ＪＯＬＥＮＥジョリーン・鬼屋は人を許さない 『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。

エピローグ

さよなら先生

『建築屋・オガタのブログ』

　今日のブログは僕の恩人Ｓさんに向けての個人的メッセージになります。

やむにやまれず書いています、今回は、みなさんコメント等は御遠慮ください、削除します。
申し訳ありません。
　
　Ｓさん、お元気ですか。

今日こっちは花火大会で仲間と街に繰り出しました。

街は人出がすごくて花火の後みんなで飲みに行こうとしたんだけど
何処の店も満席で、悪いかなとは思いましたが
繁華街から近いＳさんの事務所に酒やビールなんか持ち込んで
みんなで飲み直そうということになり
僕が預かっていた合鍵、使ってしまいました。

事務所に手紙がたくさん届いていますよ、
いろんな人からの手紙です。

その中に僕の結婚式の案内もありました、複雑な心境です。

久しぶりの事務所に、みんな懐かしいと盛り上がっています。

Ｗさんにナイショだって聞いてた話。
みんなにもサービスで話しちゃいました。
視える人が見れば、あの時のＳさん変身してたってｗ

僕たちには、Ｓさんが怪我を負っていたにもかかわらず
必死に皆を守ろうと立ち向かって行ったんだと
思ってました・・・
まぁ実際、そうなんですけどね。
あの時、死んでも良いと思ってたんでしょう・・・先生・・・

怒らないで欲しいのですが、このブログも事務所のパソコンで
書かせてもらっています。
一応、動作確認も含めてです。あはは・・・

　トイレもエアコンも冷蔵庫もＴＶも全部正常に作動しています。
そこは安心してください。

　そういえば、あのＡの事、覚えていますか？
ホームレスやってた、あいつです。

Ａは俺がアサミさんと結婚式をするというのを聞いて、
どういうわけか街に戻ってきました。
今は、おかあさんと仲良く暮らしています。
Ｓさんに会ったことのないＡはＳさんに、とても会いたがっています。

　結婚式は先日無事に挙げることができました。
これもキューピットになってくれたＳさんのおかげです。
ただ
そばにいて僕たちの結婚を一番、祝って欲しい人が居なかった
結婚式は、やっぱり寂しく物足りませんでした。

　Ｓさんの様子が変だったの気が付いていました。
クラブで馬鹿騒ぎしたり、何日も引きこもってたり。

一体何がＳさんの中で起こっているのか
もっと良く考えるべきだった、もっとそばに居るべきだったと
僕もアサミも、すごく後悔しています。
Ｓさん、本当に、ごめんなさい。

　Ｓさん元気なんですか、いったい、どこにいるんですか

あの最後に会った、鍵を預かった日、１週間位で戻ってくるって
言ってたじゃないですか
このブログ読んだら何でもいいので
家でも会社でも何でもいいので
連絡をください。

また何か大変な事に巻き込まれてるんじゃやないかって、
みんな心配しています。

　Ｓさんと街を走り回っていた時、いつも同じ曲を
聴いていましたよね、なんで好きなのか聞くの忘れてたけど
僕もすっかり気に入っちゃって時々あの曲聴いて、
すごかった２ヶ月間の出来事を思い出しています。

なんだか夢のような日々で時々、あれは現実だったんだよな、
なんて思い出しています。

　あの曲をかけて仕事で例のアパート跡の道路を通ります。

　慰霊碑が立っている、あの場所は、とても静かな場所になりましたよ。
いつかＳさんにも見てもらおうとチューリップや朝顔なんか
新しく植えて花壇を、みんなで増やしています。

　あの銀行も今は立派な神社になりました。
支店長さんも回復に向けてリハビリされています。
Ｓさんに会いたがっていますよ・・・

　このブログきっと何処かで読んでくれていると信じています。

最後に僕も、みんなも照れくさくって言えなかったけど、
ずっと言えなかった言葉をＳさんに贈ります。

　本当に、ありがとうございました。


　　　　　　　　　　　了