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第二話 まさかのライバル登場?!
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「おい、卵焼きさんよ」
ジューッと、良い音を立てるフライパンから声がした。食卓に並ぶことなく依然としてキッチンのテーブルの上に置きっぱなしの卵焼き……の中にいる黄身ちゃん、小人のサトウさん達、マヨ仙人は声のする方に目をやった。
透明から白く変わりつつある白身に囲まれ、黄身くんが勝ち誇ったような顔で言った。
「悪いが朝の食卓はもらったぜ」
すると、顔の大きな小人が反論した。
「何言ってるの?まだ分からないじゃない。この母親……いえ、この家族が卵焼きの私達を選ぶか、目玉焼きのあんたを選ぶのか」
「お前こそ何言ってる?朝メシといや目玉焼きだろ?半熟トロッとした目玉焼きとカリカリに焼けたウインナー、ベーコンと一緒にこんがり焼けた食パンを食べる。最高だろ」
「卵焼きだって負けてないわ。温かい味噌汁にホカホカの白いご飯、それに焼き鮭が一緒だったら最高ね」
「フン。やるじゃねぇの。だがな、先に仕上がったのに未だにキッチンにいるってのがお前らが朝メシに選ばれない何よりの証拠だろ」
「ううっ……反論できない」
顔の大きな小人はそれっきり押し黙ってしまった。すると、母親が冷蔵庫から何かを取り出し、フライパンにいくつか追加投入した。
「よぉ、目玉焼きのあんちゃん」
「おおっウインナーの野郎じゃねぇか」
「うっす!目玉焼きのアニキ!」
「おっベーコン、お前も来たか」
その瞬間、遠くでチンッという小気味良い音がした。
「お母さーん!パンが焼けたよ!」
「はーい!目玉焼きももうすぐ出来上がるから待っててね!」
「おはようさん。良い匂いだな」
「あら、おはよう、あなた。コーヒー淹れてあるわよ」
「ありがとう」
家族の会話を耳にした顔の大きな小人は、頭を抱えて「ああ……」と呟いた。他の小人達からも一斉にため息が漏れた。
「フォッフォッフォッ。小人のサトウ達よ。どうやらワシらの負けのようじゃな」
マヨ仙人は長い白ひげを撫でながら楽しそうに笑いながら言った。
「あなたはくやしくないの?」
黄身ちゃんがそう尋ねると、マヨ仙人は言った。
「うむ。確かに朝の食卓が目玉焼き殿に取られてしまったことは残念じゃ。だが、順番が違うだけのこと。食べられることに変わりはない。料理に使われたワシらは十分勝ち組じゃ」
「さ、さすがはマヨ仙人だわ……器の大きさが違う。いい?みんな、マヨ仙人を見習うのよ!」
顔の大きな小人の一声に小人のサトウさん達は頬を紅潮させて一斉に頷いた。母親はその後、家族分の目玉焼き、ウインナー、ベーコンを焼くと、フライパンから皿に移した。皿の上で白い湯気を立てている黄身くんは鼻息を荒くしながら言った。
「ほら見ろ。俺の言った通りになったじゃねーか。おい、ウインナー、ベーコン、お前らもそう思うだろ?」
「目玉焼きのあんちゃんの言う通りだぜ」
「そうっすね!目玉焼きのアニキ!」
「そんじゃ、そういうことで、あばよ!卵焼きさん」
「くっ……何であいつらあんなに鼻につくのかしら……しかも、まるで親分と子分みたいじゃないの。一体どんな関係性よ」
「フォッフォッフォッ。同じ卵でも、あちらさんはお前さんと全く性格が違うようじゃの?」
「うーん……まぁ」
黄身ちゃんは返答に困って、苦笑いしながら何とも言えない返事をした。その時、黄身ちゃんは思った。
(アタシは自分をあまり主張しないタイプ。だからきっと卵焼きになれたんだ。黄身くんはその逆だから目玉焼きになった。もし、アタシと黄身くんが全く逆だったら……?
