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兄上との死闘
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俺と兄のパレスが小屋の敷居を挟んで向き合っていた。
「誰に対して口を利いている、目上の方への言葉遣いすらままならないのか?」
「もう貴様を目上だとは思わない」
「フフフッ、馬鹿はすぐ頭に血がのぼるから面白い。俺からしてもお前は余興のメインディッシュには相応しい。この幸運に感謝しよう」
俺は小屋を出る前に二人の方へ振り返った。
「ソラ、ベル、俺を信じて小屋の中で待っていてほしい」
「レオ、危なそうだったらすぐに駆け付けるからね」
ソラが心配そうに言うと俺は無言で頷いた。
小屋を出てパレスと向き合った。
「おい、お前らコイツは俺一人で楽しむ。手をだすな」
パレスが国王軍の2人に指示をだした。
「剣聖の俺にクラスを持たないお前が勝てると本気で思ってるのか?」
「ああ、勝てる」
「フッ、めでたい頭の持ち主だ。そこまで言っておいて楽に死ねると思うなよ」
そう言うとパレスが俺に急接近してきた。
----------------------------------
パレス・グリフォン 魔法属性:炎 クラス:剣聖 年齢:17
Lv:40 HP:450/450 MP:380/380
----------------------------------
剣聖相手に接近戦で勝つのは難しい。俺はすぐさま〈無断欠席〉を発動した。
「ほう、姿をくらますクラスを得ていたか。おい、さっさと無能の位置を俺に知らせろ。」
「パレス王子、敵の位置が捕捉できません」
索敵系のスキルを持つ国王軍の精鋭が言った。
「なんだと!お前の索敵スキルはザル以下だ。後で覚えとけ」
「申し訳ございません。パレス王子」
パレスの顔から余裕の笑みが消えた。
気配を消しているとはいえ近づくの危険だ。
剣聖のクラスは接近戦に関しては自動で体が動くから無敵に近い。
土魔法を発動をするにはスキルを解かなければならないが、ここは致し方ない。
-----------------------------------
土魔法・砂漠津波 消費MP:75 残MP:650/725
-----------------------------------
砂漠の大津波がパレスを急襲するとパレスも魔法を発動した。
-----------------------------------
炎魔法・火炎陣 消費MP:30 残MP:350/380
-----------------------------------
パレスが炎の円陣を張ったが俺の砂漠津波が勢いよくのみこんだ。
「ありえない、俺の火炎陣があの無能の土魔法に負けるなど」
パレスは現実を受け止められずにいるみたいだ。
--------------------------------------
炎魔法・火炎竜 HP:260/450 消費MP:80 残MP:270/380
--------------------------------------
俺が知る限りではパレスの持っている炎魔法で最強技だ。
-----------------------------------
土魔法・砂塵竜巻 消費MP:50 残MP:600/725
-----------------------------------
俺の砂塵竜巻がパレスの火炎竜を遥か彼方へと吹き飛ばした。
「魔法属性の相性が悪いだけだ。そうだ、俺は実力では絶対に負けていない」
恥ずかしい言い訳だが一理ある。パレスの心を完全に折るには剣術で勝つしかないようだ。
俺はパレスが得意としている接近戦をあえて挑むと何十回も矛を交えた。
スキル〈白昼正夢〉が発動して俺の中だけで淡い時が流れた。
------------------------------------
〈白昼正夢〉 消費MP:180 残MP:420/725
------------------------------------
パレスが剣聖のスキル〈一閃斬り〉を発動すると俺は音速の刃に斬られ絶命していた。
音速とはいえ事前にタイミングさえわかっていれば躱せる。
俺は現実世界に戻ると少し横にずれて回避に成功した。
するとパレスは屈辱の表情で魔石を五つ地面に並べた。
「欲しいのはこれだろ?俺達は血の繋がった兄弟であり、お前は俺に止めは刺せない。そうだよな?」
「貴様の行いが魔石で許される訳がないだろ。それに、もう一つの魔石はどこだ?」
「さっきのは嘘だ。俺達はSS等級魔獣だけは倒せていない」
その時、国王軍2人が呻き声と共に倒れた。
俺は危機を察知して、すぐさま〈無断欠席〉を発動した。
「ぐあああああ」
次の瞬間、目の前のパレスが断末魔と共にSS等級魔獣に捕食された。
----------------------------------
ライナーフォックス 魔獣等級:SS 種族値:810 個体値:51
HP:1650/1650 MP:2050/2050
巨大な狐の魔獣、グレーの体毛で鋭い爪と牙を持っている。
----------------------------------
パレスが絶命したことで俺のレベルが1アップして「クラス“陰キャ”」の新スキル〈無人境〉を獲得した。
-------------
【レオ・グリフォン】
〈基本ステータス〉
Lv :72
HP :350/350
MP :420/730
魔法力:850
攻撃力:440
防御力:360
回避力:400
-------------
ライナーフォックスはパレスを食べ終わると小屋へと目を向けた。
ソラとベルがまずい!
俺は新たなスキル〈無人境〉を発動した。
--------------------------------------
〈無人境〉 消費MP:200 残MP:220/725
効果:一定範囲に存在する人間の存在感を消す。発動できる範囲は魔法力に比例する。
--------------------------------------
ライナーフォックスは小屋から目を背けると走り去っていった。
するとソラとベルが駆け足で小屋から出てきた。
「さすがだレオ、頼もしい限りだ!」
ベルが感心した表情で言った。
「レオ、すっごくカッコよかったよ!」
ソラが笑顔で言った。
俺はソラとベルに褒められて幸せな気持ちになったのだった。
「誰に対して口を利いている、目上の方への言葉遣いすらままならないのか?」
「もう貴様を目上だとは思わない」
「フフフッ、馬鹿はすぐ頭に血がのぼるから面白い。俺からしてもお前は余興のメインディッシュには相応しい。この幸運に感謝しよう」
俺は小屋を出る前に二人の方へ振り返った。
「ソラ、ベル、俺を信じて小屋の中で待っていてほしい」
「レオ、危なそうだったらすぐに駆け付けるからね」
ソラが心配そうに言うと俺は無言で頷いた。
小屋を出てパレスと向き合った。
「おい、お前らコイツは俺一人で楽しむ。手をだすな」
パレスが国王軍の2人に指示をだした。
「剣聖の俺にクラスを持たないお前が勝てると本気で思ってるのか?」
「ああ、勝てる」
「フッ、めでたい頭の持ち主だ。そこまで言っておいて楽に死ねると思うなよ」
そう言うとパレスが俺に急接近してきた。
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パレス・グリフォン 魔法属性:炎 クラス:剣聖 年齢:17
Lv:40 HP:450/450 MP:380/380
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剣聖相手に接近戦で勝つのは難しい。俺はすぐさま〈無断欠席〉を発動した。
「ほう、姿をくらますクラスを得ていたか。おい、さっさと無能の位置を俺に知らせろ。」
「パレス王子、敵の位置が捕捉できません」
索敵系のスキルを持つ国王軍の精鋭が言った。
「なんだと!お前の索敵スキルはザル以下だ。後で覚えとけ」
「申し訳ございません。パレス王子」
パレスの顔から余裕の笑みが消えた。
気配を消しているとはいえ近づくの危険だ。
剣聖のクラスは接近戦に関しては自動で体が動くから無敵に近い。
土魔法を発動をするにはスキルを解かなければならないが、ここは致し方ない。
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土魔法・砂漠津波 消費MP:75 残MP:650/725
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砂漠の大津波がパレスを急襲するとパレスも魔法を発動した。
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炎魔法・火炎陣 消費MP:30 残MP:350/380
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パレスが炎の円陣を張ったが俺の砂漠津波が勢いよくのみこんだ。
「ありえない、俺の火炎陣があの無能の土魔法に負けるなど」
パレスは現実を受け止められずにいるみたいだ。
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炎魔法・火炎竜 HP:260/450 消費MP:80 残MP:270/380
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俺が知る限りではパレスの持っている炎魔法で最強技だ。
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土魔法・砂塵竜巻 消費MP:50 残MP:600/725
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俺の砂塵竜巻がパレスの火炎竜を遥か彼方へと吹き飛ばした。
「魔法属性の相性が悪いだけだ。そうだ、俺は実力では絶対に負けていない」
恥ずかしい言い訳だが一理ある。パレスの心を完全に折るには剣術で勝つしかないようだ。
俺はパレスが得意としている接近戦をあえて挑むと何十回も矛を交えた。
スキル〈白昼正夢〉が発動して俺の中だけで淡い時が流れた。
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〈白昼正夢〉 消費MP:180 残MP:420/725
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パレスが剣聖のスキル〈一閃斬り〉を発動すると俺は音速の刃に斬られ絶命していた。
音速とはいえ事前にタイミングさえわかっていれば躱せる。
俺は現実世界に戻ると少し横にずれて回避に成功した。
するとパレスは屈辱の表情で魔石を五つ地面に並べた。
「欲しいのはこれだろ?俺達は血の繋がった兄弟であり、お前は俺に止めは刺せない。そうだよな?」
「貴様の行いが魔石で許される訳がないだろ。それに、もう一つの魔石はどこだ?」
「さっきのは嘘だ。俺達はSS等級魔獣だけは倒せていない」
その時、国王軍2人が呻き声と共に倒れた。
俺は危機を察知して、すぐさま〈無断欠席〉を発動した。
「ぐあああああ」
次の瞬間、目の前のパレスが断末魔と共にSS等級魔獣に捕食された。
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ライナーフォックス 魔獣等級:SS 種族値:810 個体値:51
HP:1650/1650 MP:2050/2050
巨大な狐の魔獣、グレーの体毛で鋭い爪と牙を持っている。
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パレスが絶命したことで俺のレベルが1アップして「クラス“陰キャ”」の新スキル〈無人境〉を獲得した。
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【レオ・グリフォン】
〈基本ステータス〉
Lv :72
HP :350/350
MP :420/730
魔法力:850
攻撃力:440
防御力:360
回避力:400
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ライナーフォックスはパレスを食べ終わると小屋へと目を向けた。
ソラとベルがまずい!
俺は新たなスキル〈無人境〉を発動した。
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〈無人境〉 消費MP:200 残MP:220/725
効果:一定範囲に存在する人間の存在感を消す。発動できる範囲は魔法力に比例する。
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ライナーフォックスは小屋から目を背けると走り去っていった。
するとソラとベルが駆け足で小屋から出てきた。
「さすがだレオ、頼もしい限りだ!」
ベルが感心した表情で言った。
「レオ、すっごくカッコよかったよ!」
ソラが笑顔で言った。
俺はソラとベルに褒められて幸せな気持ちになったのだった。
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