臭いモノには花

植澄 紗

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プロローグ

十二月十六日、

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『十二月十六日、

父様と母様へ。

人間の住むこの世界では、皆が笑っていました。

笑顔が絶えることは決してありません。

けれども私の信じたその笑顔は、本当の笑顔ではありませんでした。

気がついた時にはもう遅い。

遅かったのです。

どうして、貴方は笑っ
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