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物語に関係のない設定を考えることは必要だろうか?という話。
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「この家族はなんで団地に引っ越しして来たんだ?一軒家を売ったのか?」
これは、あるドラマを見ていた旦那が何気なく言ったひとことだ。
そのドラマはお節介な主人公が団地の住人に迷惑がられながらも信頼関係を結んでいく物語だ。旦那の疑問はこのメインテーマには全く関係がない。なので、私は思い付きもしなかった。旦那は他にも
「小学生の子供がいる若い家族がどういう理由で団地に越してきたのか」
「この団地は分譲なのか?賃貸なのか?」
など、物語には関係のない疑問を次々に挙げていた。ドラマに集中していた私は段々とイライラしてきて「知らないよそんな裏設定なんか!気になるなら調べてみたらいいじゃん!」とブチ切れてしまった。旦那は、なんで怒ってるんだろう?というような顔をして、必死にスマホで検索をしていた。
しかし、結局分かったのはロケ地が多摩ニュータウンの分譲マンションだということだけ。ドラマの内容には全く関係のない情報である。もしかしたら、初回の一番最初に「なんでここに引っ越ししてきたのか」という理由ぐらいは説明があったのかもしれない。しかし、初回の序盤なんて大体流し見てるので、視聴者は大抵覚えていないものだ。
作品における登場人物達の設定。それは加減がとても難しいものである。小説やシナリオを書いている私自身もそれは常々思っていることだ。あるクライアントからの注意事項には「物語に直接関係のない設定は書かないように」と書かれているぐらいだ。何故か。それは、最初に挙げた私と旦那の会話に答えはある。
視聴者(読者)はその物語の本筋(メインテーマ)を楽しみにしているのだ。それなのに物語とは直接関係のない設定を延々と説明されると、飽きてしまうのである。人によってはそこで離脱、もしくは読むのをやめてしまう。物語を創作している側は、登場人物の設定を考えている内に次々とアイデアが湧いて来て、調子に乗ってついつい本文に設定を羅列してしまう。が、それは視聴者(読者)にとっては甚だ迷惑なだけなのである。
では、物語に関係のない設定は考える必要がないのか?と言えばそんなことはない。ここから先はあくまでも私の考えだ。確かに考えない方が楽だ。(作業量的に)そうすると、人物設定が酷く薄っぺらくなってしまう。「この人いる意味あるの?」と視聴者(読者)に疑問を抱かせてしまうことになり兼ねない。だから、例え物語に関係なくても登場人物の設定は多い方が良いと私は思う。ひとつ例を挙げてみる。
人気のある漫画やアニメ、ドラマや映画はファンのためのガイドブック的な書籍が発売されることがある。その中には大抵キャラクターの詳しいプロフィールが掲載されている。誕生日、血液型、好きな食べ物、家族構成、趣味、特技など。これらはまさに物語には関係のない設定である(もちろん中には関係する作品もあるが)しかし、ファンはこの情報を見て、
「このキャラはこんな食べ物が好きなんだ」
「このキャラはA型だからあの時あんな行動したのか!」
など、登場人物の内面を深く掘り下げることができるのだ。つまり、物語に関係なくてもしっかりと設定を考えていた方が、そのキャラの人物像に深みが出て、存在感が増すのである。また、これは余談だが、こうしたガイドブックのおかげで二次創作の作家達はアイデアを膨らませることもできる。「好きな食べ物」この、たったひとつのキーワードだけで1本話が書ける。無限に物語が広がるだろう。
ドラマの真っ最中に物語に関係のない細かい疑問を、あれこれと挙げる旦那に向かってブチ切れてしまった私ではあるが、普段の執筆活動では積極的に登場人物の設定を考えている。特に、人物の名前にはこだわりを持っている。好きなアーティストや俳優の名前を付けることもある。が、その人物がどういう性格をしているのかなどを考慮して考えることが多い。ネットで赤ちゃんの名付け方を調べたりもする。ひとつ例を挙げてみる。
ある文学賞に応募した長編作品の主人公に「昴(すばる)」と名付けた。これは「車好きな父親が車に関係する名前を子供に付けた」という設定である。しかし、これは作品におけるメインテーマに関係ないので記載はしていない。しかし、この作品は「車好きで破天荒な父親」と「素直になれない息子」の話なのだ。勘の良い人なら「もしかしたら、父親が車好きだからこういう名前つけたのかな?」と思うかもしれない。つまり、表には出てこない設定を考えることによって、更に読み手の想像力を煽ることができるのだ。これは先程挙げた「ガイドブックに掲載されているキャラクターの裏設定」の話とも繋がる。
どうしてもその設定を本文に盛り込みたいのなら、話の前後が不自然にならないように随所に少しづつ入れていくしかない。例えば、人物同士の世間話の中に入れるとか、その設定を説明するために関連エピソードをひとつ入れるとか。
「あのさ、●●ちゃんの名前って素敵だよね!ご両親がつけてくれたの?」
「そうなんだよ。実はこういう理由があってさ……」
とか、こういう感じだろうか。まぁ物語によってはそれも不自然になってしまうかもしれないが。
私が今、書いている小説の中にも(お仕事ではなく自作)一人だけ設定が薄っぺらい人物がいる。省いても構わないのだが、そうすると物語が成り立たなくなってしまう。なので現在、私はその子の設定に非常に頭を悩ませている。
その子は主人公ではなく脇役だ。だから、目立ちすぎてもいけない。
「『脇役』の存在はある意味、『主人公』よりも重要だ。」というエッセイにも書いたが、登場人物の設定というのは本当に重要で考えるのが難しい。
裏設定。それは確かに物語上、関係ないかもしれない。しかし、登場人物は作品の中できちんと生きているのだ。彼らを生き生きと見せるためには、しっかりとした設定を考えなければいけない、と、私は思うのである。
これは、あるドラマを見ていた旦那が何気なく言ったひとことだ。
そのドラマはお節介な主人公が団地の住人に迷惑がられながらも信頼関係を結んでいく物語だ。旦那の疑問はこのメインテーマには全く関係がない。なので、私は思い付きもしなかった。旦那は他にも
「小学生の子供がいる若い家族がどういう理由で団地に越してきたのか」
「この団地は分譲なのか?賃貸なのか?」
など、物語には関係のない疑問を次々に挙げていた。ドラマに集中していた私は段々とイライラしてきて「知らないよそんな裏設定なんか!気になるなら調べてみたらいいじゃん!」とブチ切れてしまった。旦那は、なんで怒ってるんだろう?というような顔をして、必死にスマホで検索をしていた。
しかし、結局分かったのはロケ地が多摩ニュータウンの分譲マンションだということだけ。ドラマの内容には全く関係のない情報である。もしかしたら、初回の一番最初に「なんでここに引っ越ししてきたのか」という理由ぐらいは説明があったのかもしれない。しかし、初回の序盤なんて大体流し見てるので、視聴者は大抵覚えていないものだ。
作品における登場人物達の設定。それは加減がとても難しいものである。小説やシナリオを書いている私自身もそれは常々思っていることだ。あるクライアントからの注意事項には「物語に直接関係のない設定は書かないように」と書かれているぐらいだ。何故か。それは、最初に挙げた私と旦那の会話に答えはある。
視聴者(読者)はその物語の本筋(メインテーマ)を楽しみにしているのだ。それなのに物語とは直接関係のない設定を延々と説明されると、飽きてしまうのである。人によってはそこで離脱、もしくは読むのをやめてしまう。物語を創作している側は、登場人物の設定を考えている内に次々とアイデアが湧いて来て、調子に乗ってついつい本文に設定を羅列してしまう。が、それは視聴者(読者)にとっては甚だ迷惑なだけなのである。
では、物語に関係のない設定は考える必要がないのか?と言えばそんなことはない。ここから先はあくまでも私の考えだ。確かに考えない方が楽だ。(作業量的に)そうすると、人物設定が酷く薄っぺらくなってしまう。「この人いる意味あるの?」と視聴者(読者)に疑問を抱かせてしまうことになり兼ねない。だから、例え物語に関係なくても登場人物の設定は多い方が良いと私は思う。ひとつ例を挙げてみる。
人気のある漫画やアニメ、ドラマや映画はファンのためのガイドブック的な書籍が発売されることがある。その中には大抵キャラクターの詳しいプロフィールが掲載されている。誕生日、血液型、好きな食べ物、家族構成、趣味、特技など。これらはまさに物語には関係のない設定である(もちろん中には関係する作品もあるが)しかし、ファンはこの情報を見て、
「このキャラはこんな食べ物が好きなんだ」
「このキャラはA型だからあの時あんな行動したのか!」
など、登場人物の内面を深く掘り下げることができるのだ。つまり、物語に関係なくてもしっかりと設定を考えていた方が、そのキャラの人物像に深みが出て、存在感が増すのである。また、これは余談だが、こうしたガイドブックのおかげで二次創作の作家達はアイデアを膨らませることもできる。「好きな食べ物」この、たったひとつのキーワードだけで1本話が書ける。無限に物語が広がるだろう。
ドラマの真っ最中に物語に関係のない細かい疑問を、あれこれと挙げる旦那に向かってブチ切れてしまった私ではあるが、普段の執筆活動では積極的に登場人物の設定を考えている。特に、人物の名前にはこだわりを持っている。好きなアーティストや俳優の名前を付けることもある。が、その人物がどういう性格をしているのかなどを考慮して考えることが多い。ネットで赤ちゃんの名付け方を調べたりもする。ひとつ例を挙げてみる。
ある文学賞に応募した長編作品の主人公に「昴(すばる)」と名付けた。これは「車好きな父親が車に関係する名前を子供に付けた」という設定である。しかし、これは作品におけるメインテーマに関係ないので記載はしていない。しかし、この作品は「車好きで破天荒な父親」と「素直になれない息子」の話なのだ。勘の良い人なら「もしかしたら、父親が車好きだからこういう名前つけたのかな?」と思うかもしれない。つまり、表には出てこない設定を考えることによって、更に読み手の想像力を煽ることができるのだ。これは先程挙げた「ガイドブックに掲載されているキャラクターの裏設定」の話とも繋がる。
どうしてもその設定を本文に盛り込みたいのなら、話の前後が不自然にならないように随所に少しづつ入れていくしかない。例えば、人物同士の世間話の中に入れるとか、その設定を説明するために関連エピソードをひとつ入れるとか。
「あのさ、●●ちゃんの名前って素敵だよね!ご両親がつけてくれたの?」
「そうなんだよ。実はこういう理由があってさ……」
とか、こういう感じだろうか。まぁ物語によってはそれも不自然になってしまうかもしれないが。
私が今、書いている小説の中にも(お仕事ではなく自作)一人だけ設定が薄っぺらい人物がいる。省いても構わないのだが、そうすると物語が成り立たなくなってしまう。なので現在、私はその子の設定に非常に頭を悩ませている。
その子は主人公ではなく脇役だ。だから、目立ちすぎてもいけない。
「『脇役』の存在はある意味、『主人公』よりも重要だ。」というエッセイにも書いたが、登場人物の設定というのは本当に重要で考えるのが難しい。
裏設定。それは確かに物語上、関係ないかもしれない。しかし、登場人物は作品の中できちんと生きているのだ。彼らを生き生きと見せるためには、しっかりとした設定を考えなければいけない、と、私は思うのである。
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