異世界まで追いかけてきちゃった！！

新生活が始まります！

14：友達。

「陣。ありがとうな。でも、なんで生理用品をもっているんだ？」

俺は陣に聞いた。陣はやさしい笑顔ですぐに答えてくれた。そして、自分の事も話してくれた。

「その生理用品は友達のだよ。あと、この間はごめん。これは俺のスキルの話になるんだけど…。[淫魔]。それが俺のスキルなんだ。[淫魔]のスキルも持っているのは極一部の人のみ。俺の主食は性なんだ。でも普通のご飯もちょっとは栄養になるが、さすがにきついから毎週一回ああして栄養を採っているんだ。ごめんな。気持ち悪いよな。友達辞めたいよな｡」

陣の声は震えていた。陣はずっと笑顔だったが、俺には泣きそうな、不安そうな顔に見えた。

「そんなことない｡」

俺が言うと、陣は俺の顔を真剣な顔で見る。

「陣。スキルは仕方ない。生きるためだ。だから、友達辞めたいかなんて聞くな。俺の思い込みかもしれないが、お前はずっとスキルに悩まされてきたんじゃないか？」

俺の言葉を聞いて陣は静かに泣き出した。
陣はスキルのせいで友達をなくしてきたのではないだろうか。でないと俺に友達辞めたいかなんて聞いてこないだろう。
陣は涙をかるく拭う。

「…俺……怖かったんだ。…我に戻ったとき、一番に、やってしまったって思った。また俺から人が離れていくと思った。謝る。俺のこと、全部話す。だから……まだ…友達でいてくれるか………？」

「全部なんて話さなくていい。人間は何かしら秘密を持っている。俺だって陣に秘密にしていることがある。……友達でいてくれるかってさっき言ってたよな。そんなの……」

陣は俺の言葉を聞き、俺に抱きつき、思いっ切り泣き出した。トイレ中に陣の泣き声が響く。

『当たり前だろ。』