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晴天の霹靂
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自席で帰り支度をしていると、クラスメイトから声を掛けられた。俺は光の速さで口角を持ち上げ、顔に微笑を張り付けて応対する。
「委員長、今日のライティングの課題、教えてくれてサンキュな! ちょうどわかんなかったとこ当てられたから助かったわ。今度なんか奢るよ」
「いいよ別に。また何かあったら遠慮なく言ってね」
「あざっす、マジ委員長頼りになるわ~」
今度は別の生徒に肩を叩かれた。
「なあなあ委員長、これから時間ある? 他校の女子と合コンあんだけど来ねぇ?」
「ああ、……ごめんね。今日は用事があるから無理なんだ」
「そっかー。委員長がいたら女の子たちも盛り上がると思ったんだけどなぁ。また声かけるわ、よろしく」
「うん、誘ってくれてありがとう」
次々に声を掛けてくるクラスメイトたちと別れの挨拶を交わし、教室を出て足早に玄関へ向かう。
下駄箱に寄りかかっていた幼馴染のテツが、俺に気づいて手を振った。その傍らには見知らぬ女子生徒が立っている。危うく舌打ちが出そうになるのを唇を引き結んで堪え、度々人から褒め称される笑顔を取り繕った。
「テツ、お待たせ。取り込み中だったかな」
女子生徒は俺と目が合うと、頬を赤らめ恥ずかしそうに組んだ指をもじもじさせた。
「たかちゃんに用があるんだって。3組の吉井さん」
「……俺に?」
「原くんに話があって……少しだけ、いいかな?」
「うん、大丈夫だよ。……テツ、先帰っててくれる? 後から家行くよ」
*
ネクタイを放り投げ、ワイシャツのボタンを外してだらしなく首元を広げ、テツのベッドに我が物顔で寝っ転がった。部屋の主であるテツは文句も言わずに床に座り、ぞんざいに投げ捨てられた俺のネクタイを拾って畳む。
「あ゛ぁ~、くっそだりぃ~」
「吉井さん、なんだって?」
「んなの、言わなくたってわかんだろ? 好きです付き合ってくださいってヤツだよ」
「すごいねたかちゃん。先週も一年生の子に告白されてたよね」
「ったくよお、鏡で自分の顔見てから声掛けてこいって感じだよな、どいつもこいつも。誰がてめぇらみたいなブスと付き合うかってんだ」
「吉井さん、可愛いと思うけど」
「マジかよ、趣味わっるぅ~! お前ブス専なんじゃね? 前に好きとか言ってた、なんだっけ? あの女もくそブサイクだし」
「加藤さん?」
「そうそう、しかもあの女、おっさん相手にエンコーしてるんだってよ? テツ、お前も金ヅルにされないよう加藤には近づくなよ」
「えっ、それ本当?」
「テツのくせになに疑ってんだよ。信頼できる筋からの情報だぜ」
「そうなんだ……ショック」
「あんな年増のキャバ嬢みたいなの、どこがいいんだよ、ぜんっぜん可愛くねぇじゃん。しかもおっさんの汚ねぇチンポ咥えまくってるヤリマン女だぜ? やめとけやめとけ」
俺の話を聞いてもなお未練が残るのか、テツは渋い顔をした。その反応が気に食わず、手を伸ばして寝癖がついた間抜けな頭をはたく。
「いてっ」
「つーかそもそも、テツなんかに彼女ができる訳ないじゃん。グズでのろまで気の利かない童貞哲也くんなんかにさ。なに期待しちゃってんの」
「ごめん……そうだよね、俺なんかに彼女できるわけ……」
「そうそう。ん、……コーラおかわり」
「あ、ごめん……それで最後なんだ」
「そういうとこだよ、用意しとけっていっつも言ってんだろーが!」
「うう、ごめんなさい……」
「今すぐ買ってこいよ。あとポテチのうすしお」
「わかった、行ってくる」
テツは財布を引っつかみ、バタバタと慌ただしく部屋を出て行った。
まわりから見た俺、原 貴匡という人間は、眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群のうえ、人当たりがよく誰にでも優しい、完璧スペックの学級委員長。トレードマークは爽やかな笑顔、なんだそうだ。自分で言ってて反吐が出るが、別に自称している訳じゃない。学祭のミスターコンに出場させられた時に、勝手につけられた謳い文句だ。
