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女三人
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「授業参観の日だったらしいよ」
それを優菜から聞かされたのは、一月ほどたった時だった。
沙織は今日も学校に行った。少子化で、どこの団地も子供が少ないけれど、この界隈は比較的多い方で、沙織の集団登校グループは五人もいる。
六年生が二人、五年生が一人、三年生が一人、一番ちびが一年生の沙織なのだった。
いつも、はす向かいの五年生、マイちゃんが赤いランドセルをしょって、玄関まで迎えに来てくれる。
「さーおりちゃーん」
沙織はしっかりした子だし、その声が聞こえてくるまでには支度を整えている。だけど、ごくたまにお茶を飲んでいる最中だったりすることもある。
どんな時でも、マイちゃんの呼び声が聞こえたらしゃきんとして、床に置いたランドセルを拾い上げて、「行ってきます」と玄関に走ってゆく。
前の小学校ではどうだったのか分からない。
けれど、今の学校は、多分、沙織に取って悪くない場所なんだろうと思う。
沙織がランドセルに引っ掛けた給食袋をゆらゆらさせて、マイちゃんと手を繋いで出ていくのを見送った。
がらぴしゃんと玄関を閉めたら、冷たい朝の空気が漂った。梟荘に残ったのは、今日は11時から校正のアルバイトがある寝癖のついたわたしと、昨日の酒が残ってだるそうな顔をして、仕事をずる休みする優菜の二人。
(これっぽっちも、溌剌としていない……)
台所に戻ったら、小さい電気ストーブが赤々と輝いていた。
やれやれとテーブル席についてお茶を飲みだした時、二日酔いの顔で味噌汁をすすりながら、優菜が言った事がこれだった。
授業参観。
なんだそれ。
一瞬、なんのことだろうと思ったが、じっと見つめてくる優菜の赤い目を見返しているうちにはっとした。
ああ、あの事だと判る。一月前に、沙織が突然、学校休ませてほしいと言った事。
いじめでも遭っているのかと思ったが、休んだのはその日一日限りだった。次の日からは元気よく学校に行くようになり、ああよかったと胸をなでおろしていたものだ。
あの日は流石にバイトを休んだ。
いくらしっかりしていると言っても、小学一年生の女の子を一人残して留守にするのは気が引けた。
今やっているのは、大手の出版社の校正のアルバイトだ。校正といえば恰好は良いけれど、中身はただの付け合わせ作業である。赤の入った原稿と、上がって来た新しい原稿を付け合わせて、ちゃんと直っているかどうかを調べる。直っていないか、新たな打ち間違いがあったらさらに赤を入れる。ただそれだけの作業である。
何人も校正さんが集まった部屋で、机に座って決められた時間だけ、作業を行うのだけど、集まったバイトさんたちが年齢層もまちまちで、おまけに仕事柄、誰とも喋らずに済むのが、わたしにはありがたかった。
中には小さい子供を持つママさんもいるから、子供の体調によって休む人も多い。
それでも快く休ませてくれる余裕のある、気楽なお仕事だった。
このアルバイトにありつくことができたのは、本当にラッキーだった。
決して高くはない御給料だし、交通費も出ないけれど。
ちょうど昨日、先月分のバイト料が入ったところだったから、あれ、いつもより実入りが少ないなと思って、ああそうか、あの日休んだもんなと思い出していたところだった。
そうだ、沙織はあの日休んだ。
その理由を、今になってやっと、優菜が語りだしている。
授業参観に来てくれるママがいないことが辛くて、学校を休んだらしいよ、沙織。
優菜は寝ぼけたような声で言い、洟をかんだ。
わたしはお茶を啜った。色々な思いが込み上げてきて、今すぐに口を開いたら優菜を責めてしまいそうだった。
どうして今になってそれを教えるのかということと、わたしにどうしろというのかという思いと。
最も重大な事として、一体なんで、わたしがそれを知らないのに、優菜が知っているのか。
「前の学校の時は、授業参観にママが来たら逆にいじめられるから嫌だって言ってたらしいんだけどねえ」
と、優菜はさらにわたしの知らない情報を口にした。そして、やっとわたしがムッとしていることに気づいたらしく、あっと言った。
