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ワニ
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「……な、泣ける。よし、合格だ!」
「そこは笑えッ! 泣かす積もりで書いたんじゃねえッ!」
「少なくとも、おまえの話と絵は私の心に響いた。これが真の"絵心"だ。……約束通り私は消えるし、おまえの嫁もここへ戻してやろう」
「マジかよ! だけどあのブチギレた嫁を戻すのは至難の業だぞ? おまえが服を郵送しちまって火に油を注いでるし」
「フフフ、策はある。名づけて"ヘンゼルとグレーテル作戦"だ」
「……何だ、そりゃ?」
「森の中で迷子にならないよう、目印にパン屑を置く……それをやればいい。いや、実はおまえに内緒で既に実行済みだ。感謝しろ。そのうち嫁はここに戻る」
「……? さっぱりわからん。おまえは嫁に何をしたんだ?」
「おまえの嫁は無類のウニ・イクラ好きだからそれを利用したまでよ。実家の玄関先から1メートル間隔でウニとイクラの寿司をここまで置いてきた。玄関を出たおまえの嫁はそれを見つけ、あとは本能のままにここへと帰ってくるであろう」
「頭悪いーなッ! 僕の嫁はワニ並みの脳しかねーのかよ!!!」
「ただいま」
「……………ッ!!!! お、お、おかえり……なさい」
信じられないが、エビスの言った通りになった。
それ以来、絵画を司る文芸の女神が僕の前に現れることは二度となかった。
「そこは笑えッ! 泣かす積もりで書いたんじゃねえッ!」
「少なくとも、おまえの話と絵は私の心に響いた。これが真の"絵心"だ。……約束通り私は消えるし、おまえの嫁もここへ戻してやろう」
「マジかよ! だけどあのブチギレた嫁を戻すのは至難の業だぞ? おまえが服を郵送しちまって火に油を注いでるし」
「フフフ、策はある。名づけて"ヘンゼルとグレーテル作戦"だ」
「……何だ、そりゃ?」
「森の中で迷子にならないよう、目印にパン屑を置く……それをやればいい。いや、実はおまえに内緒で既に実行済みだ。感謝しろ。そのうち嫁はここに戻る」
「……? さっぱりわからん。おまえは嫁に何をしたんだ?」
「おまえの嫁は無類のウニ・イクラ好きだからそれを利用したまでよ。実家の玄関先から1メートル間隔でウニとイクラの寿司をここまで置いてきた。玄関を出たおまえの嫁はそれを見つけ、あとは本能のままにここへと帰ってくるであろう」
「頭悪いーなッ! 僕の嫁はワニ並みの脳しかねーのかよ!!!」
「ただいま」
「……………ッ!!!! お、お、おかえり……なさい」
信じられないが、エビスの言った通りになった。
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