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卒業後
920 星暦557年 緑の月 1日 熟練の技モドキ(2)
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「果物とか草類の成長に関係する要因って水の他に何があるんだ?」
取り敢えず開発を試してみることになったので、黒板モドキにアイディアを書き出していく。
「肥料としては森の腐葉土とか、馬や牛の糞を発酵させたのとか、魚の食べなかった部分や骨とか、よくあるよね。
後は石灰や灰を撒いたりすることもあるかな~」
シャルロがペンを受け取って黒板モドキに書き込み始める。
へぇぇ。
流石、子供時代に果樹園のじーさんと協力しただけあって色々知っているな。
「木炭を作る際に出来上がる酢を薄めて撒くこともあるようだな。
酢が栄養になるのか、それとも他の効果を狙っての事なのかは微妙に不明だが。
何か虫が減る効果があるという話を聞いた気もする」
アレクが付け加える。
うん?
栄養じゃなくって虫除けねぇ。
「虫除けだったら虫除け結界を土の状態調査の魔具に組み込んでおけば良くないか?」
酢は食べ物を腐りにくくする効果があるらしいから、何か植物にも良い効果があるのかも知れないが・・・あの酸っぱい匂いって何かこう、植物をげんなりさせそうな気もするぞ。
それとも植物は匂いなんぞ感じないか?
「虫除け結界も時期によっては使う価値があるかも知れないが、開花時期なんかには虫を排除してしまうと受粉出来なくて困るぞ」
アレクが指摘する。
あ~。
それに、養蜂とかをやっている場合は虫除け結界を使ったら蜜が集まらないだろうな。
穀物系に蜜があるのかは知らんが。
果樹園はそれなりに良い匂いがするし、蜂蜜も美味しそうだから虫除けは駄目か。
まあ、おいしそうな果物が出来たらがっつり虫もよってきそうだから受粉の時期が終わったら虫除け結界も一つの選択肢だとは思うが。
とは言え、色々と魔具を使ったらますます高級路線な果物になりそうだな。
単発的に土や水の状態を確認して果樹にとって良い状態を齎すのと、常時動かしていて虫を寄りつかせないようにするのとでは消費魔石量が大分と違いそうだ。
「虫は良いとして・・・考えてみたら、毒探知の魔具でもどんな成分が地中にあるか、解体してみたら調べる魔術回路があるんじゃないか?
土の中にある成分が植物の味や成長にどの程度影響するのかは知らんが」
土の中にあってもどうでも良い成分だってあるだろうし。
まあ、ある意味植物が成長しているのに全然使われていない成分っていうのはどうでも良い成分なのかも?
「成分解析の魔術回路は他にもあったと思うが・・・確かに毒探知の魔具は確実に出来る筈だな。
特許資料を調べるついでに、幾つか入手して解体してみるか」
アレクが頷く。
「水に関しては・・・ぐさっと筒でも土の中1メタかそこら突き刺して、どの辺まで水があるかを調べる程度でいいかな?
ついでにその筒の中に採れた土を分析すれば良いし」
シャルロが首を傾げながら言う。
「定期的に耕している畑ならまだしも、果樹園の地面で1メタも筒を打ち込むのは中々の重労働なんじゃないか?
その半分ぐらいでもなんとかならないか、試すべきだと思うぜ」
まあ、農家の男どもなんかはかなり筋肉もりもりっぽいから、その程度全然問題ないのかも知れないけど。
だが、この分析作業を働き盛りの男衆ではなく引退間際のジジイとか女子供がやるんだったら1メタは厳しいだろう。
「そう言えば、毒もだけど土の中にあったらダメな成分っていうのも調べたら良いかもだな。
それこそ鉱毒とかが土に沁み込んでいたら危険だし、そうじゃなくても土質によっては作物が育たないこともあると聞くから、必要な成分だけでなく、あったら駄目な成分もあるだろうから基本的に美味しい作物が出来る農園にはどんな成分が土の中にあるかと、駄目なところは何が違うかを比較分析する必要がありそうだ」
アレクが指摘する。
鉱毒とかはヤバいらしいからなぁ。
精霊の加護持ちが居れば教えて貰えるが、そうじゃないと住民が体調を崩してやっとわかるかもって問題だから魔具でついでに調べておけたら都合がいいかも知れない。
「そう言えば、日照時間とか温度も重要だよね~。
これは制御するのは難しいけど、少なくとも新しい土地で何か育てるのに向いているかどうかは分かるかも?」
シャルロが指摘する。
日照時間はどうしようもないが、温度だったら水除け結界の冷却機能を解禁すればある程度は調整できるが・・・これは解禁したらダメなんだろうなぁ。
まあ、例え飛び切り美味しい果物の為であろうと、魔具を使って温度調整しているんじゃあ高くつきすぎて話にならない気もするが。
少なくとも土の状態が良いのに作物が育たない場合に、温度とか日照時間が要因かどうかは確認できるかもな。
しっかし。
色々と確認する要素が多すぎるんだが、これの分析とかって誰がするんだ??
情報を得る魔具が作れたにしても、それを分析して利用しないことには意味が無い気がするが・・・ちょっと大変すぎないか??