きっと、周りの材料と仲良くできない黄身くんのせいで卵焼きは大失敗。主張しないアタシは目玉焼きの目玉にもなれずに大失敗。家族からはきっとクレームの嵐だ)
「アタシは……これで良かったと思う」
黄身ちゃんはそう言った。皆に向かってというよりも自分に言い聞かせるみたいに。その時、朝食をリビングへ運び終えた母親がようやく卵焼きに手をつけ始めた。
「……よし。だいぶ冷めたわね」
そう呟くと包丁を取り出し、丁寧に切り分けていく。
「……いよいよだわ。私達は一体何に使われるのか」
顔の大きな小人が緊張した面持ちで言った。母親は冷凍庫を開けると、いくつかの冷凍食品を手に取った。袋には「自然解凍OK」と書いてある。
そしてエビシューマイ、ほうれん草の和物、ミニサイズのハンバーグを袋から取り出した。既に白いご飯が詰められた大小二つの弁当箱を持って来ると、空いたスペースに今取り出したばかりの冷凍食品を丁寧に詰め始めた。
「フォッフォッフォッ。ワシらはやはり弁当のようじゃな」
「はぁ~そうね」
顔の大きな小人が大きなため息をついた。母親は卵焼きを一切れづつ菜箸で丁寧に弁当に詰めていく。すると、既に弁当箱の中にいる具材達が黄身ちゃん、小人のサトウさん達、マヨ仙人に声を掛けてきた。
「やぁ、卵焼きさん。待ってたよベイビー」
「エ、エビシューマイ様……こんにちは!」
エビシューマイの甘い声に顔の大きな小人が嬉しそうに答えた。
「おや、あんた達も弁当組かい?」
「フォッフォッフォッ。その通りじゃ。ほうれん草の和物殿」
「ハハっ私達と同じ弁当組か、残念だったねぇ。朝の食卓に並ぶつもりでいたんだろ?」
「確かに朝ご飯だったらいいなぁとは思ったよ。でもお弁当でも食べられることに変わりないからってマヨ仙人が」
黄身ちゃんがそう言うと、ほうれん草の和物は感心したように言った。
「そりゃあそうだ。あんた、良いこと言うじゃないか」
マヨ仙人は何も言わずにニコニコしながら頷いた。
「こんにちは、卵焼きさん。ボクはこの間、冷凍庫にストックされたばかりなんだ」
「こんにちは、ハンバーグくん。じゃあ、ついこの間までスーパーにいたんだね」
「うん!そう!」
黄身ちゃんの質問にハンバーグくんは素直な笑顔でそう答えた。
「おい、もうすぐフタが閉められるぞ。おぬしら、静かにせぬか」
「フォッフォッフォッ。そんなにカッカッしなさんな白飯殿」
「あれ?白飯さん、梅干しさんとかはいないの?」
黄身ちゃんの質問に白飯は得意げな顔で言った。
「それがしだけだと思うたか?よく見ろ、この隙間から覗いておる黒いものを」
「ああっ!それはもしや海苔のお方では……?!」
顔の大きな小人が興奮気味に声を挙げると、エビシューマイが驚いて言った。
「ええっ?!まさかこんな所で海苔のお方に出会えるなんて、僕はなんてラッキーなんだ……!やぁ、待っていたよハニー。ご機嫌いかがかな?」
「おい、エビシューマイよ。気安くそれがしの連れに話しかけるでないぞ」
「白飯はん、そないに心配しいひんでも、うちは大丈夫どす。エビシューマイはん、それに皆はんも、ようこそお弁当箱へお越しやす」
はんなりしていて上品な海苔のお方の様子にその場にいた全員が「ほぉ」と感嘆のため息を漏らした。
「やっぱり海苔のお方には敵わないわねぇ」
顔の大きな小人が頬に手を当ててそう呟いた時、母親がフタを手に取った。
「あんた達!いよいよフタが閉められるよ!心の準備はいいかい?」
ほうれん草の和え物の一声に弁当箱の中の空気が一気に張り詰めたその瞬間、とうとう弁当箱のフタが閉められた。
「……これでよし」
母親はそう呟くと、エプロンを外した。そして、自身も朝食を摂るため、娘と夫の待つリビングへと向かったのだった。
弁当箱の具材達の冒険はまだまだ続く――
次回、最終話とあとがきです。
ジューッと、良い音を立てるフライパンから声がした。食卓に並ぶことなく依然としてキッチンのテーブルの上に置きっぱなしの卵焼き……の中にいる黄身ちゃん、小人のサトウさん達、マヨ仙人は声のする方に目をやった。
透明から白く変わりつつある白身に囲まれ、黄身くんが勝ち誇ったような顔で言った。
「悪いが朝の食卓はもらったぜ」
すると、顔の大きな小人が反論した。
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顔の大きな小人はそれっきり押し黙ってしまった。すると、母親が冷蔵庫から何かを取り出し、フライパンにいくつか追加投入した。
「よぉ、目玉焼きのあんちゃん」
「おおっウインナーの野郎じゃねぇか」
「うっす!目玉焼きのアニキ!」
「おっベーコン、お前も来たか」
その瞬間、遠くでチンッという小気味良い音がした。
「お母さーん!パンが焼けたよ!」
「はーい!目玉焼きももうすぐ出来上がるから待っててね!」
「おはようさん。良い匂いだな」
「あら、おはよう、あなた。コーヒー淹れてあるわよ」
「ありがとう」
家族の会話を耳にした顔の大きな小人は、頭を抱えて「ああ……」と呟いた。他の小人達からも一斉にため息が漏れた。
「フォッフォッフォッ。小人のサトウ達よ。どうやらワシらの負けのようじゃな」
マヨ仙人は長い白ひげを撫でながら楽しそうに笑いながら言った。
「あなたはくやしくないの?」
黄身ちゃんがそう尋ねると、マヨ仙人は言った。
「うむ。確かに朝の食卓が目玉焼き殿に取られてしまったことは残念じゃ。だが、順番が違うだけのこと。食べられることに変わりはない。料理に使われたワシらは十分勝ち組じゃ」
「さ、さすがはマヨ仙人だわ……器の大きさが違う。いい?みんな、マヨ仙人を見習うのよ!」
顔の大きな小人の一声に小人のサトウさん達は頬を紅潮させて一斉に頷いた。母親はその後、家族分の目玉焼き、ウインナー、ベーコンを焼くと、フライパンから皿に移した。皿の上で白い湯気を立てている黄身くんは鼻息を荒くしながら言った。
「ほら見ろ。俺の言った通りになったじゃねーか。おい、ウインナー、ベーコン、お前らもそう思うだろ?」
「目玉焼きのあんちゃんの言う通りだぜ」
「そうっすね!目玉焼きのアニキ!」
「そんじゃ、そういうことで、あばよ!卵焼きさん」
「くっ……何であいつらあんなに鼻につくのかしら……しかも、まるで親分と子分みたいじゃないの。一体どんな関係性よ」
「フォッフォッフォッ。同じ卵でも、あちらさんはお前さんと全く性格が違うようじゃの?」
「うーん……まぁ」
黄身ちゃんは返答に困って、苦笑いしながら何とも言えない返事をした。その時、黄身ちゃんは思った。
(アタシは自分をあまり主張しないタイプ。だからきっと卵焼きになれたんだ。黄身くんはその逆だから目玉焼きになった。もし、アタシと黄身くんが全く逆だったら……?
きっと、周りの材料と仲良くできない黄身くんのせいで卵焼きは大失敗。主張しないアタシは目玉焼きの目玉にもなれずに大失敗。家族からはきっとクレームの嵐だ)
「アタシは……これで良かったと思う」
黄身ちゃんはそう言った。皆に向かってというよりも自分に言い聞かせるみたいに。その時、朝食をリビングへ運び終えた母親がようやく卵焼きに手をつけ始めた。
「……よし。だいぶ冷めたわね」
そう呟くと包丁を取り出し、丁寧に切り分けていく。
「……いよいよだわ。私達は一体何に使われるのか」
顔の大きな小人が緊張した面持ちで言った。母親は冷凍庫を開けると、いくつかの冷凍食品を手に取った。袋には「自然解凍OK」と書いてある。
そしてエビシューマイ、ほうれん草の和物、ミニサイズのハンバーグを袋から取り出した。既に白いご飯が詰められた大小二つの弁当箱を持って来ると、空いたスペースに今取り出したばかりの冷凍食品を丁寧に詰め始めた。
「フォッフォッフォッ。ワシらはやはり弁当のようじゃな」
「はぁ~そうね」
顔の大きな小人が大きなため息をついた。母親は卵焼きを一切れづつ菜箸で丁寧に弁当に詰めていく。すると、既に弁当箱の中にいる具材達が黄身ちゃん、小人のサトウさん達、マヨ仙人に声を掛けてきた。
「やぁ、卵焼きさん。待ってたよベイビー」
「エ、エビシューマイ様……こんにちは!」
エビシューマイの甘い声に顔の大きな小人が嬉しそうに答えた。
「おや、あんた達も弁当組かい?」
「フォッフォッフォッ。その通りじゃ。ほうれん草の和物殿」
「ハハっ私達と同じ弁当組か、残念だったねぇ。朝の食卓に並ぶつもりでいたんだろ?」
「確かに朝ご飯だったらいいなぁとは思ったよ。でもお弁当でも食べられることに変わりないからってマヨ仙人が」
黄身ちゃんがそう言うと、ほうれん草の和物は感心したように言った。
「そりゃあそうだ。あんた、良いこと言うじゃないか」
マヨ仙人は何も言わずにニコニコしながら頷いた。
「こんにちは、卵焼きさん。ボクはこの間、冷凍庫にストックされたばかりなんだ」
「こんにちは、ハンバーグくん。じゃあ、ついこの間までスーパーにいたんだね」
「うん!そう!」
黄身ちゃんの質問にハンバーグくんは素直な笑顔でそう答えた。
「おい、もうすぐフタが閉められるぞ。おぬしら、静かにせぬか」
「フォッフォッフォッ。そんなにカッカッしなさんな白飯殿」
「あれ?白飯さん、梅干しさんとかはいないの?」
黄身ちゃんの質問に白飯は得意げな顔で言った。
「それがしだけだと思うたか?よく見ろ、この隙間から覗いておる黒いものを」
「ああっ!それはもしや海苔のお方では……?!」
顔の大きな小人が興奮気味に声を挙げると、エビシューマイが驚いて言った。
「ええっ?!まさかこんな所で海苔のお方に出会えるなんて、僕はなんてラッキーなんだ……!やぁ、待っていたよハニー。ご機嫌いかがかな?」
「おい、エビシューマイよ。気安くそれがしの連れに話しかけるでないぞ」
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はんなりしていて上品な海苔のお方の様子にその場にいた全員が「ほぉ」と感嘆のため息を漏らした。
「やっぱり海苔のお方には敵わないわねぇ」
顔の大きな小人が頬に手を当ててそう呟いた時、母親がフタを手に取った。
「あんた達!いよいよフタが閉められるよ!心の準備はいいかい?」
ほうれん草の和え物の一声に弁当箱の中の空気が一気に張り詰めたその瞬間、とうとう弁当箱のフタが閉められた。
「……これでよし」
母親はそう呟くと、エプロンを外した。そして、自身も朝食を摂るため、娘と夫の待つリビングへと向かったのだった。
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