413 / 1,038
卒業後
412 星暦554年 赤の月 16日 次の旅立ち?(3)
しおりを挟む
「婚約式に出席??
来月に??!!」
服を新調しなければならないとなったら、時間的余裕が無い。
なのでシャルロから話を聞いた後、通信機でシェイラの予定を確認して翌朝に会いに来た。
アレクとシャルロはかなり気楽に考えていたようだが、シェイラの驚きと慌て様は俺の心境とマッチしていて、ちょっと安心した。
俺だけが慌てていた為、『あれ?俺が言っていることって非常識??』って不安になり始めていたんだよね。
「そう。
ケレナがシェイラに会いたいって希望したらしい。
まあ、どちらにせよ俺の恋人としてシャルロだったら絶対に招いたとは思うが。
しまったな・・・あいつが招待することを想定して、しっかりとした逃げ道を用意しておくんだった」
今からでも、何か学院長に『どうしても抜けられない重大な政府の依頼』でもでっち上げてもらえるか?
いや、流石にシャルロの招待を受けた後で俺が学院長に会いに言って突然依頼が出てきたって話になると怪しすぎるよなぁ・・・。
「服を1ヶ月ちょっとで仕立てろなんて、なんて無茶な。
何だってもっと早く言ってくれなかったのよ?!」
シェイラが頭をかきむしった。
あ、やっぱり無茶なんだ。
「お坊ちゃまだからねぇ・・・。服の仕立てに掛る時間っていうのをあまり認識していなかったんじゃないか?
ちなみに、無理そう?
だったらそれを理由に出席を断れないかな?」
ため息をつきながらシェイラが何やらバッグの中を確認し始めた。
「何通りかのスタイルと生地が前もって用意してあって、その組み合わせを選んでサイズを合わせていくタイプの仕立屋だったら、特急料金を払えば何とかなるわね。
しょうがない。
今から行くわよ」
え?
今から???
「え、シェイラの仕事は?」
シェイラがメモ用紙を取り出して何かを書き込んだ。
「取り敢えず、オーダーは直ぐ済むから靴を探す時間を考えても2日程度で何とかなるかしら?
ちょっと緊急の用事があるから2日ほど王都に戻りますと伝言しておくわ。
2日ぐらいだったら不便に思っても実際に私が居ないことに気が付かない可能性もあるけど、一応知らせておく方が良いでしょう」
あ~。
確かにあの学者集団だったらシェイラが帰って来て初めて『あれ、そう言えば見かけなかったね?』と言いそうだ。
「悪いな。
転移だけじゃなくって仕立代も出すから。
急ぎであまり選択肢が無いにしても、出来るだけ自分の好きなスタイルの服を作ってくれ」
ついでに俺の服に関しても助言して貰いたいが・・・そこら辺は言わなくても大丈夫だろう。
アレク曰く、服を買うときに意見を言わない女性はいないらしいから。
「そう?
別に良いのよ?
確かに歴史学会からの給与はみみっちいけど、それなりに投資とかでお小遣いは稼いでいるから。
もうそろそろ新しい服を作っても良い時期だったし」
シェイラが俺の方を振り返って首をかしげて見せた。
投資で小遣い稼ぎか・・・。
世界が違うぜ。
流石、親父さんが跡取りにと望んだだけはある。
「いやいやいや。
迷惑を掛けるんだし。
俺の服を選ぶのも手伝って貰いたいから、その相談料だとでも思ってくれ」
幾ら家族と親しい友人だけの集まりと言っても、貴族の婚約式に着ていく服なんて、想像も付かない。
シェイラが手伝ってくれて本当に助かる。
じゃなきゃ、アレクに散々からかわれながら服を作ることになるところだったぜ。
◆◆◆◆
「そうね。
この生地で、このスタイル。
裾の長さは少し長めにして、出来ればちょっと刺繍でここら辺にアクセントを付けられる?
あと、上に羽織るのにこちらを合わせたいわ」
王都に転移してきたら、俺達は真っ先にシェイラが以前から使っていた店に来た。
最近は服を作っていないだろうに、直ぐさま店長らしき爺さんが奥から出てきたところを見ると、シェイラは昔は良く服を作っていたのかね?
さっさと何やら大きなスケッチブックみたいのをめくりながら爺さんと相談しつつオーダーを決めていくシェイラを横目に、俺は店の中をぼんやりと眺めていた。
そこそこ大きな店で、あちらこちらに生地や服のデザインがが展示されている。
確かにこれだったら服のイメージが湧きやすいな。
意外と客もそこそこ入っている感じか?
