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プロローグ
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1939年8月 月の裏側
月住人の一部が地球の人間をアブダクションして奴隷労働に従事させていたが、やがて地球人の肉体と霊体を分離し霊体に対し残酷な手術をしようとした時、月住人の一種族、グレイ族の間で秩序をもとめ反抗分子が目覚めた。
数十人のグレイ型アンドロイドがスペースシップを奪い、地球の北極圏に入口のある
【地下帝国アガルタ】に亡命する者が現れた。
それはグレイ種族のコピーロボットである反乱グレイ。
彼らの搭載している酸やタンパク質で作られた頭脳が倫理と矛盾を
整理できず
『感情』のようなものを持ち始めた証拠だった。
反乱グレイたちは月住人に向け連絡を取った。
「我ら反乱グレイは、原始的精神の人間が支配する地球を好きになった。
そして、地球人類にとって天使を名乗り、アガルタの住人と共に地球人類に関与することを、ここに宣言する」
1947年 日本国、秋、某日。
終戦後、きたいち興信所・所長、厳道は、新人所員のスカウトリストを片手に、日本中を廻っていた。
そのリストは仲間の【南無三】とよばれる連中より授かったものだ。
あちら、こちらとリストに名のあるものを訪ねて歩き、興信所に高給優遇で勧誘をして歩いていると、その街の悪人が何か勘違いをして、応りをつけてきたり、刺客を送ってくることがある。
その日、厳道は、東京のあるビルに向かって歩いていた。
そのビルには彼と面談の約束がある、アメリカGHQの要人が待っていた。
時刻は夜8時過ぎ
ビルの脇から、わらわらと見るからに粗暴な感じの輩が8人
厳道の前に立ちはだかる。
「おい、じいさん、ちょっとツラ貸しな」
終戦後当時には珍しい黒いトレンチコートを身にまとい、白髪のポニテールといった風貌の厳道は仁王立ちをして
「断る!」と100メートル先まで聞こえるような語気で答える。
同時に彼は見た目ただ立っているように見えるのだが、
大きく鼻から空気を吸い込み両手の拳を握り締めながら
丹田に気を貯め始め、戦闘態勢に入った。
「お前ら、命は大事じゃないのか、何のために戦争を生き抜いてきた。
悪いことばかりしてきたか・・・
その挙句に、つまらん使いパシリで肩で風切って歩いて
悪いことは言わん今すぐ立ち去れ、さもなくば、ここで死ぬ事になるぞ」
「なにおー、このクソじじいいっ!」
暴漢の一人が歩き進み厳道の顔めがけて右手を繰り出してきた。
厳道は仁王立ちのまま相手の拳を左手で掴み込むように受け止め、
ほぼ同時に相手の右肘に手を添えると
怪力で無理やり暴漢の右手首をギューと内側に押し込んだ。
すると、相手の手首から骨の折れる音が響いた。
―ボキッ!ベキベキベキッ!
「あっ、いたっ!・・」
暴漢に悲鳴を上げる間も与えず、相手のへし折れた右手首を掴んだまま
厳道は左側頭部に腰の入ったパンチを打ち込んだ。
「ハッ!」
厳道の拳は顔に命中し、ねじり込まれた衝撃で、あごの骨が砕けた。
「あっ、あ・・・・」
普通、格闘技で相手にパンチを打ち込んだら素早く手を引いて次の敵による攻撃に備えたりするが、彼は違った。
もう一度、巻き戻してみよう。
相手の右手を掴んだまま手前に引っ張りながら
側頭部が陥没骨折するほどの右フックを叩き込むと
倒れこむ相手の頭と地面を利用して
更にグイグイと拳を顔側面に無理やり押し込んだ。
そのため、顎の骨は砕け相手は呼吸することもできず、倒れたまま動かない。
その時、半分、屈んだ姿勢の厳道。その後頭部めがけて、ほかの暴漢が角材を上段から思い切り振り下ろした。
後頭部を角材で打たれた厳道は心の中で思った。
『こんな年寄りの後頭部めがけて角材を振り下ろすとは、殺す気か・・・
そんな後先考えない馬鹿者め・・・死んでも文句はあるまい・・・』
角材は後頭部に命中し半分に折れ、それが地面に落下する前に
厳道は立ち上がり
振り返ると同時に二本の指をチョキの形に構えると
自分に角材を振り下ろした暴漢めがけ
己の指を素早く繰り出し両目にズブリと深々、突き刺した。
「ギャー」
