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備えあれば憂いなし(2014年11月14日)
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昨日は北白川先生の思い出話だけで一分が過ぎてしまった。
けれど、一昨日の三題噺の意味はよくわかった。北白川先生が山下先生を好きになった経緯も。
「……で、ジャパンカップとやらには行ったんですか?」
「渡辺、目を輝かせるな。行くワケないだろう。それ以来、まともに喋ってもないのに」
ウソ、と呟く沼尻さん。
「それって一年も前でしょ? いくら何でもビビリ過ぎ」
「わかっている。だから、いつ誘われてもいいよう、後学のため密かに馬券を買うようになったのだ。『備えあれば憂いなし』……一歩踏み込んだ自分を褒めてやりたい」
「踏ミ込ンデナイジャーン」
シャンティの言う通り。
山下先生はもはや誘った記憶もないだろう。
「今度、競馬っていつあるんだ?」
鬼束君もコイバナに参戦か。
「G1は明後日だ。エリザベス女王杯」
「じゃあ、山下先生と行って来れば?」
「京都だぞ。日帰りはしんどい」
「泊まればいいじゃんか」
「……」
北白川先生、顔真っ赤。
けれど、一昨日の三題噺の意味はよくわかった。北白川先生が山下先生を好きになった経緯も。
「……で、ジャパンカップとやらには行ったんですか?」
「渡辺、目を輝かせるな。行くワケないだろう。それ以来、まともに喋ってもないのに」
ウソ、と呟く沼尻さん。
「それって一年も前でしょ? いくら何でもビビリ過ぎ」
「わかっている。だから、いつ誘われてもいいよう、後学のため密かに馬券を買うようになったのだ。『備えあれば憂いなし』……一歩踏み込んだ自分を褒めてやりたい」
「踏ミ込ンデナイジャーン」
シャンティの言う通り。
山下先生はもはや誘った記憶もないだろう。
「今度、競馬っていつあるんだ?」
鬼束君もコイバナに参戦か。
「G1は明後日だ。エリザベス女王杯」
「じゃあ、山下先生と行って来れば?」
「京都だぞ。日帰りはしんどい」
「泊まればいいじゃんか」
「……」
北白川先生、顔真っ赤。
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