わたしは立ち上がった。
ずる休みする暇人に付き合っている場合ではない。食卓の上には朝ごはんのお皿が汚れたまま残っていたし、できれば今のうちに晩御飯の下ごしらえをしておきたかった。
お皿を流しにおいて洗い始めると、明かり取りの小窓から冷たそうな光が目に染みて来た。
冬の日の朝は、なかなか明るくならないくせに、いったん日差しが差し始めると、やけに眩しく感じるのは何故だろう。
そろそろ雪が降るかもしれない。
水道水にあたる指先がじんじんと痛かった。
ここは真冬になったらボイラは凍るだろうか、と、一瞬不安になったけれど、屋根の下にボイラがあることを思い出して安堵した。ずっと以前住んでいた古いアパートでは、ボイラがよく凍結したものだから。
一度、凍結していることに気づかずに水道からお湯を出し、ドカンと破裂したことがあった。それがトラウマになっていて、未だに、寒い日でも冷たい水を使ってしまう。
優菜には、たるちゃんまた冷たいの使ってる、と、笑われてしまうのだけど。
茫然としながら洗い物をしていると、後ろから優菜が気遣うように、職場で沙織の同級生のママがいるんだよ、と言った。
授業参観云々の情報は、そのママさんから仕入れたものか。
だけど、わたしは認めざるを得なかった。沙織に取って、心を打ち明けやすいのは、わたしよりも優菜らしいということを。
「また色々聞いてやってよー」
と、わたしは言い、優菜はちょっと戸惑ったような声で、判った、と答えた。
**
沙織は事情がある子だ。
ママと二人で安アパートで暮らしていたけれど、どうしてもママが県外に出張して仕事をしなくてはならなくなったので、梟荘に転がり込んできた。
沙織のママとわたしの母親は、友達同士だ。その縁で沙織はここに来ることになった。本来ならこんな他人、それも不健全極まりない大人の女二人暮らしの家ではなく、親戚筋を当たるのが普通だと思う。 けれど、沙織にはそういうつてがなかった。
「実の母子ではないみたいよ」
これを教えてくれたのは、大家のけやきさんだった。
ちょくちょく梟荘を覗いては、畑で採れた野菜とか、おすそわけの料理とかを持って来てくれる。
けやきさんは情報通だ。沙織が前に通っていた学校の学区にも知り合いが多いらしい。
とにかく、沙織はある日唐突に梟荘にやってきた。
ランドセルとリュックサックと手提げの荷物を抱えて、お人形みたいな顔でちょこんと玄関に立ち、お願いしますと頭を下げていたのが出会いだった。
沙織のママという人は、まるで数時間だけ沙織を預けるかのように、じゃあよろしくお願いしますねと言って、梟荘の中に入りもせずに立ち去った。
質素なベージュのコートを着て、今から買い物にでも行くような様子で。
沙織は賢い目で母親を見送り、その横顔は無表情に近かった。泣いて別れを惜しむでもなく、どこか諦めたような風情が印象的だった。
そのまま沙織は梟荘に置き去りになり、沙織の母親は、その日の夜行列車でこの地を離れた。
「今は色々な事情のある子があるから」
と、珍しくもなさそうにけやきさんは言って、これ以上沙織について語ろうとはしなかった。けれど、十分に特異な身の上だとわたしは思う。
そんな事情持ちとは思えないほど、沙織はきちんとしていて、とても良い子だ。
わたしのことを「たるちゃんたるちゃん」と慕ってくれて、時々、ホットケーキが食べたいなどと可愛い我儘を言ったりする。
だから、わたしは、内心、沙織の保護者気取りだった。
なのに、優菜の方が沙織のことを知っているとは。
ぐずぐずと燻りながら、校正のアルバイトに行った。
おかげで今日はミスを山ほどしてしまった。付け合わせ作業のミスは、どうしてこんなに後味が悪いのか。
アルバイトが終わり、家に帰ろうと町を歩いていると、ふわっと白いものが落ちて来た。
上を見ると、重たく垂れ下がった曇天から、ほんの僅かに雪がちらついてくるのが見えた。これから本格的に冬が始まる。
白い息を吐いて空気を吸ったら、体の中の思いが洗い流されたようだ。冷たくて、心地よい。
(女が三人いたら、色々とバランスが難しいのです)
沙織が気楽に過ごしてくれていたら良いと思う。
