花飾らない恋

十月の兎

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七星妹参上

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珠璃「それで聞いたこと無かったんだが、妹ちゃんの能力ってなんなんだい」

海「あれ、言ってなかったっけ、たしかお前と同じ両性花型じゃなかったかな」

この世界の能力は大きく3種類に分けられる、能力が1つの「単性花型たんせいかがた」、能力を2つ合わせ持つ「両性花型りょうせいかがた」、もうひとつがある時点で能力が変化する「果実型かじつがた」、他にもあるらしいのだが、それは現時点では研究中らしい、

珠璃「へぇ珍しい、」

海「お前が言うか?」

珠璃「それで、なにが合わさっているんだい」

海「観察眼と探究心だよ」

珠璃「探究心は能力なのかい?私には全然イメージできないんだが」

海「知識を得ることに犠牲を払うようになるんだ、単純な記憶とは違って、えと、説明が難しいな」

七星 海の妹は昔から行動力があり自分が興味を持ったものを調べ覚えることに関しては、天才とも呼べるものであった、彼女の吸収力ははっきり言って異常であり、観察眼の能力もあることで限界すらも無視しているようだった、

海「あいつの覚え方は、すこし、俺でも不気味だと思うんだ」

そう、彼女の覚え方は独特で、常にまち針を持ち歩き、記憶したい状況でそのまち針を深く手に突き刺す、本人は「痛覚記憶法」と名付けた方法で覚えるのだが、傍から見ると、狂気的でとてもまともには見えない、常人には理解のできない知識への執着心だった

珠璃「まぁわからんでもない、」

海「最近は落ち着いたんだけどな、アイツバカだから繰り返して入院だよ、まったく」

入学前にを確かめるために小学生と競争し、頭から思い切り落ちて重症、そのまま入学式から3ヶ月出席なしだったのだ、

海「今から来ても授業追いつけないと思うんだけどなぁ、」

珠璃「何言ってるんだい、妹ちゃんは海ちゃんより全然頭いいじゃないか」

海「そんなことないだろ?」

珠璃「そんなことあるぞ、海ちゃん入学した当初から寝てたの覚えてない?」

海「えー、覚えてないな」

珠璃「寝てたからでしょ」

はははと少女は笑う、その時、ドアがガラガラと音を立て勢いよく開く、女の子が一人教室に入ってくる

先生「お前らー、ちょっと早いけど話があるから座ってくれ」

クラスが多少ざわめく、2人も、体勢を変え正面に向き直す、するとそこには

珠璃「妹ちゃんだね」

海「嘘だと言って欲しいけど、本物だな」

先生「お前らも知ってるかもしれないが、入学式前から入院していて、いなかったんだが、今日からクラスに入ることになった生徒がいるので紹介する」

?「七星ななせ かえでです!」

ざわつきが増す、その理由は、

楓「そこの七星 海の妹です!」

少年はため息をついて頭を抱えた
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