個人的にグッとくるラブソング(恋愛中編)

まちがいさがし 菅田将暉、米津玄師

原曲は菅田将暉だが、作ったのは米津玄師である。実は私は原曲よりも先に米津玄師が歌ったバージョンを彼のアルバムで聞いた。初めて聞いた時の衝撃は今でも忘れられない。

タイトルの「まちがいさがし」はそのままの意味で使われている。米津玄師自身の言葉を引用するとつまり「自分は間違い探しの正解の絵ではなく間違いの絵の方に生まれてしまったけど、だからこそ出会えた人達がいる」という意味だ。

この曲は恋愛に限らず人生のありとあらゆる関係性に当てはめることができる。だが、私が今回あえてラブソングとして紹介したのは初めて聞いた時に過去の恋愛を思い出したこと、その時に元夫と結婚生活を送っていたこと、そして離婚を経て新たなパートナーに出会った今聞き、改めて心に響いたからだ。

私はこれまで人生のありとあらゆる壁にぶつかっては悩み苦しみながら乗り越えて来た。発達障害当事者であることを知らず、周りとは違う自分自身に戸惑い、周りを羨んだ。劣等感に苛まれてまさに「自分は間違いの絵の方に生まれてしまったのか」そう思うこともあった。

しかし、振り返ってみるとだからこそ経験できたこともあったし、出会えた人々がいた。確かに私は「間違いの絵」の方に生まれたのかもしれない。でもそれは私自身にとって「間違いではなかった」のだ。

曲は最後にこう結ばれる。

「間違いか正解かなんてもうどうでもいい。今自分は『君じゃなきゃいけなかったんだ』そう強く思っている」

間違いか正解か。そんなことなんてどうでも良いと思えるくらい大事な人に出会えた喜びを主人公が噛み締めている。この曲の最もグッと来るフレーズである。

因みに菅田将暉、米津玄師、どちらのバージョンもとても良い。菅田くんの力強くて真っ直ぐな歌声も、米津さんの繊細で儚さのある歌声も、この曲の良さを最大限に引き出している。二人とも素晴らしいボーカリストである。