627 / 1,038
卒業後
626 星暦556年 藤の月 12日 とばっちり(13)
しおりを挟む
今回は情報部の団長さんの視点からの話です。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
--
>>>サイド ダグロイド・シャーストン団長(第三騎士団)
「なんと。
非公式とは言え、こちらから協力を頼んでいる人間から軍部と交わした契約の交渉で粘りすぎると暗殺されると思われているというのか?!」
王太子殿下が目を丸くして聞き返してきた。
「そのようですな。
本人にも先日聞いてみたところ、『どうせお偉いさんにとって元孤児の人間なんてそこら辺の野良猫と同じ扱いだろうし。
流石にシャルロとの関係があるからウザかったら即抹殺という事は無いにしても、それなりに満足できる金額がもらえているんだから下手に欲を出して後から狙われるような状況にならない方が無難だろうと思ってね』と言われました」
ウォレン爺が肩を竦めつつ答えた。
「まさか本当に軍部でスラムの都合の悪い人間を暗殺しているとかいうのではないでしょうな?」
宰相がじろりとこちらを睨む。
「戦場での殺し合いならまだしも、暗殺は泥沼な状況になりやすいですから。
他にどうしようもなくて放置したら大惨事になるような状況においてのみ、上からの命令の下で行う決まりになっています。
街の警備隊の方で変なことをやっているのかと情報部の方で調べましたが、暗殺はしていないようです」
ため息をつきながら答える。
「暗殺『は』?」
今回話題になっているウィル・ダントールに近い人間として招かれた特級魔術師のアイシャルヌ氏が片方の眉をあげて聞き返す。
「どうやら、貧しいながらも税金を払っているような下町の人間はまだしも、スラムの勝手に住み着いているような連中に関しては守る義務もないと思っている者がそれなりにいるらしく、事件の報告があっても何もしないだけでなく、何か気に食わないことがあると一方的に暴行を加えることも・・・それなりにあるようです」
「ちなみに、下町とスラムの違いとは何なのだ?
スラムとは下町の蔑称なのかと思っていたが、微妙に違うようだな?」
王太子殿下が口を挟んだ。
「我々からすると、下町とは貧しいながらも建物の所有者と住民が確定しており、家賃や税金を辛うじて払っている貧困層が住む地域。
スラムは建物の所有者も住人もはっきりせず、不特定多数の人間が勝手に占拠している税金も家賃も地代も払われていない地域のことを意味しています。
もっとも、どうも住民にとっては何やら裏社会の集団の縄張りの話らしく、『スラム』を縄張りにする連中と『下町』を縄張りにする連中は明確に彼らとしては違いがあるそうです。
とは言え、それなりに流動的に変わるので境界地域では住民でも聞く相手によって答えが変わってくるそうですが」
自分にしても、今回の問題をウォレン爺から指摘されて本格的な調査を命じて初めて知った詳細だ。
「下町とスラム地域を担当すること自体が警備兵にとって懲戒任務に見られていることから質の悪い人間が集まってしまい、モラルも低い事からそのような暴行事件が起きると聞いた。
根本的な解決策として、その所有者も分からぬスラムの建物を全て壊して地域全体を再開発し、スラムの住人にも仕事を提供してせめて下町レベルには暮らしていけるよう支援していくというのではダメなのか?
今までそれが出来ていないという事は何か障害があるのだろうとは思うが、何が問題なのだ?」
王太子殿下が首を軽く傾げながら尋ねた。
「スラムの建物を倒して再開発なんてことになったらあそこが戦争状態になりますね。
殿下の婚約発表の際の襲撃事件で裏ギルドがほぼ無償で下町部分の警備でかなりの協力をしたことから分かるように、彼らにとってスラムや下町は自衛すべき『自分たちの縄張り』なのです。
『今よりよくするから』と我々が言って現状を破壊し再生しようとしても、納得しないでしょう」
宰相がため息をつきながら応じた。
そう。
王都襲撃事件でかなり協力的に裏ギルドが動いたので、てっきり裏社会もそれなりにアファル王国に対して帰属意識があると思っていたのだが、どうやら彼らにあったのは自衛心だったらしい。
「警備兵に下町やスラムとて重要なアファル王国の一部であると知らしめて、担当地域を定期的に回すようにしてはどうなのだ?」
王太子殿下が提案する。
「地域やその住民に関する知識が無いと見回りにせよ事件の対応にせよ、効率が落ちます。
そう言った情報を全て定期的に別のチームに引き継ぎながらローテーションを組ませるとなったらかなりの追加的労力が掛かることになりますし、警備兵の効率も下がるでしょうな」
ため息をつきながらウォレン爺が答えた。
そう。
事件があった時に突入して戦えば良いだけの騎士たちとは違い、警備兵は地域に密着した働き方をした方が効率的になり、そしてそうなるとどうしても下町やスラムへの『密着する』のは下に見られる。
「しかも、スラムの住民であろうが真摯に対応しようとするような清廉な人間は、賄賂を受け取って見ぬふりをするなんてことはしない。
そうなるとスラムで勢力を振るう人間にとって都合が悪いので、その者を見せしめのために袋叩きにさせたりする。お陰であそこでは真面目に働く者が馬鹿を見るという状況になるようです」
スラムの問題について調べた際に聞いた現状も付け加える。
真面目な人間が損をするのはどこでもある現象だが、スラムでは命に関わる。
お陰でまともな警備兵が長続きせず、賄賂を受け取り暴行を加えるような人間ばかりが残る結果になるのだ。
「ふむ。
裏の三大ギルドのトップに相談してみたらどうだ?
商業地域の様にしっかり管理されては彼らにとっても都合が悪いだろうが、現状が理想的だとは思っていないだろう?
それこそ警備兵その物がいなくてもスラムの治安は彼らが責任をとるというのだったら、そこら辺の合意をスラムの住民に周知させて警備兵そのものを引き上げた方が、少なくとも国が金の交渉の為に暗殺すると思われるほどの不信感を抱かれないで済むのではないか?」
アイシャルヌ氏が中々斬新なことを言いだした。
彼は国の上層部に関わっているにしてはそれなりにスラムの人間にも信頼されている人物なのだが、彼から見てもスラムの状況解決は難しいようだ。
今回の提案はある意味、負けを認めたに近いのかも知れないが・・・現実的な話かもしれない。
「そうですな。
話し合いを提案して、此方にも何か解決策があるのなら努力する気があると見せるのも最初の一歩としてありかも知れませんな」
ため息をつきながら宰相が合意の声をあげた。
交渉は誰が当たることになる事やら・・・。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
--
>>>サイド ダグロイド・シャーストン団長(第三騎士団)
「なんと。
非公式とは言え、こちらから協力を頼んでいる人間から軍部と交わした契約の交渉で粘りすぎると暗殺されると思われているというのか?!」
王太子殿下が目を丸くして聞き返してきた。
「そのようですな。
本人にも先日聞いてみたところ、『どうせお偉いさんにとって元孤児の人間なんてそこら辺の野良猫と同じ扱いだろうし。
流石にシャルロとの関係があるからウザかったら即抹殺という事は無いにしても、それなりに満足できる金額がもらえているんだから下手に欲を出して後から狙われるような状況にならない方が無難だろうと思ってね』と言われました」
ウォレン爺が肩を竦めつつ答えた。
「まさか本当に軍部でスラムの都合の悪い人間を暗殺しているとかいうのではないでしょうな?」
宰相がじろりとこちらを睨む。
「戦場での殺し合いならまだしも、暗殺は泥沼な状況になりやすいですから。
他にどうしようもなくて放置したら大惨事になるような状況においてのみ、上からの命令の下で行う決まりになっています。
街の警備隊の方で変なことをやっているのかと情報部の方で調べましたが、暗殺はしていないようです」
ため息をつきながら答える。
「暗殺『は』?」
今回話題になっているウィル・ダントールに近い人間として招かれた特級魔術師のアイシャルヌ氏が片方の眉をあげて聞き返す。
「どうやら、貧しいながらも税金を払っているような下町の人間はまだしも、スラムの勝手に住み着いているような連中に関しては守る義務もないと思っている者がそれなりにいるらしく、事件の報告があっても何もしないだけでなく、何か気に食わないことがあると一方的に暴行を加えることも・・・それなりにあるようです」
「ちなみに、下町とスラムの違いとは何なのだ?
スラムとは下町の蔑称なのかと思っていたが、微妙に違うようだな?」
王太子殿下が口を挟んだ。
「我々からすると、下町とは貧しいながらも建物の所有者と住民が確定しており、家賃や税金を辛うじて払っている貧困層が住む地域。
スラムは建物の所有者も住人もはっきりせず、不特定多数の人間が勝手に占拠している税金も家賃も地代も払われていない地域のことを意味しています。
もっとも、どうも住民にとっては何やら裏社会の集団の縄張りの話らしく、『スラム』を縄張りにする連中と『下町』を縄張りにする連中は明確に彼らとしては違いがあるそうです。
とは言え、それなりに流動的に変わるので境界地域では住民でも聞く相手によって答えが変わってくるそうですが」
自分にしても、今回の問題をウォレン爺から指摘されて本格的な調査を命じて初めて知った詳細だ。
「下町とスラム地域を担当すること自体が警備兵にとって懲戒任務に見られていることから質の悪い人間が集まってしまい、モラルも低い事からそのような暴行事件が起きると聞いた。
根本的な解決策として、その所有者も分からぬスラムの建物を全て壊して地域全体を再開発し、スラムの住人にも仕事を提供してせめて下町レベルには暮らしていけるよう支援していくというのではダメなのか?
今までそれが出来ていないという事は何か障害があるのだろうとは思うが、何が問題なのだ?」
王太子殿下が首を軽く傾げながら尋ねた。
「スラムの建物を倒して再開発なんてことになったらあそこが戦争状態になりますね。
殿下の婚約発表の際の襲撃事件で裏ギルドがほぼ無償で下町部分の警備でかなりの協力をしたことから分かるように、彼らにとってスラムや下町は自衛すべき『自分たちの縄張り』なのです。
『今よりよくするから』と我々が言って現状を破壊し再生しようとしても、納得しないでしょう」
宰相がため息をつきながら応じた。
そう。
王都襲撃事件でかなり協力的に裏ギルドが動いたので、てっきり裏社会もそれなりにアファル王国に対して帰属意識があると思っていたのだが、どうやら彼らにあったのは自衛心だったらしい。
「警備兵に下町やスラムとて重要なアファル王国の一部であると知らしめて、担当地域を定期的に回すようにしてはどうなのだ?」
王太子殿下が提案する。
「地域やその住民に関する知識が無いと見回りにせよ事件の対応にせよ、効率が落ちます。
そう言った情報を全て定期的に別のチームに引き継ぎながらローテーションを組ませるとなったらかなりの追加的労力が掛かることになりますし、警備兵の効率も下がるでしょうな」
ため息をつきながらウォレン爺が答えた。
そう。
事件があった時に突入して戦えば良いだけの騎士たちとは違い、警備兵は地域に密着した働き方をした方が効率的になり、そしてそうなるとどうしても下町やスラムへの『密着する』のは下に見られる。
「しかも、スラムの住民であろうが真摯に対応しようとするような清廉な人間は、賄賂を受け取って見ぬふりをするなんてことはしない。
そうなるとスラムで勢力を振るう人間にとって都合が悪いので、その者を見せしめのために袋叩きにさせたりする。お陰であそこでは真面目に働く者が馬鹿を見るという状況になるようです」
スラムの問題について調べた際に聞いた現状も付け加える。
真面目な人間が損をするのはどこでもある現象だが、スラムでは命に関わる。
お陰でまともな警備兵が長続きせず、賄賂を受け取り暴行を加えるような人間ばかりが残る結果になるのだ。
「ふむ。
裏の三大ギルドのトップに相談してみたらどうだ?
商業地域の様にしっかり管理されては彼らにとっても都合が悪いだろうが、現状が理想的だとは思っていないだろう?
それこそ警備兵その物がいなくてもスラムの治安は彼らが責任をとるというのだったら、そこら辺の合意をスラムの住民に周知させて警備兵そのものを引き上げた方が、少なくとも国が金の交渉の為に暗殺すると思われるほどの不信感を抱かれないで済むのではないか?」
アイシャルヌ氏が中々斬新なことを言いだした。
彼は国の上層部に関わっているにしてはそれなりにスラムの人間にも信頼されている人物なのだが、彼から見てもスラムの状況解決は難しいようだ。
今回の提案はある意味、負けを認めたに近いのかも知れないが・・・現実的な話かもしれない。
「そうですな。
話し合いを提案して、此方にも何か解決策があるのなら努力する気があると見せるのも最初の一歩としてありかも知れませんな」
ため息をつきながら宰相が合意の声をあげた。
交渉は誰が当たることになる事やら・・・。
0
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する
あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。
俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて
まるでない、凡愚で普通の人種だった。
そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
【短編】冤罪が判明した令嬢は
砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。
そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる