ニート姉貴の婚約を破棄させた話

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あの言葉をきっかけに、僕はニート姉貴の婚約を破棄させる作戦を熟考した。姉は昔から男癖が悪かった。インターバルが短く取っ替え引っ替え家に彼氏が来ていた。結婚を目前にした今でも粗があると思い家族も知らない姉を調べ上げることに没頭した。姉がよく履く靴の中敷に小型のGPSを埋め込むほどだった。GPSを頼りに外出経路を記録したものの、特に目立った粗はなく、交通機関、映画館、百貨店、飲食店、等々誰もが日常から使用する場所を指していた。

自力での操作では進捗が無いと思い、探偵を雇うことにした。探偵調査がしばらく経った頃、iphoneに1枚の写真が送られて来た。そこには、ホテル街をバックに中年男性と腕を組む姉が写っていた。今更、パパ活ごときでは驚かない。というのも姉は大学生時代、パパ活にガールズバーにリフレといったカネになる仕事をなんの躊躇いもなくこなしていた。しかし写真に写る中年男性に違和感を覚えた。何処かで見たことがあった。
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