自分が性悪であることは十分自覚しているつもりだが、それを堂々と人前に晒すような愚行は冒さない。周囲からの好感度を上げておくことは、将来を見据えた賢い自己投資だ。
幼い頃は女のようだといじめられたこの容姿は、成長するにつれ評価が逆転していった。己の外見が優れていることを自覚するようになってからは、そのアドバンテージを存分に発揮して人好きのする人間を装う術を身に着けた。
その甲斐あって俺は今、周りからの絶大な信頼を得てカーストの頂点に立っている。ちょっと愛想よくしてやれば皆ころっと騙され、俺に気に入られようと媚び諂い、容易く手のひらの上で踊ってくれる。チョロい、チョロすぎるぜ。どんなヌルゲーよりも楽勝だ。
そんな俺の本性を知っているのは、学校内ではテツ――落合哲也、ただひとり。テツとは保育園からの幼馴染で、家も近いのでよく互いの家を行き来していた。
体だけは無駄に成長して馬鹿デカくなったが、昔からぼーっとした性格は全然変わらない。俺と違って心底人がいいというか、器用に立ち回ることができないバカ正直というか、面倒事を押し付けられて損な役回りばかり背負わされるタイプ。当人はそのことについてなんの憤りも覚えていないのが、傍から見ていて無性に腹が立つ。ついついキツく当たってしまう俺に対してさえ、テツは決して言い返したりキレたりせず、かといって距離を置くわけでもなく、昔から変わらぬ態度で接するような真性のお人好しなのだ。
*
放課後、いつものように下校を共にするべくテツに声を掛けたのだが、その日は珍しく断られた。余程のことがない限り、テツは俺の誘いを断らないのに。
「ごめんね、ちょっと用があるんだ」
そわそわと落ち着かない様子のテツに、俺は片眉を吊り上げる。
「なに? 今日は委員会も何もないはずだろ?」
「そういうのじゃなくて……」
煮え切らない態度にイライラが募った。教室内で人目のある中、猫を被るのも忘れて凄みを利かせる。
「なんだよ、言えよ」
「えっと、その……」
「落合くん!」
横から突如割り入ってきた耳障りな声に、思わずヤンキーばりのメンチを切りそうになった。が、寸でのところでどうにか堪える。
「吉井さん」
テツはパッと顔を輝かせ、近づいてきた女に零れるような笑みを向けた。
「あ、……」
女と目が合う。コイツ……ついこの間俺に告ってきた奴じゃねぇか。女は浮かれた顔を一転させ、気まずげに目を伏せる。
凍りついた空気に耐えかねたのか、テツがおずおずと口を開いた。
「あの、たかちゃん……ごめんね、言おうと思ってたんだけど、なんだか言い出しにくくて……俺と吉井さん、付き合うことになったんだ」
言葉のボディブローがガーンと俺の耳を打つ。思いもよらぬ不意打ちに一瞬にして横隔膜の動きが止まり、息ができなくなった。あまりの衝撃に脳みそがぐらぐら揺れる錯覚すら覚える。
「あの、告白した時に原くんが好きだったのは本当だよ? 落合くんと仲良くなったのは原くんに断られてからで……」
んなこたぁどうでもいい、黙ってろ雌豚……。口を突いて出そうになる罵声を必死に呑み込み、拳を固く握り締めて衝動を押さえつける。
「今日は吉井さんと、……デート、なんだ。ごめんね」
照れくさそうに頭を掻くテツのだらしなく緩んだ横っ面を、思いっきり殴りつけてやりたい。人目がなけりゃマジでやってた。
怒りのあまり絶句する俺を差し置いて、二人はさっさと教室を出て行ってしまった。
ぽつねんと取り残された俺はふらつく足取りで自席へ戻り、椅子に腰掛け押し黙る。帰らないのとクラスメイトに話しかけられたが適当にあしらい、誰もいなくなった途端すっくと立ち上がって座っていた椅子をブン投げた。凄まじい音を立てて吹っ飛んだ椅子は足がひしゃげて座面に亀裂が入る。この椅子はテツのものと交換するとしよう。
それからテツは何かにつけて彼女を優先するようになり、俺に対しては悉く付き合いが悪くなった。
「テツ、今日の夜ゲームやろうぜ」
「ごめんね、吉井さんと電話する約束してるんだ」
「電話って……ゲームする時間もねぇのかよ」
「うん、吉井さんと話してるとあっという間に時間が過ぎちゃって。この前も2時間以上電話しちゃったんだぁ」