悲鳴を上げた暴漢が顔を両手で覆い膝を折って座り込む。
「うるさい!」
厳道は腰をよじり足を真っ直ぐに大きく振り上げ
暴漢の脳天にブーツの硬い踵を力強く振り落とす。
―バキリと打撃音がして頭蓋骨は大きく陥没し体は、ふにゃりと地面に伏した。
二人死んだ。
「かわいそうだが地獄で会おう」と独り言を言い
残り6人の暴漢に向かい血のついたままの手を突き出し、拳法の構えをした。
そして、かかってこいと暴漢に手招きした。
暴漢のうち3人は
「うわーっ」と逃げ出し、残り3人のうち一人が拳銃を差し出すと
撃つ構えをした。
「撃ってみろ、チンピラ」
すると一発発射され、弾は厳道の胴体に当たった・・・
はずだが彼は微動だにせず
「どうした、もう終わりか?」と言った。
「ひーっ」
暴漢は少し悲鳴を上げながら続けて2発撃ったところで弾切れになり
バチリ、バチリと回転式拳銃の弾倉だけが虚しく回っている。
「なんだ、3発しか入っておらんのか、それじゃ足らん」
そう言うと懐から自分の拳銃を取り出し逃げ出す3人に向けて撃った。
3人はパタパタともつれて倒れたまま動かない。
「お取り込みじゃろうが、道路に死体がある」
厳道は倒れた暴漢や死体を見ながら
警察に公衆電話で丁寧に通報し約束のビルに向かった。
入口のところに厳道の弟子二人がGHQとの面談に同行する為、
待っていた。
「お師匠さま、お怪我は、ございませんか?」
ハンカチを差し出した。
「大丈夫じゃ、この防弾着、大したもんだ、このスタンガンも命中率100パーセントじゃて・・・
お前たち見てたんなら助けてくれたって良さそうなものじゃないか・・・」
「いえ、以前、手助けしようとしたら助けなどいらんって怒られたので・・・」
「えー?わしゃそんな事言っとらんぞ、知らん、次は助けろよな」
「またまたあー、あははははははっ」弟子2人は嬉しそうに笑った。
「ところで今週わしら何人殺した?」
「はい、さっきので20人目です」
「さっきのでは良かったな、この旅も、きな臭っくなってきたな」
「はい、きなくそうございます」
「なぁーにが、きなくそうだ、時代劇じゃないぞ、あははは」
「てへっ、あははははー」
その夜は警察が出動、街は大騒ぎになった。
無残な死体と拳銃と気絶した人間。
厳道の防弾着も所持していたポイント・スタンガンも、その時から200年は先の技術で作られていて一般には手に入らない代物だった。
2021年10月13日
世界中に、ただ自分は生まれてきたと思っている人間が増え
道徳も信仰も薄くなって国によっては毎日、身近に非人道的な光景が目の前で当たり前に展開し人々も自然もバランスが崩れてきた。
北海道・函館市には低気圧が近づき避難情報が出されていた。
函館南警察・署長・北条一凜は、自分が今、何をなすべきか
一体何ができるのか、本当の正義とは何か、何が日本や、この世界にとって大事なのか思い迷っていた。
この日、重大犯罪人検挙の現場で、部下の刑事に重傷者が出てしまった。
たとえ比較的小さな事案であってもミスを犯したくはないし
場合によっては犯人を逮捕し刑務所送りにすることは被害者にとっては勿論の事、犯人にとっても命を助けることに、なる事だってある。
弱者は、どこまでも割を食い、涙にくれている。
人間に問題が発生しても同時に、その答えは出ている。
重要なのは、どんな数式を使って答えを導き出すか
ブラックボックスの中身は彼女次第。
鑑識が署長室に入室してきた。
「署長、今回のアンドロイド、以前、喫茶店に現れた連中と同じ種類でした」
「ふーん、わかったことは?」
「はい、これを見てください、ボディ材質はナノセラミック製、AIはタンパク質
血液は、アガルタ由来のものに近いです。
現在、AI解析中ですが署長、ナムサンに頼んで量子コンピュータ使用できませんか
遮断防壁ありで、あまり掻き回すと自爆するかもしれません・・・」
「博士も同じ意見か?」
「いえ、博士は今、心臓とエネルギー源の解析に夢中でして・・・」
「わかった、手配して、すぐにでも連絡する」
「では、ラボに居ますので、よろしくお願いいたします」
「わかった、おい、お前ら飯は食ったのか?」
「あ、いや、まだです・・・」
「そうか、じゃ急ぎで健一に出前させるから、楽しみに待ってろ、な」
「ありがとうございます、それじゃ7人ほど詰めてますんで、よろしくお願いします」
「了解・・・・さてと」
スマホを手に取る。
画面表示は喫茶・十字街
「あ、健一、悪いんだけどさ、今から30人前、メニューはアラカルトで弁当もありで急いで出前してくれる?」
「あー、わかりました、30人前ってなると2回に分けて持っていきますけど
いいですか、丁度、明日用に仕込んでたのあるんで、そんなに待たせないですから」
「あ、助かるわぁ今日、泊まりの連中いるもんだから助かる・・・・」
「はーい、毎度!」
「質問いいかしら、マンダラマシン」
署長がアガルタ量子コンピュータに話しかける。
「Hello, South Police, Kazuri Hojo. I am Quantum Computer,
(こんにちは、南警察、北条一凜。私は量子コンピューター
mandala machine Second Unit, Nine O Seven.
マンダラマシンのセカンド・ユニット・ナイン・オー・セブン
A good adviser to you and Namsan.
貴方とナムサンに、良いアドバイスをします。
We accept the following questions」
それでは、ご質問を受け付けます。)
―やがて質問を終えた署長は思う
『悪が魔の力を行使するのなら、こちらも、それ以上の力で対抗しようじゃないか怯んだりなどするものか、あらゆる神々に祈ってでも悪行を阻止し、この世界を、どこまで守れるのか、やってみようじゃないか』
署長室の窓辺に立つ一凜は流れる風と、とめどもなく降り続ける
激しい雨を、じっと眺めていた。
月住人の一部が地球の人間をアブダクションして奴隷労働に従事させていたが、やがて地球人の肉体と霊体を分離し霊体に対し残酷な手術をしようとした時、月住人の一種族、グレイ族の間で秩序をもとめ反抗分子が目覚めた。
数十人のグレイ型アンドロイドがスペースシップを奪い、地球の北極圏に入口のある
【地下帝国アガルタ】に亡命する者が現れた。
それはグレイ種族のコピーロボットである反乱グレイ。
彼らの搭載している酸やタンパク質で作られた頭脳が倫理と矛盾を
整理できず
『感情』のようなものを持ち始めた証拠だった。
反乱グレイたちは月住人に向け連絡を取った。
「我ら反乱グレイは、原始的精神の人間が支配する地球を好きになった。
そして、地球人類にとって天使を名乗り、アガルタの住人と共に地球人類に関与することを、ここに宣言する」
1947年 日本国、秋、某日。
終戦後、きたいち興信所・所長、厳道は、新人所員のスカウトリストを片手に、日本中を廻っていた。
そのリストは仲間の【南無三】とよばれる連中より授かったものだ。
あちら、こちらとリストに名のあるものを訪ねて歩き、興信所に高給優遇で勧誘をして歩いていると、その街の悪人が何か勘違いをして、応りをつけてきたり、刺客を送ってくることがある。
その日、厳道は、東京のあるビルに向かって歩いていた。
そのビルには彼と面談の約束がある、アメリカGHQの要人が待っていた。
時刻は夜8時過ぎ
ビルの脇から、わらわらと見るからに粗暴な感じの輩が8人
厳道の前に立ちはだかる。
「おい、じいさん、ちょっとツラ貸しな」
終戦後当時には珍しい黒いトレンチコートを身にまとい、白髪のポニテールといった風貌の厳道は仁王立ちをして
「断る!」と100メートル先まで聞こえるような語気で答える。
同時に彼は見た目ただ立っているように見えるのだが、
大きく鼻から空気を吸い込み両手の拳を握り締めながら
丹田に気を貯め始め、戦闘態勢に入った。
「お前ら、命は大事じゃないのか、何のために戦争を生き抜いてきた。
悪いことばかりしてきたか・・・
その挙句に、つまらん使いパシリで肩で風切って歩いて
悪いことは言わん今すぐ立ち去れ、さもなくば、ここで死ぬ事になるぞ」
「なにおー、このクソじじいいっ!」
暴漢の一人が歩き進み厳道の顔めがけて右手を繰り出してきた。
厳道は仁王立ちのまま相手の拳を左手で掴み込むように受け止め、
ほぼ同時に相手の右肘に手を添えると
怪力で無理やり暴漢の右手首をギューと内側に押し込んだ。
すると、相手の手首から骨の折れる音が響いた。
―ボキッ!ベキベキベキッ!
「あっ、いたっ!・・」
暴漢に悲鳴を上げる間も与えず、相手のへし折れた右手首を掴んだまま
厳道は左側頭部に腰の入ったパンチを打ち込んだ。
「ハッ!」
厳道の拳は顔に命中し、ねじり込まれた衝撃で、あごの骨が砕けた。
「あっ、あ・・・・」
普通、格闘技で相手にパンチを打ち込んだら素早く手を引いて次の敵による攻撃に備えたりするが、彼は違った。
もう一度、巻き戻してみよう。
相手の右手を掴んだまま手前に引っ張りながら
側頭部が陥没骨折するほどの右フックを叩き込むと
倒れこむ相手の頭と地面を利用して
更にグイグイと拳を顔側面に無理やり押し込んだ。
そのため、顎の骨は砕け相手は呼吸することもできず、倒れたまま動かない。
その時、半分、屈んだ姿勢の厳道。その後頭部めがけて、ほかの暴漢が角材を上段から思い切り振り下ろした。
後頭部を角材で打たれた厳道は心の中で思った。
『こんな年寄りの後頭部めがけて角材を振り下ろすとは、殺す気か・・・
そんな後先考えない馬鹿者め・・・死んでも文句はあるまい・・・』
角材は後頭部に命中し半分に折れ、それが地面に落下する前に
厳道は立ち上がり
振り返ると同時に二本の指をチョキの形に構えると
自分に角材を振り下ろした暴漢めがけ
己の指を素早く繰り出し両目にズブリと深々、突き刺した。
「ギャー」
悲鳴を上げた暴漢が顔を両手で覆い膝を折って座り込む。
「うるさい!」
厳道は腰をよじり足を真っ直ぐに大きく振り上げ
暴漢の脳天にブーツの硬い踵を力強く振り落とす。
―バキリと打撃音がして頭蓋骨は大きく陥没し体は、ふにゃりと地面に伏した。
二人死んだ。
「かわいそうだが地獄で会おう」と独り言を言い
残り6人の暴漢に向かい血のついたままの手を突き出し、拳法の構えをした。
そして、かかってこいと暴漢に手招きした。
暴漢のうち3人は
「うわーっ」と逃げ出し、残り3人のうち一人が拳銃を差し出すと
撃つ構えをした。
「撃ってみろ、チンピラ」
すると一発発射され、弾は厳道の胴体に当たった・・・
はずだが彼は微動だにせず
「どうした、もう終わりか?」と言った。
「ひーっ」
暴漢は少し悲鳴を上げながら続けて2発撃ったところで弾切れになり
バチリ、バチリと回転式拳銃の弾倉だけが虚しく回っている。
「なんだ、3発しか入っておらんのか、それじゃ足らん」
そう言うと懐から自分の拳銃を取り出し逃げ出す3人に向けて撃った。
3人はパタパタともつれて倒れたまま動かない。
「お取り込みじゃろうが、道路に死体がある」
厳道は倒れた暴漢や死体を見ながら
警察に公衆電話で丁寧に通報し約束のビルに向かった。
入口のところに厳道の弟子二人がGHQとの面談に同行する為、
待っていた。
「お師匠さま、お怪我は、ございませんか?」
ハンカチを差し出した。
「大丈夫じゃ、この防弾着、大したもんだ、このスタンガンも命中率100パーセントじゃて・・・
お前たち見てたんなら助けてくれたって良さそうなものじゃないか・・・」
「いえ、以前、手助けしようとしたら助けなどいらんって怒られたので・・・」
「えー?わしゃそんな事言っとらんぞ、知らん、次は助けろよな」
「またまたあー、あははははははっ」弟子2人は嬉しそうに笑った。
「ところで今週わしら何人殺した?」
「はい、さっきので20人目です」
「さっきのでは良かったな、この旅も、きな臭っくなってきたな」
「はい、きなくそうございます」
「なぁーにが、きなくそうだ、時代劇じゃないぞ、あははは」
「てへっ、あははははー」
その夜は警察が出動、街は大騒ぎになった。
無残な死体と拳銃と気絶した人間。
厳道の防弾着も所持していたポイント・スタンガンも、その時から200年は先の技術で作られていて一般には手に入らない代物だった。
2021年10月13日
世界中に、ただ自分は生まれてきたと思っている人間が増え
道徳も信仰も薄くなって国によっては毎日、身近に非人道的な光景が目の前で当たり前に展開し人々も自然もバランスが崩れてきた。
北海道・函館市には低気圧が近づき避難情報が出されていた。
函館南警察・署長・北条一凜は、自分が今、何をなすべきか
一体何ができるのか、本当の正義とは何か、何が日本や、この世界にとって大事なのか思い迷っていた。
この日、重大犯罪人検挙の現場で、部下の刑事に重傷者が出てしまった。
たとえ比較的小さな事案であってもミスを犯したくはないし
場合によっては犯人を逮捕し刑務所送りにすることは被害者にとっては勿論の事、犯人にとっても命を助けることに、なる事だってある。
弱者は、どこまでも割を食い、涙にくれている。
人間に問題が発生しても同時に、その答えは出ている。
重要なのは、どんな数式を使って答えを導き出すか
ブラックボックスの中身は彼女次第。
鑑識が署長室に入室してきた。
「署長、今回のアンドロイド、以前、喫茶店に現れた連中と同じ種類でした」
「ふーん、わかったことは?」
「はい、これを見てください、ボディ材質はナノセラミック製、AIはタンパク質
血液は、アガルタ由来のものに近いです。
現在、AI解析中ですが署長、ナムサンに頼んで量子コンピュータ使用できませんか
遮断防壁ありで、あまり掻き回すと自爆するかもしれません・・・」
「博士も同じ意見か?」
「いえ、博士は今、心臓とエネルギー源の解析に夢中でして・・・」
「わかった、手配して、すぐにでも連絡する」
「では、ラボに居ますので、よろしくお願いいたします」
「わかった、おい、お前ら飯は食ったのか?」
「あ、いや、まだです・・・」
「そうか、じゃ急ぎで健一に出前させるから、楽しみに待ってろ、な」
「ありがとうございます、それじゃ7人ほど詰めてますんで、よろしくお願いします」
「了解・・・・さてと」
スマホを手に取る。
画面表示は喫茶・十字街
「あ、健一、悪いんだけどさ、今から30人前、メニューはアラカルトで弁当もありで急いで出前してくれる?」
「あー、わかりました、30人前ってなると2回に分けて持っていきますけど
いいですか、丁度、明日用に仕込んでたのあるんで、そんなに待たせないですから」
「あ、助かるわぁ今日、泊まりの連中いるもんだから助かる・・・・」
「はーい、毎度!」
「質問いいかしら、マンダラマシン」
署長がアガルタ量子コンピュータに話しかける。
「Hello, South Police, Kazuri Hojo. I am Quantum Computer,
(こんにちは、南警察、北条一凜。私は量子コンピューター
mandala machine Second Unit, Nine O Seven.
マンダラマシンのセカンド・ユニット・ナイン・オー・セブン
A good adviser to you and Namsan.
貴方とナムサンに、良いアドバイスをします。
We accept the following questions」
それでは、ご質問を受け付けます。)
―やがて質問を終えた署長は思う
『悪が魔の力を行使するのなら、こちらも、それ以上の力で対抗しようじゃないか怯んだりなどするものか、あらゆる神々に祈ってでも悪行を阻止し、この世界を、どこまで守れるのか、やってみようじゃないか』
署長室の窓辺に立つ一凜は流れる風と、とめどもなく降り続ける
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