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心の声
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ーー前回のあらすじーー
同居生活することになったハルと内海。雄っぱい枕には人をダメにする効果があるみたいです。
「ただいま」
俺は自宅の扉を開ける。
「あっ、内海さんおかえりなさい。ご飯ならもうできてますよ。」
ハルは筋骨隆々な姿でお茶をすすっていた。
「悪いがその姿はやめてくれ……」
「えー、なんでですか?私は内海さんのためにこの姿になってるのに……」
(それが原因だわ!その姿でかわいらしい仕草されたら俺が直視できないだろうが……!)
怒りを覚えながらも、心の中にとどめておくことにした。
「へー……なるほど……」
ハルはニヤニヤしながらこちらを見た。
「ん?なんだよ?」
「いいえー、なんでもありませんよ~」
ハルは少年の姿になった。
(……なるほど。脳内が読めるのか)
「なぁハル?悪いがお風呂沸かしにいってくれないか?」
「えへへ~。いいですよ~」
ハルは上機嫌でお風呂場へいった。
(……おし、このスキにイタズラ考えるか)
数分後、ハルが帰ってきた。
「ただいまです~。そういや今日の晩ご飯どうです……ハッ」
ハルは青ざめた顔で硬直した。
(ふっふっふっ……気づいたようだな。
俺は今、「追い出すのは早めにしたほうがハルのためだな……」と考えているのだ!
もちろん追い出すつもりはない。ハルにお灸をすえるために考えているのだ。さぁハルよ、むやみに人の中を見るのはやめるのだ!)
「きょ、今日の晩ご飯はどうですか……?」
ハルは冷や汗をかきながら俺にいった。
「ん?いつも通りとっても美味しいよ」
(しめしめ、効いているようだな)
「そ、そうですか……ならよかったです。あ、そ、そうだ!実は晩酌の準備をしてまして……ちょうど枝豆が割引になっていたので」
ハルは焦った様子で台所へいった。
ガッシャーン
突然音がなった。台所のほうだ。
「大丈夫か!?何があった!?」
俺は急いで台所のほうへ向かった。
見ると、複数の食器が割れている。
「あっ、ご、ごめんなさい……!どうか追い出さないでください!」
ハルは今にも泣きそうな顔で俺に謝ってきた。
(……ちょっとやりすぎたか?)
「捨てない捨てないって!とりあえず一緒に片付けるぞ」
「うぅ……はい……」
「とりあえず、一緒に晩酌でもしようぜ」
片付けが終わった後、俺はいった。
「はい……」
ハルはいまだに落ち込んでいる。
「ほら、注いでやるから飲んで一旦忘れろ」
「……はい!」
ハルの顔がみるみる明るくなった。
お互い酔いがまわり、月がぼやけて見える夜。ふとハルが口を近づけた。
「内海さ~ん、実はひとついい忘れてまして~……」
ふむ、これはかなり酔ってるな。
断るとめんどくさそうだし適当に流すか……。
「ん?どうしたんだよ」
「えへへ~実は私、相手の心が読めましてぇ~」
「ほう、そうだったのか」
俺はわかっていながらも知らないフリをした。
……ん?待てよ?もしかして……
「なぁ、ハル。もしかして俺のイタズラにも気づいていたか?」
俺は恐る恐る聞いた。
「あったりまえじゃないですか~。だから私も乗っかってあげたんですよ~」
「マジかよ……。恥ずかし」
やはり悪魔には全てお見通しだったか。なら冷や汗をかいていたことも動揺しまくってたのも、食器を割ったのも……ん?食器を割ったのも?
