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第6章
チルの会議 10
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――何者だ? 儂の眠りを妨げる不届き者は?
――やっと通じたか。ウチはナニワームのヒエンや。オマエに用がある。
――ナニワーム? 嘘をつくな。貴様の声は大陸……シバルウの主城から聞こえるぞ。
――すごいな。当たりやで。ウチは今、オマエが今朝来た見張り塔におる。
――儂に用とは貴様も死にたがっておるクチか?
――その通りや。明日の朝、ウチを咥えにここへ来い。
――儂に命令するな! だが、明朝ならかまわんぞ。ちょうどそこへ向かう予定だからな。
――ダストは無事やろな?
――何のことだ?
――とぼけるな。オマエが今朝連れてった少年や。そっちでクイーンと交渉したはずや。
――ミチルが喋ったのか?
――オマエらはもうミチルを捨てたやろ。ミチルが何喋ろうがオマエらにはもう関係ない。
――確かに捨てた。アイツも所詮は人間だ。竜族にとって人間は憎んでも憎みきれんからな。
――だからダストを墜死させるんか?
――悪いか? あの小僧、上機嫌だぞ。我が妻とすっかり打ち解けたと勘違いしておる。
――我が妻? クイーンのことか。何でそこまで人間を憎む?
――愚問。
――精霊と竜が平和に暮らしてた世界を人間が汚したからか?
――わかっているなら訊くな! 人間の図々しさ浅ましさには反吐が出る。抹殺あるのみだ。
――それがホンマやったら、オマエらはミチル含めて大チョンボ犯してもうたな。
――どういうことだ?
――気づかんのか? オマエもクイーンも……。
――我が妻はただの人間だ。"不易の玉座"で不老になるも、小竜を産む操り人形に過ぎん。
――コリュウ? それって海トカゲ……シーリザードのことやな?
――貴様に説明する義務はない。
――つれないやっちゃ。ほんなら無理には訊かんわ。起こして悪かったな。ウチも寝るし。
――待て。
――何や?
――大チョンボの意味を教えてもらおう。
――そっくりそのまま返したる。ウチがオマエに説明する義務なんかあらへん。
――おい、娘。人間の分際でつけあがるなよ。どうせ大した意味もないのだろう。
――そうやで。オマエが思てる通りや。ほな、オヤスミ!
――ガキを殺すぞ!
――何を今更。元々、明日になったらダストを背中から落とすんやろ。
――貴様の話次第だ。単なるハッタリならガキは予定通り死ぬことになる。
――殺してみい。殺してから言うたるわ。
――貴様の望みは何だ?
――態度を軟化させたな。ウチの要求はオマエにとって悪い話やない。生贄の交換や。
――貴様とガキをか? それはできんな。ガキも貴様と同日、同じ儀式で死んでもらう。
――オマエ、ホンマに頭悪いな。埒が明かんから教えたるわ。ダストは人間ちゃうで。
――何かと思えば……。くだらんな。あのガキは精霊の血を引くとでも言いたいのか?
――そうや。アホのオマエは盟友の血筋を継ぐダストを見世物にして殺そうとしてるんや。
――笑わせる。精霊と人間の混血児は葉人族だ。儂にはあのガキの肌色が緑に見えんな。
――オマエの知識はそこまでか。爬虫類の脳ミソならそれで限界かもしれんな。
――何だと? 貴様、それ以上誇り高き竜族を愚弄するな!
――聞け。ダストは葉人族と人間の間に生まれたんや。当然、血統上は精霊の子孫に当たる。
――くだらん。そんな作り話を儂が信じると思うか?
――信じる信じんはオマエの自由。オマエはウチの忠告無視して精霊の子孫を殺すだけや。
――葉人族は人間の血を引く己を恥じている。ならば、人間なんぞと交わるはずがない。
――禁断の恋ほど燃えるんやろ。ウチは葉人族から直接この耳で聞いたから間違いない。
――娘よ。取り引きはナシだ。これ以上、貴様の三文芝居につき合ってられんわ。
――別にかまわんで。竜と精霊がいがみ合う原因を作ったオマエは一族追放やろな。
――作り話ではないという根拠に乏しい。信じてほしければ証拠を提示しろ。
――戸籍謄本なんかあらへん。ウチの話が証拠や。尤も、オマエは何言うても疑うやろ?
――あのガキは普通の人間だ。精霊のどんな能力を引き継いでいるのか答えてみろ。
――聴覚や。オマエの飛来を告げる角笛を逸早く耳にできる。けど、その能力はもうない。
――それは残念だな。結局は何も証明できんではないか。
――カタリウムを呼び寄せる歌を歌った。人間にそんなことができるか?
――カタリウムを? それは不可能だ。それ以前に何故、オマエがその存在を知っている?
――気になるんやったら見に来いや。オマエの目の前で好きなだけ見せたるわ。
――よかろう。貴様のその減らず口、この儂が永遠に封じることを約束しよう。
――おもろすぎる。……その言葉、しっかり肝に銘じとくわ。オマエも忘れんなよ。
――もう一度言う。取り引きはナシだ。タダの人間に過ぎんガキは殺す。勿論、貴様もな。
――交渉決裂か。上等や。ウチからはもう何もない。寝る。オマエもクソして寝ろ!
――き、貴様……この虫ケラめがッ!
***********************************
目を開けると、いつの間にか夜になっていた。
風が強い。
昨夜同様に綺麗な丸い月がよく見える。
今頃はダストも火山島でこの夜空に浮かぶ月を気分よく眺めているだろう。
(――うッ!)
正座を解いて立ち上がろうとしたが、あまりの激痛にヒエンはその場で崩れてしまった。
「ヒ、ヒエン殿! 大丈夫ですか?」
その声に驚くヒエン。
ルクだ。
肩に触れられたヒエンはその手を乱暴に払いのける。
「何してんねん! オマエ、とっくに交替の時間ちゃうんか?」
「ビショプとナトーは下がりました。交替の者はそこで見張りをしています。私は……私の意思でここに残っているのです」
「オマエも今すぐ失せろ。目障りや!」
しかし、ルクは哀しそうにヒエンを見つめたままそこから動こうとはしない。
「私はあの童女ほどヒエン殿のことを存じ上げておりません。なので、どれほど罵声を浴びたところでショックは受けませんよ」
そこでヒエンはハッとなった。
「モ、モブランはどうなった?」
「ご心配なく。ヒエン殿の仰った通り、我々は童女を捕らえるどころか我々以外、誰もその姿を見ておりません。一応、上官に『眼鏡を掛けた童女が主城に侵入した』と報告したのですが、鼻で笑われ腹を殴られました。『任務中に酒でも飲んでいるのか』と……」
それを聞いたヒエンは心から安堵した。
モブランのことだから心配無用だとは思いつつ、無事に主城を出たことがわかってホッとせずにはいられなかった。
その顔を見たルクは嬉しそうに微笑んだ。
「何やねんな? 腹殴られておかしなったんか?」
「いえ、お気になさらず」
「あ、すまんかったな。ウチらを庇ったせいで……」
「ほら、やっぱり」
「だから何やねん、それ。気になるっちゅうねん」
「私にはわかるのです。ヒエン殿が誰よりも優しい女性だということを」
褒められると弱い。
照れを隠すようにヒエンは無理やり自力で立ち上がると、屈伸して膝の痛みを確かめた。
痛くないはずがない。
けれどもこの痛みのおかげでヒエンは克己し、竜をも言い負かすことができた。
ヒエンから一方的に交信を打ち切ったことで、竜はもはや眠れぬ夜を過ごしていることだろう。
主導権は間違いなくヒエンの手にある。
策はある。
竜との交信でそれを得た。
全てが順調にいけば、人類にとっての"世界の均衡"は本当に保てるかもしれない。
後は竜がどう動くかである。
だが、眠れぬ夜を過ごすのは竜ばかりではない。
敵を挑発したヒエン自身も、もはや眠りに就ける精神状態ではなかった。
待ち続けるのは苦痛だが、膝の痛みが回復できるのは唯一ありがたい。
(膝はほっといたら治まるけど、問題は右手やな)
無意識とはいえ、自傷行為とは馬鹿な事をしたものだ。
ルクの素早い処置のおかげで止血しているものの、分厚く巻かれた切れ端のせいで右手を強く握れない。
(……やっぱ、邪魔やな。傷口からバイキン入るけどしゃあないわ)
ヒエンが乱暴にそれを解いていると、ルクの何とも言えない悲愴な面持ちに気がついた。
「オマエの気持ち、ありがたくもらっとくで」
血の滲んだサーコートの切れ端を掲げ、ヒエンはそれを額にグルリと巻いた。
「もう何も言わん。ウチの側におったらええ」
「ヒ、ヒエン殿!」
感極まったルク、嗚咽で声にならなかった。
「少なくとも、退屈はせんやろ」
ルクの鉢巻で気合いを注入したヒエンは、ひたすら夜が明けるのを待つ。
――何者だ? 儂の眠りを妨げる不届き者は?
――やっと通じたか。ウチはナニワームのヒエンや。オマエに用がある。
――ナニワーム? 嘘をつくな。貴様の声は大陸……シバルウの主城から聞こえるぞ。
――すごいな。当たりやで。ウチは今、オマエが今朝来た見張り塔におる。
――儂に用とは貴様も死にたがっておるクチか?
――その通りや。明日の朝、ウチを咥えにここへ来い。
――儂に命令するな! だが、明朝ならかまわんぞ。ちょうどそこへ向かう予定だからな。
――ダストは無事やろな?
――何のことだ?
――とぼけるな。オマエが今朝連れてった少年や。そっちでクイーンと交渉したはずや。
――ミチルが喋ったのか?
――オマエらはもうミチルを捨てたやろ。ミチルが何喋ろうがオマエらにはもう関係ない。
――確かに捨てた。アイツも所詮は人間だ。竜族にとって人間は憎んでも憎みきれんからな。
――だからダストを墜死させるんか?
――悪いか? あの小僧、上機嫌だぞ。我が妻とすっかり打ち解けたと勘違いしておる。
――我が妻? クイーンのことか。何でそこまで人間を憎む?
――愚問。
――精霊と竜が平和に暮らしてた世界を人間が汚したからか?
――わかっているなら訊くな! 人間の図々しさ浅ましさには反吐が出る。抹殺あるのみだ。
――それがホンマやったら、オマエらはミチル含めて大チョンボ犯してもうたな。
――どういうことだ?
――気づかんのか? オマエもクイーンも……。
――我が妻はただの人間だ。"不易の玉座"で不老になるも、小竜を産む操り人形に過ぎん。
――コリュウ? それって海トカゲ……シーリザードのことやな?
――貴様に説明する義務はない。
――つれないやっちゃ。ほんなら無理には訊かんわ。起こして悪かったな。ウチも寝るし。
――待て。
――何や?
――大チョンボの意味を教えてもらおう。
――そっくりそのまま返したる。ウチがオマエに説明する義務なんかあらへん。
――おい、娘。人間の分際でつけあがるなよ。どうせ大した意味もないのだろう。
――そうやで。オマエが思てる通りや。ほな、オヤスミ!
――ガキを殺すぞ!
――何を今更。元々、明日になったらダストを背中から落とすんやろ。
――貴様の話次第だ。単なるハッタリならガキは予定通り死ぬことになる。
――殺してみい。殺してから言うたるわ。
――貴様の望みは何だ?
――態度を軟化させたな。ウチの要求はオマエにとって悪い話やない。生贄の交換や。
――貴様とガキをか? それはできんな。ガキも貴様と同日、同じ儀式で死んでもらう。
――オマエ、ホンマに頭悪いな。埒が明かんから教えたるわ。ダストは人間ちゃうで。
――何かと思えば……。くだらんな。あのガキは精霊の血を引くとでも言いたいのか?
――そうや。アホのオマエは盟友の血筋を継ぐダストを見世物にして殺そうとしてるんや。
――笑わせる。精霊と人間の混血児は葉人族だ。儂にはあのガキの肌色が緑に見えんな。
――オマエの知識はそこまでか。爬虫類の脳ミソならそれで限界かもしれんな。
――何だと? 貴様、それ以上誇り高き竜族を愚弄するな!
――聞け。ダストは葉人族と人間の間に生まれたんや。当然、血統上は精霊の子孫に当たる。
――くだらん。そんな作り話を儂が信じると思うか?
――信じる信じんはオマエの自由。オマエはウチの忠告無視して精霊の子孫を殺すだけや。
――葉人族は人間の血を引く己を恥じている。ならば、人間なんぞと交わるはずがない。
――禁断の恋ほど燃えるんやろ。ウチは葉人族から直接この耳で聞いたから間違いない。
――娘よ。取り引きはナシだ。これ以上、貴様の三文芝居につき合ってられんわ。
――別にかまわんで。竜と精霊がいがみ合う原因を作ったオマエは一族追放やろな。
――作り話ではないという根拠に乏しい。信じてほしければ証拠を提示しろ。
――戸籍謄本なんかあらへん。ウチの話が証拠や。尤も、オマエは何言うても疑うやろ?
――あのガキは普通の人間だ。精霊のどんな能力を引き継いでいるのか答えてみろ。
――聴覚や。オマエの飛来を告げる角笛を逸早く耳にできる。けど、その能力はもうない。
――それは残念だな。結局は何も証明できんではないか。
――カタリウムを呼び寄せる歌を歌った。人間にそんなことができるか?
――カタリウムを? それは不可能だ。それ以前に何故、オマエがその存在を知っている?
――気になるんやったら見に来いや。オマエの目の前で好きなだけ見せたるわ。
――よかろう。貴様のその減らず口、この儂が永遠に封じることを約束しよう。
――おもろすぎる。……その言葉、しっかり肝に銘じとくわ。オマエも忘れんなよ。
――もう一度言う。取り引きはナシだ。タダの人間に過ぎんガキは殺す。勿論、貴様もな。
――交渉決裂か。上等や。ウチからはもう何もない。寝る。オマエもクソして寝ろ!
――き、貴様……この虫ケラめがッ!
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目を開けると、いつの間にか夜になっていた。
風が強い。
昨夜同様に綺麗な丸い月がよく見える。
今頃はダストも火山島でこの夜空に浮かぶ月を気分よく眺めているだろう。
(――うッ!)
正座を解いて立ち上がろうとしたが、あまりの激痛にヒエンはその場で崩れてしまった。
「ヒ、ヒエン殿! 大丈夫ですか?」
その声に驚くヒエン。
ルクだ。
肩に触れられたヒエンはその手を乱暴に払いのける。
「何してんねん! オマエ、とっくに交替の時間ちゃうんか?」
「ビショプとナトーは下がりました。交替の者はそこで見張りをしています。私は……私の意思でここに残っているのです」
「オマエも今すぐ失せろ。目障りや!」
しかし、ルクは哀しそうにヒエンを見つめたままそこから動こうとはしない。
「私はあの童女ほどヒエン殿のことを存じ上げておりません。なので、どれほど罵声を浴びたところでショックは受けませんよ」
そこでヒエンはハッとなった。
「モ、モブランはどうなった?」
「ご心配なく。ヒエン殿の仰った通り、我々は童女を捕らえるどころか我々以外、誰もその姿を見ておりません。一応、上官に『眼鏡を掛けた童女が主城に侵入した』と報告したのですが、鼻で笑われ腹を殴られました。『任務中に酒でも飲んでいるのか』と……」
それを聞いたヒエンは心から安堵した。
モブランのことだから心配無用だとは思いつつ、無事に主城を出たことがわかってホッとせずにはいられなかった。
その顔を見たルクは嬉しそうに微笑んだ。
「何やねんな? 腹殴られておかしなったんか?」
「いえ、お気になさらず」
「あ、すまんかったな。ウチらを庇ったせいで……」
「ほら、やっぱり」
「だから何やねん、それ。気になるっちゅうねん」
「私にはわかるのです。ヒエン殿が誰よりも優しい女性だということを」
褒められると弱い。
照れを隠すようにヒエンは無理やり自力で立ち上がると、屈伸して膝の痛みを確かめた。
痛くないはずがない。
けれどもこの痛みのおかげでヒエンは克己し、竜をも言い負かすことができた。
ヒエンから一方的に交信を打ち切ったことで、竜はもはや眠れぬ夜を過ごしていることだろう。
主導権は間違いなくヒエンの手にある。
策はある。
竜との交信でそれを得た。
全てが順調にいけば、人類にとっての"世界の均衡"は本当に保てるかもしれない。
後は竜がどう動くかである。
だが、眠れぬ夜を過ごすのは竜ばかりではない。
敵を挑発したヒエン自身も、もはや眠りに就ける精神状態ではなかった。
待ち続けるのは苦痛だが、膝の痛みが回復できるのは唯一ありがたい。
(膝はほっといたら治まるけど、問題は右手やな)
無意識とはいえ、自傷行為とは馬鹿な事をしたものだ。
ルクの素早い処置のおかげで止血しているものの、分厚く巻かれた切れ端のせいで右手を強く握れない。
(……やっぱ、邪魔やな。傷口からバイキン入るけどしゃあないわ)
ヒエンが乱暴にそれを解いていると、ルクの何とも言えない悲愴な面持ちに気がついた。
「オマエの気持ち、ありがたくもらっとくで」
血の滲んだサーコートの切れ端を掲げ、ヒエンはそれを額にグルリと巻いた。
「もう何も言わん。ウチの側におったらええ」
「ヒ、ヒエン殿!」
感極まったルク、嗚咽で声にならなかった。
「少なくとも、退屈はせんやろ」
ルクの鉢巻で気合いを注入したヒエンは、ひたすら夜が明けるのを待つ。
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