JOLENEジョリーン・鬼屋は人を許さない 『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。

尾駮アスマ(オブチアスマ おぶちあすま)

文字の大きさ
上 下
2 / 80
第1章 代償の始まり

第1話 取材

しおりを挟む
 こわい話や不思議な話が子供の頃から好きだったしきは探偵業が暇なので地元のローカル雑誌に連載を持っており同時に有名な怖い話の本にも協力したりマンガの原作協力などもしていました。

  その日、ローカル雑誌編集者さんからの連絡で怖い話の取材OKをもらい私は尾形誠一おがたせいいちさんと初めて会いました。

彼の第一印象は若いけど落ち着いた感じの
『静かな人かな?』という印象を受けました。

 現在会社員の尾形さんは数年前、無職でした。

学校卒業後パチンコで生計を立てていたといいます、しかし実家暮らしだったそうです。

 さて、尾形さん、友人AさんとBさん、この三人が遊び仲間でした。

そして、ある安いアパートにAさんが入居したと尾形さんは聞かされました。

「Bに手伝ってもらい引越しが完了済みだ」といいます。

Aさんは車の免許がなかったのでBさんの車で引越しをしました。

Aさんは母子家庭で最近お母さんにができて、いつも

「俺は邪魔者だから家を出たい」と言っていました。

尾形さんが早速Aさんのアパートに行ってみると部屋にはTVも洗濯機もなくガスレンジや電子レンジもありません。

着替えと布団だけ持ってAさんは家を出てきたのでした。

「順番に揃えていけばいいさ」

三人共この頃はAさんの新しい生活に、まだ希望を持っていました。

 尾形さんとBさんはAさんの「引越し祝いだ」と言って、
それぞれの部屋からCDラジカセや未使用の食器セット
それから3人でドラッグストアに行って洗濯洗剤や風呂道具を買い、
帰りに手頃な電子レンジとハンバーガーを買ってアパートに帰宅しました。

 近い繁華街から歩いて15分、自転車なら5分ほどで買い物もパチンコも通うには最高の立地でしたが、なぜかアパート周辺は公園、川、空き地が多く

『普通ならもっとマンションなんか、あってもいいのに』と尾形さんは思いました。

Aさんの部屋は一階で真ん中の102号室でした。

一階端の101号室は空き部屋103号室も空き部屋、
次いで二階には105、106、107号室があり106号室以外は、
すべて空き部屋だったのです。

 驚いたのは家賃の安さでした、とにかく安い部屋をと不動産屋さんで探してもらった中で一番安く、8畳間が二つ、台所とバス・トイレ付きで
1万五千円~2万円でAさんの部屋は家賃が月2万円だというのです。

聞けば101号室は風呂が使用不能でシャワーのみOKで月1万五千円だったのでAさんは最初
「そこでいい」と言いましたが不動産屋さんの勧めで102号室になったそうです。

一応101号室を内見させてもらうと畳が汚れていたり
確かに風呂場もカビ臭く奥の和室もカビ臭い感じがして
102号室にしたのだという事でした。

 その後3人は毎日、早起きをしてパチンコに精を出していました。

学校時代や他の事では早起き出来ない3人でしたがパチンコだけは
『バチッ』と、みな目が覚めたのだそうです。

3人の中で一番稼ぎたいはずのAさんが一番パチンコがヘタでした。
勉強のためコンビニで売っている必勝本なども読んで勉強しましたが
どうも性格的に毎日、打たなくては気が済まないらしく
パチンコイベントでもない平日は映画を見たりゲームでスロットのシュミレーションをしていた尾形さんBさんとは違い
部屋に何もないAさんは一人でもパチンコに出かけて行って
せっかく稼いだ金を次々パチンコ屋に回収されて
持ち金がなくなると危ないところや尾形さんBさんに
借金するようになってきました。

 そんな頃ある朝、二人は車でAさんを迎えに行きました。

その日は少し離れたところにあるパチンコ店のイベントデーだからです。
Aさんは部屋から出てきましたが何だか、すごく調子が悪そうでした。

「どうした具合悪いのか?」尾形さんが心配して聞くと

「いやぁー眠れなくて、やっぱ安い部屋ダメだな・・・」

「なんで?」

「うーん・・・・」とハッキリしない。

「なんだ、おばけでもでたか」とBさんが冗談めかして言うと

「うーん、おばけしれない・・・・」と言い出しました。

「オイオイまじかよ、どうした何した?」

「前からだったんだけど隣の部屋で物音がして、うわーってすごい声が聞こえてきて壁なんかもドンドン鳴るし・・・」

「なんで?となり両方とも空き部屋だろ」

「だけど実際うるせぇから夜中、外に出てみたら
101号室明かりついてたんだ。
それが何かよぉー緑色の薄暗い感じなんだけど窓とかに明かりあってよぉ中からうわぁーとか何かすんゲェ叫び声でよ
警察呼んだほうが良いかと思って見てたら明かり消えて
声も聞こえなくなって部屋のドア開けてみようと思ってみたらカギ掛かってるし・・・毎日のように何かあるんだぁ・・・」

話を聞いていた尾形さんBさんは黙ってしまった。

「やっぱ、まずいよなぁ」

そういうAさんは目の下にが出来ていた。

「おい、それ、わかったけど今日パチンコ打つ体力あんのかぁ」

「うん、少し休めばいいから・・・・」

尾形さんが適当に言ったそうです。

「オバケなんて大丈夫だって、あとで相談に乗るから」

「おう・・・」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

File■■ 【厳選■ch怖い話】むしごさまをよぶ  

雨音
ホラー
むしごさま。 それは■■の■■。 蟲にくわれないように ※ちゃんねる知識は曖昧あやふやなものです。ご容赦くださいませ。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

処理中です...