あまり仕立屋というのに縁が無いのでよく分からんが。
考えてみたら、シャルロの家族が使うような仕立屋なんて、店に客が来るんじゃなくって客の屋敷に御用伺いに訪れてそこで採寸したりデザインを相談したりするんだろうなぁ。
だとすると、これはそう言う貴族専門からは一ランク下の、金がある平民相手の店なのかな?
まあ、貴族でも下っ端だったら自分で店に足を運ぶんだろうが。
実際に店にいる客層も、そこそこ金のありそうな平民とちょっと下っ端そうな貴族な気がする。
「ウィルはどうする?」
何やら全て決まったらしきシェイラが声を掛けてきた。
「適当にシェイラの服にぶつからない無難な服を作ってくれ」
メモ用紙を手に、俺の言葉を待っている爺さんに頼み込む。
「適当にって・・・ちょっとこっちに来て、スタイルを選んで」
ため息をつきながらシェイラが俺に隣へ座るよう、身振りで指示した。
スタイル?
無難だったら何でも良いんだが。
そう思っていた俺の考えは、デザイン像を見せられて気が変わった。
ひらひらのフリル生地のシャツなんて、あり得ない!!!!!!
「無難な服で頼む!!」
「無難・・・とは平均的という意味ですよね?
こちらのスタイルは昔からある伝統的な紳士の装いですよ?」
爺さんがにこやかに答えた。
「ですが・・・もう少し飾り気の無いスタイルがお好みでしたら、こちら等はどうでしょう?」
スケッチブックのページをめくって何やらもう少しまともな服のデザインが提示された。
「こんなのもございますな」
更にめくったら、今度はちょっと軍服っぽいイメージの服が示された。
ふむ。
この二つだったらまあ大丈夫か。
「ちなみに、ウィルは魔術師なんだけど。
魔術師の会合とか晩餐会に良いような服ってある?」
シェイラが口を挟む。
おい。
晩餐会なんか出席するつもりはないから良いんだよ。
でもまあ、魔術師っぽい格好をしていたら勝手に相手が俺の社会的地位を高めに見積もってくれるか?
「魔術師ですか。
ローブ姿となりますと、こちらですな」
ローブを引きずりそうなずるずるとした服を見せられた。
「もう少し動きやすい方が良いんだが・・・」
魔術師と言っても、俺はそれなりに活動的な男なんだ。
このローブじゃあスカート来ているのと殆ど変わらないじゃないか。
「今のは昔からある伝統的な魔術師のローブなのですが・・・。
では、こちらの最近流行になってきたスタイルはどうですかな?」
更にスケッチブックのページをめくって、もう少しローブが短めなスタイルの服が出てきた。
あ~。
これだったら適当なシャツとちょっと良さげなズボンの上にこのローブを羽織れば良いか。
ローブを脱いじまえば楽そうだし、悪くは無いな。
「じゃあ、これで。
シェイラの服にぶつからない色と生地で頼む」
ふう。
たいしたことはしてないのに、何か気分的には疲れ果てたぜ。
「じゃあよろしくね、デニスン。
何かあったらウィルの方に連絡頂戴」
シェイラがかなり気楽な感じで爺さんに挨拶をして店を出た。
「何だって特急料金を負けてくれたんだ?」
そう。
何故か急ぎなのに特急料金は要らないと言われたのだ。
お陰で思っていたよりもかなり低めな支払で済みそうだ。
「私もここに出資しているから。
出資者特典と言う奴かしらね?」
シェイラがにっこり笑いながら答えた。
え???
