2 / 12
いざ、東京へ
しおりを挟む
「見ろ、俺たちの故郷があんなに遠くに見える」船の波風が家族3人になびいている。
「真司。もういいぞ。よく頑張った。えらいぞ」
父が優しく真司の頭に手をかける。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ。お父さん!お母さん!」
真司が心の中にため込んでいたものが一気に溢れ出した。
「ああ。えらかった。もういいぞ。好きなだけ泣け」
「グスン」
思わず母までもがもらい泣きをしてしまう。
「おいおい…お前まで泣いてどうするんだ」
「だってぇ」
母がまるで子供のように言った。
「でも…やっぱり真司には悪いことをしたな。親の事情で遠い未知の場所へ連れていかれるんだから」
「なーに今頃弱気になっているのよ!これから私達の新しい生活が始まるのよ」
母が弱気になっている父の背中をおした。
「んーそうだったな!ここからが本当のスタートラインだ」
父は伸びをしながら言った。
「そうよ!」
「でも、その前にその顔なんとかしろよな笑」
「え?」
母は先ほどの涙で化粧が落ち、顔がぐしゃぐしゃになっていた。
「あらやだ、わたしったら。ちょっとお化粧直してくるわ」
「ああ」
「真司。これから辛いことも悲しいことも沢山あるかもしれない。一つ一つ家族で乗り越えていこうな」
父は黄昏の夕日に向かって考えを露わにした。
「真司。もういいぞ。よく頑張った。えらいぞ」
父が優しく真司の頭に手をかける。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ。お父さん!お母さん!」
真司が心の中にため込んでいたものが一気に溢れ出した。
「ああ。えらかった。もういいぞ。好きなだけ泣け」
「グスン」
思わず母までもがもらい泣きをしてしまう。
「おいおい…お前まで泣いてどうするんだ」
「だってぇ」
母がまるで子供のように言った。
「でも…やっぱり真司には悪いことをしたな。親の事情で遠い未知の場所へ連れていかれるんだから」
「なーに今頃弱気になっているのよ!これから私達の新しい生活が始まるのよ」
母が弱気になっている父の背中をおした。
「んーそうだったな!ここからが本当のスタートラインだ」
父は伸びをしながら言った。
「そうよ!」
「でも、その前にその顔なんとかしろよな笑」
「え?」
母は先ほどの涙で化粧が落ち、顔がぐしゃぐしゃになっていた。
「あらやだ、わたしったら。ちょっとお化粧直してくるわ」
「ああ」
「真司。これから辛いことも悲しいことも沢山あるかもしれない。一つ一つ家族で乗り越えていこうな」
父は黄昏の夕日に向かって考えを露わにした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
制服の胸のここには
戸影絵麻
青春
金田猛と氷室基子はともに曙高校の2年生。
ある日ふたりは”校長”から協力して極秘のミッションを遂行するよう、命令される。
その任務を達成するための条件は、搭乗者同士の緊密な心の結びつき。
ところがふたりはそれぞれ深刻な悩みを抱えており、特に基子は猛に全く関心を示そうとしないのだった。
猛はといえば、彼もまたある事件から己の性癖に疑問を抱くようになり…。
【完結】天上デンシロック
海丑すみ
青春
“俺たちは皆が勝者、負け犬なんかに構う暇はない”──QUEEN/伝説のチャンピオンより
成谷響介はごく普通の進学校に通う、普通の高校生。しかし彼には夢があった。それはかつて有名バンドを輩出したという軽音楽部に入部し、将来は自分もロックバンドを組むこと!
しかし軽音楽部は廃部していたことが判明し、その上響介はクラスメイトの元電子音楽作家、椀田律と口論になる。だがその律こそが、後に彼の音楽における“相棒”となる人物だった……!
ロックと電子音楽。対とも言えるジャンルがすれ違いながらも手を取り合い、やがて驚きのハーモニーを響かせる。
---
※QUEENのマーキュリー氏をリスペクトした作品です。(QUEENを知らなくても楽しめるはずです!)作中に僅かながら同性への恋愛感情の描写を含むため、苦手な方はご注意下さい。BLカップル的な描写はありません。
---
もずくさん( https://taittsuu.com/users/mozuku3 )原案のキャラクターの、本編のお話を書かせていただいています。
実直だが未熟な高校生の響介は、憧れのロッカーになるべく奔走する。前途多難な彼と出会ったのは、音楽に才能とトラウマの両方を抱く律。
そして彼らの間で揺れ動く、もう一人の友人は──孤独だった少年達が音楽を通じて絆を結び、成長していく物語。
表紙イラストももずくさんのイラストをお借りしています。本編作者( https://taittsuu.com/users/umiusisumi )もイラストを描いてますので、良ければそちらもよろしくお願いします。
「史上まれにみる美少女の日常」
綾羽 ミカ
青春
鹿取莉菜子17歳 まさに絵にかいたような美少女、街を歩けば一日に20人以上ナンパやスカウトに声を掛けられる少女。家は団地暮らしで母子家庭の生活保護一歩手前という貧乏。性格は非常に悪く、ひがみっぽく、ねたみやすく過激だが、そんなことは一切表に出しません。


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる