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春の朝

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この曲も大人になってから魅力に気付いた曲だ。

元プリンセスプリンセスの奥居香が提供したアルバム曲。曲だけを持って行ったところ奥田民生に「曲だけじゃスキーウエアの上着しか買えないよ。ズボンも欲しいだろうに」と言われ、当時スキーにハマっていた彼女が後から歌詞を付けた、という逸話がある。

春、一人きりの朝を迎えた女の子がもう彼はいない、とセンチメンタルに浸る失恋ソングだ。私はてっきり奥田民生が作ったのだと思っており、女の子目線の失恋ソングなんて作れるのか~なんて思っていたので、奥居香が作ったと知った時は「やっぱり奥田民生がこういう曲を作るはずないか」と思ったのだった。

プリンセスプリンセスといえばMという失恋ソングが有名だが、この曲はそれを彷彿とさせる。Mの作詞は奥居香ではないが、作曲は同じだ。もしかしたら、曲だけを聞いた奥田民生は「自分が詞を書くよりも彼女が書いた方が良いものができる」と感づいたのではないだろうか。その結果、PUFFYらしい気取らない感じの素直な失恋ソングが出来上がった。感情を全面に押し出すように歌い上げるのではなく、春の朝に静かに涙を零すような柔らかな雰囲気がPUFFYの二人にとても合っていると思う。
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