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第1章 代償の始まり
第1話 取材
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こわい話や不思議な話が子供の頃から好きだった私は探偵業が暇なので地元のローカル雑誌に連載を持っており同時に有名な怖い話の本にも協力したりマンガの原作協力などもしていました。
その日、ローカル雑誌編集者さんからの連絡で怖い話の取材OKをもらい私は尾形誠一さんと初めて会いました。
彼の第一印象は若いけど落ち着いた感じの
『静かな人かな?』という印象を受けました。
現在会社員の尾形さんは数年前、無職でした。
学校卒業後パチンコで生計を立てていたといいます、しかし実家暮らしだったそうです。
さて、尾形さん、友人AさんとBさん、この三人が遊び仲間でした。
そして、ある安いアパートにAさんが入居したと尾形さんは聞かされました。
「Bに手伝ってもらい引越しが完了済みだ」といいます。
Aさんは車の免許がなかったのでBさんの車で引越しをしました。
Aさんは母子家庭で最近お母さんに彼氏ができて、いつも
「俺は邪魔者だから家を出たい」と言っていました。
尾形さんが早速Aさんのアパートに行ってみると部屋にはTVも洗濯機もなくガスレンジや電子レンジもありません。
着替えと布団だけ持ってAさんは家を出てきたのでした。
「順番に揃えていけばいいさ」
三人共この頃はAさんの新しい生活に、まだ希望を持っていました。
尾形さんとBさんはAさんの「引越し祝いだ」と言って、
それぞれの部屋からCDラジカセや未使用の食器セット
それから3人でドラッグストアに行って洗濯洗剤や風呂道具を買い、
帰りに手頃な電子レンジとハンバーガーを買ってアパートに帰宅しました。
近い繁華街から歩いて15分、自転車なら5分ほどで買い物もパチンコも通うには最高の立地でしたが、なぜかアパート周辺は公園、川、空き地が多く
『普通ならもっとマンションなんか、あってもいいのに』と尾形さんは思いました。
Aさんの部屋は一階で真ん中の102号室でした。
一階端の101号室は空き部屋103号室も空き部屋、
次いで二階には105、106、107号室があり106号室以外は、
すべて空き部屋だったのです。
驚いたのは家賃の安さでした、とにかく安い部屋をと不動産屋さんで探してもらった中で一番安く、8畳間が二つ、台所とバス・トイレ付きで
1万五千円~2万円でAさんの部屋は家賃が月2万円だというのです。
聞けば101号室は風呂が使用不能でシャワーのみOKで月1万五千円だったのでAさんは最初
「そこでいい」と言いましたが不動産屋さんの勧めで102号室になったそうです。
一応101号室を内見させてもらうと畳が汚れていたり
確かに風呂場もカビ臭く奥の和室もカビ臭い感じがして
102号室にしたのだという事でした。
その後3人は毎日、早起きをしてパチンコに精を出していました。
学校時代や他の事では早起き出来ない3人でしたがパチンコだけは
『バチッ』と、みな目が覚めたのだそうです。
3人の中で一番稼ぎたいはずのAさんが一番パチンコがヘタでした。
勉強のためコンビニで売っている必勝本なども読んで勉強しましたが
どうも性格的に毎日、打たなくては気が済まないらしく
パチンコイベントでもない平日は映画を見たりゲームでスロットのシュミレーションをしていた尾形さんBさんとは違い
部屋に何もないAさんは一人でもパチンコに出かけて行って
せっかく稼いだ金を次々パチンコ屋に回収されて
持ち金がなくなると危ないところや尾形さんBさんに
借金するようになってきました。
そんな頃ある朝、二人は車でAさんを迎えに行きました。
その日は少し離れたところにあるパチンコ店のイベントデーだからです。
Aさんは部屋から出てきましたが何だか、すごく調子が悪そうでした。
「どうした具合悪いのか?」尾形さんが心配して聞くと
「いやぁー眠れなくて、やっぱ安い部屋ダメだな・・・」
「なんで?」
「うーん・・・・」とハッキリしない。
「なんだ、おばけでもでたか」とBさんが冗談めかして言うと
「うーん、おばけかもしれない・・・・」と言い出しました。
「オイオイまじかよ、どうした何した?」
「前からだったんだけど隣の部屋で物音がして、うわーってすごい声が聞こえてきて壁なんかもドンドン鳴るし・・・」
「なんで?となり両方とも空き部屋だろ」
「だけど実際うるせぇから夜中、外に出てみたら
101号室明かりついてたんだ。
それが何かよぉー緑色の薄暗い感じなんだけど窓とかに明かりあってよぉ中からうわぁーとか何かすんゲェ叫び声でよ
警察呼んだほうが良いかと思って見てたら明かり消えて
声も聞こえなくなって部屋のドア開けてみようと思ってみたらカギ掛かってるし・・・毎日のように何かあるんだぁ・・・」
話を聞いていた尾形さんBさんは黙ってしまった。
「やっぱ、まずいよなぁ」
そういうAさんは目の下にくまが出来ていた。
「おい、それ、わかったけど今日パチンコ打つ体力あんのかぁ」
「うん、少し休めばいいから・・・・」
尾形さんが適当に言ったそうです。
「オバケなんて大丈夫だって、あとで相談に乗るから」
「おう・・・」
その日、ローカル雑誌編集者さんからの連絡で怖い話の取材OKをもらい私は尾形誠一さんと初めて会いました。
彼の第一印象は若いけど落ち着いた感じの
『静かな人かな?』という印象を受けました。
現在会社員の尾形さんは数年前、無職でした。
学校卒業後パチンコで生計を立てていたといいます、しかし実家暮らしだったそうです。
さて、尾形さん、友人AさんとBさん、この三人が遊び仲間でした。
そして、ある安いアパートにAさんが入居したと尾形さんは聞かされました。
「Bに手伝ってもらい引越しが完了済みだ」といいます。
Aさんは車の免許がなかったのでBさんの車で引越しをしました。
Aさんは母子家庭で最近お母さんに彼氏ができて、いつも
「俺は邪魔者だから家を出たい」と言っていました。
尾形さんが早速Aさんのアパートに行ってみると部屋にはTVも洗濯機もなくガスレンジや電子レンジもありません。
着替えと布団だけ持ってAさんは家を出てきたのでした。
「順番に揃えていけばいいさ」
三人共この頃はAさんの新しい生活に、まだ希望を持っていました。
尾形さんとBさんはAさんの「引越し祝いだ」と言って、
それぞれの部屋からCDラジカセや未使用の食器セット
それから3人でドラッグストアに行って洗濯洗剤や風呂道具を買い、
帰りに手頃な電子レンジとハンバーガーを買ってアパートに帰宅しました。
近い繁華街から歩いて15分、自転車なら5分ほどで買い物もパチンコも通うには最高の立地でしたが、なぜかアパート周辺は公園、川、空き地が多く
『普通ならもっとマンションなんか、あってもいいのに』と尾形さんは思いました。
Aさんの部屋は一階で真ん中の102号室でした。
一階端の101号室は空き部屋103号室も空き部屋、
次いで二階には105、106、107号室があり106号室以外は、
すべて空き部屋だったのです。
驚いたのは家賃の安さでした、とにかく安い部屋をと不動産屋さんで探してもらった中で一番安く、8畳間が二つ、台所とバス・トイレ付きで
1万五千円~2万円でAさんの部屋は家賃が月2万円だというのです。
聞けば101号室は風呂が使用不能でシャワーのみOKで月1万五千円だったのでAさんは最初
「そこでいい」と言いましたが不動産屋さんの勧めで102号室になったそうです。
一応101号室を内見させてもらうと畳が汚れていたり
確かに風呂場もカビ臭く奥の和室もカビ臭い感じがして
102号室にしたのだという事でした。
その後3人は毎日、早起きをしてパチンコに精を出していました。
学校時代や他の事では早起き出来ない3人でしたがパチンコだけは
『バチッ』と、みな目が覚めたのだそうです。
3人の中で一番稼ぎたいはずのAさんが一番パチンコがヘタでした。
勉強のためコンビニで売っている必勝本なども読んで勉強しましたが
どうも性格的に毎日、打たなくては気が済まないらしく
パチンコイベントでもない平日は映画を見たりゲームでスロットのシュミレーションをしていた尾形さんBさんとは違い
部屋に何もないAさんは一人でもパチンコに出かけて行って
せっかく稼いだ金を次々パチンコ屋に回収されて
持ち金がなくなると危ないところや尾形さんBさんに
借金するようになってきました。
そんな頃ある朝、二人は車でAさんを迎えに行きました。
その日は少し離れたところにあるパチンコ店のイベントデーだからです。
Aさんは部屋から出てきましたが何だか、すごく調子が悪そうでした。
「どうした具合悪いのか?」尾形さんが心配して聞くと
「いやぁー眠れなくて、やっぱ安い部屋ダメだな・・・」
「なんで?」
「うーん・・・・」とハッキリしない。
「なんだ、おばけでもでたか」とBさんが冗談めかして言うと
「うーん、おばけかもしれない・・・・」と言い出しました。
「オイオイまじかよ、どうした何した?」
「前からだったんだけど隣の部屋で物音がして、うわーってすごい声が聞こえてきて壁なんかもドンドン鳴るし・・・」
「なんで?となり両方とも空き部屋だろ」
「だけど実際うるせぇから夜中、外に出てみたら
101号室明かりついてたんだ。
それが何かよぉー緑色の薄暗い感じなんだけど窓とかに明かりあってよぉ中からうわぁーとか何かすんゲェ叫び声でよ
警察呼んだほうが良いかと思って見てたら明かり消えて
声も聞こえなくなって部屋のドア開けてみようと思ってみたらカギ掛かってるし・・・毎日のように何かあるんだぁ・・・」
話を聞いていた尾形さんBさんは黙ってしまった。
「やっぱ、まずいよなぁ」
そういうAさんは目の下にくまが出来ていた。
「おい、それ、わかったけど今日パチンコ打つ体力あんのかぁ」
「うん、少し休めばいいから・・・・」
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「オバケなんて大丈夫だって、あとで相談に乗るから」
「おう・・・」
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