78 / 101
第77歩 そういう人
しおりを挟む
私がFさんに、お会いしたのは仕事の延長上でした。
何処の馬の骨とも知れない私は伺ったからといって、
どうする宛も無いのですが
「怖い話を何か知りませんでしょうか」
恐る恐る、お尋ねしてみますと
Fさんという御人は不思議体験が豊富な方だったのです。
Fさんは小さな頃から御苦労を重ねてきた人でもありました。
子供の頃からの体験を鮮明に記憶していらっしゃって
昭和の懐かしい、お話にも華が咲き何度も、お会いして
細かい状況も御説明頂き取材は長期に渡ったのでした。
2019年夏、Fさんは市場のメロン販売店で、お手伝いしていた。
観光バスが到着すると一斉に乗客が繰り出して大変賑《にぎ》わっていた。
お店に立っていると目の覚めるような美しい女性のお客さんが来た。
「あ、いらっしゃいませー」
「東京に送りたいのですが」
Fさんが対応した。
「産地も色々ありますが試食があります。
この中から自由に選んで、なんだったら
メロンにマジックで印をつけて自分で選んだものだって
証拠付けることが出来ますよ」
地方発送伝票を手に取って振り返ると
誰もいない
「あれっ」キョロキョロと探していると仕事仲間の女の子が言う。
「Fさん、さっきから何、独り言、言ってるんですか?」
Fさんは、またやってしまったと渋い顔をしていると同僚の女の子が
「Fさんて、そういう人なんですか」と聞いてきた。
「え、何?」
「あのー霊とか見えてる人なんじゃないですか」
「んーたまにね、でも今みたいのは久々やっちゃったもんねー」
Fさんは笑って誤魔化そうとしたが同僚の子は少しも笑わなかった。
何処の馬の骨とも知れない私は伺ったからといって、
どうする宛も無いのですが
「怖い話を何か知りませんでしょうか」
恐る恐る、お尋ねしてみますと
Fさんという御人は不思議体験が豊富な方だったのです。
Fさんは小さな頃から御苦労を重ねてきた人でもありました。
子供の頃からの体験を鮮明に記憶していらっしゃって
昭和の懐かしい、お話にも華が咲き何度も、お会いして
細かい状況も御説明頂き取材は長期に渡ったのでした。
2019年夏、Fさんは市場のメロン販売店で、お手伝いしていた。
観光バスが到着すると一斉に乗客が繰り出して大変賑《にぎ》わっていた。
お店に立っていると目の覚めるような美しい女性のお客さんが来た。
「あ、いらっしゃいませー」
「東京に送りたいのですが」
Fさんが対応した。
「産地も色々ありますが試食があります。
この中から自由に選んで、なんだったら
メロンにマジックで印をつけて自分で選んだものだって
証拠付けることが出来ますよ」
地方発送伝票を手に取って振り返ると
誰もいない
「あれっ」キョロキョロと探していると仕事仲間の女の子が言う。
「Fさん、さっきから何、独り言、言ってるんですか?」
Fさんは、またやってしまったと渋い顔をしていると同僚の女の子が
「Fさんて、そういう人なんですか」と聞いてきた。
「え、何?」
「あのー霊とか見えてる人なんじゃないですか」
「んーたまにね、でも今みたいのは久々やっちゃったもんねー」
Fさんは笑って誤魔化そうとしたが同僚の子は少しも笑わなかった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
バベル病院の怪
中岡 始
ホラー
地方都市の市街地に、70年前に建設された円柱形の奇妙な廃病院がある。かつては最先端のモダンなデザインとして話題になったが、今では心霊スポットとして知られ、地元の若者が肝試しに訪れる場所となっていた。
大学生の 森川悠斗 は都市伝説をテーマにした卒業研究のため、この病院の調査を始める。そして、彼はX(旧Twitter)アカウント @babel_report を開設し、廃病院での探索をリアルタイムで投稿しながらフォロワーと情報を共有していった。
最初は何の変哲もない探索だったが、次第に不審な現象が彼の投稿に現れ始める。「背景に知らない人が写っている」「投稿の時間が巻き戻っている」「彼が知らないはずの情報を、誰かが先に投稿している」。フォロワーたちは不安を募らせるが、悠斗本人は気づかない。
そして、ある日を境に @babel_report の投稿が途絶える。
その後、彼のフォロワーの元に、不気味なメッセージが届き始める——
「次は、君の番だよ」
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
たまご
蒼河颯人
ホラー
──ひっそりと静かに眺め続けているものとは?──
雨の日も風の日も晴れの日も
どんな日でも
眺め続けているモノがいる
あなたのお家の中にもいるかもしれませんね
表紙画像はかんたん表紙メーカー(https://sscard.monokakitools.net/covermaker.html) で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる