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第2章 事件と連鎖と混乱と
第7話 ならざるもの
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取調室でストレッチをしているとコンコンとノックがして知人の生活安全課、小林刑事が笑顔で入ってきました。
「しきさーん捕まったんだってー?あはは罰あたって、あははっ」
小林刑事は手を叩いて笑っています。
『コイツ本気で笑ってやがる、くっそー』
「冗談じゃないよー、人命救助だっつうの、あんま他人の不幸、笑うもんじゃないよ刑事さん」
私は仏頂面で言いました。
「それがさぁ、おれ今日、当直で仮眠してたんだけど武藤さんがさぁ今から面白いもの見せるからって何、面白いものって?」
何が楽しいのか目がキラキラしていました。
「知らないけど、たぶん心霊映像だろ、しかもモノホンの」
「おー、そういうの見たことあるよ監視カメラ映像で・・・」
「えっホント?今度、教えてよソレ」
「いいよぉー、じゃ暇なとき連絡入れるわぁ飯くらいは、おごってもらうよ」
「あーぜんぜん了解だよ」これは人間同士のお付き合いです。
「最近なんか情報ないの?」小林が言います。
「えー事案かい今はないなぁ・・・密猟臭いのは聴いてるけど」
そこへ買い物から鈴木刑事が戻ってきました。
「あ、買ってきました」
「すいません、ありがとうございます」私は水を、ほぼ一気飲みしました。
「あ、よかったら、お二人もどうぞ筋子おにぎりは武藤さんの予約だけど」
「いただきまぁーす」小林が、おにぎりを掴みながら、ひやかすように言いました。
「おい鈴木、このお方はなぁ確保したが最後、街一番めんどくさい訴訟の鬼、不良中年の式さんだ覚えておけ」
「ハイ大変失礼いたしましたぁ」鈴木さんは始めて笑顔を見せてくれました。
「勘弁してよ、もう昔のことなんだから心象悪いよ」
「あははは」二人共、笑いました。
そこへ武藤さんが戻ってきました。
「はいはい鈴木コンセント入れてくれ」
先程とは、うって変わって鈴木さんはおにぎりを、ほおばりながらリラックスした表情でコンセントを差しました。
ノートパソコンを机の上において問題のカメラデータが再生され始めました。
映像は2種類ありハンディカムの通常録画と定点・暗視カメラの映像。
ハンディカムにはアパートの外周を撮影するNさんのコメントする姿が映っており
後半から彼が不法侵入で無施錠の101号室に入っていく映像があり、その後の一部始終も残っていました。
部屋の中で見事に黒い人影やオーブと呼ばれる丸い光、イナズマのように走る光、そして時折、人影や顔と思われるものが写っていました。
問題が多く写っているのは暗視カメラ映像でした。
その前に撮影されていたNさんの行動の流れを説明したいと思います。
最初は街路にてアパートそのものを望遠で撮影していましたが時刻が0時に近くなってきた頃、無人のはずの101号室の窓から緑色の明かりが見えだして
驚いた様子のNさんはハンディカメラを持って緑色の光を放つアパートの窓をハッキリ撮影していました。
動揺したNさんは慌てた様子で「どうしよう」とコメントしたあと101合室のドアに手をかけました。
ドアは無施錠で運良くといいますか運悪く・・・開いてしまいました。
明かりがあったはずの内部は真っ暗で遠い街灯の明かりが窓に小さくあるだけでした。
そこへNさんは台所シンク台にハンディカメラを置いて三脚の定点カメラを室内に持ち込み奥の畳の部屋に入り座り込んで様子を伺っていましたが
頭痛が始まったようで呼吸も苦しくなりスマホを取り出しどこかに電話している様子が残っていて、やがて苦しがり倒れてしまいました。
この時、電話していた相手が私です。
この時の音声も、はっきり残っておりバンバンと窓や壁が音を立てて、まるで他にも誰かが居るような状況でした。
そして、とんでもないものが写っていたのです。
救護活動を撮影していた暗視カメラ思い出すのも怖くて嫌なのですが
最初に体調が悪くなり倒れたNさんでしたが暗視映像では、その時、兵隊の服を着た人が背後からNさんに覆いかぶさり右手を口の中にグイグイと突っ込んでいるように見えました。
兵隊さんと言っても幕末か大正時代のような服装で今のカーキ・グリーンの服装ではなく紺色?の古い感じがします。
そして覆いかぶさる兵隊の姿が消えて・・・
私に電話をしながら苦しそうに倒れたNさんは、まるで何かに取り憑かれたように再度、起き上がってシャツを脱ぎ自分で口の中にシャツの袖を詰め込み出しました。
その間、部屋の壁はドンドンと音を立て窓はバンバンと鳴っていました。
そこへ私が土足で上がり込んできて
慌てて119に電話しました。
その様子を何人もの人が部屋の中でじっと見ていたのです。
壁や窓には手のひらや腕がヌーッと生えてきて蠢いておりました。
でも現場の私には何も見えていません見えているのは倒れているNさんだけです。
