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第1章 代償の始まり

第4話 窓

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 お母さんと相談の上、三人は、そのままAさんのアパートに向かいました。
移動中の車内で一週間前のAさんの様子や、おばけの話なども少し話題になりました。

部屋に入ると散らかったままで変わったところもなく鍵やスマホも、そのままありました。

「お母さん、Aくんは、この部屋の保証人お母さんになってると言ってました、もうすぐ月末ですけど不動産屋さんに今から行きませんか事情を話して部屋、解約したほうが良くないですか部屋も悪いんですよ多分・・・」

「ええ・・・」
部屋の荒れ具合を見て、お母さんは口に手を当てながら悲しそうに見て回った。

 尾形さんは置かれたままのスマホを手に取ってみるとバッテリー残量が少ないと表示が出た。
周囲を見回すと床に近いコンセントに充電用のコードがあった。

「お母さん、ちょっとAくんのスマホ見ますね」
お母さんとBさんは奥の部屋窓をふさいでいるダンボールを剥がし窓を開けようとしていた。

Bさんが声を上げた。
「うわっ!」

窓には大小様々な手形がたくさん付いていた。

「おいオガタ!空気悪いけど窓開けねぇほうがいいんじゃねぇか!」

「なんで?」

「これ、なんか入ってくるぞ・・・」
お母さんもBさんも顔面が蒼白です。

尾形さんも見ました、窓ガラスには確かに手形が、たくさん付いてました。

「・・・・じゃ玄関と、こっちの窓あけるわ」

「すげぇー」と言いながらBさんは窓ガラスに付いた手形の写真を撮りました。
尾形さんはAくんのスマホを一旦置いて玄関を開け放ち、台所の窓をふさいでいるダンボールを剥がして窓を開けました。

 尾形さんはスマホを充電しながら中身を確認しました。

着信、発信、メール等、そして何気なく写真のフォルダーを開けました。
そこには数十枚の写真と一つ動画が残されていたのです。

まず写真を見てみると今いる部屋の写真があります。

どれも夜間に撮られたものか暗い部屋が写っています。

よく見ると煙のようなのが部屋に充満していたり
全体が赤く変色したようになっていたり
半分くらいは失敗した写真のようになっていました。

中には奥の部屋の窓から緑色の光が差し込んでいるものや
隣の101号室側の壁を撮ったのでしょうが半分真っ白になっていました。

「おいBこれ、この写真見てみろ」

「なに、どれ・・・・・」

それを見たBさんは言いました。
「これ、みんな心霊写真じゃねぇの?」

「やっぱりか・・・」
Aさんのお母さんも覗くように見ました。

Bさんは続いて動画を再生しました。

動画は慌てて撮影が開始されている感じで、ちゃんと音声も残っていました。

そこにはAさんの部屋が映っており『はぁはぁ』と小さくAさんの息遣いする音声が入っていました。

壁がドンッと音を立て、それに驚いてAさんが声を上げている様子があり

今度はガタンッと背後で物音がしたり部屋では何かが起きているようで
次には
奥の部屋の山積みになっているゴミが『ガサガサ』と音を立てている様子が撮影されており

やがて、ひとつのゴミ袋が蹴飛ばしたようにさまがAさんの叫び声とともに撮影されていました。
『うわぁああっ!』
そして映像はぐちゃぐちゃになって真っ黒になり終わっていました。

 三人共、今見たものが何なのか理解できず唖然としましたが

段々、気味が悪くなって、やがて怖くなってきました。
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