「おいハル、おまえが割った食器らって本物か?」
「はい!もちろん……あっ」
ハルは気づいたようだ。みるみる酔いが覚めているのがわかる。
「おい待てや……」
「わ、私少し急用を思い出しました!少し出掛けてきますね……」
「てめぇ本気で追い出してやろうかぁー!」
「ひ、ひゃ―!ご、ごめんなさい!」
しばらくの間、俺らのおいかけっこは続いた。
同居生活することになったハルと内海。雄っぱい枕には人をダメにする効果があるみたいです。
「ただいま」
俺は自宅の扉を開ける。
「あっ、内海さんおかえりなさい。ご飯ならもうできてますよ。」
ハルは筋骨隆々な姿でお茶をすすっていた。
「悪いがその姿はやめてくれ……」
「えー、なんでですか?私は内海さんのためにこの姿になってるのに……」
(それが原因だわ!その姿でかわいらしい仕草されたら俺が直視できないだろうが……!)
怒りを覚えながらも、心の中にとどめておくことにした。
「へー……なるほど……」
ハルはニヤニヤしながらこちらを見た。
「ん?なんだよ?」
「いいえー、なんでもありませんよ~」
ハルは少年の姿になった。
(……なるほど。脳内が読めるのか)
「なぁハル?悪いがお風呂沸かしにいってくれないか?」
「えへへ~。いいですよ~」
ハルは上機嫌でお風呂場へいった。
(……おし、このスキにイタズラ考えるか)
数分後、ハルが帰ってきた。
「ただいまです~。そういや今日の晩ご飯どうです……ハッ」
ハルは青ざめた顔で硬直した。
(ふっふっふっ……気づいたようだな。
俺は今、「追い出すのは早めにしたほうがハルのためだな……」と考えているのだ!
もちろん追い出すつもりはない。ハルにお灸をすえるために考えているのだ。さぁハルよ、むやみに人の中を見るのはやめるのだ!)
「きょ、今日の晩ご飯はどうですか……?」
ハルは冷や汗をかきながら俺にいった。
「ん?いつも通りとっても美味しいよ」
(しめしめ、効いているようだな)
「そ、そうですか……ならよかったです。あ、そ、そうだ!実は晩酌の準備をしてまして……ちょうど枝豆が割引になっていたので」
ハルは焦った様子で台所へいった。
ガッシャーン
突然音がなった。台所のほうだ。
「大丈夫か!?何があった!?」
俺は急いで台所のほうへ向かった。
見ると、複数の食器が割れている。
「あっ、ご、ごめんなさい……!どうか追い出さないでください!」
ハルは今にも泣きそうな顔で俺に謝ってきた。
(……ちょっとやりすぎたか?)
「捨てない捨てないって!とりあえず一緒に片付けるぞ」
「うぅ……はい……」
「とりあえず、一緒に晩酌でもしようぜ」
片付けが終わった後、俺はいった。
「はい……」
ハルはいまだに落ち込んでいる。
「ほら、注いでやるから飲んで一旦忘れろ」
「……はい!」
ハルの顔がみるみる明るくなった。
お互い酔いがまわり、月がぼやけて見える夜。ふとハルが口を近づけた。
「内海さ~ん、実はひとついい忘れてまして~……」
ふむ、これはかなり酔ってるな。
断るとめんどくさそうだし適当に流すか……。
「ん?どうしたんだよ」
「えへへ~実は私、相手の心が読めましてぇ~」
「ほう、そうだったのか」
俺はわかっていながらも知らないフリをした。
……ん?待てよ?もしかして……
「なぁ、ハル。もしかして俺のイタズラにも気づいていたか?」
俺は恐る恐る聞いた。
「あったりまえじゃないですか~。だから私も乗っかってあげたんですよ~」
「マジかよ……。恥ずかし」
やはり悪魔には全てお見通しだったか。なら冷や汗をかいていたことも動揺しまくってたのも、食器を割ったのも……ん?食器を割ったのも?
「おいハル、おまえが割った食器らって本物か?」
「はい!もちろん……あっ」
ハルは気づいたようだ。みるみる酔いが覚めているのがわかる。
「おい待てや……」
「わ、私少し急用を思い出しました!少し出掛けてきますね……」
「てめぇ本気で追い出してやろうかぁー!」
「ひ、ひゃ―!ご、ごめんなさい!」
しばらくの間、俺らのおいかけっこは続いた。
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