その間もバンバンと音は聞こえましたが目の前の異様な姿のNさんに集中していて気にする余裕が私には、ありませんでした。
私とNさんを囲むように立つ人々は様々な服装で足もありました。
男女いますが男性の方が多くいました。
男の人は幕末時代の兵隊さんのような格好や時代劇で見る浪人侍のような人もいました。
女の人は着物姿の人や白装束の人そして比較的現代の人に近い感じの人が映っており
印象深いのは天井から下がる紐のようなものが写っていて現代風の人は首をつっているような状態で部屋の奥にぶら下がっておりました。
やがて取っ組み合いになったような人たちがドタドタ・ドスンと何処からか、なだれ込んできて
私の後ろでもみ合います、その間、私とNさんを囲んでいる人たちから
『お経』や『歌』が聞こえてきて、しっかり録音されていました。
依然、壁や窓から伸びる手も、ずっと蠢いています。
そして映像の中で私は「うるせぇ、うるせぇーっ」と叫び、それを合図に少しずつ、この世ならざるものたちが姿を消していく様子が映っていました。
嫌な予感がしたのは救急隊が入ってくる寸前、画面に大きな二つの目が浮かび上がり、こちらを睨みながら消えていったのです・・・
取調室にいたメンバーはシンと静まり返って映像を見終わりました。
「ヤバイっすね」最初に口を開いたのは小林刑事でした。
私は、すぐに、この映像をコピーさせて欲しいと頼みましたが断られました。
「これは警察の押収物だ中の映像もな、それにNの住居不法侵入の証拠品だ、おまけで、お前の無罪の証拠、コピーはダメだな」武藤さんが言いました。
「やっぱり・・・で、これ警察でずっと保管ということになるんですか?」
「ま、そういうことだ」
「えー呪われますよ・・・こんなの」
「警察にはもっと生々しい証拠品が山ほどあるさ、おかしなことがあれば供養する手はずは出来てるんだよ、それより・・・・」
「何です」
「うるせぇ、なんて幽霊様に言ってた、お前の方が危ねぇんじゃねぇのか?」
『あぁ・・・そう言えば、そうかも・・・』
「怖いこと言いますね」
「見たろ幽霊のやつら、お前をジーィと見てたろぉヤバイヤバイ」
「うわぁーしきさん大丈夫ぅー?」
小林のやつが、さわやかな笑顔で冷やかしました。
鈴木刑事まで私をニヤニヤして見ていました。
多分、私の顔色は真っ青だったに違いありません。
「気をつけますよ・・・やっぱりコピー、ダメですか?」
「ダメだな大体こうやって見せただけでも違反なんだ、いいな書くなよ!」
「わかりました」
武藤さん、すいません済んだ事件とはいえ書いちゃいました・・・・てへっ。
そして、この日を境に、私の周りで不幸が増え出しました。
「しきさーん捕まったんだってー?あはは罰あたって、あははっ」
小林刑事は手を叩いて笑っています。
『コイツ本気で笑ってやがる、くっそー』
「冗談じゃないよー、人命救助だっつうの、あんま他人の不幸、笑うもんじゃないよ刑事さん」
私は仏頂面で言いました。
「それがさぁ、おれ今日、当直で仮眠してたんだけど武藤さんがさぁ今から面白いもの見せるからって何、面白いものって?」
何が楽しいのか目がキラキラしていました。
「知らないけど、たぶん心霊映像だろ、しかもモノホンの」
「おー、そういうの見たことあるよ監視カメラ映像で・・・」
「えっホント?今度、教えてよソレ」
「いいよぉー、じゃ暇なとき連絡入れるわぁ飯くらいは、おごってもらうよ」
「あーぜんぜん了解だよ」これは人間同士のお付き合いです。
「最近なんか情報ないの?」小林が言います。
「えー事案かい今はないなぁ・・・密猟臭いのは聴いてるけど」
そこへ買い物から鈴木刑事が戻ってきました。
「あ、買ってきました」
「すいません、ありがとうございます」私は水を、ほぼ一気飲みしました。
「あ、よかったら、お二人もどうぞ筋子おにぎりは武藤さんの予約だけど」
「いただきまぁーす」小林が、おにぎりを掴みながら、ひやかすように言いました。
「おい鈴木、このお方はなぁ確保したが最後、街一番めんどくさい訴訟の鬼、不良中年の式さんだ覚えておけ」
「ハイ大変失礼いたしましたぁ」鈴木さんは始めて笑顔を見せてくれました。
「勘弁してよ、もう昔のことなんだから心象悪いよ」
「あははは」二人共、笑いました。
そこへ武藤さんが戻ってきました。
「はいはい鈴木コンセント入れてくれ」
先程とは、うって変わって鈴木さんはおにぎりを、ほおばりながらリラックスした表情でコンセントを差しました。
ノートパソコンを机の上において問題のカメラデータが再生され始めました。
映像は2種類ありハンディカムの通常録画と定点・暗視カメラの映像。
ハンディカムにはアパートの外周を撮影するNさんのコメントする姿が映っており
後半から彼が不法侵入で無施錠の101号室に入っていく映像があり、その後の一部始終も残っていました。
部屋の中で見事に黒い人影やオーブと呼ばれる丸い光、イナズマのように走る光、そして時折、人影や顔と思われるものが写っていました。
