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卒業後
614 星暦555年 桃の月 3日 とばっちり
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「はぁぁ??
伯爵領以上の領都と交易港町を全部回って現地調査??
どれだけ時間が掛かると思ってるんだよ!」
思わずウォレン氏に素で対応してしまった。
いやだって、呪具によるアファル王国の浸食具合を調べるために、大きな都市全部で2日ずつかけて何人程度の人間が精神汚染されているかの統計を取ってこいって・・・。
無茶だろう???
どれだけ時間と労力が掛かると思っているんだ?!
「解呪用魔具も一気に必要な数が作成や購入ができる訳ではないのでな。
だからどこでどの程度の被害が出ているかを確認して振り分ける必要があるのだが・・・お主、視るだけで精神汚染されている者が分かるとか?
一応神殿の高位神官の方々でも確認は出来ないでもないが、彼らの場合はそれなりに集中しなければならんから町往く人を眺めて確認というのは無理だし、なんと言っても人数が限られておるし解呪作業でも忙しい。
お主に依頼するのが一番効率的だろうという事になってな。
報酬はケチらんぞ?」
にこやかにフェイタールの焼き菓子を差し出しながらウォレン氏が言ってきた。
まあ、高位神官なんてそれこそ伯爵領以上の領都に一人いるかいないかだろうし、ある意味彼らは領主とか騎士団長とか言ったような高位で影響力がある人間が精神汚染されていないか確認して解呪して回るのに忙しいのだろう。
とは言え。
流石にアファル王国の主な都市全部回れって無理だろ~~~~!!!!
「そりゃあ、報酬が潤沢ならやりたい気持ちは十分あるけど、全部回るなんて無理ですよね?」
取り敢えず現実的な問題を指摘する。
高位神官が少ないっても、伯爵領と侯爵領ぐらいの数プラス王都に数人いるんだ。
俺が一人しかいないのに比べればまだ数がいる。
「空滑機《グライダー》を使えば移動時間は大幅に削減できるし、港町5つに侯爵領6つと伯爵領20で31か所だ。
移動時間を含めて一か所3日だと考えると3月ちょっとで終わるじゃろ」
伯爵って20人もいたんだ??
シャルロの実家が6つしかない侯爵家の一つだっていうのもびっくりだが。
一応魔術学院の何かの授業で習った気がするが、すっかり忘れていたぜ。
・・・いやいやいや。
それよりも、問題は3月もこき使われることだよ!!!
「3月も拘束されるのは困る。
シャルロやアレクだって事業パートナーの俺がそれだけ長期にわたっていなくなったら困るだろうし」
ウォレン氏が微妙に考え込むような顔になった。
やっぱりシャルロを出汁に使うと反応が良いぜ、このジジイ。
「ふむ。
どうせ概算値なのだから、一か所2日も掛けなくて良いか。
町一つにつき1日で行けば、移動時間も併せて一か所2日、2月で大体終わる。
それだけの拘束に対する代償として、1日金貨4枚、プラス汚染された人間を発見したら一人当たり銀貨1枚出す」
一人も見つからなくても金貨248枚か。
中々凄いな。
王国側の本気度が伺える。
「あと、年末なり年始なり、ドリアーナの個室で夕食でも昼食でも予約をとってやるぞ?」
にやりと笑いながらウォレン氏が付け加える。
・・・シェイラが帰ってくること把握してるぜ、このジジイ。
願わくは単にシェイラが王都に帰ってくると常識的に考えて推測しているだけだと思いたいところだな。
まあ、どうやってかシェイラの兄貴のことも知っていたんだ。
シャルロ関係の人間の私生活はそれなりに掘り下げて調べているんだろうなぁ・・・。
良いんかよ、国の情報部をそんな私的な事に使って。
それとも自前の情報網を持っているのか?
それはさておき。
アレクは年末年始はシェフィート商会の手伝いで忙しいし、シャルロだって今年は結婚したんだから親族づきあいとかが普段よりあるだろう。
そう考えるとこれから2月ちょっと俺がいなくてもそれ程迷惑にはならないか。
まあ、現実的な話としてこれだけの金を出すと言っているのだ。
美味しい代わりに、断れる案件じゃあないんだろう。
何とか頑張って精神汚染を見つける魔具の開発をしておくんだった・・・!!
報酬は凄いが、2月も拘束なんて考えるだけで憂鬱になる。
しかも精神汚染を見つけた人間の調査とかの為に軍人か役人かが一緒について回るんだろうし・・・。
はぁぁぁぁ。
東大陸への航路なんて、見つけない方が良かったんじゃないかという気がしてきたぞ。
伯爵領以上の領都と交易港町を全部回って現地調査??
