647 / 1,060
第十二章 自分のモノサシ
25話
しおりを挟む
ぐちゃぐちゃな顔のまま「ごめんなさい」と口にしたら、栞さんに「顔を拭こう?」とホットタオルを手渡された。
無言でそれを受け取り顔にあて、目にある余分な水分を吸い取ってから顔を離した。
もう一度「ごめんなさい」を言おうとしたら、湊先生に両頬をつねられた。
真正面から、「次はない」と射抜くような目で言われ、すぐに病室を出ていってしまう。
蒼兄にはぎゅっと抱きしめられるだけで何も言われなかった。
私は蒼兄の耳もとで何度か「ごめんなさい」と小さな声で謝った。
改めて実感した。みんなが見守っていてくれたことを――
「んじゃ、治療するから廊下に出てろ」
昇さんの一言に、栞さん以外の人が病室を出ていった。
出る間際、唯兄に声をかけられる。
「司くんには俺から連絡入れてもいい?」
「……お願いしてもいい?」
「もっちろん!」
自分の声があまりにも聞き苦しい声だったから、唯兄にお願いしてしまった。
泣いて叫ぶとこんな声になるんだ、と初めて知った。
治療中は治療に関することしか話さず、淡々と時間が過ぎた。
心にあった真っ黒な箱は空っぽになったけれど、不満をすべて口にしたからといって、それですっかり霧が晴れるわけではない。
これからのことをあれこれ考えたいのに、何ひとつ筋道を立てて考えることができない。
軸にすべきものまで心から失ってしまった気がした。
大好きな人たちの顔と、「ありがとう」と「ごめんなさい」。
それしかなくて、いつ治療が終わったのかもわからないような状態でぼーっと横になっていた。
どのくらい経ったころか、蒼兄に「帰ろう」と声をかけられ身体を起こした。
着替えを済ませて廊下に出ると、まだ先生たちがそこにいたからびっくりした。
「リィはあんちゃんの車で帰りな。俺は湊さんに車の運転付き合ってもらうから」
コクリと頷くと、
「そうそう、起案書通ったってよ」
あ――
「そのあと、このシスコン二号は坊主をこれでもかってくらいいびってたぜ?」
「え……?」
「相馬先生、人聞き悪いこと言わないでくださいよ~。ちょっとお願いごとをしてただけじゃないですか」
そう言った直後、唯兄は私を見てにこりと笑った。まるで、天使様みたいに。
「今日明日はベッドの上でゴロゴロしてろ」
相馬先生は立ったままの状態で、何ヶ所かに置き鍼のパッチを貼ってくれた。
口を開こうとしたら、
「今日はもういい。十分おまえの気持ちは聞かせてもらった。それ以上は感謝でも文句でも次に取っとけ」
そう言われ、帰るように促された。
「……道が――」
いつもなら駐車場を出て左折するのに、蒼兄は右折した。
北側から藤山を回るみたい。
「今日は日曜日。市街へ抜ける道は混んでいそうだからこっちのルート」
蒼兄の答えに納得し、そのままシートに身体を預けた。
マンションに戻ってきてからは、ゲストルームに私と蒼兄、唯兄の三人だけ。
ちょうどお昼時で唯兄がささっと煮込みうどんを作ってくれた。
でも、私は少ししか食べられない……。
「リィ、麺処唯芹亭は乾麺使用なので、その都度一本から茹でられるって知ってる?」
左のソファから唯兄に声をかけられた。
「……知らない」
「うん。まぁそういうことだから、スープは多めに作ってあるし、食べたくなったら食べられそうな分だけ茹でてあげるよ。食べられないときは回数重ねる努力をしよう? それから野菜のドロドロスープね」
「……うん。ありがとう」
「……それから、コレ」
トン、と音を立ててテーブルに置かれたのはキッチンに置いてあった瓶。
「信じてないわけじゃないよ。でも、目には毒だと思う。だから、キッチンからは下げるね」
「はい。……ごめんなさい――」
テーブルを前に、両脇のソファに座る兄ふたりに頭を下げた。
「翠葉……俺は同じことを繰り返さないでくれればそれでいい」
「はい……ごめんなさい」
このまま延々と謝り続けそうな私を制したのは唯兄だった。顔を上げるよう促されて顔を上げると、
「麺類は伸びるとまずくなる」
と、お碗を指差された。
それにも「ごめんなさい」と答えると、
「『ごめんなさい』の効力が薄くなるからもう禁止!」
蒼兄からは、
「そんなに申し訳ないと思うなら、これを全部飲んでもらおうかな?」
ポカリスエットの大きなペットボトルをドン、とテーブルに置かれた。
「少しわかったんだ。翠葉を懲らしめる方法」
蒼兄はにこりと笑みを深めた。
お昼を食べたあとは言われたとおりベッドに横になっていた。
ここのところはずっと身体が重だるかったこともあり、横になっているのは苦痛ではなかった。
ぼーっとしていたのは病院にいたときだけで、帰り道、歩道を歩く見慣れた制服を着た人たちを見かけるたびに胸がきゅっ、と締めつけられた。
今日明日はお休み。じゃぁ、そのあとは……? 紅葉祭まで二週間を切ったのに――
私はこのままどうなるのだろう。ここでリタイアなのかな……。そういうの、もう嫌なのに――仕方ないのかな……。
がんばりどころを間違えるなって――なら、どこでどうがんばったら私はリタイアせずにいられるの?
コンコンコンコン――ノックの音がして唯兄が顔を出した。
「あぁ、また泣いてるし……」
唯兄はベッドまでやってくると、Tシャツの袖で涙を拭ってくれた。
「これ、湊さんから」
差し出されたのは睡眠薬だった。
「とりあえず寝ろってことらしいよ」
薬と一緒に二倍に希釈されたポカリを渡される。拒否権はない。
「俺はちょっとプレゼントを作りに出かけてくるから、帰ってくるまではいい子で寝てるんだよ?」
そう言ってきれいにウィンクする。
唯兄の手には黒い小さなノートパソコン。
いつも愛用しているのはシルバーと白いパソコンだったはずだけど……。
「いい子にしてないとプレゼントあげないからね?」
唯兄は念まで押して出ていった。
唯兄……私が今欲しいものはね、鋼みたいな身体。でも、それは現実的じゃないから、柔軟な心が欲しい。どんなことにもしなやかに対応できる心が欲しい。
たとえ途中で何かをやめなくちゃいけなくなったとしても、諦めなくちゃいけないことがあったとしても、それを受け入れられるだけのしなやかな心が欲しいよ。
我慢する心じゃなくて、それを受け入れる心が――
携帯に手を伸ばし、もう見なくてもできる操作を繰り返す。
携帯を耳にあて、低く落ち着いた声を聞きながら私は眠りに落ちる。
今日は――今日だけは、何も考えない努力をしよう。あれこれ考えるのは明日にしよう。
ひとりで答えが出せないのなら人に訊こう。空回りをする前に――
ツカサ――聞いてくれる……? 話を、聞いてくれる?
バカって言われてもいいから、阿呆って言われてもいいから、学習能力がないって言われてもいいから――
あのね、私、そこにいたいの。せめて、紅葉祭が終わるまででいいから。そこに、いたいの……。
どうしたらいいのかな……。どうしたら、そこにいられるのかな。
ツカサ、話を聞いて――
無言でそれを受け取り顔にあて、目にある余分な水分を吸い取ってから顔を離した。
もう一度「ごめんなさい」を言おうとしたら、湊先生に両頬をつねられた。
真正面から、「次はない」と射抜くような目で言われ、すぐに病室を出ていってしまう。
蒼兄にはぎゅっと抱きしめられるだけで何も言われなかった。
私は蒼兄の耳もとで何度か「ごめんなさい」と小さな声で謝った。
改めて実感した。みんなが見守っていてくれたことを――
「んじゃ、治療するから廊下に出てろ」
昇さんの一言に、栞さん以外の人が病室を出ていった。
出る間際、唯兄に声をかけられる。
「司くんには俺から連絡入れてもいい?」
「……お願いしてもいい?」
「もっちろん!」
自分の声があまりにも聞き苦しい声だったから、唯兄にお願いしてしまった。
泣いて叫ぶとこんな声になるんだ、と初めて知った。
治療中は治療に関することしか話さず、淡々と時間が過ぎた。
心にあった真っ黒な箱は空っぽになったけれど、不満をすべて口にしたからといって、それですっかり霧が晴れるわけではない。
これからのことをあれこれ考えたいのに、何ひとつ筋道を立てて考えることができない。
軸にすべきものまで心から失ってしまった気がした。
大好きな人たちの顔と、「ありがとう」と「ごめんなさい」。
それしかなくて、いつ治療が終わったのかもわからないような状態でぼーっと横になっていた。
どのくらい経ったころか、蒼兄に「帰ろう」と声をかけられ身体を起こした。
着替えを済ませて廊下に出ると、まだ先生たちがそこにいたからびっくりした。
「リィはあんちゃんの車で帰りな。俺は湊さんに車の運転付き合ってもらうから」
コクリと頷くと、
「そうそう、起案書通ったってよ」
あ――
「そのあと、このシスコン二号は坊主をこれでもかってくらいいびってたぜ?」
「え……?」
「相馬先生、人聞き悪いこと言わないでくださいよ~。ちょっとお願いごとをしてただけじゃないですか」
そう言った直後、唯兄は私を見てにこりと笑った。まるで、天使様みたいに。
「今日明日はベッドの上でゴロゴロしてろ」
相馬先生は立ったままの状態で、何ヶ所かに置き鍼のパッチを貼ってくれた。
口を開こうとしたら、
「今日はもういい。十分おまえの気持ちは聞かせてもらった。それ以上は感謝でも文句でも次に取っとけ」
そう言われ、帰るように促された。
「……道が――」
いつもなら駐車場を出て左折するのに、蒼兄は右折した。
北側から藤山を回るみたい。
「今日は日曜日。市街へ抜ける道は混んでいそうだからこっちのルート」
蒼兄の答えに納得し、そのままシートに身体を預けた。
マンションに戻ってきてからは、ゲストルームに私と蒼兄、唯兄の三人だけ。
ちょうどお昼時で唯兄がささっと煮込みうどんを作ってくれた。
でも、私は少ししか食べられない……。
「リィ、麺処唯芹亭は乾麺使用なので、その都度一本から茹でられるって知ってる?」
左のソファから唯兄に声をかけられた。
「……知らない」
「うん。まぁそういうことだから、スープは多めに作ってあるし、食べたくなったら食べられそうな分だけ茹でてあげるよ。食べられないときは回数重ねる努力をしよう? それから野菜のドロドロスープね」
「……うん。ありがとう」
「……それから、コレ」
トン、と音を立ててテーブルに置かれたのはキッチンに置いてあった瓶。
「信じてないわけじゃないよ。でも、目には毒だと思う。だから、キッチンからは下げるね」
「はい。……ごめんなさい――」
テーブルを前に、両脇のソファに座る兄ふたりに頭を下げた。
「翠葉……俺は同じことを繰り返さないでくれればそれでいい」
「はい……ごめんなさい」
このまま延々と謝り続けそうな私を制したのは唯兄だった。顔を上げるよう促されて顔を上げると、
「麺類は伸びるとまずくなる」
と、お碗を指差された。
それにも「ごめんなさい」と答えると、
「『ごめんなさい』の効力が薄くなるからもう禁止!」
蒼兄からは、
「そんなに申し訳ないと思うなら、これを全部飲んでもらおうかな?」
ポカリスエットの大きなペットボトルをドン、とテーブルに置かれた。
「少しわかったんだ。翠葉を懲らしめる方法」
蒼兄はにこりと笑みを深めた。
お昼を食べたあとは言われたとおりベッドに横になっていた。
ここのところはずっと身体が重だるかったこともあり、横になっているのは苦痛ではなかった。
ぼーっとしていたのは病院にいたときだけで、帰り道、歩道を歩く見慣れた制服を着た人たちを見かけるたびに胸がきゅっ、と締めつけられた。
今日明日はお休み。じゃぁ、そのあとは……? 紅葉祭まで二週間を切ったのに――
私はこのままどうなるのだろう。ここでリタイアなのかな……。そういうの、もう嫌なのに――仕方ないのかな……。
がんばりどころを間違えるなって――なら、どこでどうがんばったら私はリタイアせずにいられるの?
コンコンコンコン――ノックの音がして唯兄が顔を出した。
「あぁ、また泣いてるし……」
唯兄はベッドまでやってくると、Tシャツの袖で涙を拭ってくれた。
「これ、湊さんから」
差し出されたのは睡眠薬だった。
「とりあえず寝ろってことらしいよ」
薬と一緒に二倍に希釈されたポカリを渡される。拒否権はない。
「俺はちょっとプレゼントを作りに出かけてくるから、帰ってくるまではいい子で寝てるんだよ?」
そう言ってきれいにウィンクする。
唯兄の手には黒い小さなノートパソコン。
いつも愛用しているのはシルバーと白いパソコンだったはずだけど……。
「いい子にしてないとプレゼントあげないからね?」
唯兄は念まで押して出ていった。
唯兄……私が今欲しいものはね、鋼みたいな身体。でも、それは現実的じゃないから、柔軟な心が欲しい。どんなことにもしなやかに対応できる心が欲しい。
たとえ途中で何かをやめなくちゃいけなくなったとしても、諦めなくちゃいけないことがあったとしても、それを受け入れられるだけのしなやかな心が欲しいよ。
我慢する心じゃなくて、それを受け入れる心が――
携帯に手を伸ばし、もう見なくてもできる操作を繰り返す。
携帯を耳にあて、低く落ち着いた声を聞きながら私は眠りに落ちる。
今日は――今日だけは、何も考えない努力をしよう。あれこれ考えるのは明日にしよう。
ひとりで答えが出せないのなら人に訊こう。空回りをする前に――
ツカサ――聞いてくれる……? 話を、聞いてくれる?
バカって言われてもいいから、阿呆って言われてもいいから、学習能力がないって言われてもいいから――
あのね、私、そこにいたいの。せめて、紅葉祭が終わるまででいいから。そこに、いたいの……。
どうしたらいいのかな……。どうしたら、そこにいられるのかな。
ツカサ、話を聞いて――
1
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる