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濡れ手で粟(2014年11月13日 【2013年11月某日 回想】)
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「キタシラカワ、来ないかな」
「え……?」
「あ、違うんです。先生じゃなくて馬ですよ」
「馬……」
「ほら、競馬新聞にも載ってる。キタシラカワブーケ……今度のエリザベス女王杯に出走する牝馬です」
「はあ」
「もしかして、オレを軽蔑してます?」
「いえ……お昼休みですし……」
「でしょ? 別にいいですよね。木津川先生はうるさいんだよな。生徒指導主事だからってオレにまでガミガミと」
「……」
「ああ、お食事中すいません。美味そうな弁当ですね」
「……残り物です」
「ちくわパンと交換しません? 冗談です。ところで二十四日、お暇ですか?」
「……?」
「東京でジャパンカップがあるんです。初心者の北白川先生が側にいたら勝てそう」
(ビギナーズラック……濡れ手で粟?)
「オレの勝利の女神になっ……イテテッ!」
「山下先生、校内で博打予想にナンパとはいい度胸だ。ちょっと来い」
「わ、わかりました木津川先生! 耳離してください!」
「え……?」
「あ、違うんです。先生じゃなくて馬ですよ」
「馬……」
「ほら、競馬新聞にも載ってる。キタシラカワブーケ……今度のエリザベス女王杯に出走する牝馬です」
「はあ」
「もしかして、オレを軽蔑してます?」
「いえ……お昼休みですし……」
「でしょ? 別にいいですよね。木津川先生はうるさいんだよな。生徒指導主事だからってオレにまでガミガミと」
「……」
「ああ、お食事中すいません。美味そうな弁当ですね」
「……残り物です」
「ちくわパンと交換しません? 冗談です。ところで二十四日、お暇ですか?」
「……?」
「東京でジャパンカップがあるんです。初心者の北白川先生が側にいたら勝てそう」
(ビギナーズラック……濡れ手で粟?)
「オレの勝利の女神になっ……イテテッ!」
「山下先生、校内で博打予想にナンパとはいい度胸だ。ちょっと来い」
「わ、わかりました木津川先生! 耳離してください!」
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