26 / 80
第3章 鬼屋が来ます
第7話 落ち着こうね
しおりを挟む
「マルダァ!」誰かが私を怒鳴りつける声が聞こえました。
首にベルトが食い込んでいましたが苦しくて足をバタバタすると
床にぶつかり、すんなり立つことができました。
「あれ?・・・んゴホッ、ゴホッ・・・んーゴホ、ゴホ、ゴホひゃー」
無理やり息を吸い込みました。
私は体を曲げて首を吊ろうとしていました。
首のベルトを、もたもたと外して涙を流しながら咳こみ床に座り込みました。
『失敗した』
私は普通に、そう思いました。
心は不思議と冷静で自殺する人の気持ちが初めてわかった気がしていました。
『酒飲みすぎたか・・・欝なんだな・・・もうちょっとで死ぬとこだった・・・
うー首が痛い・・・落ち着け・・・コーヒーでも飲もう・・・
完全に鬱だなコレ・・・いつからかな鬱になったのかな・・・』
よたよたと歩いて外の自販機で珈琲を買って飲んでいると携帯が鳴りました。
相手は、ちょっと懐かしいパチンコ話の尾形さんからでした。
「あ、どうもー尾形ですぅ式さん、お元気ですか?」
「あーどうも、ゴホッ、何かありましたか?」まだ声が、かなりかすれていました。
「はい、あの行方不明のA覚えてますかアイツ見つかりました」
「えっ!ゲホッ、元気なの?」
「はい、あいつ今、〇〇市に居るんですよ、それで会って話したいことあるんですが
最近忙しいですか?暇なときでも、こっちから行きますんで、
時間、都合つかないですかねぇ?」
「あー何時頃がいいのかな?」
「できれば夜七時くらいが良いんですけど、それと、うちの親父も一緒に行っていいですか?」
「え、ああ構わないけど・・・」
「えーと、それじゃ明日の夜なんてどうでしょう?」
「明日ね了解ですぅーじゃ待ってますね、ゲホンッ」
「いやー式さん全然連絡つかないから心配しましたよ」
「え?連絡くれてたっけ?」
「いや何回も電話したんですけど、いつも話中だったりして、でも良かったです。
じゃ俺ちょっと行くとこあるんで明日、伺いますんで、よろしくお願いしまぁーす」
「あ、はい、わかりましたー」
電話がつながらない?なんで?電話なんて一回も鳴ってないぞ・・・
スマホを確認すると編集部やアサミちゃんからもショートメールが何通も届いてた。
「え?なんだこれ!?・・・」
呆然としてコーヒー飲んでたらスマホが鳴りました。
『アサミちゃんからだ!』
「はい、もしもし」
「あーーっ、シキさん?あたし気分悪いんですけどっ!」やっぱりアサミちゃんだ・・・
「え?なに、なんで?」
「なんでってコッチのセリフでしょそれ、このクソオヤジ・・・」
アサミちゃん・・・うわー口悪いな・・・
「ちょ、ちょっと待ってよ、なんでそんな怒ってんの?」
「なんでぇー?何でメール無視されなきゃなんないのさオヤジのくせに怒ってあたりまえでしょ、あーっ?」
「いや、おかしいんだよスマホ変なんだ、いま他の人にも連絡つかなかったって言われたばっかりで・・・」もう、タジタジです。
「・・・・・・・」
「アサミちゃん、時間ある?ちょっとさ事務所に来れないかな」
「なんで?」
「いや、ちょっとでいいからさ、さっき死にそうになってたんだよ」
「はぁ?なにそれ、めんどくさい嫌です」
「あ、そうだよね、ちょっと具合悪いから切るね」
「あっ・・・」
「ブツ!」
『悪いと思ったけど切っちゃった。
一旦、落ち着こう、何なんだコレは?顔でも洗って・・・』
鏡を見ると、ひどい顔でした。
髪の毛がヘビメタみたいに逆立っていて顔を誰かに殴られた様になって
目の周りがパンダみたいに黒く内出血していました。
きっと首を絞めた異常な圧力で目の周りの毛細血管が切れてしまったのでしょう
眼球も真っ赤になって血管が切れているようです・・・
そして首がボキボキと音を立てていたのですがベルトの形に首が真っ赤になっていて喉仏の上あたりが紫色に内出血していました。
「あはっ・・・」
まるでゾンビです。
それにしても首が痛い表面もジリジリと痛みがひどくなってきました。
とりあえずタオルを濡らして首に巻いてみました。
『そういえばさっき鏡の中に黒い影あったなぁ、それに『フフッ』って声も聞こえた、それと、誰かの声?が聞こえたような気がする・・・
マルダァって呼ばれたような・・・
『フフッ』って、あれ、あのアパートの死神じゃないのか?
やっぱ始まってきたのか・・・』
そんなことを考えていると外に車が止まる音がしてアサミちゃんが事務所に入ってきました。
―コンコン、ガチャリ
「式さんヒドイよー・・・えっー!!ワキャキャキャッシキさんっ!どうしたの、その顔っ!誰かにやられたの?大丈夫?」
「ふふっワキャキャって何言ってんだかわかんねぇよ」
「何わらってんのー、どうなってんのさぁー」
「いててっまあ落ち着きなよ・・・・」首が痛い・・・
アサミさんが来てくれて、ようやくホッとしたら涙がでてきました。
「泣いてんの?シキさん・・・」
「いや目が充血してるせいだよ、ごめんな、いろいろ・・・」
「いいけど、なんか手当しないと・・・」
「これ内出血だろうけど打撲とかじゃないんだ手当のしようがないよ」
私が泣いているせいでしょうかアサミさんも目に涙が滲んでいました。
首にベルトが食い込んでいましたが苦しくて足をバタバタすると
床にぶつかり、すんなり立つことができました。
「あれ?・・・んゴホッ、ゴホッ・・・んーゴホ、ゴホ、ゴホひゃー」
無理やり息を吸い込みました。
私は体を曲げて首を吊ろうとしていました。
首のベルトを、もたもたと外して涙を流しながら咳こみ床に座り込みました。
『失敗した』
私は普通に、そう思いました。
心は不思議と冷静で自殺する人の気持ちが初めてわかった気がしていました。
『酒飲みすぎたか・・・欝なんだな・・・もうちょっとで死ぬとこだった・・・
うー首が痛い・・・落ち着け・・・コーヒーでも飲もう・・・
完全に鬱だなコレ・・・いつからかな鬱になったのかな・・・』
よたよたと歩いて外の自販機で珈琲を買って飲んでいると携帯が鳴りました。
相手は、ちょっと懐かしいパチンコ話の尾形さんからでした。
「あ、どうもー尾形ですぅ式さん、お元気ですか?」
「あーどうも、ゴホッ、何かありましたか?」まだ声が、かなりかすれていました。
「はい、あの行方不明のA覚えてますかアイツ見つかりました」
「えっ!ゲホッ、元気なの?」
「はい、あいつ今、〇〇市に居るんですよ、それで会って話したいことあるんですが
最近忙しいですか?暇なときでも、こっちから行きますんで、
時間、都合つかないですかねぇ?」
「あー何時頃がいいのかな?」
「できれば夜七時くらいが良いんですけど、それと、うちの親父も一緒に行っていいですか?」
「え、ああ構わないけど・・・」
「えーと、それじゃ明日の夜なんてどうでしょう?」
「明日ね了解ですぅーじゃ待ってますね、ゲホンッ」
「いやー式さん全然連絡つかないから心配しましたよ」
「え?連絡くれてたっけ?」
「いや何回も電話したんですけど、いつも話中だったりして、でも良かったです。
じゃ俺ちょっと行くとこあるんで明日、伺いますんで、よろしくお願いしまぁーす」
「あ、はい、わかりましたー」
電話がつながらない?なんで?電話なんて一回も鳴ってないぞ・・・
スマホを確認すると編集部やアサミちゃんからもショートメールが何通も届いてた。
「え?なんだこれ!?・・・」
呆然としてコーヒー飲んでたらスマホが鳴りました。
『アサミちゃんからだ!』
「はい、もしもし」
「あーーっ、シキさん?あたし気分悪いんですけどっ!」やっぱりアサミちゃんだ・・・
「え?なに、なんで?」
「なんでってコッチのセリフでしょそれ、このクソオヤジ・・・」
アサミちゃん・・・うわー口悪いな・・・
「ちょ、ちょっと待ってよ、なんでそんな怒ってんの?」
「なんでぇー?何でメール無視されなきゃなんないのさオヤジのくせに怒ってあたりまえでしょ、あーっ?」
「いや、おかしいんだよスマホ変なんだ、いま他の人にも連絡つかなかったって言われたばっかりで・・・」もう、タジタジです。
「・・・・・・・」
「アサミちゃん、時間ある?ちょっとさ事務所に来れないかな」
「なんで?」
「いや、ちょっとでいいからさ、さっき死にそうになってたんだよ」
「はぁ?なにそれ、めんどくさい嫌です」
「あ、そうだよね、ちょっと具合悪いから切るね」
「あっ・・・」
「ブツ!」
『悪いと思ったけど切っちゃった。
一旦、落ち着こう、何なんだコレは?顔でも洗って・・・』
鏡を見ると、ひどい顔でした。
髪の毛がヘビメタみたいに逆立っていて顔を誰かに殴られた様になって
目の周りがパンダみたいに黒く内出血していました。
きっと首を絞めた異常な圧力で目の周りの毛細血管が切れてしまったのでしょう
眼球も真っ赤になって血管が切れているようです・・・
そして首がボキボキと音を立てていたのですがベルトの形に首が真っ赤になっていて喉仏の上あたりが紫色に内出血していました。
「あはっ・・・」
まるでゾンビです。
それにしても首が痛い表面もジリジリと痛みがひどくなってきました。
とりあえずタオルを濡らして首に巻いてみました。
『そういえばさっき鏡の中に黒い影あったなぁ、それに『フフッ』って声も聞こえた、それと、誰かの声?が聞こえたような気がする・・・
マルダァって呼ばれたような・・・
『フフッ』って、あれ、あのアパートの死神じゃないのか?
やっぱ始まってきたのか・・・』
そんなことを考えていると外に車が止まる音がしてアサミちゃんが事務所に入ってきました。
―コンコン、ガチャリ
「式さんヒドイよー・・・えっー!!ワキャキャキャッシキさんっ!どうしたの、その顔っ!誰かにやられたの?大丈夫?」
「ふふっワキャキャって何言ってんだかわかんねぇよ」
「何わらってんのー、どうなってんのさぁー」
「いててっまあ落ち着きなよ・・・・」首が痛い・・・
アサミさんが来てくれて、ようやくホッとしたら涙がでてきました。
「泣いてんの?シキさん・・・」
「いや目が充血してるせいだよ、ごめんな、いろいろ・・・」
「いいけど、なんか手当しないと・・・」
「これ内出血だろうけど打撲とかじゃないんだ手当のしようがないよ」
私が泣いているせいでしょうかアサミさんも目に涙が滲んでいました。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
JOLENEジョリーン2・かごめは鬼屋を許さない また事件です『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。
尾駮アスマ(オブチアスマ おぶちあすま)
キャラ文芸
残酷描写ありです。
苦手な方は御注意ください。
完全フィクション作品です。
実在する個人・団体等とは一切関係ありません。
ジョリーン・鬼屋は人をゆるさない
の続編になります。不定期連載になる予定、少々お待たせします。
もしよろしければ前作も
お読みいただけると
よくご理解いただけると思います。
応援よろしくお願いいたします。
っていうか全然人気ないし
あんまり読まれないですけど
読者の方々 ありがたいです。
誠に、ありがとうございます。
読みやすいように、わざと行間を開けて執筆しています。
もしよければお気に入り登録・イイネ・感想など、よろしくお願いいたします。
大変励みになります。
ありがとうございます。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる