死生観から考察するラルクアンシエルの音楽

星名雪子

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ファンになったキッカケ

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ラルクについては以前「個人的にグッと来るラブソング(悲恋、失恋編)」という記事の中で「forbbiden lover 」という曲について書いた事がある。前置きとしてファンになったキッカケなども書いたが、改めて最初から説明したいと思う。

ファンになったのは1998年の冬。当時、私は中学生だった。その年のラルクの勢いは凄まじく、中でも3枚同時発売の内の「HONEY」はミリオンを達成しラルクの代表曲となった。が、私はその時ラルクが好きではなかった。何故ならhydeのクセのある歌声がどうしても好きになれなかったからだ。

そんな私の心情をくつがえしたのは次に発売されたシングルの内の1曲だった。2週連続で2枚発売となった曲は「snow drop」と「forbbiden lover」だ。私が当時、心を動かされたのは「snow drop」の方だった。前作3曲のハードで独特な雰囲気からは一転ポップなメロディとサウンドに一瞬で惹かれたのだ。出だしの低音からサビで一気に高音に上がるhydeの音域の広さにも驚き、またその情緒溢れる歌声に感動した。

それから私はラルクの曲を片っ端から聞きまくり、彼らが出演するテレビ番組も全てチェックするようになった。今まで嫌っていたのが嘘のような手のひら返しぶりに自分でも驚いた。「私の心情を覆したこの曲は一体誰が作ったんだろう?」気になって調べてみると「snow drop」を作曲したのはベースを担当するtetsuyaだった。「なんてポップで明るい曲を作るんだ~!」と感激した。ラルクのメンバーの中で最も人気があるのはhydeだが、私がhydeではなくtetsuyaのファンになったのにはそういう理由もある。

ラルクはこれまで合計2回の活動休止期間を経ているのだが、私は2回目の時に一度ファンを辞めてしまった。その後ラルクは復活を果たしたものの当時私は全く違うものを推していた為、ラルク復活の報を耳にしてもさほど興味を持てず出戻る事はなかった。だが、それから暫くして結成25周年記念のライブが開催されるという情報を偶然耳にした時、不意に懐かしさが込み上げた。

中学生の頃に入ったFCはとっくに期限が切れていたのだが、継続手続きを取る事で会員の資格を再び得られると知り(現在この制度は廃止されている)急いで手続きを行い、会員としてチケット先行予約に申し込みをしてみたところ、なんとアリーナ席の真ん中ブロック最前列という良席のチケットをゲットする事が出来た。

彼らのライブには中学生の時に母と共に一度だけ参戦した事があり、彼らのライブを観るのは約17年ぶりの事だった。当時大ヒットしたシングル曲やライブ定番曲を盛り込んだ祭りのようなセットリストに何度も懐かしさが込み上げ、胸が一杯になった。自分の中で長い間眠っていたラルクに対する熱と愛情が一気に蘇り、再びファンとして彼らを推す事を決意したのだった。

出戻ったあの日から8年。中学生の頃にファンだった2年を加えると10年。自分で言うのもなんだが、熱しやすく冷めやすい私がファンクラブにまで入って10年以上も何かを推し続けているというのはかなり珍しい事なのである。
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