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4、手続きについて
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離婚した時、一番面倒なのが諸々の手続きである。特に妻側はこれらにかなりの労力を費やすことになり、ひとつでもうまくいかないことがあるとそれだけでストレスが溜まる。離婚した時に必要な手続きをザっと上げてみる。
【一般的な手続き】
・離婚届の記入と提出
・転出届と転入届の提出(引っ越しをする場合)
・郵便局の転居、転送手続き
・銀行やカード、保険等の名義変更(旧姓に戻した場合)
・銀行やカード、保険等の住所変更
・社会保険もしくは国民健康保険の加入
【障害者の手続き】
・障害者手帳の名義と住所変更
・自立支援医療受給者証の名義変更と住所変更
・障害年金の名義と住所変更
・障害年金事務所に離婚したことを届け出る(配偶者加算がされている場合)
書き出しただけで思わずうんざりしてしまう程多い。しかも、障害者は健常者の倍、面倒な手続きが待っている。実は一か月経った今も私はこの半分の手続きが済んでいない。理由は手続きによって違うが、一番関係しているのはマイナンバーカードと健康保険証である。
私はこれまで身分証としてマイナンバーカードを使っていた。しかし、離婚して転居したことで表の記載欄が満杯になってしまった。しかも、運悪く電子署名の期限切れ間近だったのである。転居先の役所で更新手続きを行ったが、再発行のカードが送られて来るまでは二か月もかかるとのこと。運転免許証の更新など顔写真付きの身分証が必要な手続きが全てストップしている状態である。
代わりに新しい保険証を使用できたらいいのだが、生憎まだ届いていない。離婚をしたこの重要なタイミングで身分を証明できる公的な書類が一切なくなってしまったのである。保険証の場合は会社の方で加入手続きはもう済んでいるため、通院しようと思えば後から請求できるが手続きが面倒で躊躇ってしまう。
「あの手続きを先に進めよう、いや、身分証がないからできない。じゃあ代わりに戸籍謄本を取り寄せて……ああっ新しい戸籍が作られるまで時間がかかるんだった……ああっ!どうすりゃいいんだ!」
まさに八方塞がりで頭を抱えるしかない。これでは多大なストレスが溜まるのも無理はないだろう。では、こういった事態を防ぐにはどうしたらいいのか。私の場合、一番の原因はマイナンバーカードの表の記載欄が満杯になってしまったことだ。それなら、事前にカードを再発行しておけばいいのである。
実は私には一度そのチャンスがあった。結婚した時がまさにそのタイミングだったのだ。婚姻届を提出した役所で「マイナンバーカードの表がもうすぐ埋まってしまうから早い内に再発行した方がいい」と職員に言われていたのだ。にも関わらず、面倒くさがって放置してしまったのだ。その結果が……現在の八方塞がり状態なのである。
マイナンバーカードの表の記載欄に余裕がなくなって来たと思ったら、素早く再発行手続きをすることを全力でオススメしたい。私と同じ間違いをおかさない為にも。
【障害年金について】
障害年金受給者が離婚する場合は名義変更の他に必ずやらなければならない手続きがある。それが「離婚したことを届け出る」ことだ。結婚していると受給額に「配偶者加算」という金額が上乗せされている場合がある。離婚した後もこれを受給し続けていると違反者として扱われ、離婚後に受給した「配偶者加算額」を返金しなければならないという決まりがあるのだ。私も「配偶者加算」対象者だったので、役所の手続きと同日に近くの年金事務所に行って素早く手続きを済ませた。障害年金は申請も厄介だが、諸々の変更手続きも厄介なのである。
【手続きをやらなくて済む方法】
シンプルに、旧姓に戻さなければいいのだ。つまり、離婚後も夫の姓を名乗り続けるということ。そうすれば上に挙げた手続きの殆どは不要になるだろう。実際、過去に勤めていた会社で離婚後も夫の姓を名乗り続けている人がいた。その人は子供がいることが大きな理由だった。私も一瞬、夫の姓を名乗り続ければ手続きが楽だと思ったことがある。しかし、子供がいる訳でもないのに別れた夫の苗字など名乗りたくはない。そう思い直してどんなに面倒でも旧姓に戻すことに決めたのである。
その点、夫側は楽である。引っ越しをしないのであれば離婚届に署名するだけで済むのだ。しかも、苗字が変わらないから離婚届を出そうが出すまいが、女と会って身分証を出しても既婚ということはバレないのである。
離婚を経験して手続きをする中で一番思ったことは、日本は早いところ夫婦別姓を導入するべきだということだ。
【結婚休暇があるなら離婚休暇も作るべき】
私の職場でつい最近、結婚休暇を取った社員がいた。思わず「離婚休暇もくれよ!」と思ってしまったものである。確かに結婚すると式を挙げたり、引っ越しをしたりなど忙しいので長期休暇をもらえるとありがたいと思う。(因みに私と夫は挙式をしていない)だが、離婚だって相当な労力と体力と精神力を使うのである。しかも突然やってくるのだ。
私は夫の浮気疑惑などに悩まされて、離婚決定から引っ越しまで辛い日々を過ごした。だが、新しい生活に向けて全力を尽くしたのでわりと平気な方だったと思う。だが、精神にダメージを負いながら引っ越しや手続きを済ませるのは相当キツイと思うのだ。
私の場合は新しい生活に向けての期待の他に、もうひとつ糧になるものがあった。それはその期間ちょうど開幕していたWBC(ワールドベースボールクラシック)である。連日、野球ヒーロー達の活躍を見ては何とか元気をチャージしながら頑張った。色々な意味で今年のWBCは生涯、私にとって忘れられない大会になったように思う。
話が脱線したが、そういう訳で離婚休暇ももらえたらありがたいと思う。だが、名称的に気まずいと思うので何か良いネーミング考えた方がいいだろうとは思う。それにしても、同時期に結婚する社員と離婚する社員がいるというのはなかなかないことだろう。他の社員的に気まずいだろうなと申し訳ない気持ちで一杯である。
実際には手続きはまだ終わってはいないが、一番重要な「離婚届→転出届→転入届の提出」を完了した時「これで全部終わったんだ……」と、何だか切ないのとホッとしたのとで複雑な気持ちになった。しかし、これでようやくきちんと新しい人生をスタートできる!と、いよいよ実感が湧いたのだった。
【一般的な手続き】
・離婚届の記入と提出
・転出届と転入届の提出(引っ越しをする場合)
・郵便局の転居、転送手続き
・銀行やカード、保険等の名義変更(旧姓に戻した場合)
・銀行やカード、保険等の住所変更
・社会保険もしくは国民健康保険の加入
【障害者の手続き】
・障害者手帳の名義と住所変更
・自立支援医療受給者証の名義変更と住所変更
・障害年金の名義と住所変更
・障害年金事務所に離婚したことを届け出る(配偶者加算がされている場合)
書き出しただけで思わずうんざりしてしまう程多い。しかも、障害者は健常者の倍、面倒な手続きが待っている。実は一か月経った今も私はこの半分の手続きが済んでいない。理由は手続きによって違うが、一番関係しているのはマイナンバーカードと健康保険証である。
私はこれまで身分証としてマイナンバーカードを使っていた。しかし、離婚して転居したことで表の記載欄が満杯になってしまった。しかも、運悪く電子署名の期限切れ間近だったのである。転居先の役所で更新手続きを行ったが、再発行のカードが送られて来るまでは二か月もかかるとのこと。運転免許証の更新など顔写真付きの身分証が必要な手続きが全てストップしている状態である。
代わりに新しい保険証を使用できたらいいのだが、生憎まだ届いていない。離婚をしたこの重要なタイミングで身分を証明できる公的な書類が一切なくなってしまったのである。保険証の場合は会社の方で加入手続きはもう済んでいるため、通院しようと思えば後から請求できるが手続きが面倒で躊躇ってしまう。
「あの手続きを先に進めよう、いや、身分証がないからできない。じゃあ代わりに戸籍謄本を取り寄せて……ああっ新しい戸籍が作られるまで時間がかかるんだった……ああっ!どうすりゃいいんだ!」
まさに八方塞がりで頭を抱えるしかない。これでは多大なストレスが溜まるのも無理はないだろう。では、こういった事態を防ぐにはどうしたらいいのか。私の場合、一番の原因はマイナンバーカードの表の記載欄が満杯になってしまったことだ。それなら、事前にカードを再発行しておけばいいのである。
実は私には一度そのチャンスがあった。結婚した時がまさにそのタイミングだったのだ。婚姻届を提出した役所で「マイナンバーカードの表がもうすぐ埋まってしまうから早い内に再発行した方がいい」と職員に言われていたのだ。にも関わらず、面倒くさがって放置してしまったのだ。その結果が……現在の八方塞がり状態なのである。
マイナンバーカードの表の記載欄に余裕がなくなって来たと思ったら、素早く再発行手続きをすることを全力でオススメしたい。私と同じ間違いをおかさない為にも。
【障害年金について】
障害年金受給者が離婚する場合は名義変更の他に必ずやらなければならない手続きがある。それが「離婚したことを届け出る」ことだ。結婚していると受給額に「配偶者加算」という金額が上乗せされている場合がある。離婚した後もこれを受給し続けていると違反者として扱われ、離婚後に受給した「配偶者加算額」を返金しなければならないという決まりがあるのだ。私も「配偶者加算」対象者だったので、役所の手続きと同日に近くの年金事務所に行って素早く手続きを済ませた。障害年金は申請も厄介だが、諸々の変更手続きも厄介なのである。
【手続きをやらなくて済む方法】
シンプルに、旧姓に戻さなければいいのだ。つまり、離婚後も夫の姓を名乗り続けるということ。そうすれば上に挙げた手続きの殆どは不要になるだろう。実際、過去に勤めていた会社で離婚後も夫の姓を名乗り続けている人がいた。その人は子供がいることが大きな理由だった。私も一瞬、夫の姓を名乗り続ければ手続きが楽だと思ったことがある。しかし、子供がいる訳でもないのに別れた夫の苗字など名乗りたくはない。そう思い直してどんなに面倒でも旧姓に戻すことに決めたのである。
その点、夫側は楽である。引っ越しをしないのであれば離婚届に署名するだけで済むのだ。しかも、苗字が変わらないから離婚届を出そうが出すまいが、女と会って身分証を出しても既婚ということはバレないのである。
離婚を経験して手続きをする中で一番思ったことは、日本は早いところ夫婦別姓を導入するべきだということだ。
【結婚休暇があるなら離婚休暇も作るべき】
私の職場でつい最近、結婚休暇を取った社員がいた。思わず「離婚休暇もくれよ!」と思ってしまったものである。確かに結婚すると式を挙げたり、引っ越しをしたりなど忙しいので長期休暇をもらえるとありがたいと思う。(因みに私と夫は挙式をしていない)だが、離婚だって相当な労力と体力と精神力を使うのである。しかも突然やってくるのだ。
私は夫の浮気疑惑などに悩まされて、離婚決定から引っ越しまで辛い日々を過ごした。だが、新しい生活に向けて全力を尽くしたのでわりと平気な方だったと思う。だが、精神にダメージを負いながら引っ越しや手続きを済ませるのは相当キツイと思うのだ。
私の場合は新しい生活に向けての期待の他に、もうひとつ糧になるものがあった。それはその期間ちょうど開幕していたWBC(ワールドベースボールクラシック)である。連日、野球ヒーロー達の活躍を見ては何とか元気をチャージしながら頑張った。色々な意味で今年のWBCは生涯、私にとって忘れられない大会になったように思う。
話が脱線したが、そういう訳で離婚休暇ももらえたらありがたいと思う。だが、名称的に気まずいと思うので何か良いネーミング考えた方がいいだろうとは思う。それにしても、同時期に結婚する社員と離婚する社員がいるというのはなかなかないことだろう。他の社員的に気まずいだろうなと申し訳ない気持ちで一杯である。
実際には手続きはまだ終わってはいないが、一番重要な「離婚届→転出届→転入届の提出」を完了した時「これで全部終わったんだ……」と、何だか切ないのとホッとしたのとで複雑な気持ちになった。しかし、これでようやくきちんと新しい人生をスタートできる!と、いよいよ実感が湧いたのだった。
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