今日はカレーとマカロニサラダにする。カレールーはうちにあっただろうか。
夕食の事を考えているうちに、燻っていたものがすうっと鎮まった。
それを優菜から聞かされたのは、一月ほどたった時だった。
沙織は今日も学校に行った。少子化で、どこの団地も子供が少ないけれど、この界隈は比較的多い方で、沙織の集団登校グループは五人もいる。
六年生が二人、五年生が一人、三年生が一人、一番ちびが一年生の沙織なのだった。
いつも、はす向かいの五年生、マイちゃんが赤いランドセルをしょって、玄関まで迎えに来てくれる。
「さーおりちゃーん」
沙織はしっかりした子だし、その声が聞こえてくるまでには支度を整えている。だけど、ごくたまにお茶を飲んでいる最中だったりすることもある。
どんな時でも、マイちゃんの呼び声が聞こえたらしゃきんとして、床に置いたランドセルを拾い上げて、「行ってきます」と玄関に走ってゆく。
前の小学校ではどうだったのか分からない。
けれど、今の学校は、多分、沙織に取って悪くない場所なんだろうと思う。
沙織がランドセルに引っ掛けた給食袋をゆらゆらさせて、マイちゃんと手を繋いで出ていくのを見送った。
がらぴしゃんと玄関を閉めたら、冷たい朝の空気が漂った。梟荘に残ったのは、今日は11時から校正のアルバイトがある寝癖のついたわたしと、昨日の酒が残ってだるそうな顔をして、仕事をずる休みする優菜の二人。
(これっぽっちも、溌剌としていない……)
台所に戻ったら、小さい電気ストーブが赤々と輝いていた。
やれやれとテーブル席についてお茶を飲みだした時、二日酔いの顔で味噌汁をすすりながら、優菜が言った事がこれだった。
授業参観。
なんだそれ。
一瞬、なんのことだろうと思ったが、じっと見つめてくる優菜の赤い目を見返しているうちにはっとした。
ああ、あの事だと判る。一月前に、沙織が突然、学校休ませてほしいと言った事。
いじめでも遭っているのかと思ったが、休んだのはその日一日限りだった。次の日からは元気よく学校に行くようになり、ああよかったと胸をなでおろしていたものだ。
あの日は流石にバイトを休んだ。
いくらしっかりしていると言っても、小学一年生の女の子を一人残して留守にするのは気が引けた。
今やっているのは、大手の出版社の校正のアルバイトだ。校正といえば恰好は良いけれど、中身はただの付け合わせ作業である。赤の入った原稿と、上がって来た新しい原稿を付け合わせて、ちゃんと直っているかどうかを調べる。直っていないか、新たな打ち間違いがあったらさらに赤を入れる。ただそれだけの作業である。
何人も校正さんが集まった部屋で、机に座って決められた時間だけ、作業を行うのだけど、集まったバイトさんたちが年齢層もまちまちで、おまけに仕事柄、誰とも喋らずに済むのが、わたしにはありがたかった。
中には小さい子供を持つママさんもいるから、子供の体調によって休む人も多い。
それでも快く休ませてくれる余裕のある、気楽なお仕事だった。
このアルバイトにありつくことができたのは、本当にラッキーだった。
決して高くはない御給料だし、交通費も出ないけれど。
ちょうど昨日、先月分のバイト料が入ったところだったから、あれ、いつもより実入りが少ないなと思って、ああそうか、あの日休んだもんなと思い出していたところだった。
そうだ、沙織はあの日休んだ。
その理由を、今になってやっと、優菜が語りだしている。
授業参観に来てくれるママがいないことが辛くて、学校を休んだらしいよ、沙織。
優菜は寝ぼけたような声で言い、洟をかんだ。
わたしはお茶を啜った。色々な思いが込み上げてきて、今すぐに口を開いたら優菜を責めてしまいそうだった。
どうして今になってそれを教えるのかということと、わたしにどうしろというのかという思いと。
最も重大な事として、一体なんで、わたしがそれを知らないのに、優菜が知っているのか。
「前の学校の時は、授業参観にママが来たら逆にいじめられるから嫌だって言ってたらしいんだけどねえ」
と、優菜はさらにわたしの知らない情報を口にした。そして、やっとわたしがムッとしていることに気づいたらしく、あっと言った。
わたしは立ち上がった。
ずる休みする暇人に付き合っている場合ではない。食卓の上には朝ごはんのお皿が汚れたまま残っていたし、できれば今のうちに晩御飯の下ごしらえをしておきたかった。
お皿を流しにおいて洗い始めると、明かり取りの小窓から冷たそうな光が目に染みて来た。
冬の日の朝は、なかなか明るくならないくせに、いったん日差しが差し始めると、やけに眩しく感じるのは何故だろう。
そろそろ雪が降るかもしれない。
水道水にあたる指先がじんじんと痛かった。
ここは真冬になったらボイラは凍るだろうか、と、一瞬不安になったけれど、屋根の下にボイラがあることを思い出して安堵した。ずっと以前住んでいた古いアパートでは、ボイラがよく凍結したものだから。
一度、凍結していることに気づかずに水道からお湯を出し、ドカンと破裂したことがあった。それがトラウマになっていて、未だに、寒い日でも冷たい水を使ってしまう。
優菜には、たるちゃんまた冷たいの使ってる、と、笑われてしまうのだけど。
茫然としながら洗い物をしていると、後ろから優菜が気遣うように、職場で沙織の同級生のママがいるんだよ、と言った。
授業参観云々の情報は、そのママさんから仕入れたものか。
だけど、わたしは認めざるを得なかった。沙織に取って、心を打ち明けやすいのは、わたしよりも優菜らしいということを。
「また色々聞いてやってよー」
と、わたしは言い、優菜はちょっと戸惑ったような声で、判った、と答えた。
**
沙織は事情がある子だ。
ママと二人で安アパートで暮らしていたけれど、どうしてもママが県外に出張して仕事をしなくてはならなくなったので、梟荘に転がり込んできた。
沙織のママとわたしの母親は、友達同士だ。その縁で沙織はここに来ることになった。本来ならこんな他人、それも不健全極まりない大人の女二人暮らしの家ではなく、親戚筋を当たるのが普通だと思う。 けれど、沙織にはそういうつてがなかった。
「実の母子ではないみたいよ」
これを教えてくれたのは、大家のけやきさんだった。
ちょくちょく梟荘を覗いては、畑で採れた野菜とか、おすそわけの料理とかを持って来てくれる。
けやきさんは情報通だ。沙織が前に通っていた学校の学区にも知り合いが多いらしい。
とにかく、沙織はある日唐突に梟荘にやってきた。
ランドセルとリュックサックと手提げの荷物を抱えて、お人形みたいな顔でちょこんと玄関に立ち、お願いしますと頭を下げていたのが出会いだった。
沙織のママという人は、まるで数時間だけ沙織を預けるかのように、じゃあよろしくお願いしますねと言って、梟荘の中に入りもせずに立ち去った。
質素なベージュのコートを着て、今から買い物にでも行くような様子で。
沙織は賢い目で母親を見送り、その横顔は無表情に近かった。泣いて別れを惜しむでもなく、どこか諦めたような風情が印象的だった。
そのまま沙織は梟荘に置き去りになり、沙織の母親は、その日の夜行列車でこの地を離れた。
「今は色々な事情のある子があるから」
と、珍しくもなさそうにけやきさんは言って、これ以上沙織について語ろうとはしなかった。けれど、十分に特異な身の上だとわたしは思う。
そんな事情持ちとは思えないほど、沙織はきちんとしていて、とても良い子だ。
わたしのことを「たるちゃんたるちゃん」と慕ってくれて、時々、ホットケーキが食べたいなどと可愛い我儘を言ったりする。
だから、わたしは、内心、沙織の保護者気取りだった。
なのに、優菜の方が沙織のことを知っているとは。
ぐずぐずと燻りながら、校正のアルバイトに行った。
おかげで今日はミスを山ほどしてしまった。付け合わせ作業のミスは、どうしてこんなに後味が悪いのか。
アルバイトが終わり、家に帰ろうと町を歩いていると、ふわっと白いものが落ちて来た。
上を見ると、重たく垂れ下がった曇天から、ほんの僅かに雪がちらついてくるのが見えた。これから本格的に冬が始まる。
白い息を吐いて空気を吸ったら、体の中の思いが洗い流されたようだ。冷たくて、心地よい。
(女が三人いたら、色々とバランスが難しいのです)
沙織が気楽に過ごしてくれていたら良いと思う。
今日はカレーとマカロニサラダにする。カレールーはうちにあっただろうか。
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