上 下
106 / 176
第11章 敬意が足んねえ

敬意が足んねえ 1

しおりを挟む
 柔らかい触感……何だコレ? メチャメチャ気持ちいい。
 多分、おっぱいだ。しかもかなりデカい。
 俺のバッキンバッキンに反り勃つムスコメーターがそう教えてくれる。

 目が覚めると、血痕が付着したゴスロリファッションの二代目花子が隣で眠っていた。両目を開けたまま……って、こえぇよッ!!!!

 つーか、何で俺のベッドで眠ってやがんだ! あれほど床で寝ろって釘を刺したのに。

 死んでねーよな? 

 だって、スウスウ寝息立ててるし。
 くっつけたばかりの花子の顔、今や完全にコイツのモノだ。まばたき停止を除いたら。
 一気にムスコメーターがトゥ~ンと元鞘に収まったところで、俺は二代目を揺すり起こした。

「オイ、起きろッ! 犯すぞ!」

 遠慮なく巨乳を鷲掴みして揉みまくったが、ちっとも起きる兆しがねえ。自分の部屋みたいに爆睡してやがる。
 コイツ、俺の側につくとか言ってなかったか? 
 まあ、あながち間違っちゃいねーけどよ。側についてるだけで、俺の面倒みなきゃマジでお払い箱にすんぞ?

「おはようでござる」

 ドアを背に胡坐をかいてる白衛門が挨拶する。
 おお、オマエもいたんだな。人が乳揉んでるところ見てんじゃねーよ。

「今、何時だ?」
「あと半時ほどで正午でござるよ」

 確か今日って平日だよな。義務教育とか出席日数とかいう概念、完全にどっかいっちまった。

「ああ、よく寝たわ。……ヨコヤ魔、起こしに来なかったか?」
「誰も呼びに来んでござる」
「あっそ」

 ヨコヤ魔もそうだけど、咲柚からは必ず呼ばれると思ってたから少し拍子抜けだ。
 別にいいけどよ。逆に睡眠邪魔されたらブチ切れるところだ。

「さーてと、じゃあ飯催促しにヨコヤ魔んとこ行くか。ついでに、いろいろと話もしねーとな。……オマエも来い。用心棒だ」
「御意。……種主様、その娘御はどうするでござるか?」

 このまま放置……とも思ったが、勝手に屋敷の中をうろつかれても困るしな。
 無頓着な咲柚が宇宙服のメイド共にコイツの存在を伝えてる筈ねーし、それにコイツをヨコヤ魔に見せることでダンジョンで何が起こったかを説明しやすい。

「連れてくよ」

 だが、その前にこの寝ぼすけを起こさなきゃなんねえ。どうすりゃいい? 
 脱がしたら起きるかな。

 改めて二代目花子を観察してみる。
 イイ女だ。
 ダテにいろんな人間のパーツを選りすぐって造った体じゃねえ。多分、日本人だけじゃねーだろ。
 このオトナの体に猫助のロリフェイスはアンバランス……結果的に、花子の顔にしたのは正解だ。
 それにしても、花子が眼鏡を外したらこんなに化けるとは思わなかった。
 ヤベ! また俺のムスコが反応してきやがった。

 ……マジでヤるか?

 俺を悩ませるニオイは発してねーし、コイツはいわば俺直属の部下みたいなモンだ。
 命令すれば断れねーだろ。

 ただコイツ……冷静に考えれば、元猫で人間の死体の寄せ集めなんだよな。
 童貞卒業と引き換えに、獣姦と死姦を同時に経験しちまうのか?
 そう考えたら、また萎えてきた。
 何てこった。当分、”僕ちゃん”みてーにティッシュに頼らなきゃなんねーのかよ。

 それに、いくら美人でもまばたきしない女は気持ち悪い。
 猫助もダンジョンで一瞬こうなったよな。
 おそらく挿げ替えのメスの魔力がそうさせてんだろうが、せめて寝てる時くらい目ぇ閉じやがれ! それか、アイマスク!
 もはや直視できなくなった。吐きそうだ。
 
 そうだ! 初代花子の眼鏡を掛けさせれば少しはマシになるかも。
 
 眼鏡、眼鏡……チッ、机に置いたか。
 俺はしかめっ面でベッドから離れて机に向かう。
 
「悪い、白衛門。コイツ起こしてくれ」
「御意」

 俺と入れ替わるように、白衛門がベッドに近づいたところでピタッと止まる。

「種主様」
「何だ?」
「この娘御、何とお呼び致そう?」
「名前? そんなもん”二代目花子”で十分だろ?」
「そうはいかんでござる。花子殿は花子殿……いくら花子殿と顔が同じとて、この娘御は全くの別人でござるよ」
「人ですらねーけどな」

 そうは言いつつ、白衛門に折れるワケじゃないが、確かに”二代目花子”は呼ぶに煩わしい。
 ここはひとつ、コイツの主人として名前をつけてやるか。

「わかったよ、ちょっと待て。……えーと、元はマンチカンって言ってたよな。マンチカンの花子だから”マン子”でどうよ?」
「白のティッシュで成り立つ某も、さすがにそれだと赤面してしまうでござる。他にござらんか?」
 
 生意気なヤツだ。にべもなく否定しやがった。

「じゃあ、マンチカンの花子だから”マン”は?」
「たいして変わらんでござる」
「マンチカンの花子でマンはな
「種主様」
「ああ?」
「意見するつもりはござらんが、もはや”マン”は却下でござる。卑猥な淫語しか想像できんゆえ」
「馬鹿か? オメーが勝手に想像してるだけだ。言っとくが、俺はそんなつもりで提案してねーからな?」
「疑わしいでござるな」

 立派に意見してんじゃねーか! 将来の魔王に何て口を利きやがる!

 と憤りつつ、何とかコイツに俺のネーミング・センスを認めさせたい。
 怒鳴り散らすのはいつでもできるからな。
 
 目当ての眼鏡を持ちながら、俺は脳漿のうしょうを絞る。

「そんじゃ、オメーは白いから白衛門……コイツは黒のゴシックロリータだから”くろリータ”ってのは?」



「ソレいいです! 決まり!」
 
 

 いきなりベッドから飛び起きた二代目花子……もとい、黒リータは俺を指さしてそう言った。


 ……聞いてやがったのか。
 
 てか、オメーら、誰に向かって……我慢の限界に達した俺がそう叫ぼうとした時だった。


 誰かが部屋をノックした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

処理中です...