「仕立屋に出資するほど服に興味があるとは・・・思ってなかった」
恋人なのに。
女って分からねぇ・・・。
シェイラが肩を竦めた。
「別に服が好きだから出資した訳じゃあ無いわよ。
学生時代に、商会の方で必要な服を作っていた時にちょっとした相談を受けてね。
経営の効率化の提案をした際に、その為に必要な資金をちょっと提供した訳。
提案が当たって今では提供した資金の何倍も利回りが返ってきているわ」
なるほど。
シェイラの小遣い稼ぎ投資の一つがこれだったのか。
まあ、何にせよ、あまり苦労しなくて服を手配できて、本当に良かった・・・。
【後書き】
実はこの後、地獄の靴選びが待っているのを知らないウィルw
来月に??!!」
服を新調しなければならないとなったら、時間的余裕が無い。
なのでシャルロから話を聞いた後、通信機でシェイラの予定を確認して翌朝に会いに来た。
アレクとシャルロはかなり気楽に考えていたようだが、シェイラの驚きと慌て様は俺の心境とマッチしていて、ちょっと安心した。
俺だけが慌てていた為、『あれ?俺が言っていることって非常識??』って不安になり始めていたんだよね。
「そう。
ケレナがシェイラに会いたいって希望したらしい。
まあ、どちらにせよ俺の恋人としてシャルロだったら絶対に招いたとは思うが。
しまったな・・・あいつが招待することを想定して、しっかりとした逃げ道を用意しておくんだった」
今からでも、何か学院長に『どうしても抜けられない重大な政府の依頼』でもでっち上げてもらえるか?
いや、流石にシャルロの招待を受けた後で俺が学院長に会いに言って突然依頼が出てきたって話になると怪しすぎるよなぁ・・・。
「服を1ヶ月ちょっとで仕立てろなんて、なんて無茶な。
何だってもっと早く言ってくれなかったのよ?!」
シェイラが頭をかきむしった。
あ、やっぱり無茶なんだ。
「お坊ちゃまだからねぇ・・・。服の仕立てに掛る時間っていうのをあまり認識していなかったんじゃないか?
ちなみに、無理そう?
だったらそれを理由に出席を断れないかな?」
ため息をつきながらシェイラが何やらバッグの中を確認し始めた。
「何通りかのスタイルと生地が前もって用意してあって、その組み合わせを選んでサイズを合わせていくタイプの仕立屋だったら、特急料金を払えば何とかなるわね。
しょうがない。
今から行くわよ」
え?
今から???
「え、シェイラの仕事は?」
シェイラがメモ用紙を取り出して何かを書き込んだ。
「取り敢えず、オーダーは直ぐ済むから靴を探す時間を考えても2日程度で何とかなるかしら?
ちょっと緊急の用事があるから2日ほど王都に戻りますと伝言しておくわ。
2日ぐらいだったら不便に思っても実際に私が居ないことに気が付かない可能性もあるけど、一応知らせておく方が良いでしょう」
あ~。
確かにあの学者集団だったらシェイラが帰って来て初めて『あれ、そう言えば見かけなかったね?』と言いそうだ。
「悪いな。
転移だけじゃなくって仕立代も出すから。
急ぎであまり選択肢が無いにしても、出来るだけ自分の好きなスタイルの服を作ってくれ」
ついでに俺の服に関しても助言して貰いたいが・・・そこら辺は言わなくても大丈夫だろう。
アレク曰く、服を買うときに意見を言わない女性はいないらしいから。
「そう?
別に良いのよ?
確かに歴史学会からの給与はみみっちいけど、それなりに投資とかでお小遣いは稼いでいるから。
もうそろそろ新しい服を作っても良い時期だったし」
シェイラが俺の方を振り返って首をかしげて見せた。
投資で小遣い稼ぎか・・・。
世界が違うぜ。
流石、親父さんが跡取りにと望んだだけはある。
「いやいやいや。
迷惑を掛けるんだし。
俺の服を選ぶのも手伝って貰いたいから、その相談料だとでも思ってくれ」
幾ら家族と親しい友人だけの集まりと言っても、貴族の婚約式に着ていく服なんて、想像も付かない。
シェイラが手伝ってくれて本当に助かる。
じゃなきゃ、アレクに散々からかわれながら服を作ることになるところだったぜ。
◆◆◆◆
「そうね。
この生地で、このスタイル。
裾の長さは少し長めにして、出来ればちょっと刺繍でここら辺にアクセントを付けられる?
あと、上に羽織るのにこちらを合わせたいわ」
王都に転移してきたら、俺達は真っ先にシェイラが以前から使っていた店に来た。
最近は服を作っていないだろうに、直ぐさま店長らしき爺さんが奥から出てきたところを見ると、シェイラは昔は良く服を作っていたのかね?
さっさと何やら大きなスケッチブックみたいのをめくりながら爺さんと相談しつつオーダーを決めていくシェイラを横目に、俺は店の中をぼんやりと眺めていた。
そこそこ大きな店で、あちらこちらに生地や服のデザインがが展示されている。
確かにこれだったら服のイメージが湧きやすいな。
意外と客もそこそこ入っている感じか?
あまり仕立屋というのに縁が無いのでよく分からんが。
考えてみたら、シャルロの家族が使うような仕立屋なんて、店に客が来るんじゃなくって客の屋敷に御用伺いに訪れてそこで採寸したりデザインを相談したりするんだろうなぁ。
だとすると、これはそう言う貴族専門からは一ランク下の、金がある平民相手の店なのかな?
まあ、貴族でも下っ端だったら自分で店に足を運ぶんだろうが。
実際に店にいる客層も、そこそこ金のありそうな平民とちょっと下っ端そうな貴族な気がする。
「ウィルはどうする?」
何やら全て決まったらしきシェイラが声を掛けてきた。
「適当にシェイラの服にぶつからない無難な服を作ってくれ」
メモ用紙を手に、俺の言葉を待っている爺さんに頼み込む。
「適当にって・・・ちょっとこっちに来て、スタイルを選んで」
ため息をつきながらシェイラが俺に隣へ座るよう、身振りで指示した。
スタイル?
無難だったら何でも良いんだが。
そう思っていた俺の考えは、デザイン像を見せられて気が変わった。
ひらひらのフリル生地のシャツなんて、あり得ない!!!!!!
「無難な服で頼む!!」
「無難・・・とは平均的という意味ですよね?
こちらのスタイルは昔からある伝統的な紳士の装いですよ?」
爺さんがにこやかに答えた。
「ですが・・・もう少し飾り気の無いスタイルがお好みでしたら、こちら等はどうでしょう?」
スケッチブックのページをめくって何やらもう少しまともな服のデザインが提示された。
「こんなのもございますな」
更にめくったら、今度はちょっと軍服っぽいイメージの服が示された。
ふむ。
この二つだったらまあ大丈夫か。
「ちなみに、ウィルは魔術師なんだけど。
魔術師の会合とか晩餐会に良いような服ってある?」
シェイラが口を挟む。
おい。
晩餐会なんか出席するつもりはないから良いんだよ。
でもまあ、魔術師っぽい格好をしていたら勝手に相手が俺の社会的地位を高めに見積もってくれるか?
「魔術師ですか。
ローブ姿となりますと、こちらですな」
ローブを引きずりそうなずるずるとした服を見せられた。
「もう少し動きやすい方が良いんだが・・・」
魔術師と言っても、俺はそれなりに活動的な男なんだ。
このローブじゃあスカート来ているのと殆ど変わらないじゃないか。
「今のは昔からある伝統的な魔術師のローブなのですが・・・。
では、こちらの最近流行になってきたスタイルはどうですかな?」
更にスケッチブックのページをめくって、もう少しローブが短めなスタイルの服が出てきた。
あ~。
これだったら適当なシャツとちょっと良さげなズボンの上にこのローブを羽織れば良いか。
ローブを脱いじまえば楽そうだし、悪くは無いな。
「じゃあ、これで。
シェイラの服にぶつからない色と生地で頼む」
ふう。
たいしたことはしてないのに、何か気分的には疲れ果てたぜ。
「じゃあよろしくね、デニスン。
何かあったらウィルの方に連絡頂戴」
シェイラがかなり気楽な感じで爺さんに挨拶をして店を出た。
「何だって特急料金を負けてくれたんだ?」
そう。
何故か急ぎなのに特急料金は要らないと言われたのだ。
お陰で思っていたよりもかなり低めな支払で済みそうだ。
「私もここに出資しているから。
出資者特典と言う奴かしらね?」
シェイラがにっこり笑いながら答えた。
え???
「仕立屋に出資するほど服に興味があるとは・・・思ってなかった」
恋人なのに。
女って分からねぇ・・・。
シェイラが肩を竦めた。
「別に服が好きだから出資した訳じゃあ無いわよ。
学生時代に、商会の方で必要な服を作っていた時にちょっとした相談を受けてね。
経営の効率化の提案をした際に、その為に必要な資金をちょっと提供した訳。
提案が当たって今では提供した資金の何倍も利回りが返ってきているわ」
なるほど。
シェイラの小遣い稼ぎ投資の一つがこれだったのか。
まあ、何にせよ、あまり苦労しなくて服を手配できて、本当に良かった・・・。
【後書き】
実はこの後、地獄の靴選びが待っているのを知らないウィルw
0
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる