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第三話
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翌朝
青年は自室から出てきて、友人を迎えに玄関へ向かう。
途中、少女がいる客室の前を通ったが、起きている気配はしない。
青年は部屋に入ろうかと思ったが、不意にインターホンの、音が聞こえてそちらへ向かう。
「いらっしゃい」
青年が扉を開けると、色とりどりの青年が待っていた。
全員が同じ場所に色違いのメッシュを入れていた。
赤の青年は言う。
「早上好」
緑の青年は言う。
「来た…」
紫の青年は言う。
「ん。」
白の青年は言う。
「Good morning.」
青の青年は言う。
「今日はどうしたの?」
不思議そうな、わくわくした、警戒した、そんな表情で彼らは家主の青年を見る。
橙の家主の青年は言う。
「今日は相談したいことがあって呼んだんだよ。」
廊下にて
客室に向かいながら、橙の青年はこれまでの流れを説明していた。
「《祝福》の気配がする流血少女ねぇ。」
橙の青年が説明を終えると、紫の青年はそう言った。
彼は警察官だ。故に、友人が事件に巻き込まれたかもしれないと不安になる。
「クレアツィオーネ様の名前を呟いたのは確かなの?」
青の青年は橙の青年に尋ねる。
「確かにこの耳でそう聞いたよ。」
橙の青年は答える。
(いじめ、虐待、事故、1番最悪なのは 殺人事件に巻き込まれ、逃げてきたパターンか)
紫の青年が頭を働かせていると、不意に《祝福》の気配がとても強くなった。
「「「「「「!」」」」」」
全員がその気配の変化に気がついた。その気配は…
「客室の方向だ…」
橙の青年が呟いた。
「それって…」
青の青年が橙の青年に問う。
「少女がいる部屋だ。」
そう言うや否や、橙の青年は走り出す。それに続いて、全員が走る。
客室に近づいていくほど、色濃くなっていく《祝福》の気配に全員がぼんやりとした何かを感じ取る。ぼんやりとした何かを思い出す。
畏怖にも似た感情。尊敬にも似た感情。
慈愛にも似た感情。郷愁にも似た感情。
哀傷にも似た感情。信仰にも似た感情。
喜悦にも似た感情。悔恨にも似た感情。
複雑に絡み合った感情が青年達の心を支配する。
そして客室の扉の前に立つ。
橙の青年は友人に言う。
「開けるよ。」
その言葉に、全員が覚悟した。
そして扉を開けた先に居たのは…
美しい、傷一つない、少女だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
早上好→おはよう
Good morning→おはよう
青年は自室から出てきて、友人を迎えに玄関へ向かう。
途中、少女がいる客室の前を通ったが、起きている気配はしない。
青年は部屋に入ろうかと思ったが、不意にインターホンの、音が聞こえてそちらへ向かう。
「いらっしゃい」
青年が扉を開けると、色とりどりの青年が待っていた。
全員が同じ場所に色違いのメッシュを入れていた。
赤の青年は言う。
「早上好」
緑の青年は言う。
「来た…」
紫の青年は言う。
「ん。」
白の青年は言う。
「Good morning.」
青の青年は言う。
「今日はどうしたの?」
不思議そうな、わくわくした、警戒した、そんな表情で彼らは家主の青年を見る。
橙の家主の青年は言う。
「今日は相談したいことがあって呼んだんだよ。」
廊下にて
客室に向かいながら、橙の青年はこれまでの流れを説明していた。
「《祝福》の気配がする流血少女ねぇ。」
橙の青年が説明を終えると、紫の青年はそう言った。
彼は警察官だ。故に、友人が事件に巻き込まれたかもしれないと不安になる。
「クレアツィオーネ様の名前を呟いたのは確かなの?」
青の青年は橙の青年に尋ねる。
「確かにこの耳でそう聞いたよ。」
橙の青年は答える。
(いじめ、虐待、事故、1番最悪なのは 殺人事件に巻き込まれ、逃げてきたパターンか)
紫の青年が頭を働かせていると、不意に《祝福》の気配がとても強くなった。
「「「「「「!」」」」」」
全員がその気配の変化に気がついた。その気配は…
「客室の方向だ…」
橙の青年が呟いた。
「それって…」
青の青年が橙の青年に問う。
「少女がいる部屋だ。」
そう言うや否や、橙の青年は走り出す。それに続いて、全員が走る。
客室に近づいていくほど、色濃くなっていく《祝福》の気配に全員がぼんやりとした何かを感じ取る。ぼんやりとした何かを思い出す。
畏怖にも似た感情。尊敬にも似た感情。
慈愛にも似た感情。郷愁にも似た感情。
哀傷にも似た感情。信仰にも似た感情。
喜悦にも似た感情。悔恨にも似た感情。
複雑に絡み合った感情が青年達の心を支配する。
そして客室の扉の前に立つ。
橙の青年は友人に言う。
「開けるよ。」
その言葉に、全員が覚悟した。
そして扉を開けた先に居たのは…
美しい、傷一つない、少女だった。
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早上好→おはよう
Good morning→おはよう
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