144 / 176
第15章 キューティクルが足んねえ
キューティクルが足んねえ 1
しおりを挟む
この大海原がどんだけ広いのか知らねーが、あれ以来サッパリ敵艦に遭わねえ。
それもその筈、戦すりゃどっちかが吸収されて消えちまうんだ。
島(軍艦)化された鴉王の愛人――増えはしねえで減る一方。
そりゃ、遭遇率だって徐々に減るだろ。馬鹿でもわかる。
あの日、二つのレベル3を吸収したのが嘘みてえに平穏な日々が続きやがる。白鬼も白鮫人もこれといった情報掴んでこねーしな。
軍艦レベル7になったフレールの甲板で、やることもねえ俺は日毎夜毎ゴロゴロと寝っ転がって過ごしている。
何で船室に籠んねーかって?
決まってるだろ。籠ったらオナニーしちまうからだよ。
……いや、俺の場合はハンパねえ精子工場の生産力に加えてティッシュマスターの弾を確保するためにも一日五回(ティッシュ1000枚分)ソレやんなくちゃなんねーんだが、さすがに白いの出すネタが尽きちまった。
硬くならねーと、さすがのシコシコマシーンである俺でも精子は出せねえ。半永久的にフニャフニャの肉棒こねくり回してるだけだ。
久々に白衛門の姿をセーコに変えさせ射精したものの、相変わらずの武士言葉で俺を萎えさせるもんだから重ねて利用しようとは思わねえ。
何が「いざ、某の乳を鷲掴みするでござる」だ!
そもそもその乳だって、俺の精子が染み込んだティッシュの塊じゃねーかよ。肉の乳を揉ませろ!
黒リータ?
その巨乳はセーコと違って確かに本物だが、ありゃ寄せ集めの作り物だ。
第一、性格が最悪ときてる。
他種族のチ○コ輪切りにして俺に食わせようとしやがった山姥同然の子分に、俺の愛しい精子が出せるかってんだ!
やっぱ俺は完全な生身の女体が好きだ。
最近は男が女体化したヒロイン(?)モノが好かれる傾向にあるようだが、とどのつまり相手は男じゃねーか。
だってよ、実際はチ○コも生えてりゃキ○タマだってぶら下がってんだぜ? 脛毛も伸びりゃ髭だってほっときゃボーボーになるんだ。マンガみてえにツルツル肌の男なんざそうそういねーよ。
一時期だけ美人なねーちゃんの格好してるからって、よくそれで萌えられるな。
だとしたら、ソイツはプチホモだ。
その自覚がねーか、女男に対する想像力が欠落してんだ。
……何に対して毒づいてんだろうな。
俺だって母親に欲情しちまうド変態なのに。
その母親――サキュバスの咲柚がいねえ世界に俺は来ちまった。まあ、望んでこうなったんだが。
だからというワケじゃねーが、今の俺は小園に惹かれちまっている。決して消去法じゃねえ。
実質、俺にとっての初恋(咲柚除く)……告白こそしてねーが、頭の中は小園でいっぱいだ。これはこれで青少年として健全なんだが。
俺はずっと以前から強くなりてえと思ってた。
"僕ちゃん”の方はそうじゃねーだろうが、野心家の俺がそう願うのは当たり前だ。
結果、俺は”岩清水拓海”の体を乗っ取り、ティッシュマスターとして数体のスペル魔を召喚させた。
裏切り者も出しちまったが、最低限我が身を守れるくらいには成長できた。
挑発した小園にいとも容易くサブミッションを極められた時、強さに対する願望がますます増した。
小園に守られたくねえと思った。
俺が小園を守りてえと思ったんだ。
今もその考えは変わらねえ。
そして絶対にアイツを戦闘の場に出させねえ。
小園は強い。
だが、いつか死ぬレベル。
ヤツの強さは所詮、対人間止まりだ。敵も正攻法で来るとは限らねえ。
俺みてえな飛び道具繰り出す規格外の野郎だって、この先必ず出て来やがる。
尤も、こんなところに来た時点で小園は命を捨ててやがるだろうがな。咲柚の命令を忠実に守るってだけで……。
悔しいが、そこに俺は含まれていねえ。
咲柚の指示がなければ、小園がついて来なかったのは明白だ。
それでもいい。
好きになっちまったモンはしょうがねーだろが。恋愛は惚れた方が負けなんだ。
俺こと岩清水拓海は人を愛せねえ処女には興奮しねえ特性を持つ。
小園佳純は処女じゃねえし、人だって愛せる。
ゆえに俺は小園に興奮できる。
この三段論法に基づき、絶好の標的――小園を思い浮かべてシコシコすりゃいーんだが、どういうワケかこれがうまくいかねえ。
何度試しても、妄想の中の小園は前世で俺が絞殺したあの女に入れ替わりやがる。……何でだ?
謎が解けねえ。
まあ、謎なんて端からねーのかもな。
たまたま二人ともよく似た翡翠のペンダントを身につけてたって事実が俺を惑わせてるだけなんだ。
ん、違うか。
似てるのは翡翠のペンダントだけじゃねえ。
首だ!
だが、顔ならともかく、首なんざそんなに強く印象に残るかよ?
しかも前世の話だぜ。ソイツの名前さえ思い出せねーのに。
えぇい、やめだやめッ!
前世のことなんざ思い出したくもねえ。
今を生きろ。
そして、どうしたら小園を落とせるかを考えやがれ。
フレールに作らせたデッキチェアに寝そべりながら、俺は農作業に励む小園と黒リータをぼんやり眺めている。
今や農作物には困らないくらいの規模になった甲板に二人は真面目に収穫してんのかと思いきや……どうも小園は黒リータの隙を見てツヤツヤのロングストレートを触りまくっている。
性癖だから仕方ねーが、おかげで黒リータの髪は土でドロドロだ。
鬱陶しそうな表情の黒リータだが、割れた眼鏡の奥のまぶたは閉じない。
閉じられねーんだ。完全な人間じゃねーからな。
その黒リータのドロドロ髪を見て、俺は羨ましくさえ思っている。
小園はトリコフィリア――毛髪性愛者だ。
……何で俺の髪を触らねえ?
俺だって伸びてんぞ、髪!
――ハッ!
伸びてるだけじゃ興奮しねえのか。
だったら今の俺みてえなボサボサ髪じゃダメだ。
キューティクルが足んねえ!
それもその筈、戦すりゃどっちかが吸収されて消えちまうんだ。
島(軍艦)化された鴉王の愛人――増えはしねえで減る一方。
そりゃ、遭遇率だって徐々に減るだろ。馬鹿でもわかる。
あの日、二つのレベル3を吸収したのが嘘みてえに平穏な日々が続きやがる。白鬼も白鮫人もこれといった情報掴んでこねーしな。
軍艦レベル7になったフレールの甲板で、やることもねえ俺は日毎夜毎ゴロゴロと寝っ転がって過ごしている。
何で船室に籠んねーかって?
決まってるだろ。籠ったらオナニーしちまうからだよ。
……いや、俺の場合はハンパねえ精子工場の生産力に加えてティッシュマスターの弾を確保するためにも一日五回(ティッシュ1000枚分)ソレやんなくちゃなんねーんだが、さすがに白いの出すネタが尽きちまった。
硬くならねーと、さすがのシコシコマシーンである俺でも精子は出せねえ。半永久的にフニャフニャの肉棒こねくり回してるだけだ。
久々に白衛門の姿をセーコに変えさせ射精したものの、相変わらずの武士言葉で俺を萎えさせるもんだから重ねて利用しようとは思わねえ。
何が「いざ、某の乳を鷲掴みするでござる」だ!
そもそもその乳だって、俺の精子が染み込んだティッシュの塊じゃねーかよ。肉の乳を揉ませろ!
黒リータ?
その巨乳はセーコと違って確かに本物だが、ありゃ寄せ集めの作り物だ。
第一、性格が最悪ときてる。
他種族のチ○コ輪切りにして俺に食わせようとしやがった山姥同然の子分に、俺の愛しい精子が出せるかってんだ!
やっぱ俺は完全な生身の女体が好きだ。
最近は男が女体化したヒロイン(?)モノが好かれる傾向にあるようだが、とどのつまり相手は男じゃねーか。
だってよ、実際はチ○コも生えてりゃキ○タマだってぶら下がってんだぜ? 脛毛も伸びりゃ髭だってほっときゃボーボーになるんだ。マンガみてえにツルツル肌の男なんざそうそういねーよ。
一時期だけ美人なねーちゃんの格好してるからって、よくそれで萌えられるな。
だとしたら、ソイツはプチホモだ。
その自覚がねーか、女男に対する想像力が欠落してんだ。
……何に対して毒づいてんだろうな。
俺だって母親に欲情しちまうド変態なのに。
その母親――サキュバスの咲柚がいねえ世界に俺は来ちまった。まあ、望んでこうなったんだが。
だからというワケじゃねーが、今の俺は小園に惹かれちまっている。決して消去法じゃねえ。
実質、俺にとっての初恋(咲柚除く)……告白こそしてねーが、頭の中は小園でいっぱいだ。これはこれで青少年として健全なんだが。
俺はずっと以前から強くなりてえと思ってた。
"僕ちゃん”の方はそうじゃねーだろうが、野心家の俺がそう願うのは当たり前だ。
結果、俺は”岩清水拓海”の体を乗っ取り、ティッシュマスターとして数体のスペル魔を召喚させた。
裏切り者も出しちまったが、最低限我が身を守れるくらいには成長できた。
挑発した小園にいとも容易くサブミッションを極められた時、強さに対する願望がますます増した。
小園に守られたくねえと思った。
俺が小園を守りてえと思ったんだ。
今もその考えは変わらねえ。
そして絶対にアイツを戦闘の場に出させねえ。
小園は強い。
だが、いつか死ぬレベル。
ヤツの強さは所詮、対人間止まりだ。敵も正攻法で来るとは限らねえ。
俺みてえな飛び道具繰り出す規格外の野郎だって、この先必ず出て来やがる。
尤も、こんなところに来た時点で小園は命を捨ててやがるだろうがな。咲柚の命令を忠実に守るってだけで……。
悔しいが、そこに俺は含まれていねえ。
咲柚の指示がなければ、小園がついて来なかったのは明白だ。
それでもいい。
好きになっちまったモンはしょうがねーだろが。恋愛は惚れた方が負けなんだ。
俺こと岩清水拓海は人を愛せねえ処女には興奮しねえ特性を持つ。
小園佳純は処女じゃねえし、人だって愛せる。
ゆえに俺は小園に興奮できる。
この三段論法に基づき、絶好の標的――小園を思い浮かべてシコシコすりゃいーんだが、どういうワケかこれがうまくいかねえ。
何度試しても、妄想の中の小園は前世で俺が絞殺したあの女に入れ替わりやがる。……何でだ?
謎が解けねえ。
まあ、謎なんて端からねーのかもな。
たまたま二人ともよく似た翡翠のペンダントを身につけてたって事実が俺を惑わせてるだけなんだ。
ん、違うか。
似てるのは翡翠のペンダントだけじゃねえ。
首だ!
だが、顔ならともかく、首なんざそんなに強く印象に残るかよ?
しかも前世の話だぜ。ソイツの名前さえ思い出せねーのに。
えぇい、やめだやめッ!
前世のことなんざ思い出したくもねえ。
今を生きろ。
そして、どうしたら小園を落とせるかを考えやがれ。
フレールに作らせたデッキチェアに寝そべりながら、俺は農作業に励む小園と黒リータをぼんやり眺めている。
今や農作物には困らないくらいの規模になった甲板に二人は真面目に収穫してんのかと思いきや……どうも小園は黒リータの隙を見てツヤツヤのロングストレートを触りまくっている。
性癖だから仕方ねーが、おかげで黒リータの髪は土でドロドロだ。
鬱陶しそうな表情の黒リータだが、割れた眼鏡の奥のまぶたは閉じない。
閉じられねーんだ。完全な人間じゃねーからな。
その黒リータのドロドロ髪を見て、俺は羨ましくさえ思っている。
小園はトリコフィリア――毛髪性愛者だ。
……何で俺の髪を触らねえ?
俺だって伸びてんぞ、髪!
――ハッ!
伸びてるだけじゃ興奮しねえのか。
だったら今の俺みてえなボサボサ髪じゃダメだ。
キューティクルが足んねえ!
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
元四天王は貧乏令嬢の使用人 ~冤罪で国から追放された魔王軍四天王。貧乏貴族の令嬢に拾われ、使用人として働きます~
大豆茶
ファンタジー
『魔族』と『人間族』の国で二分された世界。
魔族を統べる王である魔王直属の配下である『魔王軍四天王』の一人である主人公アースは、ある事情から配下を持たずに活動しいていた。
しかし、そんなアースを疎ましく思った他の四天王から、魔王の死を切っ掛けに罪を被せられ殺されかけてしまう。
満身創痍のアースを救ったのは、人間族である辺境の地の貧乏貴族令嬢エレミア・リーフェルニアだった。
魔族領に戻っても命を狙われるだけ。
そう判断したアースは、身分を隠しリーフェルニア家で使用人として働くことに。
日々を過ごす中、アースの活躍と共にリーフェルニア領は目まぐるしい発展を遂げていくこととなる。
【TS転生勇者のやり直し】『イデアの黙示録』~魔王を倒せなかったので2度目の人生はすべての選択肢を「逆」に生きて絶対に勇者にはなりません!~
夕姫
ファンタジー
【絶対に『勇者』にならないし、もう『魔王』とは戦わないんだから!】
かつて世界を救うために立ち上がった1人の男。名前はエルク=レヴェントン。勇者だ。
エルクは世界で唯一勇者の試練を乗り越え、レベルも最大の100。つまり人類史上最強の存在だったが魔王の力は強大だった。どうせ死ぬのなら最後に一矢報いてやりたい。その思いから最難関のダンジョンの遺物のアイテムを使う。
すると目の前にいた魔王は消え、そこには1人の女神が。
「ようこそいらっしゃいました私は女神リディアです」
女神リディアの話しなら『もう一度人生をやり直す』ことが出来ると言う。
そんなエルクは思う。『魔王を倒して世界を平和にする』ことがこんなに辛いなら、次の人生はすべての選択肢を逆に生き、このバッドエンドのフラグをすべて回避して人生を楽しむ。もう魔王とは戦いたくない!と
そしてエルクに最初の選択肢が告げられる……
「性別を選んでください」
と。
しかしこの転生にはある秘密があって……
この物語は『魔王と戦う』『勇者になる』フラグをへし折りながら第2の人生を生き抜く転生ストーリーです。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる