人を咥えて竜が舞う

『竜は南より飛来し、人を咥えて南へと戻る。海トカゲもまた南より渡りて人を喰らう。是即ち海トカゲもまた人なり』

精霊と竜が退き人間が君臨する世界。
たった一頭残った竜が人間を毎日一人ずつ咥えて、どこかへ連れ去る日々が三百年以上も続いていた。
大陸を統べるシバルウ十六世の寵愛を受ける巫女のチルは、護身術を学ぶため属国ナニワームの捕縄術師範代である十八歳の少女――ヒエンを王城へ呼び寄せるが……。

表紙のイラストはあっきコタロウ様に描いてもらいました。
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