「帰りに本屋付き合えよ」
「ごめん、今日は吉井さんと一緒に帰る約束してるんだ」
「……今日も、だろ」
「ホントごめん」
プッツン。太い血管が断ち切れる音が脳内に鳴り響いた。
「委員長、今日のライティングの課題、教えてくれてサンキュな! ちょうどわかんなかったとこ当てられたから助かったわ。今度なんか奢るよ」
「いいよ別に。また何かあったら遠慮なく言ってね」
「あざっす、マジ委員長頼りになるわ~」
今度は別の生徒に肩を叩かれた。
「なあなあ委員長、これから時間ある? 他校の女子と合コンあんだけど来ねぇ?」
「ああ、……ごめんね。今日は用事があるから無理なんだ」
「そっかー。委員長がいたら女の子たちも盛り上がると思ったんだけどなぁ。また声かけるわ、よろしく」
「うん、誘ってくれてありがとう」
次々に声を掛けてくるクラスメイトたちと別れの挨拶を交わし、教室を出て足早に玄関へ向かう。
下駄箱に寄りかかっていた幼馴染のテツが、俺に気づいて手を振った。その傍らには見知らぬ女子生徒が立っている。危うく舌打ちが出そうになるのを唇を引き結んで堪え、度々人から褒め称される笑顔を取り繕った。
「テツ、お待たせ。取り込み中だったかな」
女子生徒は俺と目が合うと、頬を赤らめ恥ずかしそうに組んだ指をもじもじさせた。
「たかちゃんに用があるんだって。3組の吉井さん」
「……俺に?」
「原くんに話があって……少しだけ、いいかな?」
「うん、大丈夫だよ。……テツ、先帰っててくれる? 後から家行くよ」
*
ネクタイを放り投げ、ワイシャツのボタンを外してだらしなく首元を広げ、テツのベッドに我が物顔で寝っ転がった。部屋の主であるテツは文句も言わずに床に座り、ぞんざいに投げ捨てられた俺のネクタイを拾って畳む。
「あ゛ぁ~、くっそだりぃ~」
「吉井さん、なんだって?」
「んなの、言わなくたってわかんだろ? 好きです付き合ってくださいってヤツだよ」
「すごいねたかちゃん。先週も一年生の子に告白されてたよね」
「ったくよお、鏡で自分の顔見てから声掛けてこいって感じだよな、どいつもこいつも。誰がてめぇらみたいなブスと付き合うかってんだ」
「吉井さん、可愛いと思うけど」
「マジかよ、趣味わっるぅ~! お前ブス専なんじゃね? 前に好きとか言ってた、なんだっけ? あの女もくそブサイクだし」
「加藤さん?」
「そうそう、しかもあの女、おっさん相手にエンコーしてるんだってよ? テツ、お前も金ヅルにされないよう加藤には近づくなよ」
「えっ、それ本当?」
「テツのくせになに疑ってんだよ。信頼できる筋からの情報だぜ」
「そうなんだ……ショック」
「あんな年増のキャバ嬢みたいなの、どこがいいんだよ、ぜんっぜん可愛くねぇじゃん。しかもおっさんの汚ねぇチンポ咥えまくってるヤリマン女だぜ? やめとけやめとけ」
俺の話を聞いてもなお未練が残るのか、テツは渋い顔をした。その反応が気に食わず、手を伸ばして寝癖がついた間抜けな頭をはたく。
「いてっ」
「つーかそもそも、テツなんかに彼女ができる訳ないじゃん。グズでのろまで気の利かない童貞哲也くんなんかにさ。なに期待しちゃってんの」
「ごめん……そうだよね、俺なんかに彼女できるわけ……」
「そうそう。ん、……コーラおかわり」
「あ、ごめん……それで最後なんだ」
「そういうとこだよ、用意しとけっていっつも言ってんだろーが!」
「うう、ごめんなさい……」
「今すぐ買ってこいよ。あとポテチのうすしお」
「わかった、行ってくる」
テツは財布を引っつかみ、バタバタと慌ただしく部屋を出て行った。
まわりから見た俺、原 貴匡という人間は、眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群のうえ、人当たりがよく誰にでも優しい、完璧スペックの学級委員長。トレードマークは爽やかな笑顔、なんだそうだ。自分で言ってて反吐が出るが、別に自称している訳じゃない。学祭のミスターコンに出場させられた時に、勝手につけられた謳い文句だ。
自分が性悪であることは十分自覚しているつもりだが、それを堂々と人前に晒すような愚行は冒さない。周囲からの好感度を上げておくことは、将来を見据えた賢い自己投資だ。
幼い頃は女のようだといじめられたこの容姿は、成長するにつれ評価が逆転していった。己の外見が優れていることを自覚するようになってからは、そのアドバンテージを存分に発揮して人好きのする人間を装う術を身に着けた。
その甲斐あって俺は今、周りからの絶大な信頼を得てカーストの頂点に立っている。ちょっと愛想よくしてやれば皆ころっと騙され、俺に気に入られようと媚び諂い、容易く手のひらの上で踊ってくれる。チョロい、チョロすぎるぜ。どんなヌルゲーよりも楽勝だ。
そんな俺の本性を知っているのは、学校内ではテツ――落合哲也、ただひとり。テツとは保育園からの幼馴染で、家も近いのでよく互いの家を行き来していた。
体だけは無駄に成長して馬鹿デカくなったが、昔からぼーっとした性格は全然変わらない。俺と違って心底人がいいというか、器用に立ち回ることができないバカ正直というか、面倒事を押し付けられて損な役回りばかり背負わされるタイプ。当人はそのことについてなんの憤りも覚えていないのが、傍から見ていて無性に腹が立つ。ついついキツく当たってしまう俺に対してさえ、テツは決して言い返したりキレたりせず、かといって距離を置くわけでもなく、昔から変わらぬ態度で接するような真性のお人好しなのだ。
*
放課後、いつものように下校を共にするべくテツに声を掛けたのだが、その日は珍しく断られた。余程のことがない限り、テツは俺の誘いを断らないのに。
「ごめんね、ちょっと用があるんだ」
そわそわと落ち着かない様子のテツに、俺は片眉を吊り上げる。
「なに? 今日は委員会も何もないはずだろ?」
「そういうのじゃなくて……」
煮え切らない態度にイライラが募った。教室内で人目のある中、猫を被るのも忘れて凄みを利かせる。
「なんだよ、言えよ」
「えっと、その……」
「落合くん!」
横から突如割り入ってきた耳障りな声に、思わずヤンキーばりのメンチを切りそうになった。が、寸でのところでどうにか堪える。
「吉井さん」
テツはパッと顔を輝かせ、近づいてきた女に零れるような笑みを向けた。
「あ、……」
女と目が合う。コイツ……ついこの間俺に告ってきた奴じゃねぇか。女は浮かれた顔を一転させ、気まずげに目を伏せる。
凍りついた空気に耐えかねたのか、テツがおずおずと口を開いた。
「あの、たかちゃん……ごめんね、言おうと思ってたんだけど、なんだか言い出しにくくて……俺と吉井さん、付き合うことになったんだ」
言葉のボディブローがガーンと俺の耳を打つ。思いもよらぬ不意打ちに一瞬にして横隔膜の動きが止まり、息ができなくなった。あまりの衝撃に脳みそがぐらぐら揺れる錯覚すら覚える。
「あの、告白した時に原くんが好きだったのは本当だよ? 落合くんと仲良くなったのは原くんに断られてからで……」
んなこたぁどうでもいい、黙ってろ雌豚……。口を突いて出そうになる罵声を必死に呑み込み、拳を固く握り締めて衝動を押さえつける。
「今日は吉井さんと、……デート、なんだ。ごめんね」
照れくさそうに頭を掻くテツのだらしなく緩んだ横っ面を、思いっきり殴りつけてやりたい。人目がなけりゃマジでやってた。
怒りのあまり絶句する俺を差し置いて、二人はさっさと教室を出て行ってしまった。
ぽつねんと取り残された俺はふらつく足取りで自席へ戻り、椅子に腰掛け押し黙る。帰らないのとクラスメイトに話しかけられたが適当にあしらい、誰もいなくなった途端すっくと立ち上がって座っていた椅子をブン投げた。凄まじい音を立てて吹っ飛んだ椅子は足がひしゃげて座面に亀裂が入る。この椅子はテツのものと交換するとしよう。
それからテツは何かにつけて彼女を優先するようになり、俺に対しては悉く付き合いが悪くなった。
「テツ、今日の夜ゲームやろうぜ」
「ごめんね、吉井さんと電話する約束してるんだ」
「電話って……ゲームする時間もねぇのかよ」
「うん、吉井さんと話してるとあっという間に時間が過ぎちゃって。この前も2時間以上電話しちゃったんだぁ」
「帰りに本屋付き合えよ」
「ごめん、今日は吉井さんと一緒に帰る約束してるんだ」
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