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卒業後
566 星暦555年 翠の月 4日 人探し(2)
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児童養護所の周りは、多数の人がばたばた出入りしていて騒然としていた。
預けられていた子供が姿を消したのだから、誘拐を警戒して子供は連れてこないかと思っていたのだが証言集めをする必要があるし、養護所に子供を預けている大人たちが捜索に協力する為にも子供を預ける必要があるのか、庭に多数の子供がいる。
とは言え、騒然とした雰囲気に呑まれて不安そうに周りを見回しながら泣いている子や他の子に喧嘩を売っているっぽいガキが多く、あまり平穏そうな雰囲気ではないが。
馬車を降りた俺たちは門の傍で髪をかき乱しながら数人の男女と話していたゼナを見つけ、そこに近づいた。
「ゼナ、大丈夫?
ゼナの子供たちに会ったことは無いからパっと一発で見つけられるような魔術は残念ながらないんだけど、手助けできることが有るかもしれないから来たよ。何が起きているのか、教えて?」
シャルロがゼナの手を握って訊ねた。
「一体何が起きているのか・・・。
下町ならまだしも、今までここら辺で子供が誘拐されたことなんてないのに。
どこかに入り込んでお眠りしちゃってひょっこり出てくるんじゃないかとずっと待っているんだけど、姿が見えなくなってから半日以上たっているのに出てこなくって・・・」
ゼナが泣きそうになりながら呟いた。
子供って隠れ場所を見つけて人知れずにそこに入り込むこともあるらしいからなぁ。
自分から入ったのではなく、落ちたり、自分から入った後に何らかの理由で動けなくなる可能性だってあるから、姿が見えなくなったからと言っても必ずしも誘拐であるとは限らないとアレクが言っていた。
流石に貴族の子供だと基本的に子守が見張っているので勝手に行方不明になることはあまりないらしいが。
証言集めといっても尋ねる相手の大多数はガキになるだろう。
ガキの相手は親族の子供の世話に慣れているシャルロとアレクの方が上手なので、そっちは二人が担当して俺は周りを探すことになっている。
「今までゼナに何か頼み事をしようとした人とか、脅しをかけようとした人はいるのか?
実際に具体的なところまでいかなくても、『こんなことは出来ますかね?』みたいな仮定上の話でも良いから、ちょっと変な話を持ち掛けられたことは?」
アレクがゼナに尋ねた。
そうなんだよなぁ。
子供が目的なんじゃない限り、ゼナが標的な可能性は高い。
とは言え、これだけ大騒ぎになっているとゼナに何かをやらせようとするのも既に手遅れな気がするが・・・。
ゼナが首を横に振った。
「全く。
せいぜい、デルブ夫人から貴方たちの魔道具開発の話が来た程度のことしかないわ」
ははは。
流石に俺たちが犯人ってことは無いからなぁ。
「ちなみに、ドリアーナ関係でゼナじゃなくても誰かが変な話を持ち掛けられたというようなことも聞いていないか?」
なんと言っても王国でも屈指の商家や貴族が予約待ちして使うような食事処なのだ。
暗殺なり、会話の盗聴なり、あるいはそこまでいかなくても賄賂の一環としてだってドリアーナの利用価値は高いだろう。
「ドリアーナはプライバシーが保てるように廊下から個室の中が見えない構造になってはいるけど、扉が閉まる訳ではないから密談には向いていないわ。
元々、変な連中に密談目的で使われたくないからそういう設計にしたの。
誰がどの部屋の担当をするかとか、どの料理を作るかだって私と伯父と伯母で話し合って決めて当日の朝に指示するだけだから、変なことはしにくいはずだし。
特に変な話が来たとは聞いていないわ」
ゼナが肩を竦めながら答えた。
「伯父さんと伯母さん?」
シャルロが首をかしげて尋ねた。
「料理長のドリアスと給仕長のアゼラーナは夫婦で、私の伯父と伯母なの」
おう。
そうだったのか。
幾ら腕がいいにしても、ドリアーナ程の食事処の副料理長になるには若いな~と思っていたがゼナはドリアスの血縁なのか。
まあ、そうだよな。
大抵の事業というのは血縁で回すものだ。
つうか、給仕長がドリアスの奥さんだということが驚きだ。
あんな出来そうな美人、どこで見つけたんだ?料理長も隅におけないね。
まあ、それはともかく。
こうなると、ますますゼナにドリアーナで何かをさせるために狙う可能性は低いかな。
まあ、暗殺ではなく盗聴程度だったら有りかもしれないが。
部屋や給仕係の割り振りが前もって決まっていないのだったら、決めるのに関与できるゼナを利用する方が確実性は高まるかもしれない。
でも、そうだとするとこれ程大騒ぎになる前にゼナに連絡が来なかったことがおかしいんだよなぁ。
「ゼナはいつも、ドリアーナでの仕事が終わったら直接こちらに子供たちを迎えに来るのか?
普段寄る場所に行かなかったとか、通り道がいつもと違ったりしたということは無いのか?」
聞いてみたが、俺が何を聞きたいのかイマイチ分からないのか、ゼナの反応は鈍かった。
「子供が目的で誘拐したんじゃない限り、子供を誘拐してゼナに何かをさせようとしている可能性は高いだろ?
だけど、ここまで大騒ぎになってしまったら身代金をとろうとするのでもない限りゼナに何かをやらせるというのは意味がないだろうし、流石に副料理長では幾らドリアーナに勤めているとしても身代金がそれほど狙えるわけでもないと思う。
だとしたら、子供がいなくなったことに気づいて大騒ぎになる前にゼナに何かをしろと要求を突きつけるはずだったのが予定が狂ったのかと思って」
もう少し説明してみたら、ゼナが目を閉じて息を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
再び目を開いたゼナはもう少し落ち着いた様子だった。
「ああ、そういうことね。
いえ、歩いた道はいつもと全く同じだし、話しかけようとした人を無視した覚えもないわ。
ドリアーナを出る時だって普通にいつも通りに着替えて出てきただけだから、何一ついつもと違うことなんてしていないはずよ」
う~ん。
ということは、子供が目当てだったのか?
とは言ってもなぁ。
子供を攫って売り払うような犯罪組織にせよ、子供が好きな変態にせよ、こんな商業ギルドの本部のすぐ傍にあるような場所で態々子供を誘拐するなんて論理的じゃあないと思うんだが・・・。
「取り敢えず、ウィルが養護所の周りでシャナちゃんが人の目に入らない場所で倒れていないか確認するから、その間に僕とアレクで子供たちに話を聞いて、少しでも役に立ちそうなことを見ている子供が居たらその記憶を見せてもらうね。
すいません、シャナちゃんが居たのがはっきりしている時間帯以降にここに居た子供たちと話せますか?」
ある意味予想通り、役に立つ情報は入手できなかったので馬車の中で話し合っていた行動プラン通りに動くことにして、シャルロが傍に立っていた養護所の制服を着た人に声をかけた。
うむ。
頑張ってくれ。
俺はきっちり虱潰しに周りを探すから。
預けられていた子供が姿を消したのだから、誘拐を警戒して子供は連れてこないかと思っていたのだが証言集めをする必要があるし、養護所に子供を預けている大人たちが捜索に協力する為にも子供を預ける必要があるのか、庭に多数の子供がいる。
とは言え、騒然とした雰囲気に呑まれて不安そうに周りを見回しながら泣いている子や他の子に喧嘩を売っているっぽいガキが多く、あまり平穏そうな雰囲気ではないが。
馬車を降りた俺たちは門の傍で髪をかき乱しながら数人の男女と話していたゼナを見つけ、そこに近づいた。
「ゼナ、大丈夫?
ゼナの子供たちに会ったことは無いからパっと一発で見つけられるような魔術は残念ながらないんだけど、手助けできることが有るかもしれないから来たよ。何が起きているのか、教えて?」
シャルロがゼナの手を握って訊ねた。
「一体何が起きているのか・・・。
下町ならまだしも、今までここら辺で子供が誘拐されたことなんてないのに。
どこかに入り込んでお眠りしちゃってひょっこり出てくるんじゃないかとずっと待っているんだけど、姿が見えなくなってから半日以上たっているのに出てこなくって・・・」
ゼナが泣きそうになりながら呟いた。
子供って隠れ場所を見つけて人知れずにそこに入り込むこともあるらしいからなぁ。
自分から入ったのではなく、落ちたり、自分から入った後に何らかの理由で動けなくなる可能性だってあるから、姿が見えなくなったからと言っても必ずしも誘拐であるとは限らないとアレクが言っていた。
流石に貴族の子供だと基本的に子守が見張っているので勝手に行方不明になることはあまりないらしいが。
証言集めといっても尋ねる相手の大多数はガキになるだろう。
ガキの相手は親族の子供の世話に慣れているシャルロとアレクの方が上手なので、そっちは二人が担当して俺は周りを探すことになっている。
「今までゼナに何か頼み事をしようとした人とか、脅しをかけようとした人はいるのか?
実際に具体的なところまでいかなくても、『こんなことは出来ますかね?』みたいな仮定上の話でも良いから、ちょっと変な話を持ち掛けられたことは?」
アレクがゼナに尋ねた。
そうなんだよなぁ。
子供が目的なんじゃない限り、ゼナが標的な可能性は高い。
とは言え、これだけ大騒ぎになっているとゼナに何かをやらせようとするのも既に手遅れな気がするが・・・。
ゼナが首を横に振った。
「全く。
せいぜい、デルブ夫人から貴方たちの魔道具開発の話が来た程度のことしかないわ」
ははは。
流石に俺たちが犯人ってことは無いからなぁ。
「ちなみに、ドリアーナ関係でゼナじゃなくても誰かが変な話を持ち掛けられたというようなことも聞いていないか?」
なんと言っても王国でも屈指の商家や貴族が予約待ちして使うような食事処なのだ。
暗殺なり、会話の盗聴なり、あるいはそこまでいかなくても賄賂の一環としてだってドリアーナの利用価値は高いだろう。
「ドリアーナはプライバシーが保てるように廊下から個室の中が見えない構造になってはいるけど、扉が閉まる訳ではないから密談には向いていないわ。
元々、変な連中に密談目的で使われたくないからそういう設計にしたの。
誰がどの部屋の担当をするかとか、どの料理を作るかだって私と伯父と伯母で話し合って決めて当日の朝に指示するだけだから、変なことはしにくいはずだし。
特に変な話が来たとは聞いていないわ」
ゼナが肩を竦めながら答えた。
「伯父さんと伯母さん?」
シャルロが首をかしげて尋ねた。
「料理長のドリアスと給仕長のアゼラーナは夫婦で、私の伯父と伯母なの」
おう。
そうだったのか。
幾ら腕がいいにしても、ドリアーナ程の食事処の副料理長になるには若いな~と思っていたがゼナはドリアスの血縁なのか。
まあ、そうだよな。
大抵の事業というのは血縁で回すものだ。
つうか、給仕長がドリアスの奥さんだということが驚きだ。
あんな出来そうな美人、どこで見つけたんだ?料理長も隅におけないね。
まあ、それはともかく。
こうなると、ますますゼナにドリアーナで何かをさせるために狙う可能性は低いかな。
まあ、暗殺ではなく盗聴程度だったら有りかもしれないが。
部屋や給仕係の割り振りが前もって決まっていないのだったら、決めるのに関与できるゼナを利用する方が確実性は高まるかもしれない。
でも、そうだとするとこれ程大騒ぎになる前にゼナに連絡が来なかったことがおかしいんだよなぁ。
「ゼナはいつも、ドリアーナでの仕事が終わったら直接こちらに子供たちを迎えに来るのか?
普段寄る場所に行かなかったとか、通り道がいつもと違ったりしたということは無いのか?」
聞いてみたが、俺が何を聞きたいのかイマイチ分からないのか、ゼナの反応は鈍かった。
「子供が目的で誘拐したんじゃない限り、子供を誘拐してゼナに何かをさせようとしている可能性は高いだろ?
だけど、ここまで大騒ぎになってしまったら身代金をとろうとするのでもない限りゼナに何かをやらせるというのは意味がないだろうし、流石に副料理長では幾らドリアーナに勤めているとしても身代金がそれほど狙えるわけでもないと思う。
だとしたら、子供がいなくなったことに気づいて大騒ぎになる前にゼナに何かをしろと要求を突きつけるはずだったのが予定が狂ったのかと思って」
もう少し説明してみたら、ゼナが目を閉じて息を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
再び目を開いたゼナはもう少し落ち着いた様子だった。
「ああ、そういうことね。
いえ、歩いた道はいつもと全く同じだし、話しかけようとした人を無視した覚えもないわ。
ドリアーナを出る時だって普通にいつも通りに着替えて出てきただけだから、何一ついつもと違うことなんてしていないはずよ」
う~ん。
ということは、子供が目当てだったのか?
とは言ってもなぁ。
子供を攫って売り払うような犯罪組織にせよ、子供が好きな変態にせよ、こんな商業ギルドの本部のすぐ傍にあるような場所で態々子供を誘拐するなんて論理的じゃあないと思うんだが・・・。
「取り敢えず、ウィルが養護所の周りでシャナちゃんが人の目に入らない場所で倒れていないか確認するから、その間に僕とアレクで子供たちに話を聞いて、少しでも役に立ちそうなことを見ている子供が居たらその記憶を見せてもらうね。
すいません、シャナちゃんが居たのがはっきりしている時間帯以降にここに居た子供たちと話せますか?」
ある意味予想通り、役に立つ情報は入手できなかったので馬車の中で話し合っていた行動プラン通りに動くことにして、シャルロが傍に立っていた養護所の制服を着た人に声をかけた。
うむ。
頑張ってくれ。
俺はきっちり虱潰しに周りを探すから。
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