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プロローグ hole ass グッド異世界生活
三話 救済措置まで最悪だ!!
しおりを挟む「ギャアギャアわめかないでよ!! そんなのわたしに言われたって知らないわよ!!」
俺はなんだか恥ずかしくなってきた。
アオイはさっきから俺の顔を直視していない。
俺はずっと、申し訳なさそうにしていると思っていた。アオイは俺に負い目を感じてるのだと。だが、それは違ったのだ。顔のど真ん中に本来、とってもしおらしいはずの肛門ちゃんがついてて、まともに見ちゃいられないのだ。
「第一、重力ってものがあんだろうよ!! 上から入れるから、下に落ちて出るんだよ。下から入れたって、あがってくるかい!!」
そう。肛門は別に面白半分で下についているわけではない。下についているのには、それなりの理由があるのだ。
「だから、あなたの消化管には、卓越した蠕動運動の能力を付与したわ」
アオイはなぜか得意げに言った。
「卓越した蠕動運動の能力?」
俺はアオイの言葉をオウム返しにすることしかできなかった。
「食物を押し出す消化管の働きよ。とにかく、あなたの蠕動運動は凄いわ。重力をもろともせず、下から入れたものが上から出てくるの。ニュートンもびっくりね」
「ニュートンどころか全人類がビックリだよ!!」
俺のツッコミはケツの割れ目にこもって、切れ味をなくしていった。どれだけ叫んでも、ケツの割れ目が邪魔して、声が上手く通らないのだ。
俺はこんな状況に置かれて、ツッコミの切れ味すら失ってしまったのだ。
「それにさ、さっきからなんだか喉が苦しいんだよ……。喉って言っても、腰の下が苦しいんだけどさ……」
俺はすっかり弱気になってしまった。
「あ、それは恐らく逆流性胃腸炎ね」
「あー、逆流性胃腸炎か……」
類まれな蠕動運動で食べ物が身体の中を上がっていくとしても、胃液は重力の影響を受ける。重力によって落ちてきた胃酸で、喉が焼けているのだろう。
「っていうか、逆流性でもないのかもね。上から下に落ちるのは自然の摂理だから、それはもう、順流性胃腸炎ね。はは……」
アオイの笑い声は虚しいほど乾いていた。
「ひどいよ……、こんなのひどすぎるよ……」
俺はとうとう泣き出してしまった。尾てい骨のあたりにじんと重い物が込み上げてくる。
「もう、しょうがないわね!! どうにかしてあげるわよ!!」
「……どうにかって?」
俺は顔をあげた。
「本当は肉体を授けたあとの能力付与はご法度なんだけど……こんなの前例にもないしね」
「もとに、戻してくれるんですか?」
俺はアオイに希望の光を見た。
「いや、口、喉、食道を胃酸に耐えきれるほど強くするだけよ」
「そこまでするなら消化管を上下逆にして付け替えてくださいよ!!」
「無理よ。それはもう物質化された後なんだから……」
「大体、なんで、消化管を最後に物質化するんだよ!」
「そんなこと今さら言われたってしょうがないわ。とにかく、ちょっとじっとしてなさい」
アオイはそういうと、俺の股間に手をかざした。俺は口……、いや、顔の真ん中についたアナルを手でおおいながら、ことのなりゆきを見守っていた。
「どう、かしら」
アオイは股間から手を離して言った。
「あれ……、ぜんぜんくるしくないです……」
「そうでしょう? あなたの口から胃にかけては、もうどんな胃酸ももろともしないわ。どう? これで文句はないわね?」
「オオアリですよ!! 鼻の下にケツの穴がついてるんですよ? こんな姿で人前に出られないですよ!!」
「ウルサイ!! ウルサイ!! ウルサイ!!! そんなの布でも巻いてかくしてなさいよ!! ほら、匂いを吸収する布をあげるわよ!!」
アオイはどこからか、黄色い手拭いのようなものを取り出してきて、俺の肛門を覆い、後ろで結んでくれた。
ちょうど、荒野の窃盗団か、砂漠の墓荒らしのような格好になる。
アオイは手拭いの結び目をポンと叩いていった。
「良いじゃない、黄色だと汚れも目立たないし」
「言うことが一々汚ねえな……」
この女神は何から何まで最悪だ!
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