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二章 秘宝「ジェタクの果印」
31話 クエスト最終日、俺の気絶と強壮薬のサザエについて
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そんな感じで、俺たちは一週間のあいだジェタクの果印を探し回った。だが、結局見つからず、とうとう最終日が訪れた。
サブクエストはメインクエストが達成されたのち、一週間以内に達成しなければならない。つまり、今日までにジェタク師の果印を見つけなければ、俺たちの一週間は無駄となってしまうのだ。
来る日も来る日も死ぬ気で山を登って、一日に二度は足をつる。そんな努力もすべて無駄になってしまうのだ。
「くそ、今日までに見つけなければいけないというのに、全く手掛かりがないぞ」
「さすがに難しかったですかね」
「まだだ。あと一日はあるんだ。なんとか探してみよう」
そう言って、朝ミーノの家を飛び出したのだが、俺は目の前のあぜ道を歩いている途中にぶっ倒れてしまった。
疲労がたまっていたのだろう。あっと思う間もなかった。目の前が暗くなったと思うと、最後にバタッと大きな音を聞いていた。
急に意識がなくなって、気が付けば俺はミーノの布団で寝かされていた。
「気が付きました?」
「あ、ああ……」
「突然倒れちゃって、びっくりしました」
この一週間、体力のない俺がこれだけ動き回ったのだ。倒れたと聞いても驚かなかった。
「悪かったな……。今日までにクエストを達成しなくちゃいけなかったのに……」
「わたしこそごめんなさい。もっと簡単なサブクエストを貰ってくるべきでしたのに……、よりにもよってこんな……」
ミーノを慰めるように俺は言った。
「というかこれ、サブクエストでやることじゃないだろう。だって、ジェタクの果印ってこの世のすべてを占った結果なんだろう? それさえあれば世界征服もできるって代物を、サブクエストで探せって言われても」
「でも、この世のすべてを占った結果ですから、やっぱり分かりやすいんじゃないですか。大きい水晶だったり」
「そうかなあ」
「そうだ。ヤグラ君、お薬があるんで、ちょっと待っててくださいね」
ミーノはそう言うと、台所からお盆を持ってきた。お盆の中にはコップ一杯の水と、二つのお椀が乗っている。中にはそれぞれ赤い粉と青い粉が入っている。
「なんだ? これは」
「滋養強壮に良いんです。風邪で食べ物が食べられないときとか、夏バテでご飯が食べられないとか、だいたいの場合はこれを飲むとよく治るんです」
なるほど。青の粉薬の赤の粉薬。なんとなく本格的でよく効きそうだ。
「この薬、どうやって作るんだ?」
「どちらも貝殻から作るんです。青いのはアオサザエの殻を砕いたもので、赤いのはアカサザエの殻から。これがアオサザエです」
ミーノはこぶし大の大きさの青い貝殻を手渡した。
いわゆる二枚貝ではなく、表面が青っぽい巻貝でサザエによく似ている。巻貝の渦に沿って、何やら象形文字のような模様ができている。象形文字でいて、日本の古文書のように渦の先の方まで長く連なっている。なるほど、自然の造形は面白い。どういう作用が働いてか、自然にこんな模様ができるのだからな。
アカサザエの貝殻もこんな感じで、色だけが赤いという。
「へー、これ高くないのか?」
「ええ、畑を掘ってたら、よく出てくるんですよ。高いどころか困ってるくらいで」
「畑? 畑にサザエはいないだろう」
サブクエストはメインクエストが達成されたのち、一週間以内に達成しなければならない。つまり、今日までにジェタク師の果印を見つけなければ、俺たちの一週間は無駄となってしまうのだ。
来る日も来る日も死ぬ気で山を登って、一日に二度は足をつる。そんな努力もすべて無駄になってしまうのだ。
「くそ、今日までに見つけなければいけないというのに、全く手掛かりがないぞ」
「さすがに難しかったですかね」
「まだだ。あと一日はあるんだ。なんとか探してみよう」
そう言って、朝ミーノの家を飛び出したのだが、俺は目の前のあぜ道を歩いている途中にぶっ倒れてしまった。
疲労がたまっていたのだろう。あっと思う間もなかった。目の前が暗くなったと思うと、最後にバタッと大きな音を聞いていた。
急に意識がなくなって、気が付けば俺はミーノの布団で寝かされていた。
「気が付きました?」
「あ、ああ……」
「突然倒れちゃって、びっくりしました」
この一週間、体力のない俺がこれだけ動き回ったのだ。倒れたと聞いても驚かなかった。
「悪かったな……。今日までにクエストを達成しなくちゃいけなかったのに……」
「わたしこそごめんなさい。もっと簡単なサブクエストを貰ってくるべきでしたのに……、よりにもよってこんな……」
ミーノを慰めるように俺は言った。
「というかこれ、サブクエストでやることじゃないだろう。だって、ジェタクの果印ってこの世のすべてを占った結果なんだろう? それさえあれば世界征服もできるって代物を、サブクエストで探せって言われても」
「でも、この世のすべてを占った結果ですから、やっぱり分かりやすいんじゃないですか。大きい水晶だったり」
「そうかなあ」
「そうだ。ヤグラ君、お薬があるんで、ちょっと待っててくださいね」
ミーノはそう言うと、台所からお盆を持ってきた。お盆の中にはコップ一杯の水と、二つのお椀が乗っている。中にはそれぞれ赤い粉と青い粉が入っている。
「なんだ? これは」
「滋養強壮に良いんです。風邪で食べ物が食べられないときとか、夏バテでご飯が食べられないとか、だいたいの場合はこれを飲むとよく治るんです」
なるほど。青の粉薬の赤の粉薬。なんとなく本格的でよく効きそうだ。
「この薬、どうやって作るんだ?」
「どちらも貝殻から作るんです。青いのはアオサザエの殻を砕いたもので、赤いのはアカサザエの殻から。これがアオサザエです」
ミーノはこぶし大の大きさの青い貝殻を手渡した。
いわゆる二枚貝ではなく、表面が青っぽい巻貝でサザエによく似ている。巻貝の渦に沿って、何やら象形文字のような模様ができている。象形文字でいて、日本の古文書のように渦の先の方まで長く連なっている。なるほど、自然の造形は面白い。どういう作用が働いてか、自然にこんな模様ができるのだからな。
アカサザエの貝殻もこんな感じで、色だけが赤いという。
「へー、これ高くないのか?」
「ええ、畑を掘ってたら、よく出てくるんですよ。高いどころか困ってるくらいで」
「畑? 畑にサザエはいないだろう」
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