のままで良いんだし。
シェイラはどうせあの宿屋に色物や絹の服は持って行ってないだろう。
宿屋用だったら今のままで十分なのだ。
色物や絹には洗濯女を使えば良い。
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