だれでも先生

文野志暢

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四時間目

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校庭から戻って少し休んだら、四時間目が始まります。

生徒はのびをしたり、お腹が空いた様子。

今度の先生は男女の青年。

おばさんが優しい声で号令をかけます。

「お願いします」

お兄さんはニコニコと微笑んで

「今からやるのは頭の体操です」

お兄さんが言えば、お姉さんが頭の体操と黒板に書いていきます。

「さて、じゃんけんを知っていますか?」

「じゃんけん?」

イヌが聞きます。

「グーは石、チョキはハサミ、パーは紙を表して、グーはチョキに、チョキはパーに、パーはグーに勝てる遊びだよ」

と少年がいえば、お姉さんが

「説明をありがとう。ネコさん、イヌさん、宇宙人さん、ロボットさんにはこちらをどうぞ」

と言い、グーチョキパーの札をそれぞれに渡しました。

「まずは普通にじゃんけんをしてみましょう。皆さん立ってください。」

お兄さんが生徒に声をかけます。

「勝った人だけ立っていてください。じゃんけんぽん」

お兄さんはグーを出しました。

「あいこじゃのう」とガッカリ顔のおじいさん。

「負けたワン」と涙目のイヌ

「なるほどニャ」とふむふむと納得顔のネコ。

クラスの半分より少ない人数が座われば、今度はお姉さんがじゃんけんをします。

「じゃんけんぽん」

お姉さんはチョキを出しました。

「あー負けちゃった」とがっかり顔の女の子。

「やった!勝ったぞ」と笑顔の少年。

「予想はしやすいですね」とニヤリ顔のロボット。

「コレ ガ ナゼ アタマ ノ タイソウニ?」と疑問顔の宇宙人。

「ありがとうございました。では、練習はここまでにして、ここからが本番です」

お姉さんが言えば、お兄さんが黒板にルールを書いていきます。

ルール

じゃんけんのあとに「勝ち、負け、あいこ」のどれかを言うので、出した手を確認してもう一人が合図と同時に後出しジャンケンををしてください。

「それではいきます。じゃんけん勝って」

お兄さんがパーを出したら、お姉さんが手を叩きます。

「できた!」と男の子は元気に言います。

「簡単だった」と女の子はにこにこ。

生徒が全員成功したのをみて、お姉さんはにっこり笑って

「まだ簡単でしたね。では、じゃんけん負けて」

お姉さんがチョキを出したら、お兄さんが手を叩きます。

「あっ、間違えた!」がっくりしている少年。

「えっ、あー」と自分の出した手に驚くおばさん。

「できたワン!」とピョンピョン跳ねているイヌ。

生徒の反応をみてお兄さんはニヤリ顔。

「できなかった人は座ってくださいね。もう一回いきますよ。じゃんけん……あいこ!」

「うわー」

「間違えたわ」

「ムズカシイデスネ」

「これは確かに頭の体操です」

生徒のみんなは喜んでいたり、悔しがったり様々。

「簡単にできるので体操なので、いろんなところでやってみてください」

ここでチャイムがなります。
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