糸を読むひと
奇妙な経緯で梟荘に住むことになった、糸出ゆめ。同居人の従妹、いとちゃんは風変わりな引きこもりで、ほぼ夜行性。
同居しながら顔を合わせない生活が続いたが、ある日唐突にいとちゃんが姿を現した。
「糸が絡まり始めた」
いとちゃんが告げた謎の言葉。それ以降、いとちゃんは頻回に姿を現すようになり、同時に日常生活の中で、妙におかしなことが起こるようになっていった。
※表紙写真:「ぱくたそ」無料素材を使用しています。
同居しながら顔を合わせない生活が続いたが、ある日唐突にいとちゃんが姿を現した。
「糸が絡まり始めた」
いとちゃんが告げた謎の言葉。それ以降、いとちゃんは頻回に姿を現すようになり、同時に日常生活の中で、妙におかしなことが起こるようになっていった。
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遅ればせながら、読了いたしました!
「糸を読む」ことができる引きこもりのイトコとの共同生活。主人公の周囲の人々や出来事の、水面下での絡み合い。題材自体も面白いですし、それをいとちゃんの独特なキャラに託しているところが上手いなあと思いました。
変わり者のお母さんと、確実にその血を引いている主人公の関係性(とその微妙な変化)にも読み応えがありました。
個人的にとても気に入ったのは、ラストの締め方です。糸の繋がりの壮大さと、ある地味なアイテムに象徴される日常のミックスが絶妙でした☆
さて、以下、ちょっと気になった点です。
・その18からその19にかけて、ちょっと話が飛んだような印象を受けます。「今夜の夏祭り」の話はどうなったのかな、という疑問が湧きました。その22には夏祭りに行った事実を示唆する記述があるので、それに該当するエピソードが抜けているのかもしれません。
・その19の「それに叔父さんは」の後が切れてしまっている、あるいはこのフレーズが誤って挿入されてしまっているのではないかなと思います。
と言っても、意味が通じないほどではなかったのですが、ご参考程度にお知らせまで……。
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