車にはねられて死んで気づいたらツンデレイケメンや新選組と共に霊界の裁判所で仕事をさせられてた話〜松山勇美の霊界異聞奇譚〜 番外編＋α

キャラ紹介と解説、裏話

番外編についての裏話

・紫式部とたかむらの逸話はほぼ番外編で書いた通りです。初めてこの逸話を知った時は「墓を移動させるなんて当時の人達は意外とロックなこと考えるんだな！」とびっくりしたのを今でも覚えています。

・歴史と古典オタクの良順は源氏物語を原文でも現代文でも読んだと言っていますが、私自身はどうなのかというと、元々古典は苦手だったのでもちろん原文は読めず、現代文で書かれた小説も難しくて挫折(当時中学生ぐらいだったのもある)では、何で内容を知ったかというと「あさきゆめみし」という少女漫画でした。

当時は中学生か高校生だったと記憶しているのですが、光の君が多くの女性と次々に関係していく様子を目の当たりにし、多感な思春期だった事もあってかなりの衝撃を受けつつもドキドキしながら読み進めていったのを今でも覚えています。しかし、登場人物が多い事とその人間関係がかなり複雑だったので今となっては断片的な記憶しかなく、近々読み直してみようと思っているところです。

では、番外編の中での平安貴族のオタク達やたかむらと良順の会話は何を参考にしたのかというと、先日までNHK Eテレで放送されていたある番組です。源氏物語の中で光の君が愛した女性達を紹介する番組だったのですが、長年源氏物語を研究している大学教授による講義と、講談師による光の君と女君達のエピソードの紹介が非常に分かりやすく、小説の参考にするだけでなく勉強にもなりました。

末摘花と花散里は番組で紹介がなかったので「あさきゆめみし」で読んだ断片的な記憶とWikipediaを参考にしました。

・土方さんの俳句ネタはどこかで書きたいと思っていたのですが、思わぬところで良いネタになって良かったです。実際、紫式部が土方さんの俳句を詠んだらどう思うかというのは気になるところですが、彼の句はプロの方々(俳人や歌人)からするとお世辞にも上手いとは言えないようなので、恐らく紫式部も低評価をくだすのではないかと思われます。

・良順が歌っていた♪シキシキブンブン♪という曲はレキシというアーティストによる紫式部について歌った「SHIKIBU」という曲です。レキシはその名の通り日本史をテーマにした曲を手掛けているのですが、歴史の勉強になるだけではなく音楽としてもとてもクォリティが高く、とにかく素晴らしいアーティストです。

日本史ファンというだけではなくイチ音楽ファンとしても私はレキシの曲が大好きで、この作品を書いている時もBGMにしたり、物語やキャラ作りの参考にもしました。番外編で紫式部の話を書くと決めてから「登場人物の誰かに絶対にこの曲を歌わせたい！紫式部本人に聞かせたい！」と思っていたので、実現できて満足しています。

勇美ではなく良順に登場してもらったのは、物語をコメディにしたかったのが一番の理由ですが、勇美よりも良順の方がこの曲を歌いそうだなと思ったというのもあります笑　後日、詳しくレキシについて紹介記事を書きたいと思っています。

・本編では土方さんの事を怖がっていた良順ですが、約一年を経て少し関係性が変わり、からかったり冗談を言えるようになりました。それは良順自身の成長と土方さんの性格が更に丸くなり寛大になったという事です。彼のキャラ紹介で「晩年の土方さんは性格が丸くなったと言われている」と書きましたが、あの戦争で彼が生き残っていたら恐らくもっと穏やかになったのではないかという私自身の予想と願望を詰め込んだ感じです笑

・近藤さんが昔付き合っていた女子に言われたことを根に持っているというくだりは女子の台詞も含めて私の創作なのであしからず(近藤さん、ゲンコツをネタにしてごめんなさい笑)

・近藤さんと土方さんが源氏物語を読んだ事があるかどうかは分かりませんが、読んでいたらどういう感想を抱くのか？お気に入りの女君はいるのか？などなど気になるところです。

本編のあとがきにも書きましたが、長い間書きたいと思っていたので今回ようやく実現できて良かったです。それに、新選組を登場させたことで逸話に斬新な要素を加える事が出来たという意味でも個人的にとても満足しています。読んでくださった皆様にも少しでも楽しんで頂けていたなら幸いです。