【後書き】
データは集めた後の分析が肝ですよね~
取り敢えず開発を試してみることになったので、黒板モドキにアイディアを書き出していく。
「肥料としては森の腐葉土とか、馬や牛の糞を発酵させたのとか、魚の食べなかった部分や骨とか、よくあるよね。
後は石灰や灰を撒いたりすることもあるかな~」
シャルロがペンを受け取って黒板モドキに書き込み始める。
へぇぇ。
流石、子供時代に果樹園のじーさんと協力しただけあって色々知っているな。
「木炭を作る際に出来上がる酢を薄めて撒くこともあるようだな。
酢が栄養になるのか、それとも他の効果を狙っての事なのかは微妙に不明だが。
何か虫が減る効果があるという話を聞いた気もする」
アレクが付け加える。
うん?
栄養じゃなくって虫除けねぇ。
「虫除けだったら虫除け結界を土の状態調査の魔具に組み込んでおけば良くないか?」
酢は食べ物を腐りにくくする効果があるらしいから、何か植物にも良い効果があるのかも知れないが・・・あの酸っぱい匂いって何かこう、植物をげんなりさせそうな気もするぞ。
それとも植物は匂いなんぞ感じないか?
「虫除け結界も時期によっては使う価値があるかも知れないが、開花時期なんかには虫を排除してしまうと受粉出来なくて困るぞ」
アレクが指摘する。
あ~。
それに、養蜂とかをやっている場合は虫除け結界を使ったら蜜が集まらないだろうな。
穀物系に蜜があるのかは知らんが。
果樹園はそれなりに良い匂いがするし、蜂蜜も美味しそうだから虫除けは駄目か。
まあ、おいしそうな果物が出来たらがっつり虫もよってきそうだから受粉の時期が終わったら虫除け結界も一つの選択肢だとは思うが。
とは言え、色々と魔具を使ったらますます高級路線な果物になりそうだな。
単発的に土や水の状態を確認して果樹にとって良い状態を齎すのと、常時動かしていて虫を寄りつかせないようにするのとでは消費魔石量が大分と違いそうだ。
「虫は良いとして・・・考えてみたら、毒探知の魔具でもどんな成分が地中にあるか、解体してみたら調べる魔術回路があるんじゃないか?
土の中にある成分が植物の味や成長にどの程度影響するのかは知らんが」
土の中にあってもどうでも良い成分だってあるだろうし。
まあ、ある意味植物が成長しているのに全然使われていない成分っていうのはどうでも良い成分なのかも?
「成分解析の魔術回路は他にもあったと思うが・・・確かに毒探知の魔具は確実に出来る筈だな。
特許資料を調べるついでに、幾つか入手して解体してみるか」
アレクが頷く。
「水に関しては・・・ぐさっと筒でも土の中1メタかそこら突き刺して、どの辺まで水があるかを調べる程度でいいかな?
ついでにその筒の中に採れた土を分析すれば良いし」
シャルロが首を傾げながら言う。
「定期的に耕している畑ならまだしも、果樹園の地面で1メタも筒を打ち込むのは中々の重労働なんじゃないか?
その半分ぐらいでもなんとかならないか、試すべきだと思うぜ」
まあ、農家の男どもなんかはかなり筋肉もりもりっぽいから、その程度全然問題ないのかも知れないけど。
だが、この分析作業を働き盛りの男衆ではなく引退間際のジジイとか女子供がやるんだったら1メタは厳しいだろう。
「そう言えば、毒もだけど土の中にあったらダメな成分っていうのも調べたら良いかもだな。
それこそ鉱毒とかが土に沁み込んでいたら危険だし、そうじゃなくても土質によっては作物が育たないこともあると聞くから、必要な成分だけでなく、あったら駄目な成分もあるだろうから基本的に美味しい作物が出来る農園にはどんな成分が土の中にあるかと、駄目なところは何が違うかを比較分析する必要がありそうだ」
アレクが指摘する。
鉱毒とかはヤバいらしいからなぁ。
精霊の加護持ちが居れば教えて貰えるが、そうじゃないと住民が体調を崩してやっとわかるかもって問題だから魔具でついでに調べておけたら都合がいいかも知れない。
「そう言えば、日照時間とか温度も重要だよね~。
これは制御するのは難しいけど、少なくとも新しい土地で何か育てるのに向いているかどうかは分かるかも?」
シャルロが指摘する。
日照時間はどうしようもないが、温度だったら水除け結界の冷却機能を解禁すればある程度は調整できるが・・・これは解禁したらダメなんだろうなぁ。
まあ、例え飛び切り美味しい果物の為であろうと、魔具を使って温度調整しているんじゃあ高くつきすぎて話にならない気もするが。
少なくとも土の状態が良いのに作物が育たない場合に、温度とか日照時間が要因かどうかは確認できるかもな。
しっかし。
色々と確認する要素が多すぎるんだが、これの分析とかって誰がするんだ??
情報を得る魔具が作れたにしても、それを分析して利用しないことには意味が無い気がするが・・・ちょっと大変すぎないか??
【後書き】
データは集めた後の分析が肝ですよね~
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