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物書きにとって「物語を書く意味」とは?
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物書きにとって「物語を書く意味」とは一体何なのだろう?売り上げなど関係なく趣味で活動しているアマチュア物書きの人達のそれは個人的に特に気になるところである。(ここアルファポリスに投稿している方の中には収益を目的にしている方も多いかもしれないが、今回それは一旦脇に置いておくことにする)
プロアマ問わず、物書きにとって「物語を書く意味」は重要なものであり、人によって全く異なるだろう。何よりこれは物書きにとって「原点」とも言える問題だ。
私は今回、意図せずにこの問題に直面することになった。ここから先は少し残念な話になる。
結論から言うと、文章が書けなくなってしまったのである。いや、正確に言うと「文章」ではなく「物語」と言った方がいいかもしれない。こうして、エッセイを書くことは出来ているのだから。
3月末に離婚してようやく半年が経過しようとしている。現在は離婚前に入社した会社で引き続き働いている。障害者雇用枠での入社だが、理解のある社員に囲まれて問題なく毎日を過ごしている。
ダイエットもほぼ成功し、着たい服を着られるようになったし、誰にも何にも縛られない自由な時間を過ごせるようになって、殆どストレスがなくなった。
私は当初「一人暮らしに戻ったら自由な時間が増えるから今まで以上に執筆が捗りそうだ」と思っていた。しかし、いざ一人暮らしに戻ってみれば……真逆の結果である。書こうと思って編集ページを開くのだが、何も浮かんで来ないのだ。
私は夏の暑さがとても苦手で毎年この時期は体調を崩しがちだ。今年も夏風邪を患ってしまい、半月ぐらい不調に悩まされていた。だから、その所為で書く気力が起きないのだと思っていた。しかし、思い返してみれば書けなくなったのは夏前からだ。
では、去年の夏はどうだったか?当時私はシナリオライターの仕事をしており、きちんと納期を守っていたし、このサイトでも定期的に小説を更新していた。となると、原因は夏の暑さではない。
そこで、去年の自分と現在の自分を比べてみた。あれこれ考えて行き着いたのは意外な事実だった。
「私は今、心身共に満足してる。ほぼストレスがない状態だ……」
私が「物語を書く」のには理由がある。それはもちろん自分の中で浮かんだアイデアを形にしたいという思いもあるが、それだけではない。物語を書くことでストレスを発散するという目的もある。その時に感じたことや体験を元にして物語を書くことで、モヤモヤとした思いを昇華しているのだ。
つまり「物語が書けない」ということは「ストレスを発散する必要がない」ということだ。この事実に行き着いた時、とても複雑な気持ちになった。
これまで物語を書き上げてきた時の自分を思い返すと、殆どがストレスを溜めた状態だった。その原因は仕事だったり人間関係だったりと様々だ。その時の体験を元にしていない作品でも執筆は捗った。内側に溜め込んだ鬱憤を物語を書くエネルギーとして使用していたからだ。
去年は物語と共に元夫を題材としたネタ的なエッセイも沢山更新していたが、実はその裏で元夫との関係に常に悩みを抱えていた。元夫との結婚生活を後悔している訳ではないし、もちろん楽しいことも沢山あった。が、エッセイには書けないようなトラブルも沢山あったことは事実である。(結局離婚についてのエッセイで明かしたが)だから、私はその鬱憤を全て物語を書く為のエネルギーとして使用していたのだ。もちろん、当時は自分の中でそんなことが起こっているなんて気づかなかったので無意識である。
その後、元夫との関係に耐え切れず離婚。深く傷ついたし、恐らくここ10年間の私自身のネガティブな出来事の中で一番労力を使ったし、ストレスをいつになく溜め込んだ。だから、落ち着いたら様々な思いや悲しい経験を自分の物語として昇華したいと考えていた。
しかし、家族や友人など多くの信頼できる人達に体験や思いを打ち明けている内に次第に心が軽くなっていった。何より、私のことを心身共に支えてくれる存在が新たに出来たというのが一番大きい。だから「物語を書く」という行為をしなくても自然とストレスを発散することが出来るようになったのだ。
それでも、私の中には物語にしたいアイデアがまだまだ沢山残っている。その破片というか、ひとつひとつのピースを組み合わせてパズルを完成させたいという強い思いが今もある。以前のエッセイでも予告したエンタメ(ラノベ)系の作品も残るはクライマックスとラストというところまで出来ており、完成は目前。しかし、どんなに編集ページを開いても文章が浮かんで来ない。最近なんかは編集ページを開く気持ちすら湧かない。
先日、感想文エッセイを更新したが、村上春樹の新作を読んだ。読書をすると執筆意欲が湧いて来るので、今度こそ文章が浮かんで来るだろうと期待していた、だが、結局一文字も書けなかった。感想文はびっくりするぐらいスラスラと書けたのに。
例えるなら、丼ぶり飯を殆ど食べて、あともう少しで完食というところまで来ているのに全く箸が進まない。あの感じに近いかもしれない。私自身は早く完成させたい。しかし、どうしても出来ないのである。
おまけに、2、3年前に執筆用として購入して愛用していたノートパソコンが壊れてしまい、ますます執筆意欲はなくなってしまった。(この文章はスマホから入力している)
こうして物語以外の文章は書けるので完璧にスランプとは言い難いだろう。だが、ある意味一種のスランプ状態と言えるのかもしれない。悩みが完全にない訳ではなく細々とした悩みはあるにはある。「物語が書けない」ということも今の私の悩みであるとも言える。しかし、執筆のエネルギーとするにはそれらだけではどうやら足りないようだ。
つまり私は「自由な時間と心身の満足感を手に入れる代わりに、物語を書く力を失ってしまった」のである。離婚騒動の最中、あれだけ自由な時間と心身の安らぎを求めていたのにいざ手に入れた途端に自分の力を失ってしまうとは何とも皮肉なものだ。
かと言って物語を書くために自分を追い込んだり、わざとストレスを溜めるようなことはしたくない。
こうなってしまった以上、無理に書こうとするのは逆効果だろう。だから、ひとまず今は「物語を書く」ということを一旦忘れることにした。今もシナリオライターの仕事を続けていたらと思うとゾッとする。仕事にならないからだ。
物語を書けるようになるのがいつになるのか今の時点では全く分からない。もし楽しみにしてくれている方がいらっしゃるなら、大変に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。しかし、悩みのない人間はいない。だから、私もきっとその内また様々な悩みに直面し、発散し切れない程のストレスを溜め込む日が来るだろう。
その時は再び「物語を書く」ことが出来るに違いない。再開したあかつきには、ぜひまた読んで頂けたら幸いだ。(エッセイの方は気が向いたらたまに更新するかもしれない)
プロアマ問わず、物書きにとって「物語を書く意味」は重要なものであり、人によって全く異なるだろう。何よりこれは物書きにとって「原点」とも言える問題だ。
私は今回、意図せずにこの問題に直面することになった。ここから先は少し残念な話になる。
結論から言うと、文章が書けなくなってしまったのである。いや、正確に言うと「文章」ではなく「物語」と言った方がいいかもしれない。こうして、エッセイを書くことは出来ているのだから。
3月末に離婚してようやく半年が経過しようとしている。現在は離婚前に入社した会社で引き続き働いている。障害者雇用枠での入社だが、理解のある社員に囲まれて問題なく毎日を過ごしている。
ダイエットもほぼ成功し、着たい服を着られるようになったし、誰にも何にも縛られない自由な時間を過ごせるようになって、殆どストレスがなくなった。
私は当初「一人暮らしに戻ったら自由な時間が増えるから今まで以上に執筆が捗りそうだ」と思っていた。しかし、いざ一人暮らしに戻ってみれば……真逆の結果である。書こうと思って編集ページを開くのだが、何も浮かんで来ないのだ。
私は夏の暑さがとても苦手で毎年この時期は体調を崩しがちだ。今年も夏風邪を患ってしまい、半月ぐらい不調に悩まされていた。だから、その所為で書く気力が起きないのだと思っていた。しかし、思い返してみれば書けなくなったのは夏前からだ。
では、去年の夏はどうだったか?当時私はシナリオライターの仕事をしており、きちんと納期を守っていたし、このサイトでも定期的に小説を更新していた。となると、原因は夏の暑さではない。
そこで、去年の自分と現在の自分を比べてみた。あれこれ考えて行き着いたのは意外な事実だった。
「私は今、心身共に満足してる。ほぼストレスがない状態だ……」
私が「物語を書く」のには理由がある。それはもちろん自分の中で浮かんだアイデアを形にしたいという思いもあるが、それだけではない。物語を書くことでストレスを発散するという目的もある。その時に感じたことや体験を元にして物語を書くことで、モヤモヤとした思いを昇華しているのだ。
つまり「物語が書けない」ということは「ストレスを発散する必要がない」ということだ。この事実に行き着いた時、とても複雑な気持ちになった。
これまで物語を書き上げてきた時の自分を思い返すと、殆どがストレスを溜めた状態だった。その原因は仕事だったり人間関係だったりと様々だ。その時の体験を元にしていない作品でも執筆は捗った。内側に溜め込んだ鬱憤を物語を書くエネルギーとして使用していたからだ。
去年は物語と共に元夫を題材としたネタ的なエッセイも沢山更新していたが、実はその裏で元夫との関係に常に悩みを抱えていた。元夫との結婚生活を後悔している訳ではないし、もちろん楽しいことも沢山あった。が、エッセイには書けないようなトラブルも沢山あったことは事実である。(結局離婚についてのエッセイで明かしたが)だから、私はその鬱憤を全て物語を書く為のエネルギーとして使用していたのだ。もちろん、当時は自分の中でそんなことが起こっているなんて気づかなかったので無意識である。
その後、元夫との関係に耐え切れず離婚。深く傷ついたし、恐らくここ10年間の私自身のネガティブな出来事の中で一番労力を使ったし、ストレスをいつになく溜め込んだ。だから、落ち着いたら様々な思いや悲しい経験を自分の物語として昇華したいと考えていた。
しかし、家族や友人など多くの信頼できる人達に体験や思いを打ち明けている内に次第に心が軽くなっていった。何より、私のことを心身共に支えてくれる存在が新たに出来たというのが一番大きい。だから「物語を書く」という行為をしなくても自然とストレスを発散することが出来るようになったのだ。
それでも、私の中には物語にしたいアイデアがまだまだ沢山残っている。その破片というか、ひとつひとつのピースを組み合わせてパズルを完成させたいという強い思いが今もある。以前のエッセイでも予告したエンタメ(ラノベ)系の作品も残るはクライマックスとラストというところまで出来ており、完成は目前。しかし、どんなに編集ページを開いても文章が浮かんで来ない。最近なんかは編集ページを開く気持ちすら湧かない。
先日、感想文エッセイを更新したが、村上春樹の新作を読んだ。読書をすると執筆意欲が湧いて来るので、今度こそ文章が浮かんで来るだろうと期待していた、だが、結局一文字も書けなかった。感想文はびっくりするぐらいスラスラと書けたのに。
例えるなら、丼ぶり飯を殆ど食べて、あともう少しで完食というところまで来ているのに全く箸が進まない。あの感じに近いかもしれない。私自身は早く完成させたい。しかし、どうしても出来ないのである。
おまけに、2、3年前に執筆用として購入して愛用していたノートパソコンが壊れてしまい、ますます執筆意欲はなくなってしまった。(この文章はスマホから入力している)
こうして物語以外の文章は書けるので完璧にスランプとは言い難いだろう。だが、ある意味一種のスランプ状態と言えるのかもしれない。悩みが完全にない訳ではなく細々とした悩みはあるにはある。「物語が書けない」ということも今の私の悩みであるとも言える。しかし、執筆のエネルギーとするにはそれらだけではどうやら足りないようだ。
つまり私は「自由な時間と心身の満足感を手に入れる代わりに、物語を書く力を失ってしまった」のである。離婚騒動の最中、あれだけ自由な時間と心身の安らぎを求めていたのにいざ手に入れた途端に自分の力を失ってしまうとは何とも皮肉なものだ。
かと言って物語を書くために自分を追い込んだり、わざとストレスを溜めるようなことはしたくない。
こうなってしまった以上、無理に書こうとするのは逆効果だろう。だから、ひとまず今は「物語を書く」ということを一旦忘れることにした。今もシナリオライターの仕事を続けていたらと思うとゾッとする。仕事にならないからだ。
物語を書けるようになるのがいつになるのか今の時点では全く分からない。もし楽しみにしてくれている方がいらっしゃるなら、大変に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。しかし、悩みのない人間はいない。だから、私もきっとその内また様々な悩みに直面し、発散し切れない程のストレスを溜め込む日が来るだろう。
その時は再び「物語を書く」ことが出来るに違いない。再開したあかつきには、ぜひまた読んで頂けたら幸いだ。(エッセイの方は気が向いたらたまに更新するかもしれない)
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