問題が多く写っているのは暗視カメラ映像でした。
その前に撮影されていたNさんの行動の流れを説明したいと思います。
最初は街路にてアパートそのものを望遠で撮影していましたが時刻が0時に近くなってきた頃、無人のはずの101号室の窓から緑色の明かりが見えだして
驚いた様子のNさんはハンディカメラを持って緑色の光を放つアパートの窓をハッキリ撮影していました。
動揺したNさんは慌てた様子で「どうしよう」とコメントしたあと101合室のドアに手をかけました。
ドアは無施錠で運良くといいますか運悪く・・・開いてしまいました。
明かりがあったはずの内部は真っ暗で遠い街灯の明かりが窓に小さくあるだけでした。
そこへNさんは台所シンク台にハンディカメラを置いて三脚の定点カメラを室内に持ち込み奥の畳の部屋に入り座り込んで様子を伺っていましたが
頭痛が始まったようで呼吸も苦しくなりスマホを取り出しどこかに電話している様子が残っていて、やがて苦しがり倒れてしまいました。
この時、電話していた相手が私です。
この時の音声も、はっきり残っておりバンバンと窓や壁が音を立てて、まるで他にも誰かが居るような状況でした。
そして、とんでもないものが写っていたのです。
救護活動を撮影していた暗視カメラ思い出すのも怖くて嫌なのですが
最初に体調が悪くなり倒れたNさんでしたが暗視映像では、その時、兵隊の服を着た人が背後からNさんに覆いかぶさり右手を口の中にグイグイと突っ込んでいるように見えました。
兵隊さんと言っても幕末か大正時代のような服装で今のカーキ・グリーンの服装ではなく紺色?の古い感じがします。
そして覆いかぶさる兵隊の姿が消えて・・・
私に電話をしながら苦しそうに倒れたNさんは、まるで何かに取り憑かれたように再度、起き上がってシャツを脱ぎ自分で口の中にシャツの袖を詰め込み出しました。
その間、部屋の壁はドンドンと音を立て窓はバンバンと鳴っていました。
そこへ私が土足で上がり込んできて
慌てて119に電話しました。
その様子を何人もの人が部屋の中でじっと見ていたのです。
壁や窓には手のひらや腕がヌーッと生えてきて蠢いておりました。
でも現場の私には何も見えていません見えているのは倒れているNさんだけです。
その間もバンバンと音は聞こえましたが目の前の異様な姿のNさんに集中していて気にする余裕が私には、ありませんでした。
私とNさんを囲むように立つ人々は様々な服装で足もありました。
男女いますが男性の方が多くいました。
男の人は幕末時代の兵隊さんのような格好や時代劇で見る浪人侍のような人もいました。
女の人は着物姿の人や白装束の人そして比較的現代の人に近い感じの人が映っており
印象深いのは天井から下がる紐のようなものが写っていて現代風の人は首をつっているような状態で部屋の奥にぶら下がっておりました。
やがて取っ組み合いになったような人たちがドタドタ・ドスンと何処からか、なだれ込んできて
私の後ろでもみ合います、その間、私とNさんを囲んでいる人たちから
『お経』や『歌』が聞こえてきて、しっかり録音されていました。
依然、壁や窓から伸びる手も、ずっと蠢いています。
そして映像の中で私は「うるせぇ、うるせぇーっ」と叫び、それを合図に少しずつ、この世ならざるものたちが姿を消していく様子が映っていました。
嫌な予感がしたのは救急隊が入ってくる寸前、画面に大きな二つの目が浮かび上がり、こちらを睨みながら消えていったのです・・・
取調室にいたメンバーはシンと静まり返って映像を見終わりました。
「ヤバイっすね」最初に口を開いたのは小林刑事でした。
私は、すぐに、この映像をコピーさせて欲しいと頼みましたが断られました。
「これは警察の押収物だ中の映像もな、それにNの住居不法侵入の証拠品だ、おまけで、お前の無罪の証拠、コピーはダメだな」武藤さんが言いました。
「やっぱり・・・で、これ警察でずっと保管ということになるんですか?」
「ま、そういうことだ」
「えー呪われますよ・・・こんなの」
「警察にはもっと生々しい証拠品が山ほどあるさ、おかしなことがあれば供養する手はずは出来てるんだよ、それより・・・・」
「何です」
「うるせぇ、なんて幽霊様に言ってた、お前の方が危ねぇんじゃねぇのか?」
『あぁ・・・そう言えば、そうかも・・・』
「怖いこと言いますね」
「見たろ幽霊のやつら、お前をジーィと見てたろぉヤバイヤバイ」
「うわぁーしきさん大丈夫ぅー?」
小林のやつが、さわやかな笑顔で冷やかしました。
鈴木刑事まで私をニヤニヤして見ていました。
多分、私の顔色は真っ青だったに違いありません。
「気をつけますよ・・・やっぱりコピー、ダメですか?」
「ダメだな大体こうやって見せただけでも違反なんだ、いいな書くなよ!」
「わかりました」
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