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魔術学院3年目
112 星暦551年 緑の月 4日 使い魔召喚(3)
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シャルロなら当然希望通りグリフォンが召喚されると思っていたのだが、何と出てきたのは妖精だった。
とは言え、タダの妖精ではなく、妖精王。
ランクアップだね~。
小さな頭に載っている王冠が微笑ましい。
・・・とは言っても妖精王の魔力は実は若いドラゴンに匹敵するぐらい有るらしいが。
妖精というのは森に住みつく。
一つの森全体をテリトリーとして外敵からそれを守る役割を持つ妖精王は実は見掛けに寄らず強力な存在だ。つうか、その魔力を使って体の構造を変えて人間サイズになることも可能だ。妖精と人間のハーフなんて言うおとぎ話な存在だって偶に生まれるぐらいなんだから。
正直言って、その微笑ましい見た目がシャルロと良い感じにマッチしていて笑えちゃうけど。
さて。
中々うまく描けなかった条件付き保護結界もやっと満足なレベルのモノが出来あがり、俺もとうとう使い魔を召喚出来ることになった。
(俺を助けてパートナーとして生きてくれる存在よ、来てくれ!)
願いを召喚術にのせて呪文を唱える。
術の発動とともに俺の中から飛び出して行った『力』と『想い』が何かに触れて引っ張ってくるのが感じられた。
う~ん、こういう風に引っ張って来て実は俺の保護結界が破れるだけの力があったら現世に発現できず、召喚が成立しないことになるのか?
ある意味引っ張っておきながら最後に弾いたりしたら、失礼な感じだな。
息をひそめて待っていたら・・・。
土竜が出てきた。
普通の日常サイズのモグラではない。10歳程度の子供の背の丈ぐらいの幻獣である土竜だ。
ほえ~。
ちょっと思いがけないかも。
ま、都心にも住めるし、地下の宝石とか鉱石とかを探すことも出来るだろうから俺にとっては都合がいいと思うが。
「俺の使い魔になってくれる?」
言葉に『力』を練り込んで話しかける。
『良かろう』
心声なのだから高いも低いも無いはずなのだが、何故か低く響く心声が頭の中に聞こえた。
「よろしく」
『具現化』の術を唱え、土竜に触れて術を繋ぐ。
「名前は何て呼べばいい?」
『我らにとって個体の認識は名前などと言う音で決められたものではない。好きにつければ良い』
う~む・・・。
何とはなしに、ノリが悪いなぁ。
土竜なんてそんなものなのか?
◆◆◆
「な~んか、3人とも想像と違った相手が現れて、面白かったね。」
クラスの残りの連中が使い魔召喚を試みている間に、俺たちは端に集まってお互いの使い魔を紹介し合っていた。
「え~とね、こちらは妖精王のアルフォンス君。
アルフォンス君、こっちが僕の親友のアレクとウィルだよ。仲良くやってね」
シャルロが明るく俺たちに妖精王を紹介する。
アルフォンスは俺たちに軽く頷いて見せた。
流石王様、小さくても優雅に威厳があるねぇ。
しかしこちらに召喚されている間、臣下の妖精たちはどうなるんだろ?
「ラフェーン、ウィルとシャルロだ」
『よろしくね』
柔らかい声が聞こえた。
もしかして、メス?
「ラフェーンってもしかして、お嬢さん?」
機嫌良さげにユニコーンが頷く。
『そうよ、良くわかったわね』
ユニコーンって今まで近くで視たこと無かったから直ぐには気がつかなかったけど、これからはそこそこ観察の機会が増えそうだな。
「そんでもってこちらはアスカ。名前は何でも良いとのことだったので命名者は俺ね。
アスカ、こっちがシャルロでこちらがアレク。大切な友達なんでよろしく」
『ほう、お前の友人か。それにしてはまともなのが多いな』
おいおい。
一体俺たちのこと、何者だと思っているんだ?
微妙にこれからの付き合いが心配になってきたぞ・・・。
とは言え、タダの妖精ではなく、妖精王。
ランクアップだね~。
小さな頭に載っている王冠が微笑ましい。
・・・とは言っても妖精王の魔力は実は若いドラゴンに匹敵するぐらい有るらしいが。
妖精というのは森に住みつく。
一つの森全体をテリトリーとして外敵からそれを守る役割を持つ妖精王は実は見掛けに寄らず強力な存在だ。つうか、その魔力を使って体の構造を変えて人間サイズになることも可能だ。妖精と人間のハーフなんて言うおとぎ話な存在だって偶に生まれるぐらいなんだから。
正直言って、その微笑ましい見た目がシャルロと良い感じにマッチしていて笑えちゃうけど。
さて。
中々うまく描けなかった条件付き保護結界もやっと満足なレベルのモノが出来あがり、俺もとうとう使い魔を召喚出来ることになった。
(俺を助けてパートナーとして生きてくれる存在よ、来てくれ!)
願いを召喚術にのせて呪文を唱える。
術の発動とともに俺の中から飛び出して行った『力』と『想い』が何かに触れて引っ張ってくるのが感じられた。
う~ん、こういう風に引っ張って来て実は俺の保護結界が破れるだけの力があったら現世に発現できず、召喚が成立しないことになるのか?
ある意味引っ張っておきながら最後に弾いたりしたら、失礼な感じだな。
息をひそめて待っていたら・・・。
土竜が出てきた。
普通の日常サイズのモグラではない。10歳程度の子供の背の丈ぐらいの幻獣である土竜だ。
ほえ~。
ちょっと思いがけないかも。
ま、都心にも住めるし、地下の宝石とか鉱石とかを探すことも出来るだろうから俺にとっては都合がいいと思うが。
「俺の使い魔になってくれる?」
言葉に『力』を練り込んで話しかける。
『良かろう』
心声なのだから高いも低いも無いはずなのだが、何故か低く響く心声が頭の中に聞こえた。
「よろしく」
『具現化』の術を唱え、土竜に触れて術を繋ぐ。
「名前は何て呼べばいい?」
『我らにとって個体の認識は名前などと言う音で決められたものではない。好きにつければ良い』
う~む・・・。
何とはなしに、ノリが悪いなぁ。
土竜なんてそんなものなのか?
◆◆◆
「な~んか、3人とも想像と違った相手が現れて、面白かったね。」
クラスの残りの連中が使い魔召喚を試みている間に、俺たちは端に集まってお互いの使い魔を紹介し合っていた。
「え~とね、こちらは妖精王のアルフォンス君。
アルフォンス君、こっちが僕の親友のアレクとウィルだよ。仲良くやってね」
シャルロが明るく俺たちに妖精王を紹介する。
アルフォンスは俺たちに軽く頷いて見せた。
流石王様、小さくても優雅に威厳があるねぇ。
しかしこちらに召喚されている間、臣下の妖精たちはどうなるんだろ?
「ラフェーン、ウィルとシャルロだ」
『よろしくね』
柔らかい声が聞こえた。
もしかして、メス?
「ラフェーンってもしかして、お嬢さん?」
機嫌良さげにユニコーンが頷く。
『そうよ、良くわかったわね』
ユニコーンって今まで近くで視たこと無かったから直ぐには気がつかなかったけど、これからはそこそこ観察の機会が増えそうだな。
「そんでもってこちらはアスカ。名前は何でも良いとのことだったので命名者は俺ね。
アスカ、こっちがシャルロでこちらがアレク。大切な友達なんでよろしく」
『ほう、お前の友人か。それにしてはまともなのが多いな』
おいおい。
一体俺たちのこと、何者だと思っているんだ?
微妙にこれからの付き合いが心配になってきたぞ・・・。
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