どれだけ時間が掛かると思ってるんだよ!」
思わずウォレン氏に素で対応してしまった。
いやだって、呪具によるアファル王国の浸食具合を調べるために、大きな都市全部で2日ずつかけて何人程度の人間が精神汚染されているかの統計を取ってこいって・・・。
無茶だろう???
どれだけ時間と労力が掛かると思っているんだ?!
「解呪用魔具も一気に必要な数が作成や購入ができる訳ではないのでな。
だからどこでどの程度の被害が出ているかを確認して振り分ける必要があるのだが・・・お主、視るだけで精神汚染されている者が分かるとか?
一応神殿の高位神官の方々でも確認は出来ないでもないが、彼らの場合はそれなりに集中しなければならんから町往く人を眺めて確認というのは無理だし、なんと言っても人数が限られておるし解呪作業でも忙しい。
お主に依頼するのが一番効率的だろうという事になってな。
報酬はケチらんぞ?」
にこやかにフェイタールの焼き菓子を差し出しながらウォレン氏が言ってきた。
まあ、高位神官なんてそれこそ伯爵領以上の領都に一人いるかいないかだろうし、ある意味彼らは領主とか騎士団長とか言ったような高位で影響力がある人間が精神汚染されていないか確認して解呪して回るのに忙しいのだろう。
とは言え。
流石にアファル王国の主な都市全部回れって無理だろ~~~~!!!!
「そりゃあ、報酬が潤沢ならやりたい気持ちは十分あるけど、全部回るなんて無理ですよね?」
取り敢えず現実的な問題を指摘する。
高位神官が少ないっても、伯爵領と侯爵領ぐらいの数プラス王都に数人いるんだ。
俺が一人しかいないのに比べればまだ数がいる。
「空滑機《グライダー》を使えば移動時間は大幅に削減できるし、港町5つに侯爵領6つと伯爵領20で31か所だ。
移動時間を含めて一か所3日だと考えると3月ちょっとで終わるじゃろ」
伯爵って20人もいたんだ??
シャルロの実家が6つしかない侯爵家の一つだっていうのもびっくりだが。
一応魔術学院の何かの授業で習った気がするが、すっかり忘れていたぜ。
・・・いやいやいや。
それよりも、問題は3月もこき使われることだよ!!!
「3月も拘束されるのは困る。
シャルロやアレクだって事業パートナーの俺がそれだけ長期にわたっていなくなったら困るだろうし」
ウォレン氏が微妙に考え込むような顔になった。
やっぱりシャルロを出汁に使うと反応が良いぜ、このジジイ。
「ふむ。
どうせ概算値なのだから、一か所2日も掛けなくて良いか。
町一つにつき1日で行けば、移動時間も併せて一か所2日、2月で大体終わる。
それだけの拘束に対する代償として、1日金貨4枚、プラス汚染された人間を発見したら一人当たり銀貨1枚出す」
一人も見つからなくても金貨248枚か。
中々凄いな。
王国側の本気度が伺える。
「あと、年末なり年始なり、ドリアーナの個室で夕食でも昼食でも予約をとってやるぞ?」
にやりと笑いながらウォレン氏が付け加える。
・・・シェイラが帰ってくること把握してるぜ、このジジイ。
願わくは単にシェイラが王都に帰ってくると常識的に考えて推測しているだけだと思いたいところだな。
まあ、どうやってかシェイラの兄貴のことも知っていたんだ。
シャルロ関係の人間の私生活はそれなりに掘り下げて調べているんだろうなぁ・・・。
良いんかよ、国の情報部をそんな私的な事に使って。
それとも自前の情報網を持っているのか?
それはさておき。
アレクは年末年始はシェフィート商会の手伝いで忙しいし、シャルロだって今年は結婚したんだから親族づきあいとかが普段よりあるだろう。
そう考えるとこれから2月ちょっと俺がいなくてもそれ程迷惑にはならないか。
まあ、現実的な話としてこれだけの金を出すと言っているのだ。
美味しい代わりに、断れる案件じゃあないんだろう。
何とか頑張って精神汚染を見つける魔具の開発をしておくんだった・・・!!
報酬は凄いが、2月も拘束なんて考えるだけで憂鬱になる。
しかも精神汚染を見つけた人間の調査とかの為に軍人か役人かが一緒について回るんだろうし・・・。
はぁぁぁぁ。
東大陸への航路なんて、見つけない方が良かったんじゃないかという気